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第45話:冗談じゃない!(その2)

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「あーその噂、君のところにも届いてたんだ・・・。」
すみれは困った顔でため息を吐いた。
「まぁ、例によって根も葉もない話だから
放置してもいいんだけどさ。」
ユキヤもちょっと呆れ気味に言う。

その夜、二人はベッドの上で例の噂の話をしていた。

「・・・一応言っとくけどさ」
ユキヤがそう言いかけると
「大丈夫、そんな噂、信じてないし」
すみれがそう言って笑う。

「だよな・・・」
ユキヤもそう言って笑い返した。
(・・・この笑顔を見れるのは俺だけだし)
そんな事を思い、思わずにやりとする。
「・・・何?」「いや、なんでもない」
慌てて誤魔化そうとするが時すでに遅し・・・。

「・・・ふふ、もしかして私がヤキモチ焼くと思った?」
「う・・・」
ユキヤは照れ臭そうにすみれから視線を逸らす。

「あ、図星だね・・・ふふっ」
そう言ってすみれはユキヤに寄り添った。
(こいつのこういうところがな・・・。)
彼女のこの少し余裕のある笑みが、
余計に彼を惹きつけて離さない。

普段はおっとりとマイペースな彼女だが、
時折見せるこの嗜虐的な表情がユキヤには
たまらない魅力になってた・・・。

「まったく、君って本当に可愛いよね」
すみれはそう言ってユキヤにキスをした。
「ん・・・」
二人はそのまま抱き合うとベッドに倒れ込み、
何度もキスを繰り返す。
(やっぱりこいつには敵わないな・・・)
そしてされるがままにユキヤは服を脱がされる。

「じゃあこうしちゃうね。」「?!」
そう言うとすみれは、ユキヤの首輪と手枷の鎖を繋げてしまう。
「ちょ・・・!」
彼の両手首は首輪の前10㎝程で固定されてしまった。
「ふふ、お腹見せて寝てる猫みたい」
すみれはユキヤのお腹をくすぐるように撫でる。

「ちょ・・・やめろって!」
思わず身をよじるが、両手の自由を奪われた状態では
思うように動けない。
「じゃあ次はこれね」と彼女は言って、
今度は両足の枷も繋げてしまう。

(こ・・・こいつ)
ユキヤは思わず絶句する。
そんな彼の姿を見て、すみれは自分も服を脱ぎながら
くすくすと笑った。

「ほら、乳首立ってきちゃった」
そう言いながらすみれはユキヤの両乳首を軽く摘まんだ。
「ひぐっ・・・!」
その絶妙な指使いに思わずユキヤの口から声が上がる。

「ふふ、可愛い声出しちゃって」とすみれはからかうように言った。
「お、お前なぁ・・・」
(まずい・・・こいつ、完全にスイッチ入ってやがる・・・)
ユキヤは観念して大人しくする事にした。

「・・・あれ、今日は抵抗しないの?」
すみれは意外そうな顔をしてユキヤを見つめる。
「お前がその気なら付き合うさ」と彼は諦めて苦笑した。

「そう、それじゃ、たっぷり楽しませてもらおうかな・・・」
とすみれは妖しく笑うと彼の耳にそっと息を吹き込んだ。
「あぅん・・・」と思わず声が出る。
(ちょっと考えなしだったかも・・・)
ユキヤは先ほどの言葉を早くも後悔していた。

「ふふ、耳も弱いんだよね」
すみれはユキヤの反応を見て嬉しそうに言うと、 
今度は舌を這わせて耳を舐めた。
「ああっ・・・あふぅっ!」

(くそ、こいつマジで俺を好き勝手に弄びやがって)
耳から来るゾクゾクとした感覚に
身を震わせながら心の中で悪態をつく。

そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、
彼女はさらに攻めを加速させる。
「ユキちゃんの弱点は全部お見通しだからね♪」
すみれはそう言いながら、今度は首筋に舌を這わせた。

「くぅぅ・・・」と思わずユキヤが声をあげる。
「あははっ♪いい声・・・」
そう言うと彼女はそのまま耳舐めを続ける。
ピチャピチャという水音が脳に響くようで
頭がボーっとしてくる・・・。

ひとしきり舌で弄んだ後、首筋から唇へ戻って来ると
すみれは再び熱い口付けをする。
同時に両方の手で乳首を転がしたり、
爪を立てたりするものだから堪らない。

「ひぅっ!・・・ふぁうぅん・・」
まるで全身が性感帯になってしまったようだった・・・。
「ふふ、ここもこんなにおっきくしちゃって・・・」
そう言ってすみれはユキヤの股間を撫でる。

「ひゃんっ」
という変な声が出てしまった。
「じゃあ次はこっちも♪」すみれはそう囁くと、
ユキヤの耳の穴へ舌を入れた。
「ああ・・・ダメだ・・・ダメだってば!!」
全身で快楽を享受してしまう。頭が真っ白になってゆく・・・。

(ううう・・!)
もう自分の意志ではどうしようもない状態が続く。
彼の肉棒はすでに大きく膨れ上がり、
その先からは先走り液が溢れ始めていた。
「ふふ、先っぽすごいよ」
そんな様子を見てくすりと笑う。

「こんな風にしたらもう出ちゃいそう?」
すみれがそう言いながら、
指でペニスの根元から先までをそっとなぞった。
「はぅぅ・・・」
その刺激でユキヤの腰がびくんと震える。
「でももう少し我慢しようね」
と彼女は耳元で言うと、今度は乳首をそっとつねった。
「あぐぅ・・・」
さっきとはまた違う快感に、
思わず声を上げそうになるがなんとか堪える。
「ふふ、お〇ん〇んプルプルさせちゃって・・・かわいい」

