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謎、ナゾ、なぞの?
しおりを挟む「いっち、ニャー! みぃにゃんッ♪」
公園のみんな
「「「にゃんだ、にゃんだぁ?」」」
どこからともなく聞こえてきた謎の猫声に、もふもふ公園のみんなは警戒モード! キョロキョロ、キョロキョロと、その姿を探す。
「ニャニャ~ん♪ フンフン♪ ニャニャって~♪」
「ニャおり~ん♪ ぷぃぷぃ♪ ニャるってぇ~♪」
すると今度は、さすらいの鍵しっぽ猫ちゃちゃの奏でる、ウキウキ~楽しい歌に合わせて、絶妙な音階でハモり始めた。
「にゃにゃにゃ~ん!? ちゃちゃちゃネェが“ふたり”いるのにゃあ!」
(((えぇぇぇーーーーーー!!!!)))
「みニャにゃみにゃみにゃ~ンさま♪ ランラン♪ みんニャ~、元気ぃ!? ご機嫌ヨォ~ヨォ~?」
にゃんにゃんの見る視線の先に現れたのは、言う通り! 見た目や話し方もちゃちゃそっくりな猫。
「う、うミュみゅです! まさかのまさかニャノですが……アナタはッ!!」
「ルン、ルルン♪ にゃあ~にぃ? 君はウチのこと、知ってるんニャ?」
「も、モチのロんろんであります! 僕にシラナイことはニャいのです!! ナはははぁ~……ミんにゃ~憧れですォ~♡」
そう言うといつもは冷静なイケメン王子、ミルが“ぽわん♡”とほっぺを赤らめ、空想の世界に浸り始める。
公園のみんな
(ミル、やばいニャ?)
(お空みあげて、ぽわぽわしてるニャ?)
(にゃー……それで一体、誰にゃんだニャ?)
ミルの夢見心地な顔を見ながら、つぶやく公園のみんな。
どうやら突然現れた『謎の魔法猫ちゃちゃにそっくりな猫様』のことは、よく知らないらしい。
「あらランラン? それはそりは~ウチのこと知ってくれルンにゃんてぇ? 嬉しいでするニャんにゃあ、ニャるってぇ~♪」
着ているマントのような服!
それをフワッとしながらポーズをとる立ち振る舞い!!
語尾の独特なリズム口調が、ちゃちゃとよく似ている。
極め付きはその薄い茶色と黒、それに白が入った上品な三毛猫(いわゆる、パステル三毛)という、このあたりではあまり見ない毛色だ。
と、いうことは……やっぱり?
「にゃあ! ミル兄が喜んでるんだニャ! ねぇねぇ! ちゃちゃちゃネェと似てるんだぁ……にゃーは、誰?」
公園のみんな
「「「にゃにのにゃあーーーー!?」」」
(((怖いもの知らずーーーー!?)))
今回もなんの迷いもなく近づき、にゃーにゃー話しかけるにゃんにゃんに、公園のみんなは再びビックリ飛び上がる! そしてお目め、まんまるなのだ。
これまたすかさず、お兄ちゃん的存在のホクが、にゃんにゃんを注意する。
「おい、にゃん! だからさっきも言ったがニャ!! 突然そんにゃーことを初めての猫様に言ったら、失礼ニャんだぞ!!」
自分の世界に入っていたミルがハッと返り、「ニャっほん!」と咳払いをする。そしていつもの、キリッとイケメン顔でしゃべり始めた。
「ウンウン、分かるのダヨ~? みんなが聞きたくなるキモチはにぃ……。よしよし、僕から教えるんだナん」
「そ、そうニャのか? あ、にゃっはは、はは……にゃ~お願いするか」
明らかにいつもと違う、ミルのカッコつけた感じに動きの止まるホク。しかしにゃんにゃんはお目めキラキラのキャッキャで、ミルに飛びついた。
「さすが、ミル兄! かーっくい~!! 物知りにゃ~おちえてにゃああん♪」
にゃんにゃんの、ノリノリ気分にしちゃう攻撃に、気を良くしたミルは土管まで走っていき、シュタッ!! 謎の猫様も一緒に、と招き紹介を始めた。
謎の猫様「ニャるってぇ~?」
「コチラの『きゃぴきゃぴっ、キャピッ☆』としたカワゆぃ猫様は――!!」
結果発表ならぬ、お名前発表!
【ドラドラドラ~♪】というドラムロールでも聴こえてきそうな(本当は聴こえない)雰囲気の中、めいっぱい声をためたあとにミルが発表しようとした――その時!!
「うみゅ? ニャ~い、みんにゃあ? ウチのこと、知りたいんニャ?」
「あ……うにゅフッ! ボ、僕からノン、ご紹介を~……ぁぅ~」
「うにゃっはぁー! にゃんは知りたいのニャあー!!」
気合を入れ過ぎたミルはズルっと調子を狂わされ「にゃー……ぃ」と小さな声。
しかし、もうにゃんにゃんの心は謎の猫様に奪われている。瞳を輝かせ期待の眼差しで、土管の上を見ていた。
◇
【ねこねこデータ】報告書。
番号ろく (謎の歌猫様)
詳細不明!? 次の報告を待て!
◇
にゃんにゃん情報♪
☆本日の習得スキル (ノリノリ気分にさせちゃう攻撃)
◇ニャンニャンニャン◇
次回、最終話「芽吹町のなかぁ~ま」
にゃんにゃんの活躍を、乞うご期待♪ 笑
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