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第40話:君も気持ち良くなってほしい(その1)

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すみれとユキヤの夜の生活が逆転して早数ヶ月。
この春から同棲も始めており、
夜の生活の主導権は相変わらずすみれにあるものの、
二人の仲は順調だった。

同棲前からも、すみれがユキヤを調教してきたおかげもあり、
 最近ではユキヤは行為中、すみれに絶対服従のような状態である。

そんな今日も、二人は仲良く過ごしていたのだが……。
「んふふ~♪ユキちゃん可愛いなぁ~♡」
「んぁ……。すみれぇ……」

ユキヤは今、手足を拘束されて身動きが取れなくなっていた。
これは、もはや定番となったプレイである。
「もぉ~♡ユキちゃんは本当に可愛いんだから♡」
そう言って、すみれはユキヤの頭を撫でる。

「新しい首輪はどう?」
「どうっていわれても・・・」
「あ、ちゃんと似合ってて良かった。」
新しい首輪には鈴がついていた・・・。
彼が身体を震わせる度にチリチリと音が鳴る。

すみれはユキヤが縛られて動けないのをいいことに、 
ユキヤの可愛らしい無毛の身体をいやらしく撫で回す。
「んっ……。すみれぇ……」
ユキヤはくすぐったそうに身をよじるが、
手足を拘束されているため逃れることができない。

「ふふっ♪ユキちゃんの身体って
本当にすべすべで気持ちいいよね♪」
今のユキヤの身体の首から下は
ほぼすべての体毛が存在しない。
脚もツルツルで、腕や手も例外ではない。

「うぅ……恥ずかしい……」
「ふふ♪恥ずかしがってるユキちゃんも可愛い♪」
勿論これらはすみれの言いつけで処理させられている。

「ここも子供みたいでかわいいし」
すみれはそう言って無毛の股間を触ってくる。

「・・・んっ!」
そこはユキヤが浮気を繰り返していた頃に
罰として彼女に脱毛させられて以来、ずっと無毛のままだ。
「ユキちゃんは毛が無い方が可愛いよ?」
「うぅ・・・」
そんなことを言われても嬉しくない。恥ずかしいだけ・・・
とは思うものの、彼女に独占されている証と考えると、
何とも複雑な気持ちになる。

(・・・元はといえば、俺の浮気癖が原因だったんだんだし・・・)
ユキヤは、諦めに近い気持ちで自分の過去の行いを悔やむ。
確かに付き合い始めは二人ともごく普通の恋人同士だった・・・。

しかし、付き合い始めてから数ヶ月経った頃から、 
すみれはユキヤに浮気をさせないためと称して
精神的にも肉体的にも支配をし始めた。
そして、今の関係に至る・・・。

「ユキちゃん・・・♡」
すみれはユキヤの身体に舌を這わせる。
「ひゃっ!?」
「ふふ♪可愛い声出しちゃって♪」
「うぅ・・・」
すみれはユキヤの身体を舐めるのをやめない。
(あぁ……また始まるのか……)とユキヤは思う。

「あぁんっ」
すみれからの愛撫に反応する度にまた首輪の鈴が鳴った・・・。
「ふふっ♪ユキちゃんって本当に敏感だよね♪」
「うぅ……すみれぇ……」
「ん~?どうしたの?」

(意地悪な顔してやがる・・・)
すみれは、ユキヤが恥ずかしがっている姿を見るのが好きなのだ。
そして、その反応を楽しむために
わざと恥ずかしいことを言わせようとする。

「・・・もっと・・・して・・・」
と恥ずかしそうに言うユキヤ。
そんなユキヤを見て満足そうに微笑むすみれ。
「うんっ!任せて!」そう言って再び愛撫していく。

「あぅっ・・んん・・・はぁん・・・」
(こいつ、いつも俺の弱いところを的確に責めてきて・・・)
と思いながらもされるがままになっているユキヤ。

すみれはユキヤの肌を存分に楽しんだ後、
ユキヤのペニスを口に含んだ。
「あぁん・・・♡はぁ・・・すみれぇ・・・」
ユキヤは顔を真っ赤にして喘ぎ声を上げる。
「じゅぽ・・・くちゅ・・・んん・・・」
すみれはゆっくりと口を動かし始める。

