服飾文化研究部にようこそ!~僕が女装させられて、先輩たちのオモチャにされるにされる日々~

桃ノ木ネネコ

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第48話:身代わりデート(その1)

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<前回までのあらすじ>
主人公白石圭太は美人保険医が顧問の『服飾文化研究会』に
強引に入れられる。
しかしそこは服飾研究とは名ばかりのコスプレHを楽しむ場所であった。
そこで圭太は言われるがままに女装して、顧問の沙由美と先輩部員たちに
オモチャにされる日々を送っている中、
従姉のすみれが家庭教師になってくれたりなど、
異常ながらも賑やかな毎日を過ごす。
(あらすじここまで)

「で、また彼氏とケンカしたの?」
圭太はすみれの話を聞きながらため息を吐く。
今日もすみれは家庭教師として圭太の家に来ていた。
すみれは少し不機嫌そうな顔をしながら話を続ける。
「そうよ。もう別れようかなって思うわ」
「まぁいいけどさ……」
この会話も何度目だろうか。
毎回のように聞いている気がする。
「・・・今度はなにしたの?」
「いやぁ、すぐ浮気するから圭太君と同じようにしてやろうかと・・・」
「……ん?どういうこと?」
「えっとね……。下の毛を・・・ちょっと・・・」「あーっ!わかったそれ以上言わなくて良い!」
圭太は顔を真っ赤にして大声を出した。
すみれは頬を染めて笑っている。
「ふふふ、可愛い反応」
「・・・いやそれ彼氏さん怒るよ」
圭太は呆れ気味に言う。そして思い出したように言った。
「あ、そうだ。すみれ姉って彼氏の写真とか持ってないの?」
「うんあるよ~ほらこれ」
スマホを操作して画像を見せてきた。
そこには金髪でイケメンの男性がいた。
「うおぉぉ……これが噂の……」
いつの間にかすみれとこんな会話を普通にするようになっていた。
最初は緊張気味の敬語だったのがウソのようだ。「どう?カッコイイでしょ」
「そだね。確かにカッコイイかも」
圭太は素直に答える。
正直カッコイイと思った。
「これでわざわざ下の毛まで金髪にしてるんだよ」
「・・・そう言う情報はいらないです」
すみれの彼氏は結構変わってる人なんだなぁと思う圭太であった。
「でも、なんで急にそんな事聞くの?」
「あ、いや、特に理由は無いんだけどさ。なんか興味湧いたっていうか・・・」
「へぇ、圭太君は私の彼氏が気になるんだ?」
圭太は慌てて手を振った。
「ち、違うよ!?別にそういうわけじゃ無いし!!」
すみれはニヤッとした表情を浮かべた。
「ふぅん。そうなんだ。圭太君も男の子だもんねぇ?」
「だから違いますって!!俺、男だし!!!」
「ふふ、冗談だってば」
すみれはケラケラ笑う。
「まったく……。ところですみれ姉は何で彼氏と別れたりしないの?」
圭太は話題を変える為に質問をした。
「ん~まぁ、それはやっぱり好きだからかなぁ」
すみれは少し照れたような仕草を見せる。
「・・・でもケンカしてるんだよね?」「ケンカしても好きなものは好き。それだけだよ」
すみれは優しく微笑む。
その言葉には重みを感じた。
「……すみれ姉、大人だね」
「そう?ありがと。圭太君もそのうち分かるようになるよ」
「・・・だと良いけど」
圭太は苦笑いをする。
「あ、!そうだ!」
すみれは何か思いついたように言った。
「あのさぁ、圭太君、デートしたくない?」
「は?!」

****
「すみれさんの彼氏とデート?!」
翌日、部室で沙由美が素っ頓狂な声をあげる。
「はい。昨日、すみれ姉さんから喧嘩の腹いせに、
彼氏と女装した僕をデートさせて引っかけたいって・・・」
圭太は困った様子で話す。
「・・・喧嘩中にデートに誘うとか、その男も大したタマだわね。」
沙由美が半ば呆れたように言う。
「そんな相手に対してだから、
すみれ姉さんとしても、軽いドッキリを仕掛けるつもりなんでしょうが
そんな事、すぐにばれるに決まってるのに・・・」
「あら、案外分からないものよ。恋人同士ならなおさらね」
沙由美が笑う。
「いやいやいやいや。俺、男ですよ?!女装した俺に
すみれ姉さんの彼氏が惚れるとか絶対ないでしょ?!」
「・・・そうかしら?」
そういうと沙由美はおもむろに後ろから抱き着いた。
「ちょ、沙由美先生何やってるんですか?!」
「・・・こんなに可愛い子、彼氏だってほっとかないわよきっと」
そういって沙由美は圭太の胸に手をまわす。
「ひゃあっ?!」
圭太は変な声を出してしまう。
「こんな女の子みたいな声で鳴くのに」
沙由美は圭太の胸を撫でまわす。
「あ、ちょ・・・やめてくださいってば・・・」
圭太は顔を赤くする。「ふふ、本当に敏感ね・・・。こことかどう?」
沙由美は圭太の乳首を指でつまんだ。
「ああぁんっ!!」
「ほら、また可愛らしい声で鳴いて・・・」
沙由美はクスっと笑みを浮かべた。
圭太は慌てて沙由美の腕を振りほどくと、
「怒りますよ!」
と言って睨みつける。
「ごめんなさい。あんまりにも反応が良いものだからつい」
沙由美は謝る。
「もう、セクハラ教師なんだから・・・」
圭太は恥ずかしさのあまり涙目になっていた。
「それで、そのデートの件だけど」沙由美は話を続ける。
「私も見に行っていい?」「はぁ?!」圭太は再び素っ頓狂な声をあげた。
「だから、すみれちゃんの彼氏と圭ちゃんのデートを私がこっそり監視するの」
沙由美は悪びれずに言う。
「えぇー・・・」
圭太は困惑した。
「まぁ、別に良いですけど・・・」
すみれの彼氏は大学生なので、おそらく今日あたりに会えるだろう。
その時、沙由美がいれば何かと都合が良さそうな気もした。
「じゃあ決まりね!今度の土曜日、楽しみにしてるわ!」
(暇なのかこの人は・・・)
圭太はため息をつくしかなかった。

