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第6章―竜騎兵―
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しおりを挟む彼がそう話すとリーゼルバーグは一言言い返した。
「私も共について行くぞ。お前にお節介妬きだと思われても、今のお前はほっとけんからな」
彼がそう言い返すとハルバートは後ろを振り向いて、呆れた表情を見せた。
「フン、好きにしろ……!」
2人は一通り話し終えるとダモクレスの岬に行くことを決めた。そして、ハルバートはジャントゥーユに話しかけた。
「おめでとさん、俺達はアンタのご主人様の出動命令に従ってやることにした。でも、肝心なことを1つ言い忘れてた。生憎だが俺達のご主人様は坊ちゃんよりも、一番偉いここの所長さんなんだよ。で、俺達はギレイタスの直属の部下って奴だ。俺達に命令をだすなら、先にギレイタスに出動命令の許可を取ってからにしろ」
彼はそう話すと、再び椅子の上にドカッと座った。
「ややこしいと思うがこれもアイツとの契約の1つなんでね。見回りと、緊急時以外の出動には全て、アイツからの許可が必要なんだ。なんなら誓約書を今ここに持ってきて見せてもいいんだぜ。おい、確かそうだったよな?」
ハルバートがそう質問すると、リーゼルバーグは頷いて答えた。
「ああ、そうだったな。誓約書にはそう書かれていた。緊急時に出動する場合はギレイタス様からの許可が必要だ」
2人はそう話すとジャントゥーユに話した。
「さてと、どうする? 俺達はいつでも出動してもいい。でも、奴からの許可が必要だ。いくらお坊ちゃんの頼みでも、俺達にも色々と事情があるんだ。わかるだろ?」
彼がそう話すとジャントゥーユは黙って頷いた。
「なら……クロビスにそう伝える。お前達は結局、役立たずだったとな……」
ジャントゥーユは彼らの前でそう話すと薄気味悪い顔で笑った。小バカにした感じで笑うと、彼は部屋から出て行こうとした。すると、ハルバートが後ろから声をかけて引き留めた。
「おい、待てよ。ひとの話は最後まで聞くもんだぜ。それとも何か、坊ちゃんが恋しくなったか?」
ハルバートはそう話すと、挑発的な顔で笑ったのだった。
「確かに出動命令には、アイツからの許可が必要だ。でも、アイツは今ここにはいない。二、三年前に体を壊してからアイツはここから離れた所にある街に療病生活をしている。だからそんな所にまで行って許可を貰いに行く奴はイカれてるとしか言い様がない。じゃあ、どうするかって聞きたいか? どうすれば言いのかわからないなら俺が1つ教えてやる」
彼はそう話すと前屈みになってジャントゥーユに話しかけた。
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