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第3話:アートな季節1「人間カンバス」
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「秋といえば芸術の秋ですわね。」
秋も深まったある日、結衣がこんなことを言いだした。
「流石お姉様、感性が豊かでいらっしゃいますのね。」
妹の友麻も同調した。
「久々に絵でも描きましょうか?」
「まぁ、それでは絵具とカンバスを用意しないといけませんのね。」
「それなら心配いりませんわ。だって私たちには、
ちょうどいいカンバスがいるではないですか。」
「・・・・ああ!」
結衣の言葉に友麻は何かを察した用だった。
***
週末。姉妹に呼び出された黒川は屋敷に着くなり
使用人たちに風呂へ入れられた。
そして全身をくまなく洗われると、次に全身の毛を剃り落された。
今回は髪だけでなく、眉や腋毛、下の毛など産毛1本残さず剃られ、
まるでデパートの倉庫にある裸のマネキン人形みたいに、
全身がツルツルになっていた・・・。
そんな自分の姿を鏡で見た黒川は
(これじゃあまるで宇宙人みたいだ・・・)
と愕然とする。
顔だって眉毛が無くなると随分印象が違ってくるもので、
眉毛が無くなったことで元からある切れ長の目が余計に印象強くなり、
更に表情が見えず、ちょっと怖い感じになっていた。
(俺はこれからどうなってしまうんだろう?)
黒川は不安を感じながら、二人の女王様が現れるのを待った。
すると程なく、結衣と友麻が現れた。二人は黒川を見て満足そうに微笑む。
「あら、思った以上に似合ってますわね。」
「ええ、本当に。」
(これは褒められてるのか・・・?)
黒川は少し複雑な思いに駆られた。
「さて、今日はお前をたっぷり可愛がってあげようと思っていますの。」
「まずは私達のカンバスになってもらいましょう。」
(カンバス・・・?)
「でもこのまま全身を真っ白に塗って、生きた彫刻として
部屋に飾るのもアリだと思いますの。」
「それも面白いかもしれませんわね。」
姉妹は黒川の頭を撫でながら楽しそうに話す。
「でもせっかくだから、もっと素敵な事に使いたいと思いまして。」
「ふふっ。お前の可愛い姿を見ると、
なんだか興奮してきてしまいましたわ。」
黒川は拘束台に寝かせられると台の端にある枷で手足を固定された。
そして仰向けにされ、大の字の状態で固定される。
「うふふ。文月の身体は綺麗ですものね。
つい可愛がってしまいたくなりますわ。」
「この肌、滑らかでスベスベで、
ずっと触っていたい気分になりますわね。」
結衣と友麻は、そう言いながら、黒川の身体を撫で回す。
「あっ・・・んっ、くすぐったいです・・・」
二人に全身を愛撫されて、黒川は思わず声を漏らす。
「あら、ごめんなさい。」
「敏感なのですね。」
「いえ、大丈夫です。続けてください・・・」
黒川は顔を赤らめて答える。
「そうですわね。このぐらいでそんなに感じていては、
先が思いやられますものね。」
(な、何する気なんだろう・・・)
黒川はとてつもない不安に駆られた。
「・・・そろそろ始めましょうか?お姉様」
姉妹はほくそ笑み、用意してあった絵具や筆などの絵画道具を手に取る。
「では、早速始めるとしましょう。」
「あの・・・いったい何を?」
「お黙りなさい。お前はカンバスなのですから。」
「はい・・・」
「それじゃあ、いきますわよ。」
「はい、お姉様。」
姉妹は絵具の入った容器に手を伸ばす。
絵具は色数が多く、チューブに入っているタイプだ。
結衣が絵具を筆に取り、それを黒川の身体に塗りつける。
「ひゃぁ!冷たい!」
「我慢してください。すぐに温かくなるはずですよ。」
