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第3章 幼女、王都へ行く
幼女、宿場町ダラにやってくる
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宿場町ダラに着いたのはちょうど太陽が沈みかけているころ。
なかなかに活気のあるにぎやかな町だ。
「そう言えば時期的にそうだった」
と、イリナが町を見て呟く。
「何かあるの?」
「この時期、ダラではお祭りが開かれてるんだよ。だから普段より賑やかで、美味しいものもたくさん食べられるよ」
「ほんと!?」
リリスが「美味しいもの」というワードに反応して目を輝かせる。
本当に食べるのが好きだなぁ。
そんなことを考えている私も美味しいものは好きなわけで、かなり心が躍ってはいるんだけどね。
「何のお祭りなの?」
「広場に行けば分かると思うよ」
イリナは私の質問にすぐ答えず、町の真ん中にある広場へと案内してくれた。
町の造りはラーオンを少し小さくした感じで、広場に噴水や銅像があるのも同じだ。
しかし今回は、補正のかかったルーガティウスの銅像ではない。
「メリュンの銅像だ!」
私が呼び捨てで大きな声を出したせいで、周りの人からじろっと睨まれてしまった。
あー、メリュン“様”ね。はいはい……。
七賢人の1人、メリュン・ライアハート。
私の助手には女性が2人いたが、そのうち1人がメリュンだ。
薬学系の知識が豊富で、回復アイテムの開発や治癒スキルの研究に力を注いでいた。
私が生きていた間だけでも、彼女は相当な数の人を病気や怪我から救っている。
私が死んだ時点で、ルーガティウス、ユーゲル、メリュン、そしてニノというもう1人の女性の計4人はまだ生きていた。
私の年齢が約140歳として、一つか二つ後輩のアイツらがまだ生きていたということは、アイツらも140年以上生きたということである。
十分な化け物だ。
「メリュン様が昔、この地域で流行した疫病から救ってくれたことへの感謝を示す祭りが開かれているの。メリュン様の“みんなで楽しく笑いながらご飯を食べるのが何よりの薬”という言葉に基づいて、町にいる人みんなでわいわい楽しむんだよ」
そういえば、そんなこと言ってたなアイツ。
メリュンは七賢人の料理担当でもあったのだが、よっぽどのことがない限り食事の時間は全員で食卓を囲まされていた。
初めはうっとうしくも思ったけど、みんなで食べるご飯は独りで食べるより楽しかったのを覚えている。
そして今も、ギルドのみんなで食べるご飯は美味しいもんね。
「ねえ、イリナ」
「何?」
「そろそろ行こうか」
私は、落ち着かない様子できょろきょろしているリリスを見ながら言った。
辺りには美味しそうな匂いが漂っている。
食べること大好きリリスはそろそろ限界だ。
かくいう私も、さっきお腹がぐぅと音を立てた。
「そうだね。でも、まずは宿屋を決めてからだよ」
イリナが前にも泊まったいい宿屋があるというので、まずはそこに向かい部屋を取ることにした。
なかなかに活気のあるにぎやかな町だ。
「そう言えば時期的にそうだった」
と、イリナが町を見て呟く。
「何かあるの?」
「この時期、ダラではお祭りが開かれてるんだよ。だから普段より賑やかで、美味しいものもたくさん食べられるよ」
「ほんと!?」
リリスが「美味しいもの」というワードに反応して目を輝かせる。
本当に食べるのが好きだなぁ。
そんなことを考えている私も美味しいものは好きなわけで、かなり心が躍ってはいるんだけどね。
「何のお祭りなの?」
「広場に行けば分かると思うよ」
イリナは私の質問にすぐ答えず、町の真ん中にある広場へと案内してくれた。
町の造りはラーオンを少し小さくした感じで、広場に噴水や銅像があるのも同じだ。
しかし今回は、補正のかかったルーガティウスの銅像ではない。
「メリュンの銅像だ!」
私が呼び捨てで大きな声を出したせいで、周りの人からじろっと睨まれてしまった。
あー、メリュン“様”ね。はいはい……。
七賢人の1人、メリュン・ライアハート。
私の助手には女性が2人いたが、そのうち1人がメリュンだ。
薬学系の知識が豊富で、回復アイテムの開発や治癒スキルの研究に力を注いでいた。
私が生きていた間だけでも、彼女は相当な数の人を病気や怪我から救っている。
私が死んだ時点で、ルーガティウス、ユーゲル、メリュン、そしてニノというもう1人の女性の計4人はまだ生きていた。
私の年齢が約140歳として、一つか二つ後輩のアイツらがまだ生きていたということは、アイツらも140年以上生きたということである。
十分な化け物だ。
「メリュン様が昔、この地域で流行した疫病から救ってくれたことへの感謝を示す祭りが開かれているの。メリュン様の“みんなで楽しく笑いながらご飯を食べるのが何よりの薬”という言葉に基づいて、町にいる人みんなでわいわい楽しむんだよ」
そういえば、そんなこと言ってたなアイツ。
メリュンは七賢人の料理担当でもあったのだが、よっぽどのことがない限り食事の時間は全員で食卓を囲まされていた。
初めはうっとうしくも思ったけど、みんなで食べるご飯は独りで食べるより楽しかったのを覚えている。
そして今も、ギルドのみんなで食べるご飯は美味しいもんね。
「ねえ、イリナ」
「何?」
「そろそろ行こうか」
私は、落ち着かない様子できょろきょろしているリリスを見ながら言った。
辺りには美味しそうな匂いが漂っている。
食べること大好きリリスはそろそろ限界だ。
かくいう私も、さっきお腹がぐぅと音を立てた。
「そうだね。でも、まずは宿屋を決めてからだよ」
イリナが前にも泊まったいい宿屋があるというので、まずはそこに向かい部屋を取ることにした。
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