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第19話 ほのぼの発見
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「なかなか、これだ!!っていうギルドホームがなかったわね」
ショートケーキを食べながら、サクラがため息をついた。
一通りギルドホームエリアを見て回った後、のの花たちは喫茶店へ休憩に入っている。
「自分で作ることもできるらしいぜ」
目の前のウィンドウでヘルプを見ながらリュウが言った。
確かにそこには、大工を雇って自分で建てることもできると書かれている。
ただし、工賃と資材代で莫大なゴールドがかかるが。
「自作かぁ。大工はユノがいるから、土地と資材があれば可能性はあるかもしれないですね」
「私はまだ賞金のゴールドが残ってるわよ。ユノちゃんは?」
「私も結構残ってます!!」
「となると、自作もありってことになるな」
という訳で、休憩後は使用可能な土地を捜しに行くことになった。
「ここいい!!」
1時間くらい歩いた末に、のの花たちは街外れの静かな場所へやってきた。
かなり広い土の地面が柵で囲われていて、「売出中」の看板が出ている。
花音がちょっと心配そうな顔で言った。
「確かにいい場所だけど、ちょっと広すぎない?ユノ、建てるの大変になっちゃうよ?」
「それは大丈夫だよ。大工さん何人かに手伝ってもらうから、私1人じゃないし。それにさ、ここなら大きい畑も作れるよ」
「まあ、ユノがいいならいいか」
のの花の頭の中に、あれをああしてこうしてという土地の使い方のプランが着々と出来上がっていく。
「ギルマスが満足してんなら、ここでいいと思うぜ」
「私もここ好きよ」
リュウとサクラの同意も得られたところで、無事ギルドホームの建設予定地が決定した。
「ここに触れると、お金が払えるみたいよ」
サクラが看板をタップする。
すると、支払い用のウィンドウが現われた。
「これ、のの花ちゃんと割り勘でいいかしら?」
「はい、オッケーです」
のの花とサクラがそれぞれ半分ずつお金を出し合う。
花音とリュウが、後ろからそぉっと覗き込んだ。
「「6、60万ゴールド⁉」」
土地の値段は60万ゴールド。
《スキル進化コイン・金》を買ってなお余る額だ。
「これを余裕で買えるとは…さすがトッププレイヤー様だ…」
はは~とのの花たちを拝む花音。
当分のの花には頭が上がらないなと思いつつ、早く自分も強くならなければと思う花音だった。
土地の購入を無事に終え、着工は明後日からと決まった。
この後の予定は特になかったので、ギルド結成記念に4人で探索に出る。
「そういえば、このメンバーで探索って初めてですね~。めっちゃ楽しい!!」
のの花がぴょんぴょん飛び跳ねながら歩く。
このエリアに脅威となるモンスターはいないので、みんなリラックスしてほのぼのと歩いていた。
ところどころ出てくる雑魚モンスターも、代わるがわる余裕で倒していく。
ふと、花音が何かに気が付いた。
「ねぇ、あの木が今光った気がするんだけど」
「え?本当?」
花音の指さす方をのの花もじっと見つめるが、何かが光る感じはしない。
「本当に光った?」
「光ったってば。一瞬だけど」
「何だ?どうした?」
花音が木が光ったと伝えると、リュウは「隠しアイテムかも」と言って木に近づいていった。
入念に周りを調べるが、特に何も見つけることができない。
「あら、どうしたの?」
サクラもこちらに来たので、再び花音が見えたものを伝えた。
するとサクラも木の周りを調べる。しかし、何も見つからない。
「やっぱり見間違いだったのかなぁ」
自信を無くしかける花音に、斧を持ち出したのの花が言った。
「試しに伐《き》ってみようよ。サクラさん、リュウさん、ちょっと離れてください」
「おうよ」
2人がどいたところで、のの花が木の根元辺りに斧を打ち付ける。
スパっときれいに木が伐れた。
それと同時に、ふっと地面が消えた。
「「「「え?」」」」
4人同時に、ぱかっと口を開けた奈落の底へ落ちていった。
「痛たたた」
「何なんだ?」
「どこなの?」
「真っ暗!!」
地面に叩きつけられ、みんなダメージを追っている。
のの花がみんなのHPを回復させた。
「取りあえず、灯りがいるな」
リュウがランプを取り出し、奈落の底を照らしだす。
すると、壁にスイッチのようなものがあった。
「ポチっとな」
スイッチを押すと、周りがばっと明るくなる。
どうやらのの花たちがいるのは、きちんと舗装された通路のようだ。
「これは…」
「隠しダンジョンかもな」
「「隠しダンジョン!?」」
未体験のシステムに、のの花と花音の目がきらりと光った。
ショートケーキを食べながら、サクラがため息をついた。
一通りギルドホームエリアを見て回った後、のの花たちは喫茶店へ休憩に入っている。
「自分で作ることもできるらしいぜ」
目の前のウィンドウでヘルプを見ながらリュウが言った。
確かにそこには、大工を雇って自分で建てることもできると書かれている。
ただし、工賃と資材代で莫大なゴールドがかかるが。
「自作かぁ。大工はユノがいるから、土地と資材があれば可能性はあるかもしれないですね」
「私はまだ賞金のゴールドが残ってるわよ。ユノちゃんは?」
「私も結構残ってます!!」
「となると、自作もありってことになるな」
という訳で、休憩後は使用可能な土地を捜しに行くことになった。
「ここいい!!」
1時間くらい歩いた末に、のの花たちは街外れの静かな場所へやってきた。
かなり広い土の地面が柵で囲われていて、「売出中」の看板が出ている。
花音がちょっと心配そうな顔で言った。
「確かにいい場所だけど、ちょっと広すぎない?ユノ、建てるの大変になっちゃうよ?」
「それは大丈夫だよ。大工さん何人かに手伝ってもらうから、私1人じゃないし。それにさ、ここなら大きい畑も作れるよ」
「まあ、ユノがいいならいいか」
のの花の頭の中に、あれをああしてこうしてという土地の使い方のプランが着々と出来上がっていく。
「ギルマスが満足してんなら、ここでいいと思うぜ」
「私もここ好きよ」
リュウとサクラの同意も得られたところで、無事ギルドホームの建設予定地が決定した。
「ここに触れると、お金が払えるみたいよ」
サクラが看板をタップする。
すると、支払い用のウィンドウが現われた。
「これ、のの花ちゃんと割り勘でいいかしら?」
「はい、オッケーです」
のの花とサクラがそれぞれ半分ずつお金を出し合う。
花音とリュウが、後ろからそぉっと覗き込んだ。
「「6、60万ゴールド⁉」」
土地の値段は60万ゴールド。
《スキル進化コイン・金》を買ってなお余る額だ。
「これを余裕で買えるとは…さすがトッププレイヤー様だ…」
はは~とのの花たちを拝む花音。
当分のの花には頭が上がらないなと思いつつ、早く自分も強くならなければと思う花音だった。
土地の購入を無事に終え、着工は明後日からと決まった。
この後の予定は特になかったので、ギルド結成記念に4人で探索に出る。
「そういえば、このメンバーで探索って初めてですね~。めっちゃ楽しい!!」
のの花がぴょんぴょん飛び跳ねながら歩く。
このエリアに脅威となるモンスターはいないので、みんなリラックスしてほのぼのと歩いていた。
ところどころ出てくる雑魚モンスターも、代わるがわる余裕で倒していく。
ふと、花音が何かに気が付いた。
「ねぇ、あの木が今光った気がするんだけど」
「え?本当?」
花音の指さす方をのの花もじっと見つめるが、何かが光る感じはしない。
「本当に光った?」
「光ったってば。一瞬だけど」
「何だ?どうした?」
花音が木が光ったと伝えると、リュウは「隠しアイテムかも」と言って木に近づいていった。
入念に周りを調べるが、特に何も見つけることができない。
「あら、どうしたの?」
サクラもこちらに来たので、再び花音が見えたものを伝えた。
するとサクラも木の周りを調べる。しかし、何も見つからない。
「やっぱり見間違いだったのかなぁ」
自信を無くしかける花音に、斧を持ち出したのの花が言った。
「試しに伐《き》ってみようよ。サクラさん、リュウさん、ちょっと離れてください」
「おうよ」
2人がどいたところで、のの花が木の根元辺りに斧を打ち付ける。
スパっときれいに木が伐れた。
それと同時に、ふっと地面が消えた。
「「「「え?」」」」
4人同時に、ぱかっと口を開けた奈落の底へ落ちていった。
「痛たたた」
「何なんだ?」
「どこなの?」
「真っ暗!!」
地面に叩きつけられ、みんなダメージを追っている。
のの花がみんなのHPを回復させた。
「取りあえず、灯りがいるな」
リュウがランプを取り出し、奈落の底を照らしだす。
すると、壁にスイッチのようなものがあった。
「ポチっとな」
スイッチを押すと、周りがばっと明るくなる。
どうやらのの花たちがいるのは、きちんと舗装された通路のようだ。
「これは…」
「隠しダンジョンかもな」
「「隠しダンジョン!?」」
未体験のシステムに、のの花と花音の目がきらりと光った。
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