「えっと、これは一体・・・?」
「今から絵具を使って、貴方の体をキャンバスにして絵を描くのです。」
「・・・?」
「お姉様、早く始めてくださらない?」
「そうでしたわね。では・・・」
結衣は絵筆を黒川の上に走らせる。
「きゃぁ!」
結衣は絵具をカンバスに広げるように、
更に優しく黒川の体に筆を這わせる。
「うぅ・・・」
「いい声で鳴きますわねぇ。」
「では、私も続きを・・・」
友麻も絵具をカンバスに広げていく。
「あぁ・・・」
(そうか・・・だから俺の全身の毛を・・・)
黒川がここでようやく自分がどういう状況なのか把握し始めた。
「ほら、動かないで下さいまし。」
「はいぃ・・・」
友麻は黒川の胸板に色を塗っていく。
「ふふっ、なかなか良い色合いに染まってきましたわね。」
「ええ、とても素敵です」
(うう、くすぐったい・・・)
「さて、次はここを・・・」
「ああんっ!」
結衣は黒川の股間に手を伸ばし、その部分を筆でなぞる。
「あら、もうこんなに大きくなっていますわね。」
「ひゃっ!・・・うう、恥ずかしいです。」
「・・・でも我慢なさいね。私たちの作品を汚したらお仕置ですわよ」
結衣が少しトーンを落とした声で脅しをかけた。
「はいっ、頑張ります・・・」
とは言っても身体の上を筆が走るたびにムズムズしてしまう。
そんな状態でじっとしているのは結構辛いものがある。
黒川が悶々としている間にも姉妹の筆は動き続け、
やがて彼の胸元に無数のバラが描かれていった。
「ふふっ、綺麗な薔薇が出来上がりましたわね。」
「ええ、本当に美しいですわ。」
「ありがとうございます。」
姉妹の高い画力で写実的なタッチで描かれたそれは、
葉や茎も含め、
まるで身体にまとわりつくように寄生し、花を咲かせているようだった。
「これで完成ですわ。」
「では、仕上げに入りましょう。」
「お願いします。」
黒川の返事を聞くと、二人は再び筆を取る。
そして、黒川の身体に絵具を塗りつけ始めた。
「ん・・・」
側頭部や首筋や二の腕にはその薔薇に寄ってくるように
黒や青の色とりどりな蝶が描かれていく・・・
「ふふっ、よく似合ってますわよ。」
「本当、綺麗ですわ。」
「あ・・・ありがとう・・・ござい・・・ます」
黒川は顔を赤らめて礼を言う。
「あら、まだ終わってませんわよ。これが最後の仕上げですわ」
そういうと、右脚太ももから臑にかけて
巻き付くようになる小さな蔓バラが描かれ、
左脚には、シルエットのバラが単色で描かれていった・・・。
「ふぅ、終わりましたわね。」
「お疲れ様です。」
そうして完成した絵を見て、姉妹は満足げに微笑んだ。
「ふふ、綺麗なカンバスでしたので、
こちらも描きがいがございましてよ。」
友麻が天井に仕掛けられたカメラで黒川の身体を撮影する。
「せっかく完成したのですから、高画質で残しておきますのよ。」
「ありがとうございます。」
黒川は恍惚とした表情で礼を言う。
だが、内心は少し複雑な気持ちであった。
(なんか・・・下手に裸のままより、こっちの方が
何倍も恥かしい気がするんですけど・・・)
生物ですらないカンバスという
『物』に貶められた屈辱というのを実感しながらも、
二人の役に立てたことに喜びも同時に感じている・・・。
そんな矛盾した二つの感情が彼の中で複雑に絡み合っていた。
「ふふっ、気に入ってもらえたようで何よりですわ。」
「ええ、最高の作品になりましたわ。」
「はい・・・すごく気に入りました!」
黒川は嬉しそうに答える。
「ふふ、お前は嬉しい時、本当に顔と身体に出ますわね。」
結衣は黒川の大きくなった股間を見てほくそ笑む。
「あ・・・それは・・・」
黒川は必死に取り繕おうとするが、言い訳はできなかった。
「いいのですわよ。男なら当然の反応でしょう?」
「は、はぁ・・・」
黒川は恥ずかしさのあまり俯く。
「ふふ、可愛い反応をしてくれますのね。」
友麻が手にしていた絵筆の柄の部分で黒川のモノを思い切り叩いた。
「ひぎぃ!」
突然の強い刺激に耐えられず、黒川は思わず声を上げてしまう。
「ふふっ、本当に可愛らしい声で鳴きますわね。
もっと虐めたくなりますわ。」
「あ・・・ううっ・・・」
「ほら、私たちのオモチャになるために、髪だけでなく
眉や下の毛まで失った気分はいかがです?」
「ううっ・・・」
(ううっ、結衣様に言葉で責められると、ゾクッとして変になる・・・)
「こんな顔で、普段の生活はどうするおつもりですの?」
友麻が無くなった眉のあたりを撫でた。
深く剃られたそこは剃り跡すら見えない。
辛うじて筋肉だけが盛り上がって、眉跡の影を作っていた。
黒川の脳裏に、先ほど鏡で見た全身の毛がない
宇宙人のような自分の姿が思い浮かぶ・・・。
「うぐ・・・!」
「ふふっ、敏感になっていますわね。」
「だ、大丈夫です・・・」
「あら、そうなんですの?でも、ここはまだ元気みたいですわね。」
「ああんっ!!」
結衣は再び絵筆で股間を撫でた。
「ふふ、どこまで耐えられますかしら?」
「ああっ!!だめぇっ!!!」
敏感な部分に微弱な刺激が与えられ、黒川は悶えてしまう。
「あら、もうこんなに大きくなってますわよ。」
「やめてっ、やめてくだっ、さいっ!」
黒川は涙目で懇願するが、二人はやめる気配はない。
「ふふ、嫌がっている割にはもうはち切れんばかりになっていますのね」
黒川の股間は既に限界を迎えていた。
「お願いです、出させてください・・・」
「ダメです。」
「お願いします・・・」
「ダーメ♪」友麻が無邪気に返す。
「お願いします・・・お願いします・・・」
黒川の目からは大粒の涙を流しながら哀願する。
しかし出すという事は、姉妹の『作品』を汚すことになる。
そんな事をすればもっと酷い事をされる・・・とは分かっているが、
それでも黒川は射精したいという欲求を抑える事ができない。
「あ・・・ああ・・・」
「ふふ、そんなに出したいのですか?」
「はい・・・」
黒川はピクピクと震えていた。本当に限界が近いのだろう。
「ふふ、仕方ありませんわね。じゃあ出してもいいですわよ。」
「え・・・」
「その代わり、私たちの作品を汚してしまう事での、
お仕置を受ける覚悟はおありですの?」
「は、はいっ!お許し頂けるのであれば、
喜んでお受け致します!ですからどうか・・・」
黒川は必死に懇願する。
「ふふ、そこまで言うのなら、許可して差し上げましょう。」
「ありがとうございます!ありがとうございますぅ・・・」
黒川は嬉しさのあまり涙を浮かべてしまっていた。
結衣はそれと同時に袋をぎゅっとつかみ、
絞り出すように力を込める。
「ひぎぃっ!!!」
「ほら!全部出しておしまいなさい!」
「あぎぃっ!」
黒川は身体をビクンッと震わせて白濁液を吐き出した。
「ふふ、いっぱい出せましたわね。いい子ですわ。」
「あ・・・あ・・・」
身体に描かれた薔薇の上に降りかかった白いそれは、
季節外れの雪を思わせた。
「ふふふ、綺麗な色ですわね。」
「・・・」
黒川は自分の身体に咲いた赤い花と、白く彩られた部分を見つめる。
「ふふ、気に入ったようですわね。」
「も、申し訳ございません・・・『作品を』汚して・・・しまいました」
「あら、別に謝る事なんてないのですわよ?」
「え・・・?」
黒川はキョトンとした表情を浮かべている。
「だって、これはお前が気持ちよくなった証ですもの。」
「あ・・・」
「お前も男なら分かるでしょう?」
「・・・そう、ですけど・・・しかし」黒川は口ごもる。
「あら、それとも罰をあたえて欲しいのかしら?」
