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四章 第一妃の変化

305、初めての宿泊学習  2(休息日の戯れ 3/4)

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「お帰りなさいエリー」

「はい、こちらを」

 とお使いから戻ってきたエリーがアルベラに頼まれていた品を手渡す。

 青年もカスピもミミロウも、エリーが持ってきたそれを不思議そうに見つめていた。

 彼女が持ってきたのは可愛らしい便せんだった。受け取ったアルベラは鞄からペンを取り出しさらさらと何かを書き始める。封筒には簡易的な接着剤が施されおり、彼女は何度か読み返し確認を済ませた手紙を入れると封筒に入れ封をした。

「困っている人に恵みを与えるのは貴族の役目……よね? お兄さん」

「なんだよ?」

 先の読めない問いかけに青年が警戒心ありありに返す。

「お金が欲しいんでしょう? なら、仕事を与えるのでその報酬を授けるという形でどう? 貴方が真っ当な形で稼いだお金、ご兄弟も喜ぶんじゃない?」

「あぁ? 真っ当だろうがなかろうが金は金だ。面倒癖ぇ」

(こいつ……とことん『真っ当』はする気無いってか……)

「―――分かった。じゃあ今回だけだと思ってお使いをしてくださらない? 一つだけだけだから。その一つさえ叶えてくれれば大変な思いをしてきたお兄さんに金貨を一枚差し上げますわ」

「お願い一つで金貨だと? 金貨一枚が多くなるか少なくなるかは内容によるだろう、分かってんのかガキ」

 金貨に釣られてか青年の「クソガキ」という呼び方から「クソ」が取れてただの「ガキ」になっていた。アルベラは「コレが金の力……」とその偉大さを再確認する。

「ええ。多分とても簡単よ、はい。―――あ、中は絶対見ないでね。見たら処刑するから。どうしましょう……断っても処刑しましょうか」

「金貨か処刑かとはずいぶん極端だな……」

 アルベラは先ほど書いた手紙を青年に渡す。青年はまじまじと封筒を見つめ、日に照らしてその中身を透かしたりとした。

「私、実は思い人がいるの」

「は?」

 お嬢様の前触れの無いカミングアウト。青年は「何言ってんだコイツ」といわんばかりにアルベラを見下ろす。

「その人の事を思うと毎晩胸がどきどきして眠れなくて」

「はぁ?」

「だから、その人にこれを渡してくれる? 中には私の気持ちと連絡先(魔力片)を入れたわ」

 封筒の中の魔力片もどきの事を思い浮かべ、アルベラは「ただの小石だけどね」と内心舌を出す。

「おい……てめぇ俺をナンパに使う気か?」

「あら、ナンパだなんて人聞きが悪い。私はその人をずっと知っていてよ? 学園で良くすれ違うんだもの。顔見知りに手紙を渡すのはナンパかしら?」

「はっ。だが連絡を取り合う仲じゃねぇって事だろ? 相手がてめぇを認識してないならナンパも当然だろ」

「そう……じゃあ呼び方はなんでもいいわ。けど折角の機会だし今を逃すのも惜しいと思って」

「折角の機会?」

「そうよ。ほらあそこのカフェ、白と緑のパラソルの席を見て」

「……?」

 お嬢様が指さす先には少し値の張りそうなこじゃれたカフェがあった。そして店先には色違いのパラソルがさされた席が幾つか並んでいる。言われた通り、白と緑の布が張られたパラソルを見て、青年は「んん?」と眉を寄せた。その席に座っているのは一組の男女だ。目の前のお嬢様より少し年上なのだろう彼等はお洒落なスイーツを前に楽しそうに言葉を交わしていた。

「アレ……どう見てもカップルだろ」

「かもね。あの女が恋人かどうかとても気になるところだわ。だから丁度いいの。恋人なら尚更、その手紙であの甘ったるい空気をぶち壊してやって」

「いい性格してんじゃねーかお嬢様」

「家柄ならあんな女より私の方が断然いい筈だもの。彼にとって損はないわ」

(こいつ正気で言ってんのか? やっぱ貴族ってどうしようもねーな。―――それとももう狂っちまってんのか?)

「なにかしらその目」

「いいや……、ちょっと嬢ちゃんが哀れになっただけだ。―――で、この手紙を憧れの先・輩・に渡して戻ってくりゃいいんだな?」

(ほう……『先輩』……)

「ええ。そうね、その『愛しい先輩』に……。そしたらこの金貨はあなたの物。あとスリの件も多めに見て、誰にも言わずさよならしてさしあげるわ。庶民の皆さまは私には想像できない位お金で苦労されてるみたいだものね」

