服飾文化研究部にようこそ!~僕が女装させられて、先輩たちのオモチャにされるにされる日々~

桃ノ木ネネコ

文字の大きさ
上 下
10 / 53

第9話:俺がいて僕がいる?

しおりを挟む
あのすさまじい夏合宿から2週間ほど経ち、8月も後半に入ったある日のこと。

圭太は自宅でのんびりと過ごしていた。

(あの夏合宿の出来事は・・・見事に誰にも話せない内容ばかりだったなぁ・・・)

普通の高校生の夏休みといえば、一夏の体験に憧れたり、甘酸っぱい初恋があったり、

友人たちであつまってちょっとHな話や
好きな子のコイバナで盛り上がったり・・・
ととにかくキラキラしたものだよな・・・

と、いささか盛り過ぎではあるが
普通の高校生の夏の青春を夢想していた。

沙由美たちが絡まなければ、圭太はごく普通の少年だった。



(でも俺の青春はそんなものを望むこともできないぐらい、

欲望まみれになっっちゃたなぁ・・・)

そんなことを考えながらベッドでゴロゴロしていると、

飼い猫のモモが圭太の上に乗ってきた。

モモを抱き上げながら「モモちゃん、俺の青春は何なんだろうな」

と力なくつぶやく・・・。

モモは当然「にゃー」と鳴くだけだった。

「まぁネコに聞いても分からないか。

『吾輩は猫である。まだ何にもわからニャイ』なんちて・・・

ってああああっ!」

この猫に対していった文学作品のタイトルで、

圭太は夏休みの読書感想文の宿題を思い出したのだった。



翌日ー



圭太は学校の開放図書室に来ていた。夏休みでも生徒が利用できるよう、

休み中でも定期的に図書館を開けてくれる日である。

(まいったなぁ、すっかり忘れてたよ・・・今からでも何か借りて何とかしよう。)

とりあえずとして、手ごろなジュニア小説を手に取ると、受付に向かって歩いた。

しかしその途中、ふと気になる棚を見つけて足を止める。

それは「心理学」だった。

以前沙由美から自分の一人称が女装中やある種の興奮状態にあると

「俺」から「僕」に変化していると指摘されてことがあったので

ずっと気にしていたのだ。

(先生はよくある二面性とか言ってたけどけど、

何か心理的なものがあるかもしれない・・・)

とりあえず何かの参考になればと本を手に取ろうとするが・・・

棚が高すぎて届かない。

それでも何とかしようと、背伸びして手を伸ばして

必死に取ろうとしてるとことに、

後ろかひょいと本を取ってくれた人物がいた。

圭太が振り返ると、それは生徒会長の一条葵だった。



「会長さん!?」

「白石くん、こんなところで会うなんて奇遇ね。

そんなに頑張らなくても、向こうの棚に行けば脚立があるのに」

「えぇそうです。でも使うとなんとなく負けた気分になって・・・」

「変なところで意地を張るのね」と葵がクスリと笑う。

「背の高い葵さんにはわかりませんよ。」

自分の身長にコンプレックスがあるせいか、圭太はちょっとひねくれる。

「人を大女みたいに言わないでよ。165しかないわ」

「・・・それでも俺より10cm近くは高いじゃないですか。」



「あら、その割にはずいぶんとジャンプしてたけど?」

「そ、それは・・・ほら、僕は背が低いので、

少しでも高く見せようと・・・」

葵の言葉に圭太は顔を赤らめて言い訳をする。

そんな圭太を見て「どうしてこんな難しい本読みたかったの?」

と聞く。

圭太は少し考えた後、事情を話し始めた。

以前沙由美に指摘されたことがあって、

それ以来自分の一人称について考えていた事。

そして沙由美は自分をふたつの人格に分けていると

言っていたことを話す。

すると、葵はう~んと考え込んだ。

「ちょっと、時間ある?」



「はい? ありますけど・・・」

「じゃあちょっと付き合って。」

圭太は言われるままに葵の後をついていく。

「そういえば・・・髪型変えたんですね」移動中に圭太が話しかける。

葵の髪型は以前のおさげからゆるふわなセミロングを

カチューシャでまとめたものになっていた。

眼鏡も以前の黒縁からカジュアルなデザインのものになっている。

「今頃気が付いた?私も来年は大学だからこれぐらいはしておかないとね。」

「親御さんが厳しかったと聞いていますが大丈夫だったんですか?」

「逆よ。『遅れてきた反抗期がやっと来てくれた』って驚かれてるわ」

と葵はふふふと笑って見せた。



たどり着いた場所は生徒会室だった。

そこには誰もいない。

葵は部屋の真ん中にあるテーブルまで行くと、そこに座るように促した。

圭太がそれに従うと「

ええと・・・次に俺はどうすればいいんでしょうか?」と聞く。

「ん、そうだなぁ・・・ちょっと目を瞑ってくれないかしら」

「はい、いいですよ」

言われたとおり圭太が目を閉じると、葵が圭太の頬に両手を添えた。

「あの・・・会長・・・何をするんでしょう」

「・・・私の考えだと、あなたのは人格云々よりも、

何か暗示的なものだと思うの」



「暗示・・・催眠術みたいなものですか」

「うん。あなたのメンタルの強さもそこに秘密があるのかと。」

(そういえばメンタルの強さも先生に保証されてたっけか・・・)