「いえっ!」
「ふふっ、冗談ですよ。」
「あ・・・ううっ・・・」
結衣の言葉に黒川の顔は真っ赤に染まった。
「あら、また可愛らしい反応を見せてくれますのね?」
「ううっ・・・・」
「それにしても、せっかく眉まで落としたのに
お顔の方は何もしませんでしたのね?」
友麻が不思議そうに尋ねる。
「・・・最初は何かしようかと思ったのですが、
そのままでも充分みじめったらしくて、
敢えて手を加える必要がないと感じましたわ」
「ふふ、なるほど。確かにその通りかもしれませんわね。」
「ううっ・・・」
(みじめったらしい・・・)
黒川は少しショックを受けた様子だった。
「まあ、でもせっかくの綺麗な顔を使わないのは
勿体ない気もしますわね・・・」
結衣は黒川の顔を見ながら、考えるしぐさをする。
「そうだお姉様!・・・私、いい事を思いつきましたの!」
そう言って友麻が姉に笑いかける。
「あら、どんなことかしら?教えてくれるかしら?」
「ふふっ、それはですね・・・」
友麻が結衣にそっと耳打ちをする。
「ふふっ、それは面白い事を思いつきましたわね。」
「はい!お楽しみにしていてください!」
「ふふっ、分かったわ。」
「・・・?」黒川には話がまったく見えない。
「そんなわけだから文月、私たちは準備がありますから、
貴方は午後まで休んでいなさい。」
文月とは黒川の従属名だ。
「え、どういう意味ですか・・・?」
「ふふ、すぐに分かりますわ。」
「では、私はこれで失礼しますわ。」
「はい、ご苦労さまでした。」
「あ、あのぉ~・・・」
黒川は困惑する中、枷を外されガウンを渡される。
「休んでる間はこれでも着てなさい。あと、
シャワーで身体を綺麗にしておくのですよ。」
「昼食も用意させますから食べておくといいですわ」
「はい、ありがとうございます。」
黒川は何が何やら分からないまま浴室へと入っていった。
「さ、私たちも始めましょう。」
「ええ!お姉様!」
姉妹は楽しそうな笑みを浮かべながら、地下室を後にする。
(一体何をされるんだろうか・・・)
期待と不安で黒川は身体をゾクゾクと振るわせた。
つづく
秋も深まったある日、結衣がこんなことを言いだした。
「流石お姉様、感性が豊かでいらっしゃいますのね。」
妹の友麻も同調した。
「久々に絵でも描きましょうか?」
「まぁ、それでは絵具とカンバスを用意しないといけませんのね。」
「それなら心配いりませんわ。だって私たちには、
ちょうどいいカンバスがいるではないですか。」
「・・・・ああ!」
結衣の言葉に友麻は何かを察した用だった。
***
週末。姉妹に呼び出された黒川は屋敷に着くなり
使用人たちに風呂へ入れられた。
そして全身をくまなく洗われると、次に全身の毛を剃り落された。
今回は髪だけでなく、眉や腋毛、下の毛など産毛1本残さず剃られ、
まるでデパートの倉庫にある裸のマネキン人形みたいに、
全身がツルツルになっていた・・・。
そんな自分の姿を鏡で見た黒川は
(これじゃあまるで宇宙人みたいだ・・・)
と愕然とする。
顔だって眉毛が無くなると随分印象が違ってくるもので、
眉毛が無くなったことで元からある切れ長の目が余計に印象強くなり、
更に表情が見えず、ちょっと怖い感じになっていた。
(俺はこれからどうなってしまうんだろう?)
黒川は不安を感じながら、二人の女王様が現れるのを待った。
すると程なく、結衣と友麻が現れた。二人は黒川を見て満足そうに微笑む。
「あら、思った以上に似合ってますわね。」
「ええ、本当に。」
(これは褒められてるのか・・・?)
黒川は少し複雑な思いに駆られた。
「さて、今日はお前をたっぷり可愛がってあげようと思っていますの。」
「まずは私達のカンバスになってもらいましょう。」
(カンバス・・・?)
「でもこのまま全身を真っ白に塗って、生きた彫刻として
部屋に飾るのもアリだと思いますの。」
「それも面白いかもしれませんわね。」
姉妹は黒川の頭を撫でながら楽しそうに話す。
「でもせっかくだから、もっと素敵な事に使いたいと思いまして。」
「ふふっ。お前の可愛い姿を見ると、
なんだか興奮してきてしまいましたわ。」
黒川は拘束台に寝かせられると台の端にある枷で手足を固定された。
そして仰向けにされ、大の字の状態で固定される。
「うふふ。文月の身体は綺麗ですものね。
つい可愛がってしまいたくなりますわ。」
「この肌、滑らかでスベスベで、
ずっと触っていたい気分になりますわね。」
結衣と友麻は、そう言いながら、黒川の身体を撫で回す。
「あっ・・・んっ、くすぐったいです・・・」
二人に全身を愛撫されて、黒川は思わず声を漏らす。
「あら、ごめんなさい。」
「敏感なのですね。」
「いえ、大丈夫です。続けてください・・・」
黒川は顔を赤らめて答える。
「そうですわね。このぐらいでそんなに感じていては、
先が思いやられますものね。」
(な、何する気なんだろう・・・)
黒川はとてつもない不安に駆られた。
「・・・そろそろ始めましょうか?お姉様」
姉妹はほくそ笑み、用意してあった絵具や筆などの絵画道具を手に取る。
「では、早速始めるとしましょう。」
「あの・・・いったい何を?」
「お黙りなさい。お前はカンバスなのですから。」
「はい・・・」
「それじゃあ、いきますわよ。」
「はい、お姉様。」
姉妹は絵具の入った容器に手を伸ばす。
絵具は色数が多く、チューブに入っているタイプだ。
結衣が絵具を筆に取り、それを黒川の身体に塗りつける。
「ひゃぁ!冷たい!」
「我慢してください。すぐに温かくなるはずですよ。」
「えっと、これは一体・・・?」
「今から絵具を使って、貴方の体をキャンバスにして絵を描くのです。」
「・・・?」
「お姉様、早く始めてくださらない?」
「そうでしたわね。では・・・」
結衣は絵筆を黒川の上に走らせる。
「きゃぁ!」
結衣は絵具をカンバスに広げるように、
更に優しく黒川の体に筆を這わせる。
「うぅ・・・」
「いい声で鳴きますわねぇ。」
「では、私も続きを・・・」
友麻も絵具をカンバスに広げていく。
「あぁ・・・」
(そうか・・・だから俺の全身の毛を・・・)
黒川がここでようやく自分がどういう状況なのか把握し始めた。
「ほら、動かないで下さいまし。」
「はいぃ・・・」
友麻は黒川の胸板に色を塗っていく。
「ふふっ、なかなか良い色合いに染まってきましたわね。」
「ええ、とても素敵です」
(うう、くすぐったい・・・)
「さて、次はここを・・・」
「ああんっ!」
結衣は黒川の股間に手を伸ばし、その部分を筆でなぞる。
「あら、もうこんなに大きくなっていますわね。」
「ひゃっ!・・・うう、恥ずかしいです。」
「・・・でも我慢なさいね。私たちの作品を汚したらお仕置ですわよ」
結衣が少しトーンを落とした声で脅しをかけた。
「はいっ、頑張ります・・・」
とは言っても身体の上を筆が走るたびにムズムズしてしまう。
そんな状態でじっとしているのは結構辛いものがある。
黒川が悶々としている間にも姉妹の筆は動き続け、
やがて彼の胸元に無数のバラが描かれていった。
「ふふっ、綺麗な薔薇が出来上がりましたわね。」
「ええ、本当に美しいですわ。」
「ありがとうございます。」
姉妹の高い画力で写実的なタッチで描かれたそれは、
葉や茎も含め、
まるで身体にまとわりつくように寄生し、花を咲かせているようだった。
「これで完成ですわ。」
「では、仕上げに入りましょう。」
「お願いします。」
黒川の返事を聞くと、二人は再び筆を取る。
そして、黒川の身体に絵具を塗りつけ始めた。
「ん・・・」
側頭部や首筋や二の腕にはその薔薇に寄ってくるように