「はっはっは、ご理解いただけて何よりだよ。んじゃ、行ってくっからあの二人のデートがぶち壊れる様を大人しく見てろ」

「―――結構あっさり受けてくれるのね」

「ああ? 受けないと処刑なんだろ」

 「え? ええ……、そうよ。そうだったわね……」とアルベラは小声で呟く。そして意外な聞き分けの良さを見せてくれた青年へ貴族らしい上品で華やかな笑顔を向けた。

「ありがとうお兄さん。貴方、実はとても良い人なのね」

「……良い人―――ん、んなわけあるかよ! 馬鹿らしい……!」

 言われ馴れない言葉に恥ずかしそうに視線を逸らす彼。

 のそのそと去っていく青年の背へ、アルベラは「私がここにいる事は秘密にしてね」「ちゃんとその場で手紙をひらくようお願いして」「手紙を読みだすまで絶対に『先輩』の側から離れちゃ駄目よ」と釘を刺す。

 「へーへー。分かったから待ってろ」と青年は振り返らずひらひらと手を振った。

(……ありがとう、か……あいつら以外から『ありがとう』って言われたのいつぶりだっけ……)

 こそばゆさを感じながら彼はそんな事を考える。





「あの……アルベラ様、あの方たちは一体……」

 とカスピが心配そうに休息日を楽しんでいる男女を指さす。当然彼女はあの「彼」が本当にアルベラの思い人とは思っていない。恋心とは程遠い今のお嬢様の視線がその証拠だ。

「あの人騎士なんです」とアルベラは彼らを見つめたまま伝える。

「騎士?」

「はい。学園でよく門番をされていて。今日はオフなんでしょうね。私服だし剣も携えて無いし……だからスリの彼もまさか『告白の手紙』を騎士様に届けに行ってるとは思ってもないようですね」

「アルベラ様……『告白の手紙』ってもしかして……」

「アルベラ『告白』するの?」

 とミミロウのフードの下から純粋無垢な視線を感じ、アルベラは「いいえ、ミミロウさん」と首を横にふる。

「私じゃなくあの人が『告白』するの」

「……?」

 アルベラはニコリと笑み、素っ気なく手紙を目的の人物に届けた青年と、突然手紙を渡され困惑する男女を見守る。

「恋の告白じゃなく―――罪の告白よ」





 アルベラの見届ける先で騎士が手紙を開いた。それを見届けた青年はカップルに背を向けこちらに戻ってこようとしてる。青年の後ろ、私服姿の騎士が速やかに席を立ち青年の元に駆け寄りその肩を叩い……いや、背中をまくり上げられ、ぼろりと零れ落ちる罪の塊盗難品。振り返った青年。そして流れるように決まった騎士の華麗な卍固め―――





「騙しやがったなクソガキー!!!」

 青年の悔しそうな声が響いた。





 この日、一人の窃盗犯が可愛らしい便せんで自首しに来たという面白話が詰所の兵達の間で話題となった。自首をしに来たスリを捕獲してきた騎士は仕事の上でちょっとした点数稼ぎとなり、彼女にもいい所を見せられて鼻高々である。―――アルベラの言った一石二鳥とはこの事だった。

 もう既に捕まっていたようなものだし、このままただ捕まるよりは自白させてあげた方が青年にとってお得だろうとアルベラは考えた、青年と騎士両方に得となる事をし、これから地獄であろう飲み会まで自身の憂さ晴らし(これくらいで完璧に晴らせる憂さでもないが)にもなったしと、アルベラは「あんな綺麗な卍固めが見れるなんて……一石二鳥どころか三鳥だったかも」とその後ミミロウとカスピと平和な街散策を楽しんだのだった。





 ***





「失礼します」

 ユリは男のローブをはぎ取り傷の様子を見ようとした。一見見た所では片足に切り傷がある事は分かったが、男の腹を抱えるような座り方にもしかしたらそちらにも何かあるのではと懸念しての行動だった。

 男の手には力が加えられ一瞬ローブを掴み返した。しかし治療を希望する気持ちとがぶつかって最終的にローブを手放す。

 男の腹はユリの想像よりも深く裂けているようだった。

 真っ赤に染まった彼の腹周りに、ユリは「やっぱり……」と男の顔を見る。

「あなた……」

 フードで隠れていた男の目は今にも意識を手放しそうなほどに虚ろだった。出血が多かったのだろう……。だがそれよりもユリの目を引いたのは後頭部へとたたむように寝かされたキツネのような大きな耳だった。

 男は少女の反応を感じ取り舌を打つ。視界はぼやけており相手の顔は良く見えないが、自分が混血であり動物のようなこの耳を好奇か軽蔑かの目を向けているのだろうと思った。

(―――どうせまた……見捨てられる……)

 彼は死の予感に覚悟した。

 体の芯が冷たい。手と足の感覚もおぼろになっていた。

(悪いなモニター……お前は頭がいいから、きっと俺が居なくても生きていける……)

 数個下の弟を思いながら男の意識は沈んでいく―――





 ―――もうあの女もどこかへ行ったことだろう。自分の亡骸はどうなるだろう。さっきの男たちは? 留置所の兵士たちは? あの黒髪の騎士は? ―――あいつらに見つかって止めを刺されるのが先か、このまま勝手にこの体が尽きるのが先か―――

(―――あぁ……結局……俺も最期は一人か……)





 小さく鼻歌を歌い、大通りから外れた細い路地の中を適当に歩き回っていた「彼」は視界の端に入ったオレンジ色に足を止めた。

(おや……ジャスティーア嬢……)

 こちらに背を向けた同級生は、何かに集中しているようで彼の存在には気づいていない。

 彼女の奥には一人の人間が横たわっているようだった。その人物の胸から頭部にかけてはローブらしき布が被せられていて顔は見えない。

 路地の奥が魔力にふんわりと灯っている様子を、彼―――ルーディンは息を潜めて静観した。

 人が駆けてくる物音と少しして「ルーディン様」とかけられる声。自分の主が静かに路地の奥を眺めている様子から気を使い、その声は必要最低限なボリュームに下げられていた。

「どうなさいましたか―――あれは」

「お疲れ様、ガーロン。泥棒兼牢屋破り犯は見つかった?」

 「いいえ」とルーディンの従者の彼は首を振る。そして路地奥の光と見覚えのある少女の背に「あれはユーリィ・ジャスティーア嬢……でしょうか」と呟いた。

「だと思うよ」

 弟そっくりの緩い笑みを浮かべたままルーディンは頷く。

「確認するかい?」

「……ええ、一応」

 ガーロンが手を添えていた剣がカチャリと音を上げた。「確認する」―――その言葉が示すのはあの少女が誰かではない。彼女の奥に居る人物が誰か。彼ガーロンにとって、今はそちらの方が重要だった。





「ジャスティーア様」

「―――!?」

 誰もいないと思いきっていたユリは飛び跳ねんばかりに体を揺らした。

 振り返って目にした黒髪の騎士の姿を見て、名前が直ぐに出てこず口ごもる。

「あなたは……ええと……ガーロン・ベイリラン 様?」

「はい。良くお覚えでしたね」

「え……ええ、はい……まぁ……」

(前期に一度ご挨拶しただけだったしギリギリだったけど……)

 ユリの微笑みが少々引きつる。そしてガーロンの後ろにもう一人誰かいる事に気付いた。その人物はユリの視線に気づくとひらひらと片手を振った。フードで顔を隠しており見えないが、纏っている物の質やその振る舞いからユリは彼が誰かを簡単に言い当てた。

「もしかしてルーディン様?」

「正解。こんにちは、ジャスティーア嬢」

 ルーディンはフードの下からちらりと顔を覗かせる。





 ―――「お二人は何故こんなところに?」

 浅い意識の中聞こえる声。真っ暗な視界。

 諦めた命がまだ尽きていなかった事にその混血の男が気づくまで、少々の時間を費やした。

 その間にも側にいる数人は会話を交わし、一つの少年の声を除いてはどちらも聞き覚えのある物だと彼は気づいた。

「―――はい、牢屋破りをしようとした輩がいまして。その者のせいで今街の兵たちは大騒ぎなんです。しかもその者は、その少し前に盗みまで働いていたようで」

 と言うこれは男の声だ。

「えっ……ろ、牢屋破りに盗みですか……?」

 そしてこれは女の声。相手の言った内容に狼狽えている様子だった。

「結構な深手を負わせましたのでそこまで遠くには行けないと思っていたのですが、他種族との混血者だったらしく予想以上のしぶとさでして。もしかしたらここら辺まで来ているかもしれないのです。一応、それらしい目撃者もおりましたので探しているところなのですが」

「そう……だったんですね……。それは……なんて大変な……」

 会話の中、目覚めたばかりの男は自分へ向けられる鋭い視線を感じた。視界が真っ暗なのは顔に布がかけられているからだ。布の鍵馴れた匂いと良く知る質感に、直にそれが自分の纏っていたローブだと気づいた。彼は相手から顔が見えないのをこれ幸いと、しっかりと瞼を持ち上げ声のする方を堂々と見据える。

(ちっ……そうかこの声……あの騎士……)

 そっと手に力を込めればいつものように、研ぎ澄まされた獣の爪が臨戦態勢になるのを感じた。少々痺れているような感覚はあるものの、全く感覚が無くなっていた先ほどに比べれば大分ましだ。

 タイミングを狙いギラギラと瞳を輝かせる男だったが、彼の力んだ手をユリの両手が包み込んだ。

(―――……)

 その小さくも温かく手は自分を静止しようとしている気がし、男は闘志を引っ込める。

「ジャスティーア様、そちらは」

 あの騎士の声が訪ねる。

 男の手がピクリと反応し爪を鋭く仕掛けたが、少女がそれを握って止める。

「私のお世話になってる方で。先ほど偶然出会ったんですが顔色が悪く……ふ、二日酔いだったようです。丁度良いから治療魔法の練習に使ってくれと頼まれまして」


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