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愛妾グロリア
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「……初めてお目にかかります。ルロウ国のリラです」
この国の作法がどうなのかは分からないが、いきなり王族に向かってこの態度は如何なものか。リラは憤りを覚えたが目の前の女も王族かもしれない、何しろ城にいるんだからと、感情を押し殺した。
「あ、貴方が人質のリラね」
人質?!リラは大きな目を更に見開いた。ルロウとモルトワは友好国だ。人質の必要なんてない。ましてや今回の婚姻に政治的な意図はゼロなのに。
「どのような情報が伝わっているのか分かりませんが人質ではありません。セラフィス様はどちらですか?」
「セラフィスは忙しくて貴方に会う暇は無いわ。仕方ないから部屋を用意しました。そこで大人しくしていて」
セラフィス……彼を呼び捨てに出来るのであれば母親……にしては若いので王族の身内だろう。でもとにかく今は体を休めたい。
リラはそう思い彼女に向かって黙って頷いた。
それを見た女は何が楽しいのか声を上げて笑い、控えていた侍女に何やら指示している。
もう少しの我慢だ。セラフィスと会えば全て解決する。
リラは拳をぎゅうと握り促されるまま城に足を踏み入れた。
「え?」
案内された部屋に入った瞬間、思わず声が出た。
え?ここ?嘘だよね?
ドアを開けた先にあったのは侍女が使うような粗末で狭い部屋だった。打ちっぱなしの木が剥き出しで装飾の欠片も無いベッドと文机がひとつ。
「事前に送った荷物はどこです?」
無愛想な侍女に向かって尋ねると、驚くような返事が返って来る。
「処分しました」
「は?!」
全ての衣装や装飾品、身の回りの物が入っている。あれがないと明日着る服さえ無いのに?
「何故?」
あまりの事に怒りも忘れ至極真っ当な問いかけだけが口をつく。
「グロリア様の指示なので」
おおよそ王族に対する態度では無い彼女の言葉で、そのグロリア様と言うのが先ほどの女の事だと察した。
「何故僕の荷物の采配をあの人が?」
「グロリア様はこの城の全てを取り仕切っておられます」
「あの人は誰?」
「セラフィス殿下の奥様です」
「……え?」
奥様?奥様って言った?
リラは混乱のあまり気を失いそうになる。
「奥様って結婚してるって事?」
モルトワはルロウと同じく一夫一婦制のはず。結婚しているなら何故僕を受け入れたのか。
「グロリア様は素晴らしい方ですが身分の関係で正式に婚姻はしておられません。けれどお二人はとても仲睦まじく過ごしておられるので貴方の事は城の誰一人として歓迎していませんから」
……なんと言う事だろう。
その言葉でリラは先程からの自分への態度の理由を理解した。
つまり二人は内縁関係。問題なく過ごしているのにそこに僕が割り込んで来たと言う事なんだ。……確かにそんな人達からしてみれば僕は邪魔者だよな。けれどそれなら何故婚姻を打診した時点で言わなかったんだろう。むしろ歓迎すると返事を寄越したのは何か理由があるのか?
