最高の能力が欲しい

大路

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72.戦争終焉

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 長い戦争の最終局面。

 立っているのは俺と死神一族の長 ロアただ二人。

 時間の無い俺は攻撃を仕掛ける。
 ロアも総帥との戦闘でダメージが蓄積されている様  で動きに精彩がない。

「まだ上手く能力を使いこなせていない様だな。
 しかもその能力は時間制限があるだろう?」

 全てを見透かす様に言い放つロア。
 こいつは俺の能力に心当たりがある様だ。
 このまま時間を稼がれてはヤバい。
 そう思い一撃一撃全身全霊で拳を振るう。
 しかしいくらダメージがあろうと防御に徹したロアには一切の隙   が無い。

 ここに来て経験の差が邪魔をする。

 後30秒!!

「だんだんとオーラが暴れているぞ、後持って1分!
 いや30秒位か?」

 嫌らしくも正確に残り時間を言い当てるロア。
 冷静になり考えを頭に巡らす。



 !?



 不意にロアが横方向に初級魔法を放つ。
 軽い爆発音がなり立ち込める煙の中に現れたのは奈美修也、エペタム、ナンシー、小太郎君、神宮寺だった
 全員ここに来るのもやっとの状態みたいで今の初級魔法を防ぐので体力を使い果たしたみたいだ。

 あんな身体で何とか隙を作ろうとしてくれたのか・・

 後10秒

「まだ動けたのか、でも奇襲は失敗だな」

 そう言いながらロアは時間を稼ぐ様に動き出す。




 後8秒



「馬鹿にして悪かったよ!決めろよ幹部様」


 修也が大の字に寝転びながら顔だけを上げ言葉を発した!!






 !?





「20トンタックル!!」




 突然飛び出して来たのは正志!!


 後5秒!!



「まだ隠れていたのか!?」

 驚きながら正志のタックルを受け止め蹴りを叩き込むロア。


 今だ!!


 まさかの展開に俺も驚いたが虹色のオーラが集約した俺の拳は確かな感触と共にロアを貫いた!!



「継ぎ足しがーーー!!」



 謎の言葉継ぎ足しを叫びながら仰向けに倒れるロア。
 それを確認するかの様に虹色のオーラは散って行く。

 その瞬間に俺はとてつもない倦怠感に襲われその場に崩れ落ちる。

 でもやったんだ!!

 全員生き残る事が出来た!!

 安堵していると足音が聞こえて来た。
 ヤバい敵だったら全員殺される。


 ザッザッザッザッ


 段々と近づく足音!


 ザッザッザッザッ!!


 緊張しながら足音の方向に目を向ける。




 歩美さん!!


 安堵していると歩美さんが口を開く。






「予想外ですね。ロア様もう動けるでしょ?」







 えっ!?




「歩美!1221番で間違いない、殺せ!!」


 ロアの声と共に俺を持っていたレイピアで貫く歩美さん・・・




 その瞬間!?




 カッ!!



 消えた筈の虹色のオーラが俺に集約し大爆発を起こした・・・



 そこで俺の意識は途絶えた・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ロアside

「チッ!神の奴等最後まで小賢しい仕掛けを」

 歩美が悪態を吐く。

「まぁ確認は出来たし、良しとしよう」

 俺がそう言いながら立ち上がると歩美が口を開く。

「大川はしっかり殺せたんですか?」

「あぁ、でもあれは今までにない化け物だった。お陰でサンもムーンも殺されたぜ」

「貴方様にそこまで言わせるとはさすが世界最強の男ですねいや1220番ですか」

「今日は疲れた、帰るとするか世界の王の元に」

 俺と歩美が戦場を離れこの戦場に生きている者は一人も居なくなった。
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