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第79話:夜道の出来事(その5)(完結)

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「おれ・・・決められない」
「え?」
すみれはユキヤのモノから口を離して聞き返す。
「決められないって・・・?」
「だって・・・前も後ろも・・どっちも気持ち良すぎるし・・・」
恍惚とした顔でユキヤが言う。
(えぇ・・・そんな事言っちゃうの?!)
ユキヤの言葉にすみれの心拍数が跳ね上がる。

「・・つまり両方ともしたいしされたいって事?」
(ちょっと!?私まで何言ってるの!!)
そうは思っているが、すみれは自分で自分の口を
止めることが出来なかった・・・。
「もぅ・・・我が儘だね、君は」(あぁ、口が勝手に動いちゃう・・・)
内心ではかなり興奮しているすみれだが、
表向きは冷静を装ってユキヤの頬をツンと突いた。
「うう・・・」とユキヤは赤面する。

「・・・いいよ、両方してあげる」
(あぁ・・・言っちゃった・・・)
口調こそ余裕があるように見せているがすみれ本人も
信じられない程に胸が高鳴っていた。

(でも・・・どうしようかな?)
いつになく興奮しているユキヤを見て、すみれは考える。
こんなに興奮してるんだから、やっぱり満足させてあげたい・・・。
なにより、同時に彼の可愛い姿をもっともっと見たい。
(・・・よし)
すみれは心の中で何かを決めると、クローゼットにある道具箱を開ける。
そしてそこから何かを取り出した・・・。

「な、何それ?」
すみれが手にしているものを見て、ユキヤは少し嫌な予感がしてきた。
なぜなら彼女が持っていたのは、アナルプラグと
操作用のリモコンのような物だったからだ。

「ふっふっふ・・・これはね、ユキちゃんが
とーっても気持ちよくなれるものだよ」
すみれは悪戯っぽく笑った。
「・・・・」
彼女のその笑顔見て、ユキヤの嫌な予感は、確信へと変わった・・・。
(これ、絶対ロクでもない奴だ・・・)

しかしそうは思いつつも、彼自身その『ロクでもない物』を
心のどこかで待ち望んでしまう気持ちもあった。

「それじゃあいくよ・・・」
すみれはプラグをユキヤの後ろの穴にあてがうと、
そのままゆっくりと押し込んでいった。
プラグは何の抵抗もなく、ずるりと腸内にはいっていく・・・。
「あぅぅ・・・っ!」
その異物感にユキヤは思わず声を出してしまう。

「ふふ・・・どう?気持ちいい?」とすみれはユキヤに尋ねる。
「う・・・うん、なんだか変だけど・・・」とユキヤが答える。
彼のアナルはプラグをしっかりと咥え込み、ひくひくと動いている。
「さっきので良くほぐれてたから簡単に入ったよ」とすみれが笑う。
「・・・・・!」とユキヤは恥ずかしさで何も言えない。

「さて、こっちはちゃんと動くかな?」
すみれはそう言いながらリモコンのボタンを押した。

「ひゃぎゅっ!!」
すみれがボタンを押した途端、ユキヤの体内を微弱な振動が襲った。
「あは・・・可愛い」とすみれが笑う。
「あひっ・・・だめ・・と、とめ・・・!」
ユキヤが必死で止めるように懇願するが、そんな彼を見て
「良かった、ちゃんと動いてるみたいだね」
とすみれはニッコリと笑った。

しばらくしてすみれが指を離すと、ようやく振動が止まる。
ユキヤはホッと安堵するが
(まだまだこんなもんじゃないんだろうな・・きっと)
心の中で期待と不安が渦巻いていた。

「さて、ちゃんと動くことも確認できたし、こっちも行こうか?」
そう言ったすみれはユキヤにキスをすると、
彼の身体の上にまたがった。
「ふぇっ!?」とユキヤが戸惑う。
すみれはユキヤのモノを自分の秘所にあてがうと、
ゆっくりと腰を下ろす・・・。

「あっ・・・!」
ユキヤの口から切なげな声が上がる。
「言ったでしょ?両方気持ちよくしてあげるって」
すみれはそう言うと腰を上下させ始める。
「あ・・・あ・・・」とユキヤは声にならない声を上げる。
彼のペニスはすみれの膣壁によって優しく包まれている。

「んん、・・・どう?気持ち・・あん、いい?」と
ユキヤのモノを感じて喘ぎ声まじりに、すみれが尋ねる。
「あ、うん・・・きもち・・・いい・・・」とユキヤが答える。
すみれの身体が上下する度に堪らない刺激が彼を襲う。
そして同時に、後ろからも振動が伝わってくる。

