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第8章―輝き―アグライア
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「偉そうに生意気な奴だ。確かにあいつらの仕事ぶりは私に言わせれば、まぁまぁ上出来だ。今回使われた強力なジャミング兵器は、奴らの基地の至る所に仕掛けられていると聞いている。それも最新型の兵器だから、奴らも簡単には探せまい。それにだ。その電波の影響は我々の機体や戦艦には影響を受けないように上手く作られているそうじゃないか、それで慌てるのは奴らのほうだ」
サイードはそう話すと、余裕な構えで笑い飛ばした。フィクサーは余裕で笑ってる彼に対して、呆れた顔を見せると直ぐに言い返した。
「確かにあいつらだけなら良いが、こちらも少し影響を受けている。最新兵器とは言え、まだ試作段階のを今回は無理にでも使ったんだ。それなりの誤算は出たさ。シェルバ博士には、あとでそう報告するしかないだろう――」
「フン、ジェルバか。あの男は、どうも好かん」
彼が不意にその事を口に出すと、フィクサーは威圧して言い返した。
「おい、貴様ぁっ! シェルバ様は我々にとって神に等しい存在! 気安くそんな言葉を口に出すとは許されることではないぞ!?」
そう言って声を荒らげて怒鳴るとサイードは鼻で笑った。
「『神』か…――。それはお前にとってだろう? 果たしてそれはどうであろうか。私はお前よりも、あの男を理解しているつもりだ」
「なにっ……!?」
サイードは意味深な言葉を口に出すと、それ以上は言わなかった。
「――さて、話を戻そう。奴らがシールドを作動させたことで外からの浸入は難しくなった。私が思うにだ。今の状況では簡単に手出しは出来なくなった。それに無理やりあのシールドを破壊すれば、中にいる我々の仲間にも危害が及ぶかも知れない」
彼はそう語って司令室にある大きな画面に目を向けると現在までの戦闘状況を冷静に把握した。フィクサーは彼の話しとは逆に、他の打開策を話した。
「アントワールも頭がキレた男だ。今の状況ではあいつも手出だしは出来ないだろう。それに我々の戦力もあの空戦部隊の連中に大分削られた。我々の新たな援軍がここに到着するまでは、この状況を冷静に見極めるしかないようだ」
「フィクサー、新たな援軍とは一体何の事だ?」
「何だ、お前は何も知らないのか? 大空母艦のジェネシスが、ここに間もなく到着する。新たな戦いはそれからだ。それまでは、中で戦っている連中に頼るしかないだろう」
「ジェネシスが……? という事は、我々の皇帝陛下が直々にここへお見えになるのか?」
「ああ、そうだ。皇帝陛下は大変物好きなお方だ。奴らが隠し持っている『アレ』に興味があるそうだ。何せアレは、我々にとっては脅威の存在だからな」
「確かに我々にとっては脅威だろう。いや、それは奴らも同じだ。私もこの目で一度、確かめたいものだ。伝説と呼ばれる存在を――」
サイードはそう語ると艦長の椅子に深く座って考え込んだ。
「……だとすると中で戦っている連中には今以上に頑張ってもらわなければ困るな。デッドマン・ドールズの兵とミストラル部隊とガルーダ部隊、あとゾディアック部隊の彼ら3人にも頑張ってもらうしかないようだ。アレを奪取する為に我々はここに攻めに来たんだからな」
その言葉にフィクサーも同じく返事をした。
「ああ、無論だ。アレを奪取したあかつきには、彼らは我々にとって偉大なる『英雄』になるだろう。あの存在そのものが、皇帝陛下にも我々にも脅威の存在だ。アレをカイン様やアベル様が上手く持ち帰って下さればいいが…――」
彼は隣でそう話すと、険しい表情で真っ直ぐ前を見つめた。その眼差しの先には彼らが脅威と呼ぶ存在がまだ眠りについていた。
サイードはそう話すと、余裕な構えで笑い飛ばした。フィクサーは余裕で笑ってる彼に対して、呆れた顔を見せると直ぐに言い返した。
「確かにあいつらだけなら良いが、こちらも少し影響を受けている。最新兵器とは言え、まだ試作段階のを今回は無理にでも使ったんだ。それなりの誤算は出たさ。シェルバ博士には、あとでそう報告するしかないだろう――」
「フン、ジェルバか。あの男は、どうも好かん」
彼が不意にその事を口に出すと、フィクサーは威圧して言い返した。
「おい、貴様ぁっ! シェルバ様は我々にとって神に等しい存在! 気安くそんな言葉を口に出すとは許されることではないぞ!?」
そう言って声を荒らげて怒鳴るとサイードは鼻で笑った。
「『神』か…――。それはお前にとってだろう? 果たしてそれはどうであろうか。私はお前よりも、あの男を理解しているつもりだ」
「なにっ……!?」
サイードは意味深な言葉を口に出すと、それ以上は言わなかった。
「――さて、話を戻そう。奴らがシールドを作動させたことで外からの浸入は難しくなった。私が思うにだ。今の状況では簡単に手出しは出来なくなった。それに無理やりあのシールドを破壊すれば、中にいる我々の仲間にも危害が及ぶかも知れない」
彼はそう語って司令室にある大きな画面に目を向けると現在までの戦闘状況を冷静に把握した。フィクサーは彼の話しとは逆に、他の打開策を話した。
「アントワールも頭がキレた男だ。今の状況ではあいつも手出だしは出来ないだろう。それに我々の戦力もあの空戦部隊の連中に大分削られた。我々の新たな援軍がここに到着するまでは、この状況を冷静に見極めるしかないようだ」
「フィクサー、新たな援軍とは一体何の事だ?」
「何だ、お前は何も知らないのか? 大空母艦のジェネシスが、ここに間もなく到着する。新たな戦いはそれからだ。それまでは、中で戦っている連中に頼るしかないだろう」
「ジェネシスが……? という事は、我々の皇帝陛下が直々にここへお見えになるのか?」
「ああ、そうだ。皇帝陛下は大変物好きなお方だ。奴らが隠し持っている『アレ』に興味があるそうだ。何せアレは、我々にとっては脅威の存在だからな」
「確かに我々にとっては脅威だろう。いや、それは奴らも同じだ。私もこの目で一度、確かめたいものだ。伝説と呼ばれる存在を――」
サイードはそう語ると艦長の椅子に深く座って考え込んだ。
「……だとすると中で戦っている連中には今以上に頑張ってもらわなければ困るな。デッドマン・ドールズの兵とミストラル部隊とガルーダ部隊、あとゾディアック部隊の彼ら3人にも頑張ってもらうしかないようだ。アレを奪取する為に我々はここに攻めに来たんだからな」
その言葉にフィクサーも同じく返事をした。
「ああ、無論だ。アレを奪取したあかつきには、彼らは我々にとって偉大なる『英雄』になるだろう。あの存在そのものが、皇帝陛下にも我々にも脅威の存在だ。アレをカイン様やアベル様が上手く持ち帰って下さればいいが…――」
彼は隣でそう話すと、険しい表情で真っ直ぐ前を見つめた。その眼差しの先には彼らが脅威と呼ぶ存在がまだ眠りについていた。
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