黒や青の色とりどりな蝶が描かれていく・・・
「ふふっ、よく似合ってますわよ。」
「本当、綺麗ですわ。」
「あ・・・ありがとう・・・ござい・・・ます」
黒川は顔を赤らめて礼を言う。
「あら、まだ終わってませんわよ。これが最後の仕上げですわ」
そういうと、右脚太ももから臑にかけて
巻き付くようになる小さな蔓バラが描かれ、
左脚には、シルエットのバラが単色で描かれていった・・・。
「ふぅ、終わりましたわね。」
「お疲れ様です。」
そうして完成した絵を見て、姉妹は満足げに微笑んだ。
「ふふ、綺麗なカンバスでしたので、
こちらも描きがいがございましてよ。」
友麻が天井に仕掛けられたカメラで黒川の身体を撮影する。
「せっかく完成したのですから、高画質で残しておきますのよ。」
「ありがとうございます。」
黒川は恍惚とした表情で礼を言う。
だが、内心は少し複雑な気持ちであった。
(なんか・・・下手に裸のままより、こっちの方が
何倍も恥かしい気がするんですけど・・・)
生物ですらないカンバスという
『物』に貶められた屈辱というのを実感しながらも、
二人の役に立てたことに喜びも同時に感じている・・・。
そんな矛盾した二つの感情が彼の中で複雑に絡み合っていた。
「ふふっ、気に入ってもらえたようで何よりですわ。」
「ええ、最高の作品になりましたわ。」
「はい・・・すごく気に入りました!」
黒川は嬉しそうに答える。
「ふふ、お前は嬉しい時、本当に顔と身体に出ますわね。」
結衣は黒川の大きくなった股間を見てほくそ笑む。
「あ・・・それは・・・」
黒川は必死に取り繕おうとするが、言い訳はできなかった。
「いいのですわよ。男なら当然の反応でしょう?」
「は、はぁ・・・」
黒川は恥ずかしさのあまり俯く。
「ふふ、可愛い反応をしてくれますのね。」
友麻が手にしていた絵筆の柄の部分で黒川のモノを思い切り叩いた。
「ひぎぃ!」
突然の強い刺激に耐えられず、黒川は思わず声を上げてしまう。
「ふふっ、本当に可愛らしい声で鳴きますわね。
もっと虐めたくなりますわ。」
「あ・・・ううっ・・・」
「ほら、私たちのオモチャになるために、髪だけでなく
眉や下の毛まで失った気分はいかがです?」
「ううっ・・・」
(ううっ、結衣様に言葉で責められると、ゾクッとして変になる・・・)
「こんな顔で、普段の生活はどうするおつもりですの?」
友麻が無くなった眉のあたりを撫でた。
深く剃られたそこは剃り跡すら見えない。
辛うじて筋肉だけが盛り上がって、眉跡の影を作っていた。
黒川の脳裏に、先ほど鏡で見た全身の毛がない
宇宙人のような自分の姿が思い浮かぶ・・・。
「うぐ・・・!」
「ふふっ、敏感になっていますわね。」
「だ、大丈夫です・・・」
「あら、そうなんですの?でも、ここはまだ元気みたいですわね。」
「ああんっ!!」
結衣は再び絵筆で股間を撫でた。
「ふふ、どこまで耐えられますかしら?」
「ああっ!!だめぇっ!!!」
敏感な部分に微弱な刺激が与えられ、黒川は悶えてしまう。
「あら、もうこんなに大きくなってますわよ。」
「やめてっ、やめてくだっ、さいっ!」
黒川は涙目で懇願するが、二人はやめる気配はない。
「ふふ、嫌がっている割にはもうはち切れんばかりになっていますのね」
黒川の股間は既に限界を迎えていた。
「お願いです、出させてください・・・」
「ダメです。」
「お願いします・・・」
「ダーメ♪」友麻が無邪気に返す。
「お願いします・・・お願いします・・・」
黒川の目からは大粒の涙を流しながら哀願する。
しかし出すという事は、姉妹の『作品』を汚すことになる。
そんな事をすればもっと酷い事をされる・・・とは分かっているが、
それでも黒川は射精したいという欲求を抑える事ができない。
「あ・・・ああ・・・」
「ふふ、そんなに出したいのですか?」
「はい・・・」
黒川はピクピクと震えていた。本当に限界が近いのだろう。
「ふふ、仕方ありませんわね。じゃあ出してもいいですわよ。」
「え・・・」
「その代わり、私たちの作品を汚してしまう事での、
お仕置を受ける覚悟はおありですの?」
「は、はいっ!お許し頂けるのであれば、
喜んでお受け致します!ですからどうか・・・」
黒川は必死に懇願する。
「ふふ、そこまで言うのなら、許可して差し上げましょう。」
「ありがとうございます!ありがとうございますぅ・・・」
黒川は嬉しさのあまり涙を浮かべてしまっていた。
結衣はそれと同時に袋をぎゅっとつかみ、
絞り出すように力を込める。
「ひぎぃっ!!!」
「ほら!全部出しておしまいなさい!」
「あぎぃっ!」
黒川は身体をビクンッと震わせて白濁液を吐き出した。
「ふふ、いっぱい出せましたわね。いい子ですわ。」
「あ・・・あ・・・」
身体に描かれた薔薇の上に降りかかった白いそれは、
季節外れの雪を思わせた。
「ふふふ、綺麗な色ですわね。」
「・・・」
黒川は自分の身体に咲いた赤い花と、白く彩られた部分を見つめる。
「ふふ、気に入ったようですわね。」
「も、申し訳ございません・・・『作品を』汚して・・・しまいました」
「あら、別に謝る事なんてないのですわよ?」
「え・・・?」
黒川はキョトンとした表情を浮かべている。
「だって、これはお前が気持ちよくなった証ですもの。」
「あ・・・」
「お前も男なら分かるでしょう?」
「・・・そう、ですけど・・・しかし」黒川は口ごもる。
「あら、それとも罰をあたえて欲しいのかしら?」
「いえっ!」
「ふふっ、冗談ですよ。」
「あ・・・ううっ・・・」
結衣の言葉に黒川の顔は真っ赤に染まった。
「あら、また可愛らしい反応を見せてくれますのね?」
「ううっ・・・・」
「それにしても、せっかく眉まで落としたのに
お顔の方は何もしませんでしたのね?」
友麻が不思議そうに尋ねる。
「・・・最初は何かしようかと思ったのですが、
そのままでも充分みじめったらしくて、
敢えて手を加える必要がないと感じましたわ」
「ふふ、なるほど。確かにその通りかもしれませんわね。」
「ううっ・・・」
(みじめったらしい・・・)
黒川は少しショックを受けた様子だった。
「まあ、でもせっかくの綺麗な顔を使わないのは
勿体ない気もしますわね・・・」
結衣は黒川の顔を見ながら、考えるしぐさをする。
「そうだお姉様!・・・私、いい事を思いつきましたの!」
そう言って友麻が姉に笑いかける。
「あら、どんなことかしら?教えてくれるかしら?」
「ふふっ、それはですね・・・」
友麻が結衣にそっと耳打ちをする。
「ふふっ、それは面白い事を思いつきましたわね。」
「はい!お楽しみにしていてください!」
「ふふっ、分かったわ。」
「・・・?」黒川には話がまったく見えない。
「そんなわけだから文月、私たちは準備がありますから、
貴方は午後まで休んでいなさい。」
文月とは黒川の従属名だ。
「え、どういう意味ですか・・・?」
「ふふ、すぐに分かりますわ。」
「では、私はこれで失礼しますわ。」
「はい、ご苦労さまでした。」
「あ、あのぉ~・・・」
黒川は困惑する中、枷を外されガウンを渡される。
「休んでる間はこれでも着てなさい。あと、
シャワーで身体を綺麗にしておくのですよ。」
「昼食も用意させますから食べておくといいですわ」
「はい、ありがとうございます。」
黒川は何が何やら分からないまま浴室へと入っていった。
「さ、私たちも始めましょう。」
「ええ!お姉様!」
姉妹は楽しそうな笑みを浮かべながら、地下室を後にする。
(一体何をされるんだろうか・・・)
期待と不安で黒川は身体をゾクゾクと振るわせた。
つづく
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