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第三章 幽霊との日常
34話 最近の幽霊はテレビから出てくるのではなく、見る方が好みらしい
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俺は昔からテレビっ子だ。
小さいころから家でテレビがついていれば、恋愛ドラマだろうが、夕方のニュースだろうが、時代劇だろうが、食いつくようにテレビを見ていた。
なんでそんなテレビが好きだったのかはわからないけど、とりあえずホラー以外のものであればなんでもとりあえず見ていた気がする。
いやホラーだけは本当に無理だから。
心霊写真とかはまだある程度知識がつき始めると、全部合成って思いこむことで何とかなったけど、本当にあったかもしれない怖い話とか、世にも不可思議な物語とかやってるときは、チャンネルを一切変えずにひたすら教育番組ばっかり見てたから。
ただそんなに四六時中テレビを見ていたのも実家にいるときまで。一人暮らしを始めてからはそもそもテレビを買うことができなかった
まあ俺は貯金家でもないし、テレビを買う金がなかっただけなんだけど。
その代わりパソコンというスーパーアイテムを手に入れた俺は動画サイトをあさるようになった。
あ、アダルトの方じゃないよ? 健全な方だよ? yutubeとかネコネコ動画とか。
あとは海外ドラマとかアニメを見たくて、NetFreeとかにも登録していた。
まあ後々働くようになってからテレビを買うことはできたんだけど、それでもテレビはほとんど見なくなった。
ほとんどゲームで使うくらいで、たまにふとテレビをつけて面白そうなバラエティがやっていれば、それを見るくらい。
やっぱりCMがないっていいよな。
それでyutubeで動画をあさるのが日課になっている俺だが、最近困っていることがある。
「レイ、だから俺の上でくつろぐのはやめなさいっての」
レイは俺に対して大分遠慮がなくなっているような気がする。
最近は俺の自室まで来て一緒に動画を見ているくらいだ。
まあ俺が一人でいたいときとか、疲れているときは雰囲気を察しているのか来ないんだけど、そういうタイミングを多分うまいこと見計らって自室に来ている。
で、俺が今ベッドにうつぶせになって動画を見ているんだけど、対するレイはそのうつ伏せの俺の背中の上でうつぶせになって、顎を俺の頭の上にのせて、動画をガン見している。
もちろんレイが俺に乗っていても感触も重さもないから、俺に一切の負担はない。
感覚的にレイがいるなってことがわかるくらい。
俺がレイに触ると体にめり込むのに、レイが俺に触ると普通に乗っているように見える不思議……これくらいのことならもはや驚いたりしないけどね!
まあ別に動画を一緒に見るのは全然いいんだけど、たまにレイが動いたりすると、彼女の髪の毛が目の前でゆらゆら揺れて映るから結構邪魔なんだよね。
ていうか今見てる動画あんましだな。
他の動画に変えようかな。
「そういえば新しい海外ドラマとか配信されてないかな」
俺がyutubeのタブからNetfreeの画面に切り替えようとすると、突然マウスを持つ手が真冬のときごとく、指先が凍るような寒さに襲われる。
そちらに目を向けると、レイが必死に俺のマウスを動かす手を止めようとして、手をぺしぺしと叩いていた。
最近一部分だけ冷やしてくるという小技を覚えたレイである。
「これ見るの?」
「見る」
「……さいですか」
俺も指先が凍り付いて、結果切断とかそんなことにはなりたくないので、おとなしくマウスから手を離して近くに置いていたスマホを手に取る。
動画を一緒に見るのはいいんだけど、何を見るのかくらいは俺に主導権を握らせてほしいんだけど……なんか俺の上で揺れているレイは楽しそうだし、まあいいんだけどね……。
少しスマホをいじっていると、今度は俺の頬にひんやりとした感触が当たるのを感じる。
そして強制的に顔がパソコンの画面の方に向けられる。
「ちょちょちょい、レイ? 俺今いいとこなんだけど!?」
「見る」
せっかくスマホゲーでいい感じに幽霊から逃げれていたのに、レイの謎の干渉力によって無理やりスマホから視界を外されたせいで、ヤンキーは幽霊に捕まってみるも無残な処刑をされていた。
「あーあ……。これ見た後海外ドラマ見るからな」
「わかった」
こうなったら俺に主導権はない。
俺は素直にあきらめてレイと一緒に動画を見ることにした。
結局その動画を見終わった後も、海外ドラマを探しはしたものの特に目新しいものもなく、ただただぼんやりと動画を流し見する時間が続いていた。
俺は途中何度か寝落ちしそうになったが、レイはずいぶんと楽しんでいたようである。
最近の幽霊はテレビから出てくるのではなく、動画を見ることに夢中らしい。
……まあ今更レイがテレビから出てきたところで、怖くもないし驚きもしない。
