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第5章―生と死の輪舞―(ロンド)
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しおりを挟む「くそっ、やりやがったな俺様の左腕を……! 左腕をよくもぉ! 絶対にぶっ殺してやる!!」
カインは目の前の敵に激しい怒りを燃やした。
「これで自慢の鎌も使えないな。雑魚は、そこで大人しく寝てろ!」
美岬はカインの前に立ちはだかると、持っている銃を向けた。ゲルマンは敵の動きを目の当たりにすると、そこで僅かに震えた。
「なっ、なんだ今のは……!? まったく動きが見えなかった! それどころか、カイン様が敵に押されているだと!? なんだあのパイロットは一体…――!?」
ゲルマンは只ならぬ状況を前に額から冷や汗をかいた。オペレーターのディックは美岬が乗っている機体のデータを見ながら驚愕した。
「そっ、そんな信じられません……! どう言うワケなのか、彼が乗っている機体の能力が急激に上昇しています! 更にアビス本来の力の領域を越えています! 数値は愚か、測定不能です! レゾナシステムを使わずにここまで力を発揮させれるなんて彼は普通じゃありませんよ…――!」
オペレーターのディックは愕然となると、その場で震えた声を上げた。
「――普通じゃなくて結構。現に彼はZナンバーの機体を相手に奮闘して戦っている。この際、我々はそれを見届けようとしよう」
「で、ですが冴嶋総司令官…――!」
彼は冷静にそう話すと、モニター画面をジッと見た。
「現時点でアレに敵う者は彼しかいない。お前達もよく見とくんだ。あれが第7基地の精鋭部隊のパイロットだ。つまり戦闘での実力は十分にあるということだ!」
彼のその話しに司令室にいた部下達は、改めて精鋭部隊のパイロットの実力を目にした。
ゲルマンは雄叫びをあげると電流鞭を美岬に向かって攻撃した。一瞬の隙をついて、電流鞭を相手の機体の右腕に巻きつけると、そこで一気に放電させた。
『ぐぁあああああああああっ!!』
「ガッハッハッハッハッ! いい気味だ。この私ゲルマンを侮ったな! そのまま無様にも惨たらしく死ねぇえええーーっ!!」
そう言って電流鞭で攻撃すると、あたかも勝ち誇った笑いをした。美岬は操縦席の前で、右腕に絡みついた電流鞭に苦戦した。
「くっ、100万ボルトだと…!? クソ、やってくれる! このままでは機体内部の全システムがショートする。それだけじゃない、感電するのも時間の問題だ! 幸い、この機体全体の防御力が上がっているから今は持ち堪えられるが……!」
美岬は目の前の敵に冷静なる殺意を抱いた。
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