2 / 10
2
しおりを挟む
午後の4時頃、仕事が一段落ついた。街中は何故か浴衣姿の女性が多かった。俺は近くの喫茶店で珈琲を一杯飲みながら一休みした。
メールやLINEをチェックしたが、あれから千里と連絡が取れない。やっぱりさっきので怒っているに違いない。だが今の俺は彼女よりも仕事の方が大事だ。千里には悪いが、今は大事な取り引きがある。そこに恋愛感情は邪魔なだけだ。俺はそう自分自身に言い聞かせていた。俺は23歳で社会人。そして千里は19歳の大学生だ。俺は社会人だけどまだ未熟者だ。そんな俺は仕事が今、優先的になっている。この前も彼女との約束をすっぽかした。
別に好きですっぽかした訳じゃないけど、あの時は休みだったけど会社に呼ばれて行けなくなったんだ。千里はあのあと酷く怒っていた。「映画館、一緒に観ようって約束したじゃん! 晃彦は私より仕事の方が大事なの!?」そう言って彼女は、泣きながら責めてきた。その言葉に返す事も出来ない俺は、ただゴメンと謝るしかなかった――。
穴埋めせでその度に何回彼女との約束をすっぽかしたかはわからない。だから今回もきっと怒っているに違いない。そして、俺は思い出せない約束を必死で思い出そうと考えた。そんな時、壁にかかっていた時計が目についた。よく見ると時計は6時になっていた。俺はそこで気がつくと、飲みかけの珈琲をテーブルに置いたまま席を立って喫茶店を出て行った。
メールやLINEをチェックしたが、あれから千里と連絡が取れない。やっぱりさっきので怒っているに違いない。だが今の俺は彼女よりも仕事の方が大事だ。千里には悪いが、今は大事な取り引きがある。そこに恋愛感情は邪魔なだけだ。俺はそう自分自身に言い聞かせていた。俺は23歳で社会人。そして千里は19歳の大学生だ。俺は社会人だけどまだ未熟者だ。そんな俺は仕事が今、優先的になっている。この前も彼女との約束をすっぽかした。
別に好きですっぽかした訳じゃないけど、あの時は休みだったけど会社に呼ばれて行けなくなったんだ。千里はあのあと酷く怒っていた。「映画館、一緒に観ようって約束したじゃん! 晃彦は私より仕事の方が大事なの!?」そう言って彼女は、泣きながら責めてきた。その言葉に返す事も出来ない俺は、ただゴメンと謝るしかなかった――。
穴埋めせでその度に何回彼女との約束をすっぽかしたかはわからない。だから今回もきっと怒っているに違いない。そして、俺は思い出せない約束を必死で思い出そうと考えた。そんな時、壁にかかっていた時計が目についた。よく見ると時計は6時になっていた。俺はそこで気がつくと、飲みかけの珈琲をテーブルに置いたまま席を立って喫茶店を出て行った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
常夏の恋
夜色シアン
恋愛
蝉が五月蝿く鳴き続ける暑い日のこと。彼女は突然“あなた”の目の前に現れた。
「やっほ、久しぶり!」
思えばこの再開は彼女とあなたの“約束”を果たすため神が導いたものなのかもしれないーー
主人公は“読者”
体験型で紡がれる恋愛物語をとくとご覧あれ
※なお、Re:Memories of summerは主人公は読者ではなく透也というキャラとなってます。
【完結】元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
一茅苑呼
恋愛
女って、なんでこんなに面倒くさいんだ。
【身勝手なオトコ✕過去にすがりつくオンナ】
── あらすじ ──
クールでしっかり者の『彼女』と別れたのは三ヶ月前。
今カノの面倒くささに、つい、優しくて物分かりの良い『彼女』との関係をもってしまった俺。
「──バラしてやる、全部」
ゾッとするほど低い声で言ったのは、その、物分かりの良いはずの『彼女』だった……。
※表紙絵はAIイラストです。
※他サイトでも公開しています。
最期の花火
刀梓(Toshi)
恋愛
男女2人用(ナレーション別で3人も可)の声劇台本です。
⚠注意書⚠
動画·音声投稿サイトに使用して頂ける場合は、語尾変更や方言などの多少のアレンジはOKですが、大幅なアレンジや台本の世界観を逸脱する様なアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
台本の使用する場合は、読み手様のお名前、Twitterアカウント、投稿して下さったサイト名とURLを明記の上、
作者のTwitter(@toshi_zoh)へDM頂ければと思います。できる限り無許可での使用を控えて頂けると有難いです。
またYoutube等の動画投稿の際には、作者のTwitterアカウント(@toshi_zoh)の記載をお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる