双子の令嬢姉妹の専属ペットになった俺は今日も二人の足の下にいる。

桃ノ木ネネコ

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第25話:友麻様はみんなのために頑張りたい!(その3)

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「東雲さん!」大学の通路を歩く香に友麻が声を掛けた。
「あ、友麻さん」香は足を止める。
「あの・・・元気がないようですけど、何かありまして?」

友麻は先程黒川に香の事を頼んだが、
実際に二人のやり取りを聞いてはいなかった。
なので二人がどうなったのかは知らない。
「えっと、その・・・」香は言い淀む。

(文月の奴・・・ちゃんと伝えたのかしら?)
友麻は不安になるが、とりあえず香に聞いてみる事にした。
「何かありましたの?」
香は少し間を置くと、ゆっくり口を開いた。
「・・・私の恋、終わっちゃいました。」
「え?」
友麻は香の言っている意味が分からず、聞き返してしまう。

「黒川先輩に好きな人がいるって・・・。」
そう言って笑う彼女の顔は悲しげだった。
(・・・あのバカ!)友麻は思わず心の中で悪態をつく。
(あれほど悲しませるなといいましたのに・・・!)
しかしそれは声に出さないようにぐっと我慢する。

「でもいいの。先輩の本当の気持ちが聞けたし。
私の質問にあんなに真面目に答えてくれて、
ビックリしちゃった・・・」
香は精一杯の笑顔で言う。
しかし、それは誰が見ても無理をしていると分かるものだった。
「・・・。」
友麻は香の悲しげな笑顔を見て、何も言えなくなってしまう。

「・・・ああいう人でも、あんなにひたむきに
誰かを好きになれるんだなって。」
(ひたむきに・・・ですか)
友麻は香の言葉に何も返せなかった。

「・・・あんなに愛される人ってどんな人なんだろうね?」
香は空を見上げながら、呟いた。
「私は・・・あんな風に誰かを好きになれるかな?」
「・・・。」
友麻は何も言えなかった。

「じゃあ、私そろそろ行きますね」
香はそう言うと、友麻に一礼して去って行った。
(どうしましょう・・・)
友麻は一人考える。


***

「ふふ、私がいない間に面白い事をしていたのですね。」
その夜、ここ数日風邪で寝込んでいた結衣は
自室のベッドの上で友麻の話を聞いていた。
「笑い事じゃありませんのよ。」
ベッドの横に座る友麻は溜息をつく。

「私は余計なことをしてしまいましたのかしら・・・」
話しながら友麻は珍しく肩を落としていた。
「いえ、そんな事はないと思いますわよ」
結衣は優しく微笑むと友麻を慰める。
「そのままでしたら、東雲さんはずっと想いを胸に秘めたままで、
自分から前に進めなかったはずです。」

「・・・そう思いたいですわ。」
姉の言葉に少しだけ元気が出た友麻は俯く。
「それに、文月も彼女の想いを分かっていたからこそ、
きちんと今の自分の気持ちを返したのだと思います。」
結衣が聞くと、友麻は小さく頷く。「そうですのよね・・・。」
友麻は更なる結衣の言葉で少し落ち着いたようだ。

「ところで文月の方はどうしたのです?」
「ええと、その・・・」
友麻は言い淀む。「?」結衣が不思議そうに首を傾げる。

「・・・あの子には『50点』と評価をしてしまいましたの」
友麻は少しすまなそうに言う。
「50点?」
「はい・・・与えた役目の『後腐れなく交際できない事を伝える』
は遂行出来ましたが、もう一つの『悲しませないように』
は出来ておりませんでしたから。」

「友麻、それは無理というものですよ。」
結衣は苦笑する。

「誰も傷つかない恋愛など存在しません。
あなたも今日それが分かったでしょう?」
結衣は諭すように言う。「・・・。」友麻は無言で頷く。

誰かを好きになれば、
自分たちの知らないところでほかの誰かが傷つく・・・。
まさに今日見てきた光景だ。「そうですわね・・・。」
「その事で彼を責めてしまうのは酷というものですわ」
「・・・。」友麻は黙ったまま俯いている。

「あの子は、彼女の想いに真剣に向き合って返事をしたのです」
結衣が優しく諭すように言った。
「だからこそ東雲さんも、多少無理をしてでも
ご自分で納得しようとしたのですよ。」

「・・・。」友麻は黙って聞いている。
「文月が彼女を傷つけないように、きちんと向き合って返事をした。
それは間違いありません」
「・・・そうですわね」友麻はやっと顔を上げた。
「だからもう、それ以上自分を責める必要はありませんわ。」
結衣は優しく微笑みかけた。

