服飾文化研究部にようこそ!~僕が女装させられて、先輩たちのオモチャにされるにされる日々~

桃ノ木ネネコ

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第33話:圭太の初恋(その4)(完結)

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電車を降りた後、沙由美に連れられて近く公園に行った。
すっかり暗くなっているので人気はない。
ベンチに座って一息つく。
沙由美は缶コーヒーを差し出した。
礼を言い、プルタブを開けて飲む。
温かくて甘い。
緊張していた体が解れていく気がする。
沙由美も同じものを飲んでいる。
しばらく沈黙が続いた。

先に口を開いたの圭太だった。
「なんでこんなことを・・・」「君があまりに痛々しかったからよ。」
「えっ?」圭太は驚く。
「今回の君の失恋の件、みんな心配してるのよ。」
「みんな・・・?」
「まぁね。ちょっとの間だけでも失恋の痛手を忘れられたでしょ?」
と言い終わらないうちに圭太のスカートをバッとめくる。
「うわあああっ!何すんです!?」
圭太は慌ててスカートを押さえるが、すでに遅かった。
覆うものの何もない下半身があらわになる。
「おうおう、相変わらず風通しがよさそうで」
ニヤリとして言う。
「こ、この変態教師!」
圭太が涙目になって叫ぶ。
「おーっと、そんなこと言っちゃっていいのかな?
今ならまだ許してあげるけど」
「ぐぬぬ・・・」圭太は悔しそうな顔で睨む。
「ふふ、いつもの調子が出てきたじゃない」
沙由美は満足げに笑うと、圭太の隣に座った。
そして自分の膝の上に圭太を乗せる。
いわゆる対面抱っこの状態だ。
沙由美は後ろから圭太の体をぎゅっと抱きしめた。
背中に柔らかい感触を感じる。
「どーせ傷心中はあっちの方もご無沙汰だったんでしょ?」
「うっ・・・」図星である。
脳内で色々なものがもつれ合い、
その手の行為をためらわせていた。
「じゃあ今日は先生が慰めてあげよう」
「え?いや、ちょ・・・」
圭太は戸惑ったが、すぐに抵抗をやめた。
「どうした?素直になったじゃない」
沙由美が耳元で言う。
その吐息がくすぐったくてゾクッとする。
さらに沙由美は圭太の首筋に舌を這わせる。
生暖かい感触が伝わる。
思わず体がビクンとなる。
その反応を楽しむように、沙由美はさらに強く吸い付いてきた。
チリッとした痛みが走る。
首筋にキスマークが刻まれたのだ。だが、不思議と嫌な感じはしない。
むしろ心地よい感覚すら覚えていた。
そのまま沙由美は圭太を押し倒した。
仰向けになると、沙由美が覆いかぶさってくる。
圭太はされるがままに身を任せた。
沙由美は圭太の顔中に優しくキスをする。
まるで壊れ物を扱うかのように。
唇が触れるたびに圭太の心が癒されていく。
沙由美の柔らかい手が、圭太の胸や腹を撫で回す。
くすぐったいような気持ち良いような不思議な感覚。
やがてその手は下腹部へと
「ああ、ダメです!」
圭太はその手を掴んで止めた。
「あら?どうして?」
「これ以上されたら、僕・・・我慢できなくなります」
圭太は顔を真っ赤にして言った。
沙由美は圭太の手を振りほどき、再び愛撫を始める。
今度は圭太の股間へ手を伸ばしてきた。
そこはすでに熱を帯びており、固く張り詰めている。
軽く握ると、沙由美はそれを上下にしごく。
「だ、だめぇ・・・」
圭太は首を横に振る。
だが、沙由美は構わず続けた。
しごく度に圭太の口から喘ぎ声が漏れる。
そして沙由美は圭太をベンチに下ろし隣に座ると、
圭太の無毛の男性器を口に含んだ。
「あっ・・・んっ・・・」
沙由美は丹念に舐め回した後、口の中で激しく刺激する。

「ああっ、出るぅ・・・」
圭太は限界に達し、白濁液を放出した。
ここ数日間、ずっと頭の中でグルグルごちゃごちゃし続けたものも
一緒に外に出ていく感覚に襲われた。
(あぁ、僕は、僕は・・・!)
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
圭太は叫んだ。
今まで溜め込んできたものが一気に溢れ出した瞬間だった。

「よしよし」沙由美は圭太の頭をそっと抱きかかえた。
しばらく圭太は嗚咽した。
沙由美は圭太が落ち着くまで、ただ黙って見守っていた。
ようやく落ち着いたところで、圭太を自分の膝の上に乗せる
「少しはスッキリした?」
「はい・・・でも僕、すごくカッコ悪い・・・
勝手に好きになって・・・こんな・・・」
圭太は顔を両手で覆い、自嘲気味に呟いた。
「ふふ、まぁ男の子なんてみんなそんなもんよ。気にすることないわ」
沙由美はそう言って圭太の頭を撫でた。
「・・・はい」
圭太は小さく返事をした。
「それにね、誰かを本気で好きになると、
誰でも多少はみっともなくなるものよ。」
「・・・そういうものですか」
「まぁ・・・あんまりみっともないのも困るけどね」
沙由美は苦笑しながら答えた。
圭太もつられて笑う。

なんだか心が軽くなった気がした。

****

圭太はその後、徐々に元気を取り戻していった。
少しづつだがいつもの調子が戻ってきているようだ。
ただ、立ち直った理由だけは誰にも言えなかった。

ただ困ったのは園田瑠璃についてである。
結局彼女はあの告白後、山吹智花とは秘密裏に付き合ってるらしい。
しかし彼女はあの見た目に反してかなり気の強い性格だったらしく、
圭太の秘密を知るものとして、「体験入部」と言い張り
時々部に遊びに来るようになった。
「お邪魔しまーす」
彼女が部室に顔を出す。
「あれ?今日も来たの?」
「うん。だってすごいじゃん君の女装」
「・・・誉め言葉かそれ?」
正直彼女に対して思うところがないわけではない。
「あはは、まあ気にしないでよ。変態だってかまわないよ」
「・・・・・」
彼女から圭太は『女装を趣味とする変態』
と認識されているらしい。
(先生は一体この子にどんな説明をしたんだろう・・・)
と頭を抱える事態になっている。
「でも意外だよねぇ。君がこんな可愛い子になってるなんてさ」
「悪かったね、可愛くなくて」
「いやいや智花ちゃんも可愛いて言ってるし」
「・・・」
(『智花ちゃん』ね・・・)
瑠璃は智花の事を名前呼びしていた。
「ま、私には関係ないけど。そうだよね~
圭太くんは女の子になりたいんだよねぇ」
「・・・」

ニヤッと笑う彼女に圭太は何も言い返せなかった。
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