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フレーディアは長年の友人レティシアとローニアからの目線を受けて首を大きく左右に振った。言葉にするなら「私に押し付けないでよ!」といったところだ。しかし普段からお目付役とばかりに問題児の世話を焼く幼馴染に対して友人達は両手を合わせて懇願の目を向けてくる。
顔中に冷や汗をかきつつもフレーディアはとうとう観念して、恐る恐る口を開いた。
「フェル。そろそろ上がってきなさいよ。魔王様のところに、その……お菓子でももらいに行かない?」
その珍しく優しい声は、グランドーラ王城の庭にある池の水面に吸い込まれて消えた。
深くはない池の底には金色の塊が見える。
「……ねぇ、フェルってば。聞いてるんでしょ?」
「…………」
波に揺蕩う金色の塊はまったく動かない。
とうとうフレーディアは匙を投げ、友人達へと目を戻した。
「これはダメだわ」
「籠城すると長いのよねぇ、昔から。……魔王様には?」
「言わない方がいいと思う。だって、ねぇ……?」
「うん。魔王様の耳になんて入れたら──この国を滅ぼすとか言い出しかねないよ」
「どうかしら? 案外喜んだりはしない?」
「滅ぼしたことを喜びはするだろうけど……」
三人揃って池の中に目を向けた。
この国を滅ぼすなんてことを、フェルは喜ばないだろうなぁ、と同じことを考えつつ。
葉を踏む音がして三人が同時に振り向くと、騒動を聞きつけたらしいスライムの族長レイニーシャと仏頂面のサラが池に向かって歩いてくるところだった。
そっと池から離れたフレーディアが、今は高い位置にあるサラの耳元に口を寄せた。
「サラったら知ってたんじゃないの? タイシに婚約者がいるって。なんで黙ってたのよ?」
サラは眉を寄せて苦い息を吐いた。
「昨日知ったばっかりだったのよ。今日話すつもりだったのに、大使殿に先手を打たれたわ。フェルは?」
あっち。とばかりにフレーディアは池の底を指す。
サラは額に、レイニーシャは頰に手を添えて揃ってため息を吐いた。
「ここに籠城されちゃあ話も出来ないわよ」
それでもサラは果敢に池へと歩みを進め、池に向かって声をかけた。
「フェル。………ごめんなさい。私のせいよね。私があんたの勉強に時間をかけすぎちゃったせいだわ」
一年前のタイシには婚約者はいなかった。
あの後すぐに追いかけていれば、結果は違うものになったはずだ。勉強なんて、そのあとからでも出来たことなのに。後悔してももう遅いけれど。
「勉強頑張ってたのに、本当にごめんなさい。……で、でもね、勉強って本当は自分のためのものなのよ。あんたが頑張って得た知識は失われないフェルの宝物なの。だから、その、無駄ではなかった、というか……その……」
返事がないせいでどうにも言葉の歯切れが悪い。
「……人間と結婚しないのなら、人間に関する知識は無駄にならないかしら?」
「うるさいわよ、ニーシャ。黙ってて」
サラ渾身の格言も、何事も成るがままな気質の無形種スライムの族長には響かなかった。
「フェル……」
動かない金色の塊を前に、サラは池の水を抜いてやるかとまで考えたが、負い目がある分強引な手を打ちにくい。
焦る体は前のめりになり、いつの間にか池の水面へと迫っていたらしい。
「フェ……ん?」
そして見つめていた金色の塊もまた、思い切り池底を蹴り、水上へと勢いよく飛び出したのだ。
──ゴンっ
「~~~っ」
衝撃で目の前に星が散った。
痛みに悶えるサラが涙目で見た金色の塊は、額を赤くしながらも池の中でキョトンとしていたのだ。
「サラ。みんなも。ここで何してるの?」
「何して……ってねぇ!」
痛む額を押さえつつサラはその場で足を組み、いまだ首から下を水につけたままの人魚を見下ろした。
「あんたが落ち込んでるから励ましにきたんでしょう! 聞いてなかったの!?」
「……ええ? 話しかけてくれてたの? 水上から話しかけても水中には聞こえないの、知らないの?」
「…………そうなの?」
後ろを振り返ると人魚達はポカンとしている。知らなかったらしい。
普段は水中でしか話さない人魚達も、普段は陸上でしか話さない妖精やスライムも知らない、タイシと話すようになったフェルだけが知っている事実だった。
