81 / 193
第5章―生と死の輪舞―(ロンド)
14
しおりを挟む
「凄い、信じられません……! 彼はアークⅡの隊長機を一人で撃破させました! もはや彼は、驚異的としか言いようがありません…――!」
オペレーターのディックはその事を呟きながら報告した。指令室にいた彼らは美岬の活躍に驚きながらも喜んだ。冴嶋は彼の活躍をモニター画面で見ながら真っ直ぐ前を見た。
「待たせたな、次はお前だ!」
美岬はゲルマンを倒すと、次はカインに狙いを定めた。彼はアレスの失った左手をカバーすると右手で鎌を持って立ち上がった。
「よくもゲルマンを……! こいつ、こいつ! 絶対にブッ殺してやるっ!!」
カインは操縦桿を握り締めながら、激しい怒りを込み上げた。
『こいつーーっ!!』
怒り任せに身を任せて叫ぶと、両肩からミサイルポットを数百発放った。更に続けざまにラードンから高熱エネルギーのビームを勢いよく撃った。
美岬はカインの攻撃を素早く回避しながら後方に下がった。そして、そこから放たれたミサイル弾をビームライフルで撃ち落とした。
彼がカインに気をとられていると、ゲルマンは背後から忍び寄るように彼の左足に右手で突如、ガシッと掴まってきた。
「捕まえたぞ!」
「何っ!?」
ゲルマンは機体の半身を失ったのにも関わらず、そのまま地べたを這うと彼の所まで辿り着いた。その恐るべき執念に美岬はそこで唖然となった。
彼の左足に掴まると、その手を絶対に離そうとはしなかった。ゲルマンは操縦席の前で狂気の笑みを浮かべながら笑った。
「ガッハッハッ! ついに捕まえたぞ、小僧! これで貴様は自由に動けまい! このゲルマンを侮った事を今から後悔させてやる!」
「くっ……! は、離せっ!!」
「ガッハッハッ! だれがこの手を離すものか、このまま貴様を道連れにしてやる!」
「な、何だと…――!?」
美岬は掴まれた手を振り払おうと真上から機体を踏みつけた。しかし、ゲルマンはそんなのには動じる事もなく、トラップシステムを作動させて機体の手を完全にロックした。
「こっ、こいつ……!」
その瞬間、彼の脳裏にある事が過った。それは最悪なシナリオだった。ゲルマンは操縦席の前でパスワードを打つと、ソロモンのシステムを起動させた。
こいつ、俺と自爆する気か――!?
美岬はその事を勘づくと咄嗟に持っている銃で腕を吹き飛ばそうとした。するとゲルマンは咄嗟に口走った。
オペレーターのディックはその事を呟きながら報告した。指令室にいた彼らは美岬の活躍に驚きながらも喜んだ。冴嶋は彼の活躍をモニター画面で見ながら真っ直ぐ前を見た。
「待たせたな、次はお前だ!」
美岬はゲルマンを倒すと、次はカインに狙いを定めた。彼はアレスの失った左手をカバーすると右手で鎌を持って立ち上がった。
「よくもゲルマンを……! こいつ、こいつ! 絶対にブッ殺してやるっ!!」
カインは操縦桿を握り締めながら、激しい怒りを込み上げた。
『こいつーーっ!!』
怒り任せに身を任せて叫ぶと、両肩からミサイルポットを数百発放った。更に続けざまにラードンから高熱エネルギーのビームを勢いよく撃った。
美岬はカインの攻撃を素早く回避しながら後方に下がった。そして、そこから放たれたミサイル弾をビームライフルで撃ち落とした。
彼がカインに気をとられていると、ゲルマンは背後から忍び寄るように彼の左足に右手で突如、ガシッと掴まってきた。
「捕まえたぞ!」
「何っ!?」
ゲルマンは機体の半身を失ったのにも関わらず、そのまま地べたを這うと彼の所まで辿り着いた。その恐るべき執念に美岬はそこで唖然となった。
彼の左足に掴まると、その手を絶対に離そうとはしなかった。ゲルマンは操縦席の前で狂気の笑みを浮かべながら笑った。
「ガッハッハッ! ついに捕まえたぞ、小僧! これで貴様は自由に動けまい! このゲルマンを侮った事を今から後悔させてやる!」
「くっ……! は、離せっ!!」
「ガッハッハッ! だれがこの手を離すものか、このまま貴様を道連れにしてやる!」
「な、何だと…――!?」
美岬は掴まれた手を振り払おうと真上から機体を踏みつけた。しかし、ゲルマンはそんなのには動じる事もなく、トラップシステムを作動させて機体の手を完全にロックした。
「こっ、こいつ……!」
その瞬間、彼の脳裏にある事が過った。それは最悪なシナリオだった。ゲルマンは操縦席の前でパスワードを打つと、ソロモンのシステムを起動させた。
こいつ、俺と自爆する気か――!?
美岬はその事を勘づくと咄嗟に持っている銃で腕を吹き飛ばそうとした。するとゲルマンは咄嗟に口走った。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる