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第10章―決着の行く末―
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しおりを挟む「チッ、どいつもこいつも生温くてしょうがねぇ奴ばかりだ! 生かすとか殺すとかウダウダ言いやがって……! そんなら俺が白黒つけてやる! 邪魔な奴は即刻排除で、ムカつく奴はぶっ殺せば結果オーライだろぉっ! 囚人、テメェは今ここで裁いてやる! 何せ俺は命を奪うことに何の躊躇いも感じない、非道な男だからな!」
『幻魔紅蓮地獄、円月輪! 逝っちまいな――!』
ケイバーは怪しさを秘めながらニヤリと笑うと、自身の秘められた力を瞬時に解放した。そして、躊躇いも無しに大胆に攻撃を仕掛けた。円形状の赤い刃を掌から召喚するとそれを勢い良く投げつけた。円形状の赤い刃は鋭く回転しながら囚人の方に向かって切りつけるように襲いかかった。
『うわぁあああああああああっ!!』
鋭い刃が回転しながら襲ってくる光景に囚人は恐怖に怯えると、そこで思わず声を上げて叫んだ。ハルバートは咄嗟に体が動くと、彼の前に庇うように立ちはだかった。そして、円形状の赤い刃を持っている斧で間一髪のところで食い止めて見せた。ハルバートが斧で技を受け止めると、ケイバーはチッと舌打ちをして顔を歪ませた。
「このっ、テメェ……! やっぱり普通じゃないな!? あの怪物野郎といい、お前といい、その並外れた力は普通じゃないぞ!」
ハルバートは急に何かを感づいたように、思わず声に出して言い放った。彼のその言葉にケイバーは突然、怪しくニヤッと笑った。
「バレちゃあ、しょうがねぇ。でも、これだけはさきに言っといてやる。俺達も同じだぜ。ただちょっとばっかし造りが違うけどな!」
そう言って意味深な言葉で言い返すと、さっきよりも技の力を強めて見せた。
「ほら受けきってみろよ! でなきゃ、どっちかが死ぬぜ!?」
「ッツ……!」
「血飛沫を散らすのはどっちだ? お前か、それともそいつか? 頑張らないと2人とも切り刻まれるぜ?」
ケイバーはそう言いつつも、徐々に力を上げた。
「チィッ!」
ハルバートは後ろに一歩押されると、再び斧で相手の技を押し返した。
『くっ、ぬぁあああああああああっ!!』
その瞬間、両腕に力を一気に込めると斧で技を弾き返した。ケイバーはそこで目を細目ると、舌打ちして狂気の顔を浮かべた。
「ははっ、さすが竜騎兵の隊長さんだ。そんな簡単にヤられたらつまんないからもっと俺を楽しませろよ?」
彼はそう話すと、ハルバートをさらに挑発してみせた。
「舐めてんじゃねーぞ、小わっぱが! 調子こくのも程ほどにしやがれ! 俺を誰だと思ってる! 俺はテメェなんかに簡単に殺られるような玉じゃねぇぞ! 百戦錬磨で戦って生き抜いてきた俺様を舐めてると死ぬほど後悔させてやる!」
ハルバートは威圧しながら言い返すと、雪原に斧を突き刺して、両腕を組んで仁王立ちして睨み返した。
「フッ、おもしれぇ。少しはアンタと本気でやり合えそうだ。そっちこそ、俺をただの看守だと思っているなら死ぬほど後悔させてやるぜ!」
ケイバーは再び円月輪の技を掌から繰り出すと、今度はそれを宙の真上で複数に増やした。
「こうなった以上は纏めてぶっ殺してやる! 死んじまっても悪く思うなよ!」
そう言って掌から無数の円月輪を放つと、躊躇いも無しに猛攻撃を仕掛けた。刃は鋭く回転しながら彼の方へと襲いかかった。ハルバートは地面に突き刺した斧を抜き取り手に持つと、そこでついに本気をみせた。
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