水に入れば良かったのかーと笑っている人魚達をちょっと呆れた目で見つつ、サラは小さく咳払いした。
「大使殿とのことを聞いて来たのよ。……落ち込んでるんじゃないかって。その様子じゃあもう、吹っ切れたって思っていいのね?」
水から出てきたフェリシアはいつもの通りあっけらかんとして、表情には影のひとつもない。だからどう切り出したものかと悩んでいたサラは、こっそり安堵しているのを隠してフェリシアに問いただした。
しかし人魚は困ったように首を傾けたのだ。
「──落ち込んだし、後悔もした。サラは言ったでしょう。人間は血統とか身分に拘るって。だからタイシもそうだったのかなって思ったの。でもわたし、ここに来て自分の目で人間を見たわ。サラが言う意地悪な人もたくさんいるんだろうけど、わたしは猫人みたいに耳が良くないからコソコソ話されて悪口に気付いてないだけなんだろうけど、でも、わたしが会った人間はみんな優しい良い人ばっかりだったわ。わたし、人間がもっと好きになった」
池の淵に手をつき、フェリシアはよいしょと体を池から出した。そのまま優雅にも思える仕草で腰を池の淵に降ろすと、ふわりとした銀の布地が胸元から太腿までを覆う。大理石のように滑らかな脛から足首を綺麗に揃え──少女は、勝気に微笑んだのだ。
「誰が、吹っ切れたって? サラはまだ人魚のことをなにも分かってないようね。人魚はね──獲物を見つけたサメよりも執念深いのよ」
落ち込んでいるだろう妹分を慰めるつもりでサラはここに来た。しかしどうだ。フェリシアは全く、諦めてなんていなかったのだ。
サラはここに来て、タイシへ感じていた苛立ちを全て捨て去った。そして胸を空く爽快感と共に、妖精はまたしても自己判断で腹を括ったのだ。
「執念深いはやめておきなさい。それを言うなら諦めが悪い、よ」
「分かった。人魚は諦めが悪いの、覚えておいてね」
「ええ。私が間違ってたわ。フェルが諦めたりなんて、するわけないわね!」
二人は硬く手を合わせ、フェリシアは高らかに宣言したのだ。
「当然よ! 絶対絶対! わたしはタイシのお嫁さんになってみせるんだから!」
負けないわよー! と騒ぐ二人を前にして、取り残された四人は互いに目を見合わせて、同じことを考えていたのだった。
──諦めが悪いと執念深いは同じ意味じゃない?
顔中に冷や汗をかきつつもフレーディアはとうとう観念して、恐る恐る口を開いた。
「フェル。そろそろ上がってきなさいよ。魔王様のところに、その……お菓子でももらいに行かない?」
その珍しく優しい声は、グランドーラ王城の庭にある池の水面に吸い込まれて消えた。
深くはない池の底には金色の塊が見える。
「……ねぇ、フェルってば。聞いてるんでしょ?」
「…………」
波に揺蕩う金色の塊はまったく動かない。
とうとうフレーディアは匙を投げ、友人達へと目を戻した。
「これはダメだわ」
「籠城すると長いのよねぇ、昔から。……魔王様には?」
「言わない方がいいと思う。だって、ねぇ……?」
「うん。魔王様の耳になんて入れたら──この国を滅ぼすとか言い出しかねないよ」
「どうかしら? 案外喜んだりはしない?」
「滅ぼしたことを喜びはするだろうけど……」
三人揃って池の中に目を向けた。
この国を滅ぼすなんてことを、フェルは喜ばないだろうなぁ、と同じことを考えつつ。
葉を踏む音がして三人が同時に振り向くと、騒動を聞きつけたらしいスライムの族長レイニーシャと仏頂面のサラが池に向かって歩いてくるところだった。
そっと池から離れたフレーディアが、今は高い位置にあるサラの耳元に口を寄せた。
「サラったら知ってたんじゃないの? タイシに婚約者がいるって。なんで黙ってたのよ?」
サラは眉を寄せて苦い息を吐いた。
「昨日知ったばっかりだったのよ。今日話すつもりだったのに、大使殿に先手を打たれたわ。フェルは?」
あっち。とばかりにフレーディアは池の底を指す。
サラは額に、レイニーシャは頰に手を添えて揃ってため息を吐いた。
「ここに籠城されちゃあ話も出来ないわよ」
それでもサラは果敢に池へと歩みを進め、池に向かって声をかけた。
「フェル。………ごめんなさい。私のせいよね。私があんたの勉強に時間をかけすぎちゃったせいだわ」
一年前のタイシには婚約者はいなかった。