なんかまた新しい遊びでも見つけたのかなって思うくらいだ。
俺もずいぶんと今の生活に順応したもんだな……。
小さいころから家でテレビがついていれば、恋愛ドラマだろうが、夕方のニュースだろうが、時代劇だろうが、食いつくようにテレビを見ていた。
なんでそんなテレビが好きだったのかはわからないけど、とりあえずホラー以外のものであればなんでもとりあえず見ていた気がする。
いやホラーだけは本当に無理だから。
心霊写真とかはまだある程度知識がつき始めると、全部合成って思いこむことで何とかなったけど、本当にあったかもしれない怖い話とか、世にも不可思議な物語とかやってるときは、チャンネルを一切変えずにひたすら教育番組ばっかり見てたから。
ただそんなに四六時中テレビを見ていたのも実家にいるときまで。一人暮らしを始めてからはそもそもテレビを買うことができなかった
まあ俺は貯金家でもないし、テレビを買う金がなかっただけなんだけど。
その代わりパソコンというスーパーアイテムを手に入れた俺は動画サイトをあさるようになった。
あ、アダルトの方じゃないよ? 健全な方だよ? yutubeとかネコネコ動画とか。
あとは海外ドラマとかアニメを見たくて、NetFreeとかにも登録していた。
まあ後々働くようになってからテレビを買うことはできたんだけど、それでもテレビはほとんど見なくなった。
ほとんどゲームで使うくらいで、たまにふとテレビをつけて面白そうなバラエティがやっていれば、それを見るくらい。
やっぱりCMがないっていいよな。
それでyutubeで動画をあさるのが日課になっている俺だが、最近困っていることがある。
「レイ、だから俺の上でくつろぐのはやめなさいっての」
レイは俺に対して大分遠慮がなくなっているような気がする。
最近は俺の自室まで来て一緒に動画を見ているくらいだ。
まあ俺が一人でいたいときとか、疲れているときは雰囲気を察しているのか来ないんだけど、そういうタイミングを多分うまいこと見計らって自室に来ている。
で、俺が今ベッドにうつぶせになって動画を見ているんだけど、対するレイはそのうつ伏せの俺の背中の上でうつぶせになって、顎を俺の頭の上にのせて、動画をガン見している。
もちろんレイが俺に乗っていても感触も重さもないから、俺に一切の負担はない。
感覚的にレイがいるなってことがわかるくらい。
俺がレイに触ると体にめり込むのに、レイが俺に触ると普通に乗っているように見える不思議……これくらいのことならもはや驚いたりしないけどね!
まあ別に動画を一緒に見るのは全然いいんだけど、たまにレイが動いたりすると、彼女の髪の毛が目の前でゆらゆら揺れて映るから結構邪魔なんだよね。
ていうか今見てる動画あんましだな。
他の動画に変えようかな。
「そういえば新しい海外ドラマとか配信されてないかな」
俺がyutubeのタブからNetfreeの画面に切り替えようとすると、突然マウスを持つ手が真冬のときごとく、指先が凍るような寒さに襲われる。
そちらに目を向けると、レイが必死に俺のマウスを動かす手を止めようとして、手をぺしぺしと叩いていた。
最近一部分だけ冷やしてくるという小技を覚えたレイである。
「これ見るの?」
「見る」
「……さいですか」
俺も指先が凍り付いて、結果切断とかそんなことにはなりたくないので、おとなしくマウスから手を離して近くに置いていたスマホを手に取る。
動画を一緒に見るのはいいんだけど、何を見るのかくらいは俺に主導権を握らせてほしいんだけど……なんか俺の上で揺れているレイは楽しそうだし、まあいいんだけどね……。
少しスマホをいじっていると、今度は俺の頬にひんやりとした感触が当たるのを感じる。
そして強制的に顔がパソコンの画面の方に向けられる。
「ちょちょちょい、レイ? 俺今いいとこなんだけど!?」
「見る」
せっかくスマホゲーでいい感じに幽霊から逃げれていたのに、レイの謎の干渉力によって無理やりスマホから視界を外されたせいで、ヤンキーは幽霊に捕まってみるも無残な処刑をされていた。
「あーあ……。これ見た後海外ドラマ見るからな」
「わかった」
こうなったら俺に主導権はない。
俺は素直にあきらめてレイと一緒に動画を見ることにした。
結局その動画を見終わった後も、海外ドラマを探しはしたものの特に目新しいものもなく、ただただぼんやりと動画を流し見する時間が続いていた。
俺は途中何度か寝落ちしそうになったが、レイはずいぶんと楽しんでいたようである。
最近の幽霊はテレビから出てくるのではなく、動画を見ることに夢中らしい。
……まあ今更レイがテレビから出てきたところで、怖くもないし驚きもしない。
なんかまた新しい遊びでも見つけたのかなって思うくらいだ。
俺もずいぶんと今の生活に順応したもんだな……。
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