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三章 エイヴィの翼 前編(入学編)

203、 皆の誕生日 8(授業納めの日 1/2)

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 厩にて。

 馬たちが興奮した鳴き声を上げ、一人の人物を取り囲んでいた。

「あ、ははは……、皆今日も元気だね」

 中心に居るのはキリエだ。

 彼を取り囲んでいるのは生徒たちがたずなを引き、運動場へ連れ出そうとしていた馬たちである。

 馬たちはキリエが厩に現れるや否や、今日授業を共にする学生たちなど気にも止めぬ様子でキリエの元へと駆け寄った。

 生徒達はもう慣れたようにお決まりの様子で馬たちを遠巻きに眺める。こうして待っていれば、キリエに説得されて馬が解散する事を知っているからだ。

 繋がれたままの馬たちも、キリエの気を引きたくて、構って欲しくて大きく嘶いたり等アクションを起こしていて賑わっていた。

「わぁ。今日も大人気だね」

 授業で使用する馬を選びに来たラツィラスが楽しそうにその様子を眺める。彼の言葉にともにいたジーンは頷き「魔獣や猛獣使いになったら強そうだよな」と呟いた。

 今馬に近づいては危険だ。

 キリエが厩にいる間は、静かに外から見守るのがこの授業でのルールとなっていた。

 「今日は自分に乗ってくれ」と馬たちは期待の視線をキリエへ向ける。





 今期最後の上級騎馬の授業―――の、前の待機時間。

(あ、厩が騒がしい。キリエか)

 既に馬を連れて運動場へ出ていたアルベラは、急に騒がしくなった厩のある方へ目を向ける。

 先週の授業で実技試験を終えたこの授業。

 今日は最後という事で、馬との軽いスキンシップ程度に終えると、生徒達は先週の試験終わりに担当教員から聞いていた。

 上級騎馬では始めのひと月は普通の馬に乗り、二か月目からはハイパーホースへ乗り、三カ月目からは魔力供給してハイパーホースを走らす、という授業を行った。

 試験も普通の馬の扱いからハイパーホースの扱いを試され、魔力供給の出来ようも成績をつけるのに重要な点だった。

 アルベラとしてはまだこの程度は慣れている範囲なので自信は十二分だ。

(問題は休み明けからか)

 中期、初めのうちはハイパーホースの扱いを徹底的に叩き込み、問題ない者は後半は他の騎獣に乗るらしい。初めのうちは色々と乗り、馴れてきたら好きな騎獣で戦ゲームみたいなことするそうだ。

 しかし、あまりアクティブな事をやりたがらない生徒もいるため希望制で、やりたくない人向けに教員と騎士同伴の元、騎獣に乗って毎回異なる場所で散歩というのも選べるらしい。

(ゲームってのがな……気になるけどどんなの? って感じなわけで)

「厩、騒がしいですわね」

 アルベラと供にいたベッティーナが、騒々しさに気付いて苦笑を浮かべた。

 騎士見習の姿が多いこの授業、アルベラは魔法学でも同じクラスのご令嬢騎士見習い、ベッティーナ・ベヨスとよく共にいた。

 クラスにはニコーラの姿もあるが、授業の中で彼女からアルベラに話しかけてくることは無い。アルベラも、貴族贔屓のベッティーナが傍に居る事が多いのでニコーラに近づくことは無かった。

 ベッティーナは「平民」が関わらなければ、普通に上品な、気の強めのお嬢様と言った感じだ。

 丁度いい距離感と言うのを保ててればそれで平和なのだから、無理しておたがいに関わる必要はない。

 特待生は外にトゥイッツ・ジュロという、ニコーラ同様中等部から上がってきた男子生徒がいた。彼は魔法学の二級クラスなので、魔法学の授業でアルベラもその姿は何度も見ている。