あの後すぐに追いかけていれば、結果は違うものになったはずだ。勉強なんて、そのあとからでも出来たことなのに。後悔してももう遅いけれど。
「勉強頑張ってたのに、本当にごめんなさい。……で、でもね、勉強って本当は自分のためのものなのよ。あんたが頑張って得た知識は失われないフェルの宝物なの。だから、その、無駄ではなかった、というか……その……」
返事がないせいでどうにも言葉の歯切れが悪い。
「……人間と結婚しないのなら、人間に関する知識は無駄にならないかしら?」
「うるさいわよ、ニーシャ。黙ってて」
サラ渾身の格言も、何事も成るがままな気質の無形種スライムの族長には響かなかった。
「フェル……」
動かない金色の塊を前に、サラは池の水を抜いてやるかとまで考えたが、負い目がある分強引な手を打ちにくい。
焦る体は前のめりになり、いつの間にか池の水面へと迫っていたらしい。
「フェ……ん?」
そして見つめていた金色の塊もまた、思い切り池底を蹴り、水上へと勢いよく飛び出したのだ。
──ゴンっ
「~~~っ」
衝撃で目の前に星が散った。
痛みに悶えるサラが涙目で見た金色の塊は、額を赤くしながらも池の中でキョトンとしていたのだ。
「サラ。みんなも。ここで何してるの?」
「何して……ってねぇ!」
痛む額を押さえつつサラはその場で足を組み、いまだ首から下を水につけたままの人魚を見下ろした。
「あんたが落ち込んでるから励ましにきたんでしょう! 聞いてなかったの!?」
「……ええ? 話しかけてくれてたの? 水上から話しかけても水中には聞こえないの、知らないの?」
「…………そうなの?」
後ろを振り返ると人魚達はポカンとしている。知らなかったらしい。
普段は水中でしか話さない人魚達も、普段は陸上でしか話さない妖精やスライムも知らない、タイシと話すようになったフェルだけが知っている事実だった。
水に入れば良かったのかーと笑っている人魚達をちょっと呆れた目で見つつ、サラは小さく咳払いした。
「大使殿とのことを聞いて来たのよ。……落ち込んでるんじゃないかって。その様子じゃあもう、吹っ切れたって思っていいのね?」
水から出てきたフェリシアはいつもの通りあっけらかんとして、表情には影のひとつもない。だからどう切り出したものかと悩んでいたサラは、こっそり安堵しているのを隠してフェリシアに問いただした。
しかし人魚は困ったように首を傾けたのだ。
「──落ち込んだし、後悔もした。サラは言ったでしょう。人間は血統とか身分に拘るって。だからタイシもそうだったのかなって思ったの。でもわたし、ここに来て自分の目で人間を見たわ。サラが言う意地悪な人もたくさんいるんだろうけど、わたしは猫人みたいに耳が良くないからコソコソ話されて悪口に気付いてないだけなんだろうけど、でも、わたしが会った人間はみんな優しい良い人ばっかりだったわ。わたし、人間がもっと好きになった」
池の淵に手をつき、フェリシアはよいしょと体を池から出した。そのまま優雅にも思える仕草で腰を池の淵に降ろすと、ふわりとした銀の布地が胸元から太腿までを覆う。大理石のように滑らかな脛から足首を綺麗に揃え──少女は、勝気に微笑んだのだ。
「誰が、吹っ切れたって? サラはまだ人魚のことをなにも分かってないようね。人魚はね──獲物を見つけたサメよりも執念深いのよ」
落ち込んでいるだろう妹分を慰めるつもりでサラはここに来た。しかしどうだ。フェリシアは全く、諦めてなんていなかったのだ。
サラはここに来て、タイシへ感じていた苛立ちを全て捨て去った。そして胸を空く爽快感と共に、妖精はまたしても自己判断で腹を括ったのだ。
「執念深いはやめておきなさい。それを言うなら諦めが悪い、よ」
「分かった。人魚は諦めが悪いの、覚えておいてね」
「ええ。私が間違ってたわ。フェルが諦めたりなんて、するわけないわね!」
二人は硬く手を合わせ、フェリシアは高らかに宣言したのだ。
「当然よ! 絶対絶対! わたしはタイシのお嫁さんになってみせるんだから!」
負けないわよー! と騒ぐ二人を前にして、取り残された四人は互いに目を見合わせて、同じことを考えていたのだった。
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