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第7章―消えゆく命の残り火―

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「こんなことしている場合じゃない、直ぐに後を追いかけるぞ!?」

「ああ、わかってるさ…――!」

レオンはアレックスに返事をすると、直ぐに向かおうとした。

「かぁーっ! どいつもこいつもさっきからチンタラと、ぐずってるんじゃねぇ! 俺が先に行くっ!!」

マードックはシビレを切らすと3人を置いて先に行こうとした。

「待て、マードックっ!!」

 アレックスが彼を引き留めるとジェイドが口を挟んだ。

「あいつに行かせてやれ! それに俺の機体じゃ足手まといだ! それに機体の損傷が激しくて、一人じゃ的もに飛べそうにもない! アレックス肩を貸してくれ!」

 ジェイドがそう話すと、アレックスは仕方なくマードックを先に行かせた。

「よし、わかった……! マードックお前は先に行け! それにレオン、お前も先に行くんだ!」

「ああ、わかったぜ!」

 レオンはアレックスに命令されると直ぐにマードックと共に後を追いかけた。一方その頃、2人と別れたカーターは基地に一人で向かっていた。

 両手に柱をしっかりと持ち、その眼差しはただ一点を見つめていた。はやる気持ちを抑えて敵の目を欺きながら慎重に基地へと向かった。

 周囲には敵の姿が僅かに見えたくらいで、他は陽動作戦に引っ掛かっていた。彼らが命懸けで敵を引き付けている間に、急いで基地に向かうしかないと思ったカーターは腹をくくった。

「クソッ、左のブースターがさっきよりも出力が落ちてきている! このままでは…――!」

彼は基地まであと少しの距離まで近づいた。だがそれまで機体がもつかは時間の問題だった。周囲を警戒しながら、慎重に飛んでいるとレーダーが突然、赤く点滅した。

「しまった、ロックされた! どこから!?」

 咄嗟に周囲を見渡すと1時の方向から敵の機体が姿を現した。敵は彼をロックすると、岩山の影から狙撃してきた。

「くっ、狙撃されたらまずい! こうなったら、振り切って…――!」

カーターは鬼気迫るものを瞬時に感じると一気にスピードを上げた。だが、それ以上のスピードは出なかった。振りきれないと悟った瞬間に、彼は絶体絶命のピンチに追い詰められた。

『うわぁあああああーーっ!!』

 カーターは突然、背後から狙撃されると機体は大きく揺れた。

「くそ、こんな所で……! こんな所で俺は終るわけには! なんとしてもこれを…――!」

 カーターは死の瀬戸際でなんとしても生きようと強く願った。全ては自分の腕に託されていた。作戦を成功させる。そのことだけが、今の彼を前へと突き動かしていた。

「これを、これをなんとしても…――!」

背後から狙撃されたことにより、左のブースターが完全に壊れた。そして、徐々にスピードも落ちてくると敵にとっては格好の餌食だった。

敵は彼を狙撃すると再びロックした。その瞬間、再びレーダーが赤く点滅した。

『クソッ、もう…――!!』

 再び敵にロックされると彼は死を覚悟した。

 ″こんなところで″

 彼の脳裏に不意にその言葉が浮かんだ。それはやりきれないおもいが交差した瞬間だった。格好の餌食となった所に再び狙撃された。そしてその弾丸は彼の方へと真っ直ぐ飛んだ――。
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