 だが、一級と二級の生徒はペア系の練習で組むことは無いので、彼とは向き合って言葉を交わしたことは無い。





「そういえば、ベッティーナ様はもう団の方で他の騎獣の練習は始まっていまして?」

「いえ。それはまだでして」

 ベッティーナはハイパーホースを見上げる。

「もうしばらく馬での練習が続くようです。その後は鳥型の騎獣に乗れる様なんですが」

「あら。じゃあまた授業の方と同じタイミングになりそうですのね」

「ええ。そうなると一先ず、成績の心配はなさそうです」

 彼女はくすくすと笑みを溢す。

 ベッティーナはこの授業で初めてハイパーホースに乗ったのだ。そして同じようなタイミングで騎士見習いの訓練の方でもハイパーホースに乗り始めており、授業と訓練両方でしごかれる事となった。

 他の騎士見習達も同じだ。

 だから授業を通して彼らの騎馬の腕を見ていたアルベラにとって、その成長スピードは目まぐるしいものだった。

「中期では腕前に差が付けられそうですわね。置いていかれないよう頑張らないと」

 フライ以外の、ま・と・も・な・空を飛ぶ騎獣の手綱をアルベラは握ったことがない。

 そういえば長旅で鳥に乗ると言っていたからもしかしたら少し練習させてもらえるだろうか、と考える。

 唇に緩い弧を描いて何かに思いを馳せている様子のアルベラに、ベッティーナはクスリと笑みを零した。

「あら……アルベラ様も素敵な先生がいらっしゃると、最近噂で聞きましたよ。その方に教えていただけばいいではないですか」

 嫌味などではなく、単純に微笑ましいくらいにしか思っていないようなベッティーナの言葉。 

 アルベラは笑顔のまま「はい?」と首を傾げた。

(エリーの事か? けどアレは個室でやってるし。たまに外でガルカに魔術印書いた時その強度確認する時あるからそっちか?)

 アルベラが言葉を返さずに自分の顔を見ているので、「もしかして気軽に触れるべきではない話題だったのだろうか」とベッティーナの胸に不安が過る。

(けど、別にこれくらいは……。アルベラ様のお立場的にもそういう嗜みは合っても、皆『当然』と思うでしょうし……)

 ベッティーナは茶色と黄色のグラデーションがかかった瞳をぱちりと目を瞬き、小声で尋ねる。

「あの、……アルベラ様は冒険者の方とのお話の件ご存じでしょうか?」

「冒 険 者……」

 アルベラの頭に一瞬浮かんだのはティーチの姿だ。そしてちらりとニコーラを見る。

「あの、それはどういう噂で? 学園で流れているのでしょうか?」

「あ……学園ではあまり……。騎士見習いや騎士の間で最近聞くようになった話なので、アルベラ様の耳にまだ届いていなくても当然なのかもしれません」

「あら。騎士様達が……詳しくお願いいたします」

 ニコリと微笑む侯爵ご令嬢の何とも美しい事。

 しかしその空気はどこか威圧的で冷たい。

 騎士見習的な直観か、ベッティーナは自分を絡め取って逃がさんとしているようなアルベラの空気にぞくりと身震いをした。

 やはり触れてはいけない話だったか。

 ベッティーナは急に胃が縮むのを感じた。

 貴族女性が遊び半分で平民男性を弄ぶことなど珍しくない。だがそれを「浅ましい事」と不快に考える貴族女性もいる。

(私は平民の恋人なんて考えもしないけれど、アルベラ様はそういう余裕がおありな方だと思っていたのだけど……やっぱり後ろめたさや恥ずかしさとかがおありなのかしら)

「あ、の。ええと……。アルベラ様に冒険者の恋人がいるというお話です。身のこなしや馬についてなど、彼に指導頂いているのではないかとそういう話もありまして」

「恋人?」

(え、恋人?)

 ならニコーラは関係なく、冒険者と言うのもティーチの事ではないだろう。そもそも学園内の噂ならともかく、騎士達の噂な時点でニコーラの線はかなり薄まる。

(ごめんなさいね、ニコーラ。……で、)

「それはどういうお話かしら。いつごろから流れてるとか、さらに詳しい内容とかはありまして?」

「いつ……。先月……いや……今月の頭辺りから、でしょうか。私が聞いたのはつい先日ですが、目撃したというのがその辺りらしいです。アルベラ様が銀髪の年上の方と、楽しそうにデートをしている所を見たという者が数人いたとかで」

「ぶふっ……」

「アルベラ様?」

「い、いえ、別に……」

 アルベラは声を殺して笑う。その肩は小刻みに揺れていた。

(スナクスさん……。あの時か)

 武器、防具や小道具の類をティーチたちと回った日の事を思い出し、アルベラは納得した。

 確かにあの日、ほんのわずかだがスナクスと二人だけに見えるような瞬間はあった。実際は店内にアンナやゴヤ、ミミロウもいたのだが。

「ベッティーナ様、それを見たというのはどなたで?」

「どなた……」

 ベッティーナは言葉をまごつかせる。

 告げ口をするようで後ろめたい気持ちが、彼女の中に葛藤を生んだ。

「大丈夫です。その方たちを罰したりはしません。ただ、『知り合い』か『全く知らない誰か』か気になっただけですから。知ったところで何もありません」

 アルベラの言葉に、ベッティーナは戸惑いつつ口を開いた。

「ヤグウール男爵家のセレディン様と、ウイペロ中伯爵家のブロンコルデ様です」

(誰)

「その方々はどちらも見習の方で?」

「いえ。セレディン様は騎士で、ブロンコルデ様は見習ですね。私達の二つ上の方でして、学園の生徒ではないです」

「あら。そうですの……」

(学園の生徒じゃない。けど、私の身のこなしどうのや馬の件について……。学園所属の騎士か見習いが噂を聞いて関連付けたってとこか)

 にしても身のこなしについて、「冒険者に教わったのでは」等と話題が上がる程に自分は良い動きをしているのだろうか。とアルベラは能天気にも少し嬉しく思った。

「あ、あの、アルベラ様……もしかして噂の内容に間違いがおありで? 目撃者が二人、全く別々の所から目にしていた事もあり、恋人の線強めで噂が広まり始めているのですが……。もし間違いでしたら私の方からそのように流しておきましょうか?」

 噂に関し、寛容とも無関心とも思えるほどに「お好きにどうぞ」としか思っていないアルベラだったが、上下関係に厳しいベッティーナは顔を青くしていた。

 彼女の普段の強気な態度はどこへやら。

 冒険者との恋路の話は本人にとってタブーだったか。はたまた事実無根な話で公爵のご令嬢を不快にさせてしまったか。と慌てているようだ。

「ベッティーナ様、お気になさらないで。この噂については腹を立てておりませんわ」

「は、はい……。ですが、もし噂自体が不快なようでしたら早く収まるよう私も尽力いたします」

(この子はなんでそこまで。権力の従順なる僕か?)

 アルベラは貴族贔屓、権力至上主義の彼女に疑問を抱きつつ、このまま恋人のいる流れにしても公爵のご令嬢的にはアリなのか一瞬考える。……も、「冒険者の恋人アリ」のレッテルの使用目的が特に思いつかない。

「彼は友人です」

 アルベラはさらりとそう言い切る。ついでに事実ですよと表すように艶やかにほほ笑んで見せた。

「……。は、い」

 ベッティーナはコクリと唾を飲む。

(どっち)

 ベッティーナには公爵ご令嬢の言葉と微笑みが、事実を隠すための物なのか、本当の否定なのか判断しきれなかった。

 何となく反応の薄いような、心がどこかに向いているようなベッティーナの様子にアルベラは首を傾げる。

「ベッティーナ様、ご理解いただけまして? ―――彼とはただの友人です」

 目を細めて、自分に念を押すような公爵ご令嬢の言葉。その瞳が、空気が、冷ややかとも威圧的とも感じてベッティーナは確信する。

 ―――噂が事実で、公爵ご令嬢はそれを隠したいのだ、と。

(アルベラ様……本気なんですね……)

 ごくりと唾を飲み、ベッティーナは深く頷いた。

 アルベラ本人に威圧をかけたつもりもなければ、冷ややかな目を向けたつもりもない。こればかりは持って生まれた吊り上がり気味の目のもたらした印象のせいだ。

「しかと理解致しました」

「流石ベッティーナ様。ご理解いただけて良かったです」

 アルベラは「これでよし」と心の中で頷く。





 ベッティーナとアルベラの近く。

 興味を引かれ話を盗み聞いていた騎士見習い所属の少年二人は、アルベラの念を押す一言に「はっ」と息を飲む。

 二人は「聞いたか」と確認し合うように目を合わせた。

(ディオール家のお嬢様が……冒険者と火遊び……)

(あの噂、ガチだった……)

 ついでに二人が思い浮かべた言葉は、公爵家のご令嬢であれば自分も弄ばれるのはやぶさかではない、というものだった。

(いいなぁ、冒険者の男)

(俺もお近づきになりてぇ……)

 王族、公爵、大伯辺りであれば、沢山いるうちの一人であっても恋人になれるなら儲けもの、という考えは男女関係なくあるのだ。その権力の恩恵を僅かだろうと受けられるなら、一端の貴族にとって有難いことこの上ない。





 その後、同じタイミングで厩から出てきたキリエ、ラツィラス、ジーンがアルベラ達と合流した。

 キリエに従ってきた馬は足取りが軽くご機嫌だ。

 ラツィラスとジーンの連れた馬たちも、自分の手綱を引く人間よりもキリエに身を寄せ、彼に頭を摺り寄せたりとしていた。

(人誑しの王子様の魅力は動物には効かないのか。ん……?)

 アルベラは共にやってきた彼らを見てふと思う。

(人誑しと動物誑しが手を取り合ったら結構最強なのでは……)

「……? どうしたの、アルベラ」

 キリエは嬉しそうに人懐っこい笑みをアルベラに向ける。

 その周りで一斉に馬たちがアルベラに対し敵意の籠った視線を向けた。

(うぅっわぁ……)

 目を離したすきに蹴り殺されるのではないかと、アルベラは気安く身動きの取れない状況に目を据わらせた。

 ―――ビィーーー!

 空からけたたましくホイッスルの音が鳴り響く。

 運動場に風が吹き荒れ、そこに一羽の大きな鳥が降り立った。

「はーい! 遅れてすみません、授業始めまーす!」

 鳥の背から担当教員が現れ、パンパンと手を叩く。

 上級騎馬、前期最後の授業が開始された。





 ***





 日が暮れ、一つ一つの席に明かりが灯された食堂のテラス。

「明日だね」

「ええ。殿下とは明後日ですね」

 アルベラとラツィラスは二人きりでテーブルを挟みお茶を嗜んでいた。

「あ、それ面子はまだ秘密だから人前で話したらだめだよ。他の参加者にもメンバー秘密にしてるから。みんな当日になってからのお楽しみ」

 アルベラの正面から聞き慣れたクスクス笑いが上がる。

「隠すほどのメンバーなんですか?」

「さあ。どうかな。お互い顔見知りだし、もしかしたらいつも通りのお茶会にしかならないかも」

「それ隠す意味あります?」

「さあ」

 王子様はさらりと笑みを返し、「そうですか」とアルベラは素っ気なく紅茶を口に運んだ。





 なぜ彼らが二人きりでテーブルを囲んでいるのか。それは全くの偶然だった。 

 ―――きっかけは、アルベラが早めに済ませた夕食後の事。



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