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第8章―吹雪の中の追跡―

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「ああ、そうだ! お前に一つ言っとく!」

「何だよハルバート?」

「お前から貰ってるアレあるだろ?」

「ああ、あの例の薬か――?」

「この前貰ったアレの効き目が凄すぎて、おかげで俺のお気に入りのオモチャが1人死んじまった」

「ハッ? おいおいマジかよ? 冗談だろ?」

「ああ、こっちもあの薬の効果には驚かされたぞ。アレ飲んだあと3日も寝ずに女とヤりまくったら、女の方が体力持たなかったらしく、最後は泡を吹いてあの世に逝っちまった」

 ハルバートがその事を話すと、ケイバーは顔をひきつらせた。

「しかもアレを一度飲むと、効果がなかなか消えねぇーからまいった。あんなに性欲が爆発したのは、自分でも久しぶりだったぜ。女と何回もヤりまくっても、俺の性欲は解消されなかった。それどころかまだまだ足りないくらいだったぜ。もうあの薬はいらないから二度と渡してくるな。ついでにあのおかしな魔導士にも言っとけ!」

 ハルバートはそう言うと釘をさした。

「おいおい、何だよ? アレはお気に召さなかったのか? お前が飲んでるアレとは格別だったろ? それに効果が抜群に大きいのが欲しいって言ったのはお前だろ。俺がアイツに頼んで特別に作らせたんだぜ。悪友からのプレゼントは最高だったろ?」

「最高なわけあるか! 俺まで殺す気か!? だったらお前もアレを一回飲んで見ろ! アレをきめたら3日間、SEX地獄だぞ!?」

 ハルバートはそう言って後ろを振り返ると、ジロッとケイバーを睨み付けた。

「確かもう一本残ってたはずだ。お前にもそれをくれてやるから飲めよ。お前も一度体験してみればわかる。アレがどんなに凄いかをな!」

「あのなぁ、何も試さなくても話を聞けば何となくわかる。だから俺はお前に、アレをいっぺんに2本も飲んだらあとで大変なことになるって忠告したんだよ。つーか、精力増強剤何て必要か?」

 ケイバー不意にその事を話すと、ハルバートは慌てて怒鳴った。

「バカ! こんな所でソレを口に出して言うな! あいつに聞かれるだろ!?」

「ん、あいつって誰だ?」

「あそこのポニーテールの金髪野郎だ!」

「ああ、リーゼルバーグか~?」

「ゴホン、そうだ……!」

「仮にも俺は元竜騎士だ。こんな廃れた奴でも、一応プライドはあるんだよ! ましてや同僚にそれを聞かれたら俺のメンツに傷がつくだろ!? もしあいつに笑い者にされたらテメーをハルシオンで切り崩してやる!」

 ハルバートがそこで威圧しながら話すと、ケイバーは顔をひきつらせて苦笑いを浮かべた。

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