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第22章ーセフィロトの兄弟ー
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しおりを挟む「体の調子が良くなったらミカエルがいる病室に案内するよ。それまでは大人しく、身体を休めているんだ」
「ああ、そうするよ…――」
ウリエルは、彼の言うことを大人しく聞いた。ラファエルはガブリエルに話しかけると、その場を任せた。
「すまんが兄さんを宜しく頼む。私は部屋で少し休むよ」
「ああ、わかった。あとは俺に任せとけ」
「じゃあ、兄さん。またあとで……」
彼は2人にそう言って話すと、少し疲れた顔で部屋から出て行った。ラファエルは部屋を出ると長い渡り廊下を歩いて自分の部屋へと向かった。胸に込み上げてくるのは、切なさに似た嵐のような感情だった。
彼の心は一つの方へと向いていた。
自分の部屋に戻ると、扉の前で疲れた溜め息をついた。そのまま白衣を脱ぎ捨てると、ベッドに横たわって瞼を閉じた。瞳を閉じるとそこには、彼の姿があった。ラファエルは胸の奥に密かな感情を抱くと、どうしようもなく彼に会いたい気持ちに胸か押し潰された。
ラジエル。お前は今、何をしているんだ?
お前に会いたい……。
切ない表情で彼のことを想うと、そっと自分の肩を抱き締めた。そして、心は嵐のように掻き乱されるばかりだった。会いたい気持ちが募ると、ベッドから起き上がって鏡の前に立った。その鏡は特殊な鏡だった。人の心を映す鏡。その鏡の前に立つと不意にラジエルの事を思った。すると、鏡は自然にそれに反応して、彼の姿を鏡の中へと映し出した。
鏡の前で愛しい彼の姿を見つめると、何も言わずに鏡に手を置いて切ない溜め息をついた。鏡の前に凭れるとラファエルの心は、遠くにいる彼を求めたのだった――。
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