共鳴のヴァルキュリア (全話再編集完)

成瀬瑛理

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第2章―戦いの砲火―

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 「冴嶋総司令官、大変な事態が迫ってます! まさに悪夢です! 敵軍のミストラル部隊が北方面のエリアから我基地の本部へと徐々に進軍して来ています。最前線の防衛は愚か、敵に第1防衛ラインを突破されてしまいました! さらに続け様に第2第3第4エリアも敵の進軍を食い止める事が敵わなく。部隊の半数が全滅し、まさに我基地は壊滅状態です!」

その言葉に全体に緊張が走り抜けた。不穏な空気が司令本部に漂った。

「さらに現在、敵の強力なジャミング攻撃を我軍は受けており。どの部隊とも連絡をとるのが難しく非常に困難な状況下でもあります! そして、先ほどですが第5第6エリアのブロックを不覚にも敵軍に突破されてしまいました! 総司令官殿、今こそご決断を…――!」

 最後に報告をした男は彼にそう言うと真っ直ぐに敬礼をした。周りにいた部下達もその話を聞くと、そこにいた誰もが愕然とした。そして、憔悴しきった表情で沈黙したのだった。その時、冴嶋は黙っている部下達の前で一言いい放った。

「お前たちは生きることを諦めたのか――?」

 その言葉に部下の1人が突如、涙を流した。

「もはや生きたくても生き残れません!」

 彼は押し殺していた自分の感情を吐き出すと、涙声で訴えた。

「そうか、生きる事を諦めたのかお前達は……。いいか、あそこに映っているモニターを見ろ!」

冴嶋はそう言うとモニター画面に向けて、人差指を真っ直ぐ指した。彼の声に促されると部下達は一斉にモニター画面を見た。彼はある事を問い質した。

「あそこでアザゼルと戦っているのは誰だ?」

 彼の質問に男は涙を堪えながら答えた。

「アビスのパイロットです……」

 部下の1人がそう答えると、いきなり胸ぐらを思いきり両手で掴んだ。そして強い眼差しで言い放った。

「違う、そうじゃない……! 貴様の目は戦いでもうそこまで見えなくなってしまったのか!? あそこで今もあきらめずに懸命に戦っているのはお前よりも幼い子供達だと言う事が、わからなくなってしまったのかお前は!」

 冴嶋は彼に向かって怒鳴ると、部下の顔を思いきり拳で殴りつけた。殴られた部下は彼から強烈なパンチを一発喰らうと立っていられなくなり、床に思わず手をついた。冴嶋は、床に倒れ込んだ部下を上から鋭い目で見下ろした。 
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