「あぁっ!すみれぇ!それだめぇ!」
「ふふっ♪ユキちゃんって本当可愛いなぁ♡」
そう言って今度は玉袋の方も口に含んで舌を動かしていく。
「ひぎゃっ!」

すみれの予想外の動きにユキヤの口から
情けない声が漏れてしまう。
「あはは!ユキちゃん変な声出ちゃったね♪」
「だってお前・・・」
ユキヤは顔を赤くする。

「でも、ユキちゃんはここ好きだよね?」
そう言いながら再び舐め始める。
(うぅ……好きじゃ……ない!でも・・・気持ち良い)
しかし、身体は素直に反応してしまう。

こうしてユキヤは散々責められ続けて、
彼の声と拘束具の金属音、そして首輪の鈴の音が、
夜の寝室にいつまでも響き続けるのだった・・・。

***

・・・とまぁこんな感じで、やや不本意ながらも
すみれにされるがままの日々を送るユキヤであったが、
最近ふと思うところがあった。

それは『すみれをああしてしまったのは自分なのでは?』
という事だった。
(だってもともとは俺の浮気を防止するために
始めたことだって言ってたしな・・・)

その結果すみれはSの才能を開花させてしまい、
自分の身体はそのために色々と開発されてしまっている・・・。
「うーん・・・」と悩むユキヤ。
(もし俺が浮気をしなかったら
二人の関係は普通のままだったのか・・・?)
「ユキヤどうしたの?」とすみれが話しかけてきた。
「いや、なんでもないよ」と誤魔化すユキヤ。

(じゃあやっぱり、あいつを目覚めさせる
きっかけを作ったのは俺・・・?!)
そんな考えが彼の脳裏をよぎった。
「また何か悩み事?」
「いや、大丈夫だから」とユキヤは笑って誤魔化した。

(でも、そうなると俺は・・・)
夜の生活が逆転して以降、
すみれはユキヤの性癖を歪めてしまった事を重々理解し、
『責任を取る』と称して、あらゆる手を使って
ユキヤを気持ち良くさせてくる。

(俺はSとしてのあいつに、
なにをしてやっただろうか・・・?)
自分はいつもすみれにされるがままだ・・・。
もっとも、毎回手足を拘束されているので、
仕方ないところもあるのだが。

しかし無駄と分かっていても、すみれに気持ち良くなってもらおう
と頑張ってみたことも何度かあった。

それは恋人として、彼女として思う気持ちからだった。
しかし最終的には彼女に気持ち良くさせられてしまう。

(でも俺はあいつの性癖に、応えられているのだろうか?)
「うーん・・・」ユキヤは悩む。
そして、彼はある答えに行き着いた。
(そうだ・・・!)

***

「・・・で、なんで俺にそんなこと聞くんですか?」

翌日、ユキヤは大学で後輩である黒川に聞き込みをしていた。
「いやぁ、ご主人様への忠誠心の高いペットとしての黒川くんは
一体ご主人様たちのために何をしてあげてるのかなって?」
ユキヤは妙に明るい口調で彼に話しかける。

「それじゃ褒めてるのかバカにしてるのか分かりませんよ・・・。」
黒川はそう言いながらため息を吐いた。

大学内では知られていないが、黒川は松葉姉妹のペットである。
「まぁ、褒め言葉だと思ってくれ」
「はぁ・・・」
(一体どういうつもりで聞いてきてるんだ?この人は・・・。)
黒川は訝しげに思う。

とはいえど、彼にとってユキヤは、
自分の主人である松葉姉妹の友人であるすみれの彼氏であり、
そして自分たちの秘密を知る数少ない存在である。
ここで不興を買ってはマズいので、
適当に相槌を打ちつつ対応する黒川。

「あ、そっち方面でに何をしてるのとか、
そんなに具体的な事でなくていいからさ。
ただ・・・心得ている事かそんな感じで。」
ユキヤもユキヤで、いまいち質問内容を整理できていない。

「うーん・・・そうだな・・・」と黒川は考える。
(答えるのが難しいな)
そしてしばらく考えた後口を開く。
「まぁ、第一に主人・・・
お二人を信じているという事でしょうか。」
黒川は当たり障りのない答えを返す。

「信じる?」
「はい、主従関係というのは、
まずお互いを信頼する事で成り立つ・・と。」
「なるほど。」
ユキヤは黒川の答えに頷く。

「お互いを信じていればこそ、どんな事をされても
全力で受け止めようと思えますし、
相手・・・主人の方も思い切り攻めることが出来るわけです。」
黒川は丁寧に答えた。

「なるほど。確かにそうかもな」と納得するユキヤ。
(確かにすみれはいつも全力で俺を気持ち良くしてくるけど・・・)
とユキヤは思う。

「あと・・・これも・・・なんですが・・・」
黒川は話しながら口ごもる。
「ん?どうした?」とユキヤが聞き返す。
「いえ、その・・・主人をどこまで・・・
その・・・愛せるかとか・・・」
黒川は恥ずかしそうに顔を赤くしながら話す。
「あ・・・」
ユキヤは黒川の言いたいことを理解した。
(つまり、すみれをどこまで好きになれるかってことか・・・)

「まぁ、そ、そういうことです」と黒川は
赤くなりながら俯いてに答える。
自分で言ってて恥ずかしくなってきたようだ。

「なるほど・・・」とユキヤは納得する。
(確かにそれは大事だな・・・。)
黒川の意見はユキヤにとって非常に参考になるものだった。

「ありがとう。参考になったよ」とユキヤが礼を言うと、 
黒川は照れた様子で「いえ、こちらこそ・・・」と答えた。

「・・・あの、どうして俺にこんなこと聞くんですか?」
黒川は先ほどと同じことを質問する。

「ん、別になんてことはない。あの子たちが
お前の事をいつも自慢するからだよ。」
ユキヤは事も無げに言った。
「?!」
黒川が一瞬固まる。
「だっていつも言ってるぜ。
『あの子は可愛くて従順ないい子だ』ってさ。」
そう言ってユキヤはニヤリとする。

「・・・そ、それってどういう・・・?」
黒川は動揺しながら聞き返す。

「気に入られてるって事だろ。お前がご主人様たちに」
「!!??」
ユキヤの一言を聞いた瞬間、彼は耳まで真っ赤になった。

「そ、そうですか・・・」と黒川は俯いて照れながら答えた。
(こいつ・・・こういうキャラだったっけ?)
ユキヤは若干引きつつ思った。

「まぁ、その・・・なんだ・・・頑張れよ」
ユキヤは黒川の肩をポンと叩く。
「・・・はい。ありがとうございます」
黒川は複雑な表情で礼を言った。

(あのいけ好かないナンパ男がここまで変わるもんかね・・・)
ユキヤは黒川の変わりように驚いていた。
(これがあの子たちの『躾』の賜物ってやつか・・・?)
彼は感心したように黒川を見ている。
「な、なんですか?ジロジロ見て」
「あ、すまん・・・」

「まぁ、色々参考になったわ、ありがとうな。」
とユキヤは黒川に礼を言った。
「いえ、こちらこそ・・・」
黒川は再び照れ臭そうに答えた。

「じゃあ、ご主人様によろしくな。」「ちょ・・・!」
ユキヤはニヤリとしながらそう言うとその場を離れた。

そんなユキヤの後ろ姿を見送りながら
(茶木先輩のところは、特に心配ないと思うんだけどな・・・)
そんな事を考えていた。

・・・と、こんな話をしていた彼らであったが、
松葉姉妹の下僕である黒川が、
彼女たちにこの事を話さないわけはなく、
姉妹を通してこの話はすみれに伝わってしまうのであった・・・。

つづく
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