と圭太は思い出す。

「無意識のうちに暗示で「僕」という状態を作り出して、

そこに何かをゆだねることで

普段のあなたの精神を守っているというか・・・」



「・・・つまり「僕」の状態を自分で作っているということですか?」

「そういうこと」と葵は答えた。

「でも、もしそうならどうやって直せば・・・」

「・・・やめておきなさい。素人の裁量じゃないし

下手をすればあなた壊れるわよ。」

「え・・・どういうことですか?」

「あなたが「僕」に委ねているのは、全部えっちなことだもの」



「え、えええええええ!?」

「自覚なかったの?今まで あれだけの体験をしても

ケロリとしてるのはそのせいよ」

「ええええええ!?」

「じゃあ逆に聞くけど女装してないときに「僕」

になったのはどんな時?」



自覚するようになってから記憶にあるのは合宿中の全裸散歩と

優紀君と結ばれていた時だ・・・。

「・・・せ、性的に・・・興奮して・・ました。」

「それがトリガーね。多分その時の感覚が癖になったんだと思うわ」

「そ、そうなんですか・・・でも、そんなの恥ずかしくて言えないですよ」

「でもあなたは無意識のうちに自分で自分を守っていたことになるわ」



それは、確かにそうかもしれない・・・。

だけど、自分の性癖を話すなんて、ちょっと・・・

いやかなり抵抗がある。

圭太が迷っていると、 葵が突然キスをして来た。

圭太の口の中に舌を入れてくる。

いきなりの行動に圭太にとまどっていると

「話を聞いていたらあなたの中の「僕」を

この状態で呼び出してみたくなったわ」

「え・・・?」

葵は圭太の制服のシャツのボタンを外し始めた・・・。

「な・・・なにを?」

「知ってる?男性の乳首も立派に性感帯になるのよ・・・」

そう言うと葵は圭太の胸に顔を近づけると片方を口に含み、

もう片方を指で弄り始めた。



「あ・・・あぁぁ・・あふっ」

圭太は思わず声を上げる。

葵はそれにかまわず圭太の胸を愛撫し続ける。

しばらくすると圭太は息が荒くなり、股間が熱くなる。

そして、葵の舌使いに我慢できず圭太はズボンの中で

自分の欲望を解放してしまった・・・。「あ・・・ああ・・・」



「あーあ、パンツ汚しちゃったわね」

と葵は笑う。

そして圭太のズボンのチャックを下ろして

「せっかくだから、今度は自分でやって見せて」

と葵は言った。



圭太は自分のモノを握りしめながら、

先ほどの葵の動きを思い出し、真似をする。

「ねぇ、こんな時ってなんていうの?」

悪魔のような笑みを浮かべて葵が挑発する。

圭太は恥ずかしそうに口を開き・・・



「お、お願いです・・・僕の・・・僕のオ〇ニーするとことろを見て・・・!」



「よくできました」褒めながら葵は(あ、ホントに「僕」になってる・・・)

と心の中で感心していた。

圭太は快感に夢中になり、何度も射精を繰り返す。

そして疲れ果てた圭太は眠りに落ちていった。



気が付けばあたりはすっかり夕方になっていた。

「もう起きた方がいいわよ、学校がそろそろ閉まるから」

と葵が圭太を起こす。

圭太は起き上がると下半身の違和感に気付いた。



ぐちゃり・・・



パンツの中に精液がまた乾かず残っていた。

「うぐ…」確かにちょっとこれは気持ち悪い。

「あら?どうしたの?」と葵が聞いてきた

「あの……葵さん……下着が汚れたんですけど替えの服とかありますか?」

「部室に行けばあるんじゃない?ただし女性ものの下着だけだけど」

葵が珍しくそんな冗談を言う。

「もう、こんな時に悪い冗談やめてください・・・」

「じゃあもう脱いで帰るしかないんじゃない?」



「えええ!?」さすがにそれはまずい。

「家ぐらいまでならノーパンで帰っても問題ないでしょ」

「そ、そうですけど・・・」

(なんか以前にもこんな展開あった気が・・・)



「ほら、脱がないと時間なくなるわよ」

「じゃあ、ここで待っていてくださいね!絶対見ないで下さいよ」

(さっきまであんなに恥ずかしいことしてたのに、

そういうところは気にするのね・・・)

と葵が心の中で突っ込んだ。



圭太は葵に挨拶すると、急いで生徒会室を出て行った。

「やれやれ、本当に世話のかかる子だこと」と呟き

(私は空っぽな自分に新しい自分を探すためにあの部に入ったのに・・・

彼は「自分を守る自分」を作ったということかしら?

これはちょっと興味深いことね。)

と、考察にふけるのだった。



おわり

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

秘密のキス

廣瀬純一
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...