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第20章―消せない罪―
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ガブリエルに促されると、2人は急いでテミスの宮殿へと向かった。テミスの宮殿はラグエルとウリエルの戦闘により。半壊した状態のままだった。僅かに修復作業は進んでるもの、まだ完全に修復されるには膨大な時間が必要だった。以前の美しい建物の姿は、もうそこにはない。宮殿だけではなく外の方も酷い状態だった。
綺麗に咲いていた草花さえも、大きな柱の石や破片に踏み潰されていた。ラファエルはウリエルの宮殿が酷い有り様になっていた事を改めて目の当たりにした。何も知らないラジエルは、それがラグエルの仕業だとは知らない。何も聞かされていない彼は、テミスの宮殿の酷い状態を見ると、驚愕せずにはいられなかった。
「これは酷い…! 一体、何が……!?」
ラジエルはテミスの宮殿の外を見ただけでも、驚きを隠せなかった。ラファエルは驚いている彼を引き連れて急いで中へ入って行った。宮殿内も酷い有り様だった。多少、綺麗に片付けられていたが。壁には大きな亀裂が入っていた。
美しい宮殿と言われていた面影はない。あるのは戦いの傷跡だけだった。そんな場所に兄が居るとおもうと、ラファエルは少なからず胸が痛んだ。宮殿の奥に進むと遠くから割れる物音が聞こえた。そして、女性達の呼び掛ける声が響いた。ラジエルは音が聞こえた場所に辿り着くとそこはウリエルの寝室だった。女官達は、寝室のドアを叩きながら呼び掛けていた。
「ウリエル様、どうかこの扉を開けて下さい…!!」
「ウリエル様!!ウリエル様!!」
女官達はドアの前で心配そうに呼びかけた。そこに、ラファエルが声をかけた。女官達の中にウリエルの部下が一人いた。長い赤色の髪に、お団子ヘアに長い三編みを一つに結んだ女性の名前はアールマティ。彼女は彼の直属の部下だった。細い体に甲冑を纏った姿は、戦士のように凛々しい姿だった。彼女の綺麗な緑の瞳は悲しみに曇っていた。
「どうしたんだいアールマティ。そんな顔して――?」
「あっ、これはラファエル様…――!!」
「ウリエル様が貴方様のお姿が見えない事に胸を痛めてお部屋で嘆いておられます…!!」
「知っているよ。さっきガブリエルに門の前で言われたからね。兄さんのいつもの悪い癖だ。そんなに気を使わなくてもいいよ」
ラファエルは心配する彼女にそう告げると、女官達をドアの前から下がらせた。部屋の中から再び割れる物音が響くと、ラファエルはドアをノックして声をかけた。
綺麗に咲いていた草花さえも、大きな柱の石や破片に踏み潰されていた。ラファエルはウリエルの宮殿が酷い有り様になっていた事を改めて目の当たりにした。何も知らないラジエルは、それがラグエルの仕業だとは知らない。何も聞かされていない彼は、テミスの宮殿の酷い状態を見ると、驚愕せずにはいられなかった。
「これは酷い…! 一体、何が……!?」
ラジエルはテミスの宮殿の外を見ただけでも、驚きを隠せなかった。ラファエルは驚いている彼を引き連れて急いで中へ入って行った。宮殿内も酷い有り様だった。多少、綺麗に片付けられていたが。壁には大きな亀裂が入っていた。
美しい宮殿と言われていた面影はない。あるのは戦いの傷跡だけだった。そんな場所に兄が居るとおもうと、ラファエルは少なからず胸が痛んだ。宮殿の奥に進むと遠くから割れる物音が聞こえた。そして、女性達の呼び掛ける声が響いた。ラジエルは音が聞こえた場所に辿り着くとそこはウリエルの寝室だった。女官達は、寝室のドアを叩きながら呼び掛けていた。
「ウリエル様、どうかこの扉を開けて下さい…!!」
「ウリエル様!!ウリエル様!!」
女官達はドアの前で心配そうに呼びかけた。そこに、ラファエルが声をかけた。女官達の中にウリエルの部下が一人いた。長い赤色の髪に、お団子ヘアに長い三編みを一つに結んだ女性の名前はアールマティ。彼女は彼の直属の部下だった。細い体に甲冑を纏った姿は、戦士のように凛々しい姿だった。彼女の綺麗な緑の瞳は悲しみに曇っていた。
「どうしたんだいアールマティ。そんな顔して――?」
「あっ、これはラファエル様…――!!」
「ウリエル様が貴方様のお姿が見えない事に胸を痛めてお部屋で嘆いておられます…!!」
「知っているよ。さっきガブリエルに門の前で言われたからね。兄さんのいつもの悪い癖だ。そんなに気を使わなくてもいいよ」
ラファエルは心配する彼女にそう告げると、女官達をドアの前から下がらせた。部屋の中から再び割れる物音が響くと、ラファエルはドアをノックして声をかけた。
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