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第22章ーセフィロトの兄弟ー
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しおりを挟む「兄貴も知ってるだろ。蛇は悪魔の下僕だ。邪悪な悪魔に飼われている蛇は、妖術が使えるんだ。お前が見た悪魔は、この蛇の仕業に間違いない。ただ、こんな一匹の蛇が俺達の住む天界に安々と紛れ込むようじゃ、警備をもっと厳重にしないとならないかもな――」
「ッ……!」
ガブリエルは彼にさっきの事を伝えると、部屋から出ようとした。
『待て!』
「何だよ?」
「それで僕がお前に感謝のお礼を言うと思ったか?」
そう言って話すと後ろから剣先を向けた。
「この僕に気安く触るなとあれほど言ったのに、お前は何一つも分かっていないな。例え悪夢に魘されようとも、そのまま放っておけばいいんだ。それなのに貴様は……!」
その言葉にガブリエルは後ろを振り向くと、兄の剣先に自らの胸を押し付けた。
「わかった。じゃあ、次からはそうする。それで気が治まらないなら、今すぐこの剣で俺の心臓を貫けばいい」
「くっ……! お前っ……!」
「ほら、どうした。やってみろよ。俺は死ぬのは怖くない。例え兄貴に殺されても本望だ」
「っ、己っ……!」
『兄さんっ!!』
ラファエルは扉を開けると慌てて部屋の中に入った。目の前で起きてる出来事に驚くと、2人の間に割って入った。
『一体、何やっているんだ2人とも…――!? 今すぐやめないか!』
そこで2人を引き離すと、ガブリエルは持っていた剣を床に落として弟に抱きついた。
「ラファエル、ラファエル……!!」
「兄さん……?」
急に抱きつかれると彼は混乱した。だが、ウリエルの震えた様子から2人の間に何か起きた事は想像できた。ラファエルは、震えて救いを求める兄の体を優しく抱きしめると落ち着かせた。
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