***
そして土曜日の朝。
圭太はすみれの家に呼ばれていた。これはもちろん作戦のためである。
「お邪魔します・・・」
圭太は恐る恐る玄関を上がる。
「おはよう圭太君。よく来てくれたね」
すみれが出迎えてくれる。「ううん、大丈夫だよ。それより、今日はよろしくね」
「こちらこそ、ありがとう」
圭太は早速部屋に通される。早々に「ささ、これに着替えて」
とすみれは服を渡してきた。
「私のだから多少サイズが合わないと思うけど・・・」
「だ、大丈夫かな・・・」
圭太は不安げに呟きながら渡された服を着る。
「ぴったりだ・・・」
体型の出にくいオーバーサイズのシャツだが違和感がない。
「うーん・・・違和感なさすぎるのも腹が立つわね」
「そ、そんなこと言われても・・・」
圭太は困ったように笑う。
「でも、やっぱり似合うわ。可愛いわよ」
すみれは満足気に微笑む。
「着替えるのは服だけなんですね。」圭太はホッとする。
「何?下着も変えたいの?」
「いえ、それは勘弁してください」圭太は苦笑いする。
「冗談よ」すみれはクフッと小さく笑みをこぼす。
「・・・で、僕はこの後何をすればいいのでしょうか」
「とりあえず、ここで待っていてくれるかしら」そう言うとすみれは
洗面所にあるメイク道具を持ってきた。
「ちょっとじっとしててね」そう言いながらすみれは圭太にメイクを施していく。
圭太は何とも複雑な気持ちでそれを受けていた。数分後、
鏡に映っていたのはどこから見てもすみれにそっくりな女の子だった。
ここにウィッグをかぶせて完成となった。「はい、できたわよ」
二人で鏡台の前に立つと、まるで双子のようだった。
「うわぁ、すごい・・・」
圭太は自分の変わり様に驚くばかりだった。
「あとは髪型を少し整えて・・・」
すみれは手慣れた様子で圭太のウィッグを手直しする。
「はい、これでどう?」
「・・・完璧です」
圭太は思わず敬語で答える。
「ふふん、伊達に毎日化粧してないわよ」
すみれは得意げに胸を張る。
「じゃあ私は・・・」すみれはそう言うと、脱ぎ捨ててある圭太の服を着始めた。
「ちょっと、すみれさん!?」
「私の服が入るぐらいだからもしかして・・・と思ったけど、やっぱりピッタリだわ」
そう言って自分のロングヘアをクリップでまとめると髪の毛を帽子の中に押し込む。
そしてサングラスを掛けて見せた。
「へへ、どうかな圭太君?」
すみれはニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「ど、どうって言われましても・・・」
圭太は顔を赤らめて俯く。
「あら、照れちゃって。可愛いんだから」
すみれはクスっと笑って圭太の手を取る。
「じゃ、私はこの格好で君たちの事尾行するから」
「えっ、一緒に来るの?」圭太は目を丸くする。
「当たり前じゃない。その方が楽しいでしょう?」
すみれは当然のように言った。
「・・・はぁ」圭太はため息をつくしかなかった。
「たまにはこういう入れ替わりもいいんじゃない?」
すみれは楽しげに言う。
「僕にとっては全然良くないんだけど・・・」圭太はげんなりする。
「まあまあ、今日一日だけの我慢よ。さ、行きましょう」
すみれは圭太の腕を取って玄関に向かう。
「ちょ、ちょっとすみれさん!」「ほら、早くしないと遅れるわよ」
「分かったから!引っ張らないでよ」
「はいはい」すみれは嬉しそうに微笑む。
こうして二人は出かけていった。
(いやな予感しかしない・・・)
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