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第6章―運命の選択―

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「いつも口煩いアレックスとも、いつも生真面目なカーターとも、いつも無鉄砲で無茶ばかりするマードックとも、俺達これで最後かも知れないって言ってるんだよっ!!」

「レオン…――」

 ジェイドはその言葉に揺らぐこともない思いが揺れた。その言葉は胸の奥深くに突き刺さった。毎日鬱陶しいくらい、一緒に行動している仲間が急にいなくなるのは彼の中では考えられないことだった。

 レオンのその言葉に気づかされた時、ジェイドは己の為に生きたいと思っていた考えが少しだけ変わり始めた。レオンは自分の苦しい胸のうちを打ち明けた。

「――言っとくが俺はあいつらみたいに勇敢でもない! 正直、死ぬは怖いさ! もっと長く生きていたい! ハンバーグの野郎だってきっとそう思ったさ! でも、あいつはそんな事を考える暇もなく呆気なく死んじまった!」

「レオン……」

「ハーングの野郎がいなくなって、俺は急に怖くなっちまった……! 戦って死ぬという恐怖に、俺は負けたんだ! きっと今頃マードックの奴は抜けた俺達の事を腰抜けだと思ってる!」

「ああ、そうさ! 今の俺は腰抜け同然だ! 目の前にある生きるか死ぬかの選択に迷ってる! なのにあいつらは危険を承知で行っちまった! なのに俺はどうした、何で俺はここにいる!? 俺の選択は本当にあっているのかジェイド……! 俺は、俺は……! っう、わぁあああーーっ!」

 そこで感情を抑えきれなくなると大声を出して泣いた。命の『選択』は幼い少年達にとって重くのし掛かった。いまだに悩み続ける彼にジェイドは自分の思いを話した。

「何が正しいかなんて、俺に聞くなよ…――! あいつはな、ハーングの野郎はそんな事を考える暇もなく、あっという間に殺られちまったんだ!」

ジェイドの目に彼が死んだ時の光景が浮かんだ。その残酷な現実に、胸の中が掻き乱された。

「お前はまだ生きているからそんなことを考えていられるんだ! でもな、本当に死んじまったら何もかも終わりだ! 悲しみも悩みも全部キレイになくなっちまうんだ! 生きてる今が奇跡だと思え! そして、その奇跡が続く限り図太く生きるんだ! 俺は、俺はなっ…――!」

 彼は生と死の狭間で自分の揺れる感情に必死でもがいた。だがそんな時、彼の脳裏にふと思い出が過った。些細な記憶でしかないのにそんな記憶に心を一層、掻き乱された。
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