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第一章 幽霊との遭遇
12話 感情が高ぶると部屋が涼しくなるってそれどこの秘密道具?
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最近レイの特性について一つ分かったことがある。
いや別にレイはポ〇モンでもなければ、ファンタジーに出てきそうなスキル付きの武器でもないんだけど。
むしろ妖怪的な何かである方が可能性が高いんだけど、あの有名な妖怪のようにビジュアル的な怖さもなければ、マスコット的な可愛さがあるというわけでもない。
レイはどちらかというと、人間的な可愛さといった方がしっくりとくる。
それを真顔で考えている俺もどうかと思うんだけど。
まあそんなことはどうでもよくて、ずばりレイの特性というのは彼女から放出される冷気、寒気、悪寒に関する部分についてだ。
今目の前でレイは机の上で体育座りをしてこちらをじっと見つめてきている。
日に日に俺とレイの距離は縮まっている。
精神的な意味ではなくて物理的な意味で。
俺の自室までは入ってこないものの、最近ご飯とか食べているとよく俺の目の前に現れて、こうやってずっと見つめられている。
机の上に座るのはもう諦めた。たいていのことは直してくれるけど、これに関してはいくら言っても直る気配がない。というか直す気がないのかもしれない。
机の上というポジションのどこにそんなお気に入りポイントがあったのかまったく理解はできないが、落ち着いてるからまあいいか、どうせ俺しか見えてないし。っていう投げやりな気持ちで最近は放置している。
「食べる?」
俺が食べかけのカップ麺を差し出しても、彼女は首を横に振るだけ。横に振っている間も俺の方から視線は外さない。
顔は動いているのに目だけ動かず固定されている、その体がいったいどういう構造になっているのか俺にも教えてほしい。
レイと初めて会った初日。俺はすさまじい冷気に襲われた。
でもそれ以降こうやって対面しているだけではレイから寒気を感じることはなくなっていた。
ただし冷気を出すことが完全になくなったかと言われればそういうわけでもない。
例えば、俺が今こうやってご飯を食べ終わった後、冷蔵庫からプリンを取り出す。
するとたちまち背後からはものすごい圧の視線と、少なくない冷気が漏れ出してくる。
もちろんその直後に俺の手にあったプリンはなくなっている。後ろを振り返ると体育座りした膝の上にすでに空になったプリンの容器を皿にのせて、幸せそうに口をもぐもぐさせている。
手に持っていたプリンがなくなっていたのは想定内。
振り返った時に皿が用意されていて、中身がすでに口の中に入っているのは想定外。
いや、どういう早業? 早撃ち世界一の人もびっくりの新技だよ。
まあ早撃ちとはジャンルが違うから世界一の人はびっくりしないかもしれないけど。
少なくとも俺はびっくりした。
俺はもう一個のプリンを取り出し自分が使っている座椅子へと戻る。
そもそもプリンを二つ買っている時点で、一つは取られる前提で考えてるみたいでもうすでに負けているようなもんだよな。
先ほど軽く鳥肌が立つほどに感じていた冷気は今は弱まっている。それでもちょっとした寒気は感じている。
俺がレイの膝の上に乗っている皿を取ろうと、彼女に手を近づけると弱まっていた冷気は一気に勢いを取り戻す。
いや冷静に考えてるけど、これ本当に寒いんだよ。寒気が半端ない。
皿は再利用した方がいいかなと思って、手を伸ばしただけじゃん。
……別にダジャレを言ったわけじゃない。たまたま。本当にたまたま。
俺はレイの睨むような警戒した視線と寒気に耐えながら、無事皿を確保することに成功する。
そしてしばらくして俺がプリンをプッチンするのと、レイの口の中からプリンがなくなると同時くらいに、冷気も寒気も完全に部屋から消え失せる。
代わりにレイの顔はしゅんとしていた。
いやそんな顔してても俺のプリンはあげないよ?
奇跡的に皿の上に落とすと同時に、ほとんど食べ終えていた俺のプリンは取られることもなく、全部俺の腹の中に納まる。
ますますしょぼんとした表情のレイは諦めたのか、ゆっくりと立ち上がるととぼとぼと扉をすり抜けて隣の部屋に戻っていった。
といった具合に、レイがびっくりしたとき、警戒しているとき、うれしい時、悲しい時、多分怒っているときもだろうな。レイの感情の起伏が激しくなればなるほど、それに合わせるように冷気が増えているような気がする。
もしレイが何か隠しごとをしたとしても、表情がいくら無表情だろうと冷気が漏れ出せば感情が激しく揺れ動いていることがまるわかりということだ。
つまり俺が何を言いたいかっていうと、レイは超絶わかりやすい子、ちょろい子だったのだ!