「自分の立場が分かったらここで大人しくしていて下さい」
「セラフィスは……」
「来られるわけないでしょ」
そう言うと侍女は乱暴にドアを閉めて出て行く。リラはあまりの事に呆然として軋む椅子に倒れ込んだ。
そうかセラフィスにはもう愛する人がいるんだ。僕の事なんかもうすっかり忘れてた。
銀色の瞳から涙が溢れる。
夢見た二人の暮らしが蜃気楼のように消えていった。
家族があんなに反対したのはこの事を知っていたからだったのか。それならどうして教えてくれなかったんだ。
けれどリラはそんな反対を押し切って嫁いで来た。どんな苦労も耐えられるのかと聞かれた時でさえ意気揚々とはいと答えたのだから。
泣いている場合じゃない。とにかくセラフィスに会って話をしなければ。
リラは狭い部屋の中でただひたすらこの後の事を考え続けた。
小さい窓から朝日が差し込む。
殆ど眠れないまま、リラは硬い寝台から身を起こした。
昨夜は待てど暮らせど夕食が運ばれて来る気配はなかった。粗末なベッドは少し寝返りをしただけで酷く軋み、その度に目が覚めたし、薄汚れた上掛けだけでは寒くて凍えた。
流石にこの扱いは無いだろう。
昨夜から考えて考えて考え過ぎたのか、リラの思考は理不尽な仕打ちへの怒りに転化していた。
自分はきちんと手順を踏んでここに来た。セラフィスに奥方がいるならいるで、せめてちゃんと説明して欲しい。そして今後の事を決めさせて欲しい。
「誰か!!」
リラはドアを開け、力一杯叫んだ。
風呂も入りたいし寒いから毛布も欲しいし、お腹も空いた。何よりこの粗末な部屋で過ごす理由が僕には無い!
何度か叫んでいると昨日とは違う侍女が走って来た。
「どうかなさいましたか?あ!リラ王子様ですか?」
黒髪を綺麗に結い上げた中年の侍女は驚いてリラの顔を見て膝を折り、ちらりとリラの出て来た部屋を見た。
「まさかこの部屋でお眠りに……」
「そのまさかだよ。来るなりここに押し込まれたからね」
「大変申し訳ございません!いらっしゃっていたとは露知らず!」
その態度にこの侍女に責任はない事に気付いたリラは怒りを鎮め、セラフィスの居場所を聞く。なんでもグロリアとか言う女のいる宮殿に入り浸りらしい。
「その宮殿は近いの?」
「敷地内ですが馬車で十五分ほどかかります」
「なんだよ。いるんじゃないか」
さっさと話をつけよう。
話を聞けば聞くほどもうここに僕が好きになった彼はいない。
「すぐ執事に連絡を取りますが何しろ……」
侍女が言いにくそうに言葉を濁した。
ああ、あの女が邪魔するんだ。権力者だって言ってたもんね。
「今すぐ会いに来なければ今日国に戻りますと伝えて下さい」
「承知いたしました!」
侍女は足早に去っていく。
最後の賭けだ。これで来なければ意地を張らずルロウに戻って家族に頭を下げよう。
しばらくすると昨日の侍女がリラを迎えに来た。
……この人にはもう会いたくなかったけど仕方ないな。
そう思いながらも黙って着いていく。
セラフィスに失望はしたけどせめてお風呂に入って着替えたかった。十三年ぶりの再会なのに。
リラはよれた襟元を引っ張り、そっと袖の汚れを叩く。
何故こんな思いをしなければならないのか。国に戻るにしても一言言ってやらないと気が済まない。
「こちらです」
無愛想にそう言って立派なドアの前に案内されたが、昨日の自分の部屋を思い出してまた怒りが込み上げて来る。
「セラフィス!」
きつい口調で名前を呼びながら部屋に入るといきなり誰かに抱きつかれた。
「えっ?!ちょっ……!」
「リラ!」
驚いて見上げると記憶から十三年分成長したセラフィスが変わらぬ碧い目で僕を見つめてる。
「会いたかったよ!リラ!よく来てくれたね!昨日は侍女の手違いで大変な目に遭わせてしまったと聞いた。本当に申し訳無い。きちんと部屋を用意したからすぐに移って欲しい」
「え?あ、はい」
予想外の反応にリラは面食らい、思わずそう返事してしまった。
今日帰るつもりだったのに!
