上 下
83 / 83
寺島が気になるわけない!

3

しおりを挟む
 デスクに鞄を置いて、お茶汲みのネーチャンに声をかけた。

「あっ、そこにいる誰か! 淹れたてのコーヒーを持ってきてくれ、砂糖は抜きで頼む!」

 デスクに座ってネクタイをクイッと緩めると、キリッとした顔で報告書に目を通した。間もなくして彼の所に淹れたてのコーヒーを運んできた。報告書に目を通していると、近くにスッとコーヒーが差し出された。

「ああ、すまんな。ご苦労様」

 潮海はコーヒーカップを片手に、報告書を見ながら飲もうとした。不意に視線に気がつくと目を向けた。するとそこにはお盆を持った寺島が彼の事を黙って見ていた。

『ブハッ!!』

 寺島を見るなり勢い良く吹き出した。そして、ガクガクと震えながら指を指した。

「なっなっ、何で貴様がっ!?」

「え? 今さっき潮海課長、僕にコーヒー持って来いって言ってたじゃないですか?」

「お茶汲みのネーチャン達はどーした!?」

「ああ、見てないです。まだ来てませんよ?」

「チッ……!」

「あの、潮海課長……」

「おい! 水無月君、水無月! ちょっと!」

 潮海が呼ぶとデスクで仕事をしていた水無月が椅子から立ち上がって足早にきた。

「はいはーい! 潮海カチョー! ボクを呼びましたか? テヘッ☆」

「水無月君、ちょっと今すぐコーヒー持ってきてくれないか?」

「了☆ アイアイサー! この水無月、今すぐ潮海カチョーの為に温かいコーヒーを淹れてくるでありま~す!」

「ああ、みなっち、よろしく頼む!」

「もー! しおっちったら水くさいな~! このみなっち、潮海カチョーに尽くす事に生き甲斐を感じてますので、どうか遠慮なさらず☆」

 見た目が小悪魔風で、小柄で可愛い青年は。潮海の為にコーヒーを淹れに行った。彼は後ろから水無月の体を見ながら『ああ、アイツうまそうな体してるな。一発抜きてぇな』と軽く目で視姦しながら手を振った。寺島は黙り込んだまま、彼をジッと見た。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!? ※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。 いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。 しかしまだ問題が残っていた。 その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。 果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか? また、恋の行方は如何に。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

処理中です...