……まあからかいすぎたり怒らせすぎたりすると、当事者である人物、つまり俺は凍え死ぬだろうから、むやみ感情を爆発させてもいいことはないんだけど。
いや別にレイはポ〇モンでもなければ、ファンタジーに出てきそうなスキル付きの武器でもないんだけど。
むしろ妖怪的な何かである方が可能性が高いんだけど、あの有名な妖怪のようにビジュアル的な怖さもなければ、マスコット的な可愛さがあるというわけでもない。
レイはどちらかというと、人間的な可愛さといった方がしっくりとくる。
それを真顔で考えている俺もどうかと思うんだけど。
まあそんなことはどうでもよくて、ずばりレイの特性というのは彼女から放出される冷気、寒気、悪寒に関する部分についてだ。
今目の前でレイは机の上で体育座りをしてこちらをじっと見つめてきている。
日に日に俺とレイの距離は縮まっている。
精神的な意味ではなくて物理的な意味で。
俺の自室までは入ってこないものの、最近ご飯とか食べているとよく俺の目の前に現れて、こうやってずっと見つめられている。
机の上に座るのはもう諦めた。たいていのことは直してくれるけど、これに関してはいくら言っても直る気配がない。というか直す気がないのかもしれない。
机の上というポジションのどこにそんなお気に入りポイントがあったのかまったく理解はできないが、落ち着いてるからまあいいか、どうせ俺しか見えてないし。っていう投げやりな気持ちで最近は放置している。
「食べる?」
俺が食べかけのカップ麺を差し出しても、彼女は首を横に振るだけ。横に振っている間も俺の方から視線は外さない。
顔は動いているのに目だけ動かず固定されている、その体がいったいどういう構造になっているのか俺にも教えてほしい。
レイと初めて会った初日。俺はすさまじい冷気に襲われた。
でもそれ以降こうやって対面しているだけではレイから寒気を感じることはなくなっていた。
ただし冷気を出すことが完全になくなったかと言われればそういうわけでもない。
例えば、俺が今こうやってご飯を食べ終わった後、冷蔵庫からプリンを取り出す。
するとたちまち背後からはものすごい圧の視線と、少なくない冷気が漏れ出してくる。
もちろんその直後に俺の手にあったプリンはなくなっている。後ろを振り返ると体育座りした膝の上にすでに空になったプリンの容器を皿にのせて、幸せそうに口をもぐもぐさせている。
手に持っていたプリンがなくなっていたのは想定内。
振り返った時に皿が用意されていて、中身がすでに口の中に入っているのは想定外。
いや、どういう早業? 早撃ち世界一の人もびっくりの新技だよ。
まあ早撃ちとはジャンルが違うから世界一の人はびっくりしないかもしれないけど。
少なくとも俺はびっくりした。
俺はもう一個のプリンを取り出し自分が使っている座椅子へと戻る。
そもそもプリンを二つ買っている時点で、一つは取られる前提で考えてるみたいでもうすでに負けているようなもんだよな。
先ほど軽く鳥肌が立つほどに感じていた冷気は今は弱まっている。それでもちょっとした寒気は感じている。
俺がレイの膝の上に乗っている皿を取ろうと、彼女に手を近づけると弱まっていた冷気は一気に勢いを取り戻す。
いや冷静に考えてるけど、これ本当に寒いんだよ。寒気が半端ない。
皿は再利用した方がいいかなと思って、手を伸ばしただけじゃん。
……別にダジャレを言ったわけじゃない。たまたま。本当にたまたま。
俺はレイの睨むような警戒した視線と寒気に耐えながら、無事皿を確保することに成功する。
そしてしばらくして俺がプリンをプッチンするのと、レイの口の中からプリンがなくなると同時くらいに、冷気も寒気も完全に部屋から消え失せる。
代わりにレイの顔はしゅんとしていた。
いやそんな顔してても俺のプリンはあげないよ?
奇跡的に皿の上に落とすと同時に、ほとんど食べ終えていた俺のプリンは取られることもなく、全部俺の腹の中に納まる。
ますますしょぼんとした表情のレイは諦めたのか、ゆっくりと立ち上がるととぼとぼと扉をすり抜けて隣の部屋に戻っていった。
といった具合に、レイがびっくりしたとき、警戒しているとき、うれしい時、悲しい時、多分怒っているときもだろうな。レイの感情の起伏が激しくなればなるほど、それに合わせるように冷気が増えているような気がする。
もしレイが何か隠しごとをしたとしても、表情がいくら無表情だろうと冷気が漏れ出せば感情が激しく揺れ動いていることがまるわかりということだ。
つまり俺が何を言いたいかっていうと、レイは超絶わかりやすい子、ちょろい子だったのだ!
……まあからかいすぎたり怒らせすぎたりすると、当事者である人物、つまり俺は凍え死ぬだろうから、むやみ感情を爆発させてもいいことはないんだけど。
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