「ひぁぅっ・・・!」とユキヤが切なげな声を上げる。
すみれが再びスイッチを入れたようだった。
彼の腸内では微弱な振動がユキヤの腸壁を刺激している。
「ふふ・・・どう?気持ちいいでしょ?」
とすみれは ユキヤに尋ねる。
「う、うん・・・きもち・・・いい、あひぃっ・・・!」
とユキヤが悶えながら答える。
彼のペニスはすみれの膣内に優しく包まれ、それが上下する度に、
甘い刺激となって、彼に快楽を与えていった。

「ひゃんっ!ひぅ・・・うぐぅぅ・・・」
前と後ろから押し寄せる快楽にユキヤの意識は飲みこまれていく・・・。
「あぅん!ユキちゃんの・・・ギンギンで・・気持ちいいよぉ・・」
すみれはユキヤの上で淫らに腰を動かし続けている。
そしてその手にはリモコンが握られていた。

「・・・じゃ、ちょっと気分変え・・るね・・?」
すみれは興奮気味にそう言いながら別のボタンを押した。
「ひぎゃうぅぅっ!」
その瞬間、ユキヤの中に強い刺激が走り、
これまでになく大きく叫んでしまう。
(い、今の・・・振動とは明らかに・・・違う!)
「う、うう・・・あぎぃぃ・・!」
ユキヤが苦悶の表情を浮かべる。

「な・・なに・・これぇ・・・」
ユキヤの腸内が今までとは比べ物にならない程、強い刺激で苛まれる。
「ええとね・・・電流だって」「?!」
すみれの言葉を聞いてユキヤは思わず目が点になる。

「あ、でもそんなに強い奴じゃないから・・・」
すみれはそう言うと、再びボタンを押した。
「ひぎっ!うあぁ・・・!」とユキヤが声を上げる。
今までとは比較にならない程の刺激に、
思わず涙が流れてしまう・・・。

容赦なく押し寄せる刺激と快感に、
ユキヤは何も考えられなくなっていた。
「ひぅっ!ひゃぐぅ・・・あふっ!」
理性はどこかに吹っ飛び色んな感情に埋め尽くされて、
自分でも何が何だか分からない・・・。

「ユキちゃん・・・今ね・・あんっ!しゅごく・・ンンッ!
いい顔・・・してるよぉ・・ああん!」
上で腰を振りながらすみれも興奮していた。
「あ・・・あぅ・・・」とユキヤが言葉にならない声を発する。
最早、まともな言葉を返す事すらできない状態だった。

「あとで・・ビデオ見るの・・楽しみ・・・だね!」
すみれはそう言うと嬉しそうに笑った。
そして彼女のセリフが終わるか終わらないかの時、
凄まじい刺激がユキヤを襲った・・・。

「うぐっ!いあぁぁぁっ!」
その瞬間、悲鳴に近い声と共に彼のモノからすみれの体内に
白い液体が勢いよく噴射される。
「あぁ・・・ユキちゃんの・・・すごく・・熱いよ」
と体内ですべてを受け止めたすみれがうっとりとした顔で言う。
「ひぐ・・・ひぐっ・・・」
ユキヤは的に返事が出来ない。

「ユキちゃん?」
すみれが心配そうにのぞき込む。
「あ・・・ごめん。いつの間にかメモリが「強」になってた」
とすみれは慌ててスイッチを切り、申し訳なさそうに言う。
「・・・」
ユキヤは放心状態で返事ができない。
「ごめんね・・・大丈夫?」
すみれがユキヤの頬を撫でる。
ユキヤは荒い息で辛うじて返事が出来た。
「・・・うん」

返事はしてみたものの、頭の中は真っ白なままだ。
というより、考えたくても考える力すら出てこない・・・。
「・・・ふふ」
そんなユキヤの姿を見てすみれがクスリと笑う。
「ねぇ、ユキちゃん。私ね、今とっても幸せだよ」
とすみれはユキヤの頬をそっと撫でながら言う。

「バカだけど、私を心配してくれて、多少の無茶もするけど
それでも私の事を思ってくれて、そしてこんなに
可愛く鳴いてくれる・・・
そんな人が私の好きな人なんだなって」
そう言いながらすみれは笑顔になる。
(なんかいくつか引っかかる言葉があるような気が・・・)
ユキヤはぼんやりする頭でそんな事を考える。

