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16話
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翌日
桜宮が仕事の為に家を出たのを確認して三葉もそっとマンションを抜け出した。
大学にいるはずの理佐に会うためだ。
深夜になって浩太に連絡を取ってみたが以前の携帯は解約したのか繋がらなかった。
心当たりといえばもう理佐しかない。
三葉は休学中である自身の身を隠すように帽子を目深に被り目的地に向かった。
「・・何してんのよこんなとこで」
馬鹿でかい敷地内で長時間探す事を覚悟していたが思ったよりあっさり一人で歩く理佐を見つけられた。
「浩太の連絡先を知りたいんだ」
わざと困った風にそう告げると理佐は鼻で笑った。
「なんなの?あんたなんかに教えるわけないじゃない」
知らないとは言わなかった。
やはり理佐とは連絡を取り合ってるんだ。
「頼むよ。離れてみて分かったんだ。やっぱり俺には浩太しかいない。あいつ元気にしてんの?大学辞めたって聞いて心配してるんだ。どこにいんの?」
心にもない言葉をつらつらと並べ立て縋るようにそう伝えるとため息を吐きながら理佐が三葉を見た。
「浩太は知り合いの仕事を手伝うとかでその人のとこにいるわよ。もうあんたなんか相手にしない。あの人と番うのは私一人で十分よ。子供産んでちゃんと結婚してもらうんだから」
「仕事って何してんの」
「そんなの知らないわよ」
仕事・・恐らくオメガ園の人身売買組織のことだ。
やっぱり繋がってた。
「頼むよ。俺今体売って生活してるんだ。結構人気あるからそこそこ稼いでる。浩太が望むなら金を全部渡してもいい。連絡取ってくれよ」
「そこまで落ちたわけ?バカじゃない?」
薄ら笑いでそう言うが金と聞いて理佐の目の色が変わったのを感じた。
「そんなに貢ぎたいなら伝えといてあげる。でも浩太はあんたに未練なんかないんだから勘違いしないでよ」
「ありがとう!それとこの前は気が立ってて暴言吐いてごめん、やっぱりよく考えたら浩太のそばにいたいって伝えといて」
「何かわかんないけどそう言えばいいのね」
「うん頼む」
三葉は心底ホッとしたような顔を作りそれだけ言うと急いで理佐の前から立ち去る。
気が変わっても困るし浩太に関係する人間と長く一緒にいるのも我慢出来なかった。
これでいい。
早く食い付け。
ただそれだけを考えながら健斗のいる病院へ急いだ。
「毎日来てくれなくていいんだよ。忙しいのに」
ベッドに座れるようになった健斗は申し訳なさそうに項垂れる。その首にはまだ痛々しい包帯が巻かれていた。
「何言ってんだよ。俺達は家族だろ?会いに来るのは当たり前じゃん」
三葉がそう言うと健斗は嬉しそうに笑った。
その顔を見ていると改めて浩太に怒りを覚える。
こんな優しくて可愛くて健気な・・ましてやなんの落ち度もない相手にあんな非道な事が出来るなんて。
健斗にだけはあんなにつらい番のいない発情期を迎えさせたく無い。1日も早く浩太に会ってそして・・
「・・三葉?怖い顔してるよ?」
健斗の声にハッと我に返る。
だめだバレないようにしなくては。
「なんでも無いよ。今夜の晩御飯何にしようかなって思って」
「そんな顔で?思い詰めすぎだよ」
明るく笑う健斗だが目は赤く腫れている。恐らく昨日皆が帰ってからずっと泣いていたのだろう。
そう思うと三葉はたまらない気持ちになった。
その時、携帯に非通知の着信が入った。
恐らく浩太だ。
「ごめんな健斗、今日はもう帰るよ。明日また来るね」
「無理しないで帰り気をつけてね」
簡単に挨拶を交わして病院を走り出ながら通話ボタンを押すと思った通り聞きなれた声が耳に流れ込んできた。
「よお理佐から連絡あったよ。会いたいんだって?」
顔は見えないはずなのにニヤニヤしている様子が手に取るようにわかる。
三葉は聞こえないようにため息をつき気持ちを切り替えた。
「そりゃ会いたいよ。俺の運命の番なんだから。嫌いになろうと思ったけどやっぱり無理だよ。今どこにいるの?」
精一杯の甘えた声を出してみる。
付き合ってる時だってそんな事言った事ないのに。
「しゃーねぇなあ。俺も暇じゃねーんだけど会ってやってもいいぜ。明日の夜俺がいつも行ってたバーに来い。あるだけ金も持ってこいよ。楽しませてやるから」
「分かった絶対行くよ」
それだけ言うと電話は切れた。
相変わらず非通知なのは俺を疑ってるんだろうか。
実際罠にかけられても不思議ではない事をあいつはしているんだから。
それでも運命の番であるΩにまさか殺意があるとまでは思ってないだろう。
あいつは俺を甘く見て油断してる。
運命の番のΩが自分を裏切るはずないと。
だからこそ俺がやるんだ。
その夜
三葉は桜宮のために好物の料理をテーブルに並べた。
そして明日は所用で出掛けるので夕飯は作り置きしておく事を伝える。
案の定どこに行くのか聞かれたので海に会うと嘘をついた。健斗のことで落ち込んでいる彼を励ますために飲みに行くと言うと桜宮はあっさり信じてくれた。
明日の朝、ここを出る。
そう決めていた。
桜宮に迷惑がかかる事は避けたい。
仕事を辞めると書いた手紙も準備済みだ。
「桜宮さん、今日は少し疲れたのでもう休んでいいですか?」
「もちろんだ。食器は洗っておくからゆっくりしてくれ」
「そのままにしてて下さい。朝片付けますから」
三葉はそれだけ言って部屋に戻り静かに荷物をまとめる。
この部屋にあるのはほとんど桜宮が用意してくれたものだ。三葉は古びたカバンに入る程度の私物を丁寧に中にしまいベッドに横になった。
朝になったらスーパーで包丁を買おう。よく切れそうな高い奴。
それから夜までどこか目立たない所に潜んで暗くなったら浩太達の溜まり場のバーに行く。
浩太の事だ。またロクでもない仲間を呼んでる可能性がある。早めに行って少しでも二人きりになれる時間を作ろう。
そう考えていると心臓はドキドキと嫌な音を立て背中にもいつの間にかじっとり汗をかいていた。
とにかく桜宮さんにバレないように慎重に・・。
それだけを肝に銘じておけば後はなんとでもなる。
三葉は目を閉じて夜の長さを少しでも紛らわせる為に無理やり目を閉じた。
「行ってらっしゃい」
桜宮を見送る三葉はいつも通りにっこりと笑った。
それに応えるように桜宮も優しい微笑みで行ってきますと言って仕事に向かった。
いつも通りだ。
違うのはもう二度と会えないかもしれない事だけ。
警察に捕まるか、もしかすると逆に怒った浩太に殺されるかもしれない。
そうなったら何がなんでも道連れにしよう。
そんな事を思いながらテーブルに手紙を置き鞄を持って外に出た。
そして駅前のネットカフェでブースを取り個室の椅子に身を投げ出す。
桜宮さん・・・。
考えただけで涙が溢れてくる。
こんなにも好きになってた。
笑顔も戸惑う顔さえ愛しくて色々な桜宮を脳裏に思い浮かべる。
短い間だったけど初めてちゃんと愛してもらった。
初めて幸せだと感じられた。
運命ってなんだろう。
先に桜宮さんと番っていても浩太に会ったら運命を感じて惹き合うのだろうか。
その時自分がどんなに幸せでも?
どうにもならないことを考えても仕方ない。
三葉は覚悟を決めてこの先どうすべきかを狭い部屋の中で考えていた。
夜九時。
そろそろバーも開いてるだろう。
来る前に買った出刃包丁を上着の内側に保護ケースごと忍ばせて三葉は以前よく酔って動けない浩太を迎えに行ったバーに向かった。
半地下にあるその店の階段を降りようと顔を上げた時に前から思いがけない人物が現れて三葉は息を呑む。
「海・・なんで」
「三葉。なんで一人で行くんだよ」
責めるようにそう言いながら海は素早く三葉の上着の中に手を差し込んで包丁を取り上げた。
「海!」
「こんなもん持ってたらバレバレだろ」
「でも海は連れて行けないからな。浩太に警戒される」
「分かったよ。ここで待ってる。だからチャンスが来たり危なくなったらこのブザーを鳴らせ。音はならない。俺の携帯に連絡が来るだけだ」
「・・分かった」
三葉は仕方なく頷いて子供が持つようなころんと可愛らしいブザーを受け取った。
「なんでここが分かったんだ?」
「桜宮さんのマンションに行ったら丁度お前が出て来たんだ。様子がおかしいからずっとつけてた」
迂闊だった。
この先の事に気を取られてまるで気が付かなかった。健斗の為に海を巻き込むことはしたくなかったのに。
三葉は鳴らすつもりのないブザーをぎゅっと握った。
「行ってくる」
「ああ、無茶すんなよ」
