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ドラゴンと動力機関の章
テルミットと孤児院でのお話
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「・・・き・・・きて・・・おきてください」
目が覚めると時刻はもう昼ごろになっていた。声の主の方へ目を向けるとテルミットが俺の体にぴったりと体を密着させてなにやら焦っていた。
「どうした・・・?」
「と、とりあえず離してください・・・も、もれ・・・限界です・・・!」
うっすらと汗をかきながらそう言うのでようやく俺はテルミットを抱きしめたまま眠ってしまったことに気付いた。手を離してやるとぴゅーっと音が出そうな勢いでテルミットは飛び出していった。ああ、なるほど、トイレね。
それから五分ほどするとテルミットがすっきりした顔で戻ってきた。
「はふぅ・・・ところで旦那様は今日はどんな用事だったんですか?」
「お前の顔を見に来ただけさ」
そう言うとテルミットは笑顔になって俺の隣に座る。
「えへへ・・・そうですか」
「そうさ、それとついでに頼みたい事があってな」
「なんですか?」
上機嫌になってくれたところで俺はテルミットに孤児院の教育について話し始める。
「孤児院の子は何人か引き取られていったが中にはそのまま自立していく子もいるだろう、そうなればその子達には自活していくだけの技能が必要だ。そのために俺は早速エンゲンから一人老人を呼ぶことにしている、ただその老人も何時までも教師を続ける事は難しいだろうしその老人は元商人だから教えられることにも限界があるだろうし孫娘と一緒に孤児院に入るだろうから家族の時間も欲しいだろう」
「それで・・・私にどうすれば?」
「お前に休めと言って休めるものではない事は今回で理解できた。だからお前に闘技場を出て孤児院で勉強を教える立場になって欲しい」
「わ、私がですか?」
「そうだ、午前中の間に読み書きを教えて昼食を挟んで午後に老人とバトンタッチしてお前はそのまま休暇というのが理想だが最初の内は試行錯誤があるからその老人との折衝もかねて週二日ほど頑張ってもらうつもりだ」
「しかし二日も開けて大丈夫でしょうか?」
「なーに言ってんだ、あんだけの書類の山こさえといて」
そういうとテルミットは思い出したのか恥ずかしそうに俯いて頬を赤らめる。明らかにオーバーペースなのだ。しかも上司が働いていると部下は心が休まらないのだからところどころで上司も楽をしている様を見せてメリハリをつけなければならないのだ。
テルミットはそれがとてつもなく下手なのでこちらから働きかけて他所へ出かけさせなければならない。
二日も空ければ極端だが部下は半数を一日ずつ完全休暇にできるし、その間にメンバーを増やしていけば週休二日を全体に採用できるようになるだろう。そして二日ならテルミットも孤児院の事に関してオーバーワークになることはないだろう。
「難しいかもしれないが適度に手を抜く事が大事だからな?」
「はい、わかりました」
そう言うとまた彼女は俺の顔を見て微笑む。堪らなくなったので俺は彼女にそっとキスして押し倒した。
「あの・・・いまからですか?!」
「ああ、きらいじゃないが子供の相手と仕事ばかりで俺もちょいと癒しが欲しいからな・・・これもメリハリってやつだ」
「そんな・・・んぅっ・・・あ・・・」
真昼間からちょいとハッスルしてしまったが軽めに抑えたのでテルミットの腰も何ともなかったが、ただ孤児院への視察は午後からにすることにした。
「あら、オーナーじゃない・・・って、アンタ達いたしてきたなら無理してこなくてもいいのよ?」
風呂まで入ってきたというのにヒューイには何故かバレた。なぜだ・・・。これがオカマの眼力なのか?
「オカマはね、女と男の気持ちがわかるのよ!」
「さよか」
ヒューイがなぜかムキムキの体を輝かせながら言っていたが軽く流す。お前はなんなんだ一体・・・。
「孤児院の子供に勉強を教えたいって言ってたわね?早速だけどエンゲンからおじいさんが来てるわよ」
何日も経ってないと思っていたが何時の間にかエルビン達がやってきていたようだ。テルミットを連れて孤児院の中へ入ると蔵書を小さな手押し車に載せて部屋に運び込んでいるエルビンに出くわした。
「おー、何時ぞやの・・・約束通り此処で教鞭を取らせていただきますぞ」
「あぁ、頑張ってくれ」
「ここなら2・30人くらい入れるかのぅ」
教室と準備室として使い道のなかった広間を改装し、広間に繋がっている小部屋を準備室兼書斎として使う事を決めているとのこと。
「そうかそうか、それと紹介しておきたいやつが居るがいいか?」
「おお、それは後ろの美人さんですかな?」
「ああ、妻のテルミットだ。週二日ほど此処で手伝いをするから使ってやってくれ」
「テルミットです、闘技場で働いていますが週に二日ほど此処でお手伝いさせていただきますね」
テルミットがそう言うとエルビンは嬉しそうに頷くと手を取って握手を交わす。
「ワシもこんな美人さんにお手伝いしてもらえるなら喜ばしい限りですじゃ。他の子と同様に孫の事もお願いしますぞ」
「なにぶん初めてのことですから・・・」
「なに、此処の子供達は意欲的ですからあんまり気にせずともよろしい、それにヒューイ殿もお手伝いしてくださるとの事ですしのぅ」
店を手放しても本を手放さないだけにエルビンも知識の大切さを分かっているのだろう。事務の達人と知識人が揃って子供に勉強を教えるのだから恐らく大丈夫だろう。そして勉強会が軌道にのればその分だけ闘技場での休暇のサイクルも整ってくる。至れり尽くせりだ。
目が覚めると時刻はもう昼ごろになっていた。声の主の方へ目を向けるとテルミットが俺の体にぴったりと体を密着させてなにやら焦っていた。
「どうした・・・?」
「と、とりあえず離してください・・・も、もれ・・・限界です・・・!」
うっすらと汗をかきながらそう言うのでようやく俺はテルミットを抱きしめたまま眠ってしまったことに気付いた。手を離してやるとぴゅーっと音が出そうな勢いでテルミットは飛び出していった。ああ、なるほど、トイレね。
それから五分ほどするとテルミットがすっきりした顔で戻ってきた。
「はふぅ・・・ところで旦那様は今日はどんな用事だったんですか?」
「お前の顔を見に来ただけさ」
そう言うとテルミットは笑顔になって俺の隣に座る。
「えへへ・・・そうですか」
「そうさ、それとついでに頼みたい事があってな」
「なんですか?」
上機嫌になってくれたところで俺はテルミットに孤児院の教育について話し始める。
「孤児院の子は何人か引き取られていったが中にはそのまま自立していく子もいるだろう、そうなればその子達には自活していくだけの技能が必要だ。そのために俺は早速エンゲンから一人老人を呼ぶことにしている、ただその老人も何時までも教師を続ける事は難しいだろうしその老人は元商人だから教えられることにも限界があるだろうし孫娘と一緒に孤児院に入るだろうから家族の時間も欲しいだろう」
「それで・・・私にどうすれば?」
「お前に休めと言って休めるものではない事は今回で理解できた。だからお前に闘技場を出て孤児院で勉強を教える立場になって欲しい」
「わ、私がですか?」
「そうだ、午前中の間に読み書きを教えて昼食を挟んで午後に老人とバトンタッチしてお前はそのまま休暇というのが理想だが最初の内は試行錯誤があるからその老人との折衝もかねて週二日ほど頑張ってもらうつもりだ」
「しかし二日も開けて大丈夫でしょうか?」
「なーに言ってんだ、あんだけの書類の山こさえといて」
そういうとテルミットは思い出したのか恥ずかしそうに俯いて頬を赤らめる。明らかにオーバーペースなのだ。しかも上司が働いていると部下は心が休まらないのだからところどころで上司も楽をしている様を見せてメリハリをつけなければならないのだ。
テルミットはそれがとてつもなく下手なのでこちらから働きかけて他所へ出かけさせなければならない。
二日も空ければ極端だが部下は半数を一日ずつ完全休暇にできるし、その間にメンバーを増やしていけば週休二日を全体に採用できるようになるだろう。そして二日ならテルミットも孤児院の事に関してオーバーワークになることはないだろう。
「難しいかもしれないが適度に手を抜く事が大事だからな?」
「はい、わかりました」
そう言うとまた彼女は俺の顔を見て微笑む。堪らなくなったので俺は彼女にそっとキスして押し倒した。
「あの・・・いまからですか?!」
「ああ、きらいじゃないが子供の相手と仕事ばかりで俺もちょいと癒しが欲しいからな・・・これもメリハリってやつだ」
「そんな・・・んぅっ・・・あ・・・」
真昼間からちょいとハッスルしてしまったが軽めに抑えたのでテルミットの腰も何ともなかったが、ただ孤児院への視察は午後からにすることにした。
「あら、オーナーじゃない・・・って、アンタ達いたしてきたなら無理してこなくてもいいのよ?」
風呂まで入ってきたというのにヒューイには何故かバレた。なぜだ・・・。これがオカマの眼力なのか?
「オカマはね、女と男の気持ちがわかるのよ!」
「さよか」
ヒューイがなぜかムキムキの体を輝かせながら言っていたが軽く流す。お前はなんなんだ一体・・・。
「孤児院の子供に勉強を教えたいって言ってたわね?早速だけどエンゲンからおじいさんが来てるわよ」
何日も経ってないと思っていたが何時の間にかエルビン達がやってきていたようだ。テルミットを連れて孤児院の中へ入ると蔵書を小さな手押し車に載せて部屋に運び込んでいるエルビンに出くわした。
「おー、何時ぞやの・・・約束通り此処で教鞭を取らせていただきますぞ」
「あぁ、頑張ってくれ」
「ここなら2・30人くらい入れるかのぅ」
教室と準備室として使い道のなかった広間を改装し、広間に繋がっている小部屋を準備室兼書斎として使う事を決めているとのこと。
「そうかそうか、それと紹介しておきたいやつが居るがいいか?」
「おお、それは後ろの美人さんですかな?」
「ああ、妻のテルミットだ。週二日ほど此処で手伝いをするから使ってやってくれ」
「テルミットです、闘技場で働いていますが週に二日ほど此処でお手伝いさせていただきますね」
テルミットがそう言うとエルビンは嬉しそうに頷くと手を取って握手を交わす。
「ワシもこんな美人さんにお手伝いしてもらえるなら喜ばしい限りですじゃ。他の子と同様に孫の事もお願いしますぞ」
「なにぶん初めてのことですから・・・」
「なに、此処の子供達は意欲的ですからあんまり気にせずともよろしい、それにヒューイ殿もお手伝いしてくださるとの事ですしのぅ」
店を手放しても本を手放さないだけにエルビンも知識の大切さを分かっているのだろう。事務の達人と知識人が揃って子供に勉強を教えるのだから恐らく大丈夫だろう。そして勉強会が軌道にのればその分だけ闘技場での休暇のサイクルも整ってくる。至れり尽くせりだ。
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