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第2章―戦いの砲火―
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「――随分と俺を高く評価するんだな?」
美岬がそう話すと整備士の彼は隣で言い返した。
「だって君は、あの有名なウィクトリア精鋭部隊のパイロットだろ?」
不思議そうに聞き返すとアビスを再び見上げた。その言葉に美岬は隣で呆れるように少し笑うと、アビスに搭乗する意思を伝えた。もうそこには彼自身に迷いはなかった。ただ、自分が何をすればいいのか解っていた。
整備士の彼は、美岬が乗る決意を固めると隣で頷いた。そして、慌ただしく走るとコントロールパネルがあるルームへと急いで向かった。
扉を開けて直ぐにロボットの起動作業に入った。彼は素早く操作をすると、アビスの起動システムボタンを押した。その瞬間、大きな機械音が格納庫の中で響いた。まるで唸り声をあげるように――。
アビスが起動すると彼は搭乗者専用の乗り物に乗るようにマイクで指示をだした。美岬は素早く搭乗者専用の乗り物に乗り、そのまま上の階へと辿り着いた。そして、コックピットの入り口の前に急いで向かうと教えられたコードを入力して、アビスのドアのハッチを開けた。
中からハッチが開くとコックピットの中に急いで乗り込んだ。そして、目の前にあるパイロットの操縦席に座った。美岬は席に座ると、起動画面に向かってパイロット認証の暗証番号を素早く入力した。
コントロールシステムを起動させるとアビスとのリンクをその場で開始させたのだった。美岬はたった僅か数秒でアビスの全起動システムの入力を終えた。そして、システムは正常に作動するといつでも発進出来る状態になった。
全ての作業が終ると美岬は操縦席の後ろに凭れて深呼吸をした。そして、目を瞑ってそこで考え事をしながら不意に呟いた。
「――…より、能力が低い機体でもやり方次第では何とかなる。どんな機体でも俺は必ず使いこなしてみせる!」
美岬はパイロットの操縦席の前で力強く呟いた。整備士は上にあがるとコックピットの入口に辿り着き、ハッチを開けてそこから顔を覗かせた。
「今から機体の安全装置を解除する。外は戦場だ、気を抜くなよ!?」
「ああ……!」
整備士は最後に言った。
「何か伝える事は……?」
美岬は瞳を閉じて静かに答えた。
「ない…――」
整備士は黙ると何も言わずに、コックピットから離れようとした。その時、美岬は再び目を開いて立ち去る整備士に声をかけた。
美岬がそう話すと整備士の彼は隣で言い返した。
「だって君は、あの有名なウィクトリア精鋭部隊のパイロットだろ?」
不思議そうに聞き返すとアビスを再び見上げた。その言葉に美岬は隣で呆れるように少し笑うと、アビスに搭乗する意思を伝えた。もうそこには彼自身に迷いはなかった。ただ、自分が何をすればいいのか解っていた。
整備士の彼は、美岬が乗る決意を固めると隣で頷いた。そして、慌ただしく走るとコントロールパネルがあるルームへと急いで向かった。
扉を開けて直ぐにロボットの起動作業に入った。彼は素早く操作をすると、アビスの起動システムボタンを押した。その瞬間、大きな機械音が格納庫の中で響いた。まるで唸り声をあげるように――。
アビスが起動すると彼は搭乗者専用の乗り物に乗るようにマイクで指示をだした。美岬は素早く搭乗者専用の乗り物に乗り、そのまま上の階へと辿り着いた。そして、コックピットの入り口の前に急いで向かうと教えられたコードを入力して、アビスのドアのハッチを開けた。
中からハッチが開くとコックピットの中に急いで乗り込んだ。そして、目の前にあるパイロットの操縦席に座った。美岬は席に座ると、起動画面に向かってパイロット認証の暗証番号を素早く入力した。
コントロールシステムを起動させるとアビスとのリンクをその場で開始させたのだった。美岬はたった僅か数秒でアビスの全起動システムの入力を終えた。そして、システムは正常に作動するといつでも発進出来る状態になった。
全ての作業が終ると美岬は操縦席の後ろに凭れて深呼吸をした。そして、目を瞑ってそこで考え事をしながら不意に呟いた。
「――…より、能力が低い機体でもやり方次第では何とかなる。どんな機体でも俺は必ず使いこなしてみせる!」
美岬はパイロットの操縦席の前で力強く呟いた。整備士は上にあがるとコックピットの入口に辿り着き、ハッチを開けてそこから顔を覗かせた。
「今から機体の安全装置を解除する。外は戦場だ、気を抜くなよ!?」
「ああ……!」
整備士は最後に言った。
「何か伝える事は……?」
美岬は瞳を閉じて静かに答えた。
「ない…――」
整備士は黙ると何も言わずに、コックピットから離れようとした。その時、美岬は再び目を開いて立ち去る整備士に声をかけた。
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