その言葉には返事せず黙って暗い階段を降りる。
そして地獄の入り口にも等しいそのドアノブに手をかけた。
桜宮が仕事の為に家を出たのを確認して三葉もそっとマンションを抜け出した。
大学にいるはずの理佐に会うためだ。
深夜になって浩太に連絡を取ってみたが以前の携帯は解約したのか繋がらなかった。
心当たりといえばもう理佐しかない。
三葉は休学中である自身の身を隠すように帽子を目深に被り目的地に向かった。
「・・何してんのよこんなとこで」
馬鹿でかい敷地内で長時間探す事を覚悟していたが思ったよりあっさり一人で歩く理佐を見つけられた。
「浩太の連絡先を知りたいんだ」
わざと困った風にそう告げると理佐は鼻で笑った。
「なんなの?あんたなんかに教えるわけないじゃない」
知らないとは言わなかった。
やはり理佐とは連絡を取り合ってるんだ。
「頼むよ。離れてみて分かったんだ。やっぱり俺には浩太しかいない。あいつ元気にしてんの?大学辞めたって聞いて心配してるんだ。どこにいんの?」
心にもない言葉をつらつらと並べ立て縋るようにそう伝えるとため息を吐きながら理佐が三葉を見た。
「浩太は知り合いの仕事を手伝うとかでその人のとこにいるわよ。もうあんたなんか相手にしない。あの人と番うのは私一人で十分よ。子供産んでちゃんと結婚してもらうんだから」
「仕事って何してんの」
「そんなの知らないわよ」
仕事・・恐らくオメガ園の人身売買組織のことだ。
やっぱり繋がってた。
「頼むよ。俺今体売って生活してるんだ。結構人気あるからそこそこ稼いでる。浩太が望むなら金を全部渡してもいい。連絡取ってくれよ」
「そこまで落ちたわけ?バカじゃない?」
薄ら笑いでそう言うが金と聞いて理佐の目の色が変わったのを感じた。
「そんなに貢ぎたいなら伝えといてあげる。でも浩太はあんたに未練なんかないんだから勘違いしないでよ」
「ありがとう!それとこの前は気が立ってて暴言吐いてごめん、やっぱりよく考えたら浩太のそばにいたいって伝えといて」
「何かわかんないけどそう言えばいいのね」
「うん頼む」
三葉は心底ホッとしたような顔を作りそれだけ言うと急いで理佐の前から立ち去る。
気が変わっても困るし浩太に関係する人間と長く一緒にいるのも我慢出来なかった。
これでいい。
早く食い付け。
ただそれだけを考えながら健斗のいる病院へ急いだ。
「毎日来てくれなくていいんだよ。忙しいのに」
ベッドに座れるようになった健斗は申し訳なさそうに項垂れる。その首にはまだ痛々しい包帯が巻かれていた。
「何言ってんだよ。俺達は家族だろ?会いに来るのは当たり前じゃん」
三葉がそう言うと健斗は嬉しそうに笑った。
その顔を見ていると改めて浩太に怒りを覚える。
こんな優しくて可愛くて健気な・・ましてやなんの落ち度もない相手にあんな非道な事が出来るなんて。
健斗にだけはあんなにつらい番のいない発情期を迎えさせたく無い。1日も早く浩太に会ってそして・・
「・・三葉?怖い顔してるよ?」
健斗の声にハッと我に返る。
だめだバレないようにしなくては。
「なんでも無いよ。今夜の晩御飯何にしようかなって思って」
「そんな顔で?思い詰めすぎだよ」
明るく笑う健斗だが目は赤く腫れている。恐らく昨日皆が帰ってからずっと泣いていたのだろう。
そう思うと三葉はたまらない気持ちになった。
その時、携帯に非通知の着信が入った。
恐らく浩太だ。
「ごめんな健斗、今日はもう帰るよ。明日また来るね」
「無理しないで帰り気をつけてね」
簡単に挨拶を交わして病院を走り出ながら通話ボタンを押すと思った通り聞きなれた声が耳に流れ込んできた。
「よお理佐から連絡あったよ。会いたいんだって?」
顔は見えないはずなのにニヤニヤしている様子が手に取るようにわかる。
三葉は聞こえないようにため息をつき気持ちを切り替えた。
「そりゃ会いたいよ。俺の運命の番なんだから。嫌いになろうと思ったけどやっぱり無理だよ。今どこにいるの?」
精一杯の甘えた声を出してみる。
付き合ってる時だってそんな事言った事ないのに。
「しゃーねぇなあ。俺も暇じゃねーんだけど会ってやってもいいぜ。明日の夜俺がいつも行ってたバーに来い。あるだけ金も持ってこいよ。楽しませてやるから」
「分かった絶対行くよ」
