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第三章『二年後のリィ&リリーと領地問題の解決』

聞き込み

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「お疲れ。」
闘技場を出た後、アフェから声をかけられた。
「うん。
それにしても凄いなアフェの魔法壁。」
先程ユニアという少年が喧嘩を売ってきて、勝ったところである。
その時に魔法壁を貼ってくれたのが、アフェだった。
「そんなことない。
あれぐらいならリィにもできる。」
「ほんとか?
また教えてくれよ。」
僕はそう言った。
「それにしても本当に道化師なのか?
あいつは。」
「うん。
戦闘では道化師と全く違う立ち回りをする。
けど本職はマジシャンのようなもの。」
なるほど…
「職業を戦闘に使わない選択もあるのか…」
「そういうこと。
というか、そろそろ聞き込みしたら?」
「あ、確かに。」
まぁ今回の戦闘で大まかな情報は得られた。
「まず今回の戦闘、賭けが行われてたな。」
「ん。
この街にある大規模な店とかの裏にいる人間がやってた。
多分あいつらが牛耳ってる。」
だよな…
「そういやこの街、町長とかいるのか?」
「ん。
でも町長は基本何もしない。
大体ギルマスがやってる。」
なるほど…
「んじゃ、ちょっと聞き込み行ってくる。」
僕はそう言って駆け足でスラムに向かった。
「気をつけて。」
アフェの言葉を背中で受け止めた。

「着いた。」
10分ほど走ってようやく着いた。
「あら、ここでは見ない顔ね。」
突如、大人っぽい女性の声が聞こえてきた。
「あ、どうも。
この街の統治を任されたリィです。」
「あらそうなの。
よろしくねぇ。」
この女性笑顔が絶えないけど完全に偽の笑顔だ。
裏がある笑顔をしてる。
「あら、私の顔に何か?」
「いえ、お綺麗な顔だなと思いまして。」
「あら口説こうとしてるの?
可愛いお坊ちゃんね。」
僕は苦笑いした。
「一つ聞きたいのですが、よろしいですか?」
「ええもちろん。」
そう言われたので僕は質問を投げかけた。
「この街、裏がありますよね?
特に、裏ギルド的な。」
そう言った瞬間、女性の笑顔が少し歪んだ。
「え、えぇ聞いたことはあるわね。
それがどうかしたの?」
「統治をするにあたって、邪魔な存在になるかな…と思いまして。」
「確かに邪魔にはなるかもね。」
「だから潰そうと思います。
どこかで尻尾を掴んで僕は徹底的に潰します。」
僕はそう言って、後ろを向いて歩いた。
「あ、貴女も覚悟しておいて下さい。」
僕は振り返ってそう言い、歩き始めた。
あの女の驚いた顔は少し面白い物があったな。
あの女、重要人物でなくても関係者ではあるだろう。
アフェの考察が正しければ、裏でギルドを動かしているやつがいるに違いない。
これからはあの女と関係性の高い奴らを当たってみよう。
僕はそう思ってアフェの方へ向かった。
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