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第21章ー竜と少年ー
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しおりを挟む「ゴホン……! 起こってしまったことは、しょうがないとしてだな。取り合えず感想をきかせて貰おうか?」
「か、感想ってなんですか…――?」
「つまりアレだ。どうだった?」
「え? 何をですか……?」
「まーまー、惚けちゃって。それとも自慢か? 決まってるだろ!? リーナさんとのキスだよ!」
カイトは急に怒鳴ると胸ぐらを掴んで顔を近づけた。
「どうだったか聞いてるんだよ! リーナさんの唇どうだったんだ!?」
「カ、カイトさん……く、苦しいです…――!」
「もったいぶって話さないつもりか!?」
「ううっ……!」
彼に胸ぐらを掴まれたまま問い詰められると、顔をひきつらせながら話した。
「そ、そうですね……。プリンみたいに軟らかかったです…――」
『なっ、なに……!? それは本当か!?』
ユングのその言葉に彼の脳内に衝撃が走り抜けた。
“プリンみたいにやわらかい”
その言葉が14歳の少年の脳内を、ありとあらゆる角度で妄想させた。カイトは竜の餌やりをすっかり忘れると、その話しに食らい付いた。ユングのその話しに妄想を膨らますと、思わず生唾を飲み込んだ。
「そ~か、リーナさんの唇はプリンかぁ~。良いなー、俺もリーナさんにキスされたい!」
カイトは大きな声で話すと肩を落とした。
「――でも、カイトさん。リーナさんはハルバート隊長の彼女さんですから、それは無理です……」
ユングは然り気無くそのことを話した。
「そうなんだよなぁ。あ~、俺も美人な彼女が欲しい~!」
「カイトさんなら、直ぐに彼女さん作れるんじゃないですか? 顔も『普通』ですし」
「おい、なんか今の引っ掛かるのは気のせいか?」
何気ない言葉にカイトは思わずツッコミを入れた。
「お前、俺のことブサイクだとか思ってね? これでも小さい頃は、女の子にモテたんだぞ?」
「そっ、そうですか……」
「ああ、多分お前よりかはイケメンだと思うぞ?」
「す、凄いですね…――」
自画自賛して話す彼を横目に機嫌を損ねないようにと、やんわりと受け答えた。
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