「さっきは怒っちゃったけど、少しは嬉しかったんだよ・・・」
すみれがユキヤの耳元で囁く。
「え?」とユキヤは聞き返す。
「ああは言ったけど、私を一番に思っての事だったんだもの」
とすみれは嬉しそうに言う。
「・・・」
ユキヤは照れて何も言えなくなってしまう・・・。

「でもそれをそのまま言っちゃうと、君の場合すぐ調子に乗るからね」
すみれはそう言うと、手を伸ばしカメラを止める。
「だからね、ちょっとだけお仕置しちゃった」
すみれはそう言うと、カメラを棚の上に置き、ユキヤの横に寝転んだ。
そしてユキヤの身体を抱き寄せた。
「ふえっ?」とユキヤが驚いた声を上げる。

すみれは彼の身体をギュッと抱きしめた。
「ふふ、君の恥ずかしいところ一杯撮れちゃったよ」
とすみれがユキヤに囁く。
「なっ・・・!?」とユキヤは絶句する。

「・・・変な想像しないでね。私だって一緒に映ってるんだから」
すみれは苦笑いしながらそう付け加えた。
「あ・・・」
「それにこんなの勿体なくて他の人になんか見せられないもの」
そう言うとすみれはユキヤの唇に自分の唇を重ねる。

「むぐっ!」とユキヤが声を上げる。
そしてそのまま舌を入れてきた。
「んちゅ・・・んん・・・」
しばらく二人の舌が絡み合う・・・。
やがてどちらからともなく唇を離した。

「大好き・・・」
すみれがユキヤの枷を外し、再び彼を抱きしめる。
「うん・・・俺もだよ」
ユキヤもそれに応える様にすみれを抱き寄せた。
(でも流石に今回みたいのは時々にしてほしい・・・)
と、彼は心の中で切実に思った。

***

「ねぇ、すみれちゃん」
数日後、すみれはバイト先の塾で生徒の女子に声をかけられた。
「だからせめて『先生』って付けてね」
とすみれが苦笑いをする。

「別にいいじゃん、みんなそう呼んでるし」
と中学生は悪びれることなく言った。
「・・・まぁ、いいけどね」
すみれはやれやれといった感じで肩をすくめる。
(親しまれ過ぎてるのも考えものかなぁ・・・)

「それよりさ、例のこの辺うろついてた変態、捕まったんだって!」
「え?そうなの?」とすみれが驚いた様子で言う。
「うん!なんか巡回してた警察の人が鉢合わせして、
捕まえたんだって!」
「へ~、そうなんだ」
とすみれは少し安堵した声で言った。

「でもそっちは捕まったからいいんだけど・・・」
ここで女子がちょっと不安げな顔をする。
「え?」
「・・・なんかそれと入れ替わりに
別の変な人の噂立ってるんだよね」
「変な人?それって変質者の類とか?」
とすみれが尋ねる。
「ううん、そういうのじゃなくて・・・。
オバケというか・・・なんか都市伝説みたいな感じなんだけど」
女子も表現に少し困っている。

「都市伝説?」
「うん、なんかね・・・
裸にコートだけ着て人とは思えない速さで走り抜ける男が
この辺りに出没したって」
女子の言葉に、すみれがピクッ、と反応する。
「・・・はい?」
「最近この辺りに出没して、目撃した人もいたらしいんだけど・・・」
「・・・・・。」
すみれは引きつった笑顔のまま無言になる。

「・・・へ、へぇ~そうなんだ・・・」
なんとか平静を装って返事をする。
(あのバカ!しっかり目撃されてるじゃないの!!)
心の中で思いっきり叫んでしまう。

「あ、あの・・・すみれちゃん?」と女子が心配そうに言う。
「え?あぁ!うん!なんでもないよ!」
慌てて笑顔を繕ってそう答える。

「なんとなくだけど・・・それはもう・・
出ないような気がするなぁ・・・」
すみれはしどろもどろにそう付け加える。
「そうなの?まぁ、それならいいんだけど・・・」
女子は納得いかない様子だったが、
それ以上突っ込んで聞いてこなかった。

「さ、さ、そろそろ授業だから早く教室行こうね」
すみれはごまかすように女子を教室に行くよう促すと、
自分もそれに続いた。
(まぁこんなくだらない噂、すぐに消えるとは思うけど・・・)
そしてすみれ自身気にしないようにした。

が、しかしそんなすみれの思いに反して、この噂はその後も
近所の小中学生の間でまことしやかにささやかれ続け、
その間に尾もヒレもつき続けて、町内で有名な都市伝説となり
長期にわたって語られ続けていくのであった・・・。

おわり
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