「・・・明日、文月に謝らないと」
友麻は申し訳なさそうに呟いた。
「彼に申し訳ないと思うのでしたら、私にいい考えがありますわ」

結衣はニコリと微笑むと、友麻にある提案をした。

***

「・・・で、こういう事になりましたの。」
「ど、どういうことですか・・・?」
「私も病み上がりですからね。本日は友麻がメインで
お前を責めることになりましたわ」

「そ、そんな・・・」
調教台に固定された黒川は絶望的な表情を浮かべる。
「あらあら、そんなに怯えなくても良いのですよ?」
結衣は微笑む。そして・・・。
「・・・それに最近私が臥せっていたせいで、お前もご無沙汰で
その身体に色々と溜まっているものと思いますわ。」
そう言って結衣は妖しく微笑んだ。

「先日の非礼を詫びる意味で、私も誠意を込めて、
お前を喜ばせようと思いますのよ」
姉妹が口々に言う。

ここはあれから数日経った、松葉家の地下室。

結衣がようやく回復したので、3人は調教を再開していた。
そして、先日の黒川への非礼を詫びたいという友麻に結衣が、
「彼に申し訳ないと思うなら、あの子の一番喜ぶことをしましょう」
と提案したのだった。

「ま、待ってください・・・!」黒川は焦る。
「あら?そんなに怯える必要はありませんわ」結衣が妖しく微笑む。
「今日の進行は友麻に任せますわ。期待していますよ。」
「はい、お姉さま」
「そんな・・・!」黒川は絶望の表情を浮かべる。

「ふふ、この前はごめんなさいね。
でもそんなに怯えなることはありませんのよ?」
友麻が妖しく微笑む。
(こ、怖い・・・!)
黒川にはこれから行われる事が容易に想像できた。
そして・・・。

「・・・さぁ、始めましょう」

友麻のその言葉と同時に、黒川は期待と恐怖に震える。
「あらあら・・・もうこんなに大きくして」
黒川の股間を触りながら、友麻が嬉しそうに言う。
「・・・っ!」
黒川はその刺激に思わず反応してしまう。
彼の両手首は首輪の前で固定され動かせず、
両足は大きく開かされ、閉じれないように拘束されていた。

「ふふ、その格好とってもお似合いですのよ」
黒川は羞恥に震えるが、それでも身体は正直な反応をしてしまう。
そんな黒川を愛おしそうに見つめなから言うのは、 
今回の責め役である友麻だ。
「でも、もうこんなにしているんですものねぇ」
そう言いながら彼の股間を撫で回した。
「ああ、うぅ・・・」
黒川は恥ずかしさに耐えられず、俯いてしまう。
「そんなに恥ずかしがる事はなくてよ?」
そんな黒川を見て微笑みながら結衣が声をかける。
「う・・・。うぅ・・・。」

しかしここで悶える黒川の胸に痛みが走る。
「痛っ!」
黒川が自分の胸に目をやると、
両乳首に鎖の付いた洗濯バサミがあった。
「初めのご挨拶代わりですのよ」
「う・・ぐぐぐ・・ぅぅ」
予期しない痛みにうめき声をあげる。

「あら、痛かったですか?なら外しますのよ」
友麻はそう言うと、洗濯バサミをつなぐ鎖を乱暴に引っ張り、
両乳首から一気に外した。
「ふぎゃっ!」
黒川は強烈な痛みに思わず悲鳴を上げてしまう。
「あら、痛かったですか?ごめんなさいね」
友麻が優しく謝る。「・・・っ!」
痛みの余韻で肩で息をする黒川。
心なしか乳首が少し赤く腫れてしまったように見える。

「ここはまだ慣れていませんからこんなものですかしら?」
「ふふ、ゆくゆくはピアスとか付けたら
きっと可愛いらしくなるかもしれませんわね」
姉妹が恐ろしい事を言いながら笑いあう。

「あ・・・ああ、いや・・・」
(そ、そんなことされたら・・・)
黒川は恐怖に震える。
「ふふ、冗談ですわよ」そう言うと再び優しく微笑んだ。
(この人たちは冗談で言っているのか本当に分からない・・・)
黒川はそう思うしかなかった。

「ふふふ、でも期待はしていらっしゃるようですのね」
友麻がそう言って黒川の股間を見る。
そこには黒川のモノが硬くそそり立っていた。
「もう、こんなにして・・・」友麻は妖艶に微笑むと、 
その先端を指先で軽く撫でた。

「あっ・・・!」黒川の身体がビクンと震える。
(うぅ・・・)恥ずかしさで顔が赤くなる。
そんな黒川の様子を楽しそうに見つめる姉妹たち。
すると突然結衣が言った。

「・・・ではそろそろこちらも始めましょうか」
(こちらも?!)

嫌な予感がした黒川の背中に悪寒が走った。

つづく
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