クスッと笑いながら今度はペニスの先端を手でつかむ。
「ひぅっ・・・や、やめてくれ、頼む、もう無理!」
限界が近いのか、彼は懇願するような目で訴えた。

「あれぇ、まだお〇ん〇ん殆ど触ってないのに、
もうそんなになってるの?」
意地悪くそう言うすみれに
「うぅぅ・・・」とユキヤは恥ずかしそうに呻く。
「ふふ、でもまだダメ♪」
そう言ってすみれは彼のペニスをぎゅっと握った。

「ひゃうっ!」と思わず声が出る。
そんな彼の様子を見て、すみれは楽しそうに笑った。
「あははっ♪本当に可愛いなぁユキちゃんは」
(悔しいけど・・・気持ちいい・・・!)

屈辱的な状況に歯ぎしりするが、
この状況を心のどこかで受け入れている自分もいる・・・。
(あぁ、俺は・・・・!)

それからしばらく焦らすように亀頭の部分を手で弄ぶ。
そうしてる間に、ユキヤの顔からはますます余裕がなくなり、
脂汗が出てきた。

「ね、ねぇすみれ・・・」「何?」
「お願い・・・もう、本当に限界・・・」
ユキヤは泣きそうな声で訴える。
「ん?何が限界なの?」とすみれがとぼけて言うと、
「・・・ち〇ぽしごいて欲しいです・・・」とユキヤは言った。

「ふふ、やっと素直になってきたね」
彼女は満足そうな笑みを浮かべると、
ゆっくりと彼のペニスをしごく。
「はぅん・・・!」焦らしに焦らされたお陰で、
思わず声が出てしまう程の快感が彼を襲う。

(あぁ・・・出る!気持ちいい・・!)
「あぁっ!ああ・・・あぁぁ・・・!」
もう射精寸前だったペニスはドクドクと脈打ちながら、
ベッドに敷かれたペットシートの上に
大量の精液をまき散らした。

「はぁ、はぁ・・・はぁはぁ・・・」
ユキヤは汗だくになって呼吸を荒げていた。
「ふふ、いっぱい出たね」とすみれは微笑みながら言った。
「・・・・だ、誰のせいだと思ってんだよ」
ユキヤは少し悔しそうに文句を言う。

「でも気持ち良かったんでしょ?」
「うぐっ・・・!」彼は言葉に詰まる。
「あはは、君は可愛いなぁもう」
すみれはユキヤの頭を撫でると、頬に軽くキスをした。
(くぅぅ・・・!)
悔しさ半分、嬉しさ半分といった様子で歯ぎしりする彼を見て、 
すみれは再びおかしそうに笑うのだった・・・。

***

それから何日か経った朝、大学の講義室で
席に着いている松葉姉妹に、友麻の友人・東雲香(しののめかおり)が声を掛けた。
「結衣さん、友麻ちゃん、おはよう」
「あら香ちゃん、ごきげんよう」
「東雲さん、ごきげんよう」
姉妹はそれぞれ香に挨拶する。

「ねぇ友麻ちゃん、その・・・3年の先輩寝取ったって
噂を聞いたんだけど・・・?」
「・・・その質問、貴女で5人目ですのよ。」
香の質問に、友麻はうんざりした顔で返事をする。
「あはは・・・そうなんだ・・・ごめん」
と香は苦笑した。
「困ったものですわ・・・」友麻はため息を吐く。

「大丈夫、私は友麻ちゃんが
そんな事をする子じゃないのは分かってるから。」
香はちょっとだけ真面目な顔で言う。
「・・・そう言っていただけで、ありがたいですのよ。」
友麻も安堵した感じで返す。

「だから言いましたでしょう、分かる方にはわかって頂けると。」
結衣が微笑みながら友麻にいう。
「はい、その通りでしたわ。」
友麻は結衣に同意する。

そんな友麻を見て結衣はさらに続けた。
「噂など一時的なものですわ。しばらくすれば皆様忘れます。
他のもっと目新しい話題が出たら、たちまち掻き消えますわよ。」
「人の噂も七十五日っていうしね。」
結衣の言葉に香も続いた。

「・・・でも七十五日は少々長過ぎな気もしますの」
友麻はまたうんざりした顔を見せた。

「はは・・・まぁ、確かに長いか、要は2カ月以上だもんね。」
と香はまた苦笑しながら言った。

「本当に困ったものですのよ・・・
おかげでこの前借りた本も返せずにいるし、
更にその続きの本も借りられないし・・・」
友麻はユキヤから借りた本を取り出して再度ため息を吐く。

「友麻ちゃん、クトゥルフ神話なんか読むの?!」
香が本の表紙を見て意外そうに驚く。
「最近興味が湧いて借りたのです・・・。
でもせっかく面白くなってきた所なのに、続きを読みたくても
この噂のせいで会うのを控えているところですのよ」
友麻はまたため息を吐く。

「あ、そういう友達なんだ・・・」
「ただの趣味の友達なのに、異性というだけで
そういった関係を疑われるなんて
迷惑以外の何物でもありませんのよ。」
友麻はそう言って不満をあらわにする。

「あらあら、では堂々と会ってみてはいかがですか?」
不機嫌そうな友麻に対して結衣がそう進言する。
「堂々・・と?」
結衣の言葉に友麻は不思議そうに首を傾げた。

つづく
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