最高の能力が欲しい

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16.サオカの街

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何気ない会話をしながら歩いていると検問所に到着した。

 太ったおっさん「奈美と確か・・・」

 奈美「直樹だよ!洋さん」

 洋さんと呼ばれる太ったおっさんがそうだったなと俺に笑いかけてくる。

 洋さん「やっぱりフリーになるんだな?」

 奈美と「そう。知ってたんだね」

 洋さん「そりゃ知ってるさ。名物受付がいなくなるんだから」

 ガハハっと豪快に笑いながらまあ気をつけろよと一言声をかけ検問所を通してもらう奈美。

 洋さん「で、能力無しのお前は何処に行くんだ?」

 奈美が何か言おうとするが目線で遮り答える。

 直樹「せめて身体だけでも鍛えようと森に行く所なんです」

  そうかそうかと頷きながら奈美のストーカーかと思ったと失礼な事を言い検問所を通してくれた。 

 デリカシーの無いおっさんだよ全く。

 その後は何も起きず修也との待ち合わせ場所のゴブリンの巣に到着した。

  道中奈美が今の直樹の強さ見たら洋さん腰抜かすのにと自分の事の様に悔しそうだった。

 修也「遅いよ二人共」

 奈美「転移のあんたと違って検問所通ってたんだから当たり前でしょ」

 修也「まあそうだけど結構待ったよ」

 そんなやり取りを見ながら約30kmの道のりをどうするか修也に聞く。

 直樹「どうやってサオカまで行くつもりだ?」

 修也「えっ走ってに決まってんじゃん」

 奈美「はあ?何時間かかると思ってんのよ‼もう夜中だし」

 確かに奈美の言う通りだ。だが修也が笑いながら15分もあれば着くと言う。

 奈美「どうやって?」

  奈美が少し苛立ちながら聞く。

 修也「いやいや直樹君と僕の足なら奈美ちゃんをおぶって走っても15分~20分では着くよ」

 奈美、直樹「あっ」

  俺も奈美も俺が強くなっている認識がまだ薄いみたいだ。

  その後俺が奈美を背負い何か奈美は恥ずかしそうにしていたが修也と共に走り出し本当に20分位でラブータに着いた。

  道中奈美が何かギャーギャー叫んでいた様な気がするが気のせいだろう。

 修也「到着」

 直樹「ふうっ速いもんだな」

 背中から奈美を降ろすと地面にへたり込みながら苦しそうにしている。

 奈美「怖かった・・・お前らフザケンナヨ」

 鬼の形相で奈美に切れられ萎縮してしまう俺ら二人は奈美は2度と怒らせないようにしようと誓った。

 まあ何はともあれ無事にサオカに着いた俺達三人。
 一目見て分かるが俺や奈美が住んでいたラーナーの街に比べサオカは大都会だ。

 夜中なのに活気がありネオンが煌々としている。

 来た事が無い俺は驚いたが奈美は普通だったので来た事があるんだろう。

 奈美「直樹!昔一緒に来たケーキ屋さんまだあるかな⁇」

 直樹「そうだねー・・・」

 どうやら一緒に来てたらしい。

 危ない危ない

 修也「ポルンの事かな?」 

 奈美「そうそう‼」

 修也「まだまだ人気店さ」

 奈美「やったー明日行こう」

 大分機嫌がなおったみたいだ。

 修也「まあ明日もあるし取り敢えず僕の自宅に今日は皆んな泊まりなよ」

 そう言って修也に着いて行く事になった。
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