それだけ言うと電話は切れた。
相変わらず非通知なのは俺を疑ってるんだろうか。
実際罠にかけられても不思議ではない事をあいつはしているんだから。
それでも運命の番であるΩにまさか殺意があるとまでは思ってないだろう。
あいつは俺を甘く見て油断してる。
運命の番のΩが自分を裏切るはずないと。
だからこそ俺がやるんだ。
その夜
三葉は桜宮のために好物の料理をテーブルに並べた。
そして明日は所用で出掛けるので夕飯は作り置きしておく事を伝える。
案の定どこに行くのか聞かれたので海に会うと嘘をついた。健斗のことで落ち込んでいる彼を励ますために飲みに行くと言うと桜宮はあっさり信じてくれた。
明日の朝、ここを出る。
そう決めていた。
桜宮に迷惑がかかる事は避けたい。
仕事を辞めると書いた手紙も準備済みだ。
「桜宮さん、今日は少し疲れたのでもう休んでいいですか?」
「もちろんだ。食器は洗っておくからゆっくりしてくれ」
「そのままにしてて下さい。朝片付けますから」
三葉はそれだけ言って部屋に戻り静かに荷物をまとめる。
この部屋にあるのはほとんど桜宮が用意してくれたものだ。三葉は古びたカバンに入る程度の私物を丁寧に中にしまいベッドに横になった。
朝になったらスーパーで包丁を買おう。よく切れそうな高い奴。
それから夜までどこか目立たない所に潜んで暗くなったら浩太達の溜まり場のバーに行く。
浩太の事だ。またロクでもない仲間を呼んでる可能性がある。早めに行って少しでも二人きりになれる時間を作ろう。
そう考えていると心臓はドキドキと嫌な音を立て背中にもいつの間にかじっとり汗をかいていた。
とにかく桜宮さんにバレないように慎重に・・。
それだけを肝に銘じておけば後はなんとでもなる。
三葉は目を閉じて夜の長さを少しでも紛らわせる為に無理やり目を閉じた。
「行ってらっしゃい」
桜宮を見送る三葉はいつも通りにっこりと笑った。
それに応えるように桜宮も優しい微笑みで行ってきますと言って仕事に向かった。
いつも通りだ。
違うのはもう二度と会えないかもしれない事だけ。
警察に捕まるか、もしかすると逆に怒った浩太に殺されるかもしれない。
そうなったら何がなんでも道連れにしよう。
そんな事を思いながらテーブルに手紙を置き鞄を持って外に出た。
そして駅前のネットカフェでブースを取り個室の椅子に身を投げ出す。
桜宮さん・・・。
考えただけで涙が溢れてくる。
こんなにも好きになってた。
笑顔も戸惑う顔さえ愛しくて色々な桜宮を脳裏に思い浮かべる。
短い間だったけど初めてちゃんと愛してもらった。
初めて幸せだと感じられた。
運命ってなんだろう。
先に桜宮さんと番っていても浩太に会ったら運命を感じて惹き合うのだろうか。
その時自分がどんなに幸せでも?
どうにもならないことを考えても仕方ない。
三葉は覚悟を決めてこの先どうすべきかを狭い部屋の中で考えていた。
夜九時。
そろそろバーも開いてるだろう。
来る前に買った出刃包丁を上着の内側に保護ケースごと忍ばせて三葉は以前よく酔って動けない浩太を迎えに行ったバーに向かった。
半地下にあるその店の階段を降りようと顔を上げた時に前から思いがけない人物が現れて三葉は息を呑む。
「海・・なんで」
「三葉。なんで一人で行くんだよ」
責めるようにそう言いながら海は素早く三葉の上着の中に手を差し込んで包丁を取り上げた。
「海!」
「こんなもん持ってたらバレバレだろ」
「でも海は連れて行けないからな。浩太に警戒される」
「分かったよ。ここで待ってる。だからチャンスが来たり危なくなったらこのブザーを鳴らせ。音はならない。俺の携帯に連絡が来るだけだ」
「・・分かった」
三葉は仕方なく頷いて子供が持つようなころんと可愛らしいブザーを受け取った。
「なんでここが分かったんだ?」
「桜宮さんのマンションに行ったら丁度お前が出て来たんだ。様子がおかしいからずっとつけてた」
迂闊だった。
この先の事に気を取られてまるで気が付かなかった。健斗の為に海を巻き込むことはしたくなかったのに。
三葉は鳴らすつもりのないブザーをぎゅっと握った。
「行ってくる」
「ああ、無茶すんなよ」
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