「ああ、美しく成長したね、私のリラ。君をずっと待ってたよ」
「あ、はい」
何だか変わったな。確かにセラフィスではあるんだけど……以前はもっとこう思慮深い知性のある話し方だった気がする。
けれどリラだって大人になって以前より気も強くなったし可愛くもなくなっているはず。それだけで彼に幻滅するのはお門違いだろう。
「僕も会いたかった」
違和感を感じつつもリラはそう言ってセラフィスの背中に腕を回し彼を抱き返した。
この国の作法がどうなのかは分からないが、いきなり王族に向かってこの態度は如何なものか。リラは憤りを覚えたが目の前の女も王族かもしれない、何しろ城にいるんだからと、感情を押し殺した。
「あ、貴方が人質のリラね」
人質?!リラは大きな目を更に見開いた。ルロウとモルトワは友好国だ。人質の必要なんてない。ましてや今回の婚姻に政治的な意図はゼロなのに。
「どのような情報が伝わっているのか分かりませんが人質ではありません。セラフィス様はどちらですか?」
「セラフィスは忙しくて貴方に会う暇は無いわ。仕方ないから部屋を用意しました。そこで大人しくしていて」
セラフィス……彼を呼び捨てに出来るのであれば母親……にしては若いので王族の身内だろう。でもとにかく今は体を休めたい。
リラはそう思い彼女に向かって黙って頷いた。
それを見た女は何が楽しいのか声を上げて笑い、控えていた侍女に何やら指示している。
もう少しの我慢だ。セラフィスと会えば全て解決する。
リラは拳をぎゅうと握り促されるまま城に足を踏み入れた。
「え?」
案内された部屋に入った瞬間、思わず声が出た。
え?ここ?嘘だよね?
ドアを開けた先にあったのは侍女が使うような粗末で狭い部屋だった。打ちっぱなしの木が剥き出しで装飾の欠片も無いベッドと文机がひとつ。
「事前に送った荷物はどこです?」
無愛想な侍女に向かって尋ねると、驚くような返事が返って来る。
「処分しました」
「は?!」
全ての衣装や装飾品、身の回りの物が入っている。あれがないと明日着る服さえ無いのに?
「何故?」
あまりの事に怒りも忘れ至極真っ当な問いかけだけが口をつく。
「グロリア様の指示なので」
おおよそ王族に対する態度では無い彼女の言葉で、そのグロリア様と言うのが先ほどの女の事だと察した。
「何故僕の荷物の采配をあの人が?」
「グロリア様はこの城の全てを取り仕切っておられます」
「あの人は誰?」
「セラフィス殿下の奥様です」
「……え?」
奥様?奥様って言った?
リラは混乱のあまり気を失いそうになる。
「奥様って結婚してるって事?」
モルトワはルロウと同じく一夫一婦制のはず。結婚しているなら何故僕を受け入れたのか。
「グロリア様は素晴らしい方ですが身分の関係で正式に婚姻はしておられません。けれどお二人はとても仲睦まじく過ごしておられるので貴方の事は城の誰一人として歓迎していませんから」
……なんと言う事だろう。
その言葉でリラは先程からの自分への態度の理由を理解した。
つまり二人は内縁関係。問題なく過ごしているのにそこに僕が割り込んで来たと言う事なんだ。……確かにそんな人達からしてみれば僕は邪魔者だよな。けれどそれなら何故婚姻を打診した時点で言わなかったんだろう。むしろ歓迎すると返事を寄越したのは何か理由があるのか?
「自分の立場が分かったらここで大人しくしていて下さい」
「セラフィスは……」
「来られるわけないでしょ」
そう言うと侍女は乱暴にドアを閉めて出て行く。リラはあまりの事に呆然として軋む椅子に倒れ込んだ。
そうかセラフィスにはもう愛する人がいるんだ。僕の事なんかもうすっかり忘れてた。
銀色の瞳から涙が溢れる。
夢見た二人の暮らしが蜃気楼のように消えていった。
家族があんなに反対したのはこの事を知っていたからだったのか。それならどうして教えてくれなかったんだ。
けれどリラはそんな反対を押し切って嫁いで来た。どんな苦労も耐えられるのかと聞かれた時でさえ意気揚々とはいと答えたのだから。
泣いている場合じゃない。とにかくセラフィスに会って話をしなければ。
リラは狭い部屋の中でただひたすらこの後の事を考え続けた。
小さい窓から朝日が差し込む。
殆ど眠れないまま、リラは硬い寝台から身を起こした。
昨夜は待てど暮らせど夕食が運ばれて来る気配はなかった。粗末なベッドは少し寝返りをしただけで酷く軋み、その度に目が覚めたし、薄汚れた上掛けだけでは寒くて凍えた。
流石にこの扱いは無いだろう。
昨夜から考えて考えて考え過ぎたのか、リラの思考は理不尽な仕打ちへの怒りに転化していた。
自分はきちんと手順を踏んでここに来た。セラフィスに奥方がいるならいるで、せめてちゃんと説明して欲しい。そして今後の事を決めさせて欲しい。
「誰か!!」
リラはドアを開け、力一杯叫んだ。
風呂も入りたいし寒いから毛布も欲しいし、お腹も空いた。何よりこの粗末な部屋で過ごす理由が僕には無い!
何度か叫んでいると昨日とは違う侍女が走って来た。
「どうかなさいましたか?あ!リラ王子様ですか?」
黒髪を綺麗に結い上げた中年の侍女は驚いてリラの顔を見て膝を折り、ちらりとリラの出て来た部屋を見た。
「まさかこの部屋でお眠りに……」
「そのまさかだよ。来るなりここに押し込まれたからね」
「大変申し訳ございません!いらっしゃっていたとは露知らず!」
その態度にこの侍女に責任はない事に気付いたリラは怒りを鎮め、セラフィスの居場所を聞く。なんでもグロリアとか言う女のいる宮殿に入り浸りらしい。
「その宮殿は近いの?」
「敷地内ですが馬車で十五分ほどかかります」
「なんだよ。いるんじゃないか」
さっさと話をつけよう。
話を聞けば聞くほどもうここに僕が好きになった彼はいない。
「すぐ執事に連絡を取りますが何しろ……」
侍女が言いにくそうに言葉を濁した。
ああ、あの女が邪魔するんだ。権力者だって言ってたもんね。
「今すぐ会いに来なければ今日国に戻りますと伝えて下さい」
「承知いたしました!」
侍女は足早に去っていく。
最後の賭けだ。これで来なければ意地を張らずルロウに戻って家族に頭を下げよう。
しばらくすると昨日の侍女がリラを迎えに来た。
……この人にはもう会いたくなかったけど仕方ないな。
そう思いながらも黙って着いていく。
セラフィスに失望はしたけどせめてお風呂に入って着替えたかった。十三年ぶりの再会なのに。
リラはよれた襟元を引っ張り、そっと袖の汚れを叩く。
何故こんな思いをしなければならないのか。国に戻るにしても一言言ってやらないと気が済まない。
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無愛想にそう言って立派なドアの前に案内されたが、昨日の自分の部屋を思い出してまた怒りが込み上げて来る。
「セラフィス!」
きつい口調で名前を呼びながら部屋に入るといきなり誰かに抱きつかれた。
「えっ?!ちょっ……!」
「リラ!」
驚いて見上げると記憶から十三年分成長したセラフィスが変わらぬ碧い目で僕を見つめてる。
「会いたかったよ!リラ!よく来てくれたね!昨日は侍女の手違いで大変な目に遭わせてしまったと聞いた。本当に申し訳無い。きちんと部屋を用意したからすぐに移って欲しい」
「え?あ、はい」
予想外の反応にリラは面食らい、思わずそう返事してしまった。
今日帰るつもりだったのに!
「ああ、美しく成長したね、私のリラ。君をずっと待ってたよ」
「あ、はい」
何だか変わったな。確かにセラフィスではあるんだけど……以前はもっとこう思慮深い知性のある話し方だった気がする。
けれどリラだって大人になって以前より気も強くなったし可愛くもなくなっているはず。それだけで彼に幻滅するのはお門違いだろう。
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