164 / 206
第二章
46 グレン視点
しおりを挟む
言われた通りに、その日の夜は同僚達で集まって過ごした。同僚達はやはりスペードの10を疑っている、というよりは犯人だと決め付けているが、こればかりは仕方ない。話を合わせて頷き、あの人の悪口を言うのには胸がひどく痛んだ。
そのまま朝を迎え、みんなで朝食を取る。その後、仕事は放り出して、スペードのキングに目通りを願おうと思っていたが、昨日見張り当番だった先輩が同僚に「今日から見張りは不要になった」と伝えに来た。
「不要……?」
「ああ、不要だ。伝えたからな」
些か不穏な言葉の響きに、ザックと目を見合わせる。先輩は俺達から逃げるように目を逸らして去って行ってしまった。
その背中を追いかけて、人影のない隅に引っ張り込んだ。
「不要ってどういうことですか? まさか釈放されたんですか?」
不自然にならないように、問いかける。胸が激しく騒いだ。
「ああ……お前らはコニーと仲良かったもんな。喜ぶことかもしれないな……」
「……なにを言ってるのか、よく分からないのですが」
要領を得ない先輩の答えに、わずかに苛立つ。
だが、苛立っていたのは先輩も同じだった。
「俺はもうソフィア様のことが分からない……あの人は、おかしい……っ」
先輩は眉を不快そうに歪め、吐き捨てた。
「あのようなこと……他国の位持ちになされば国家間でどれほど重大な問題となるか、一般兵ですら分かるというのに。もう俺は付いて行けない」
この先輩は部隊内でも温厚で優しく、同僚達も普段から頼りにしている人だ。その人がこれほど憤るほどのことが、スペードの10に起きたという事実に、一瞬息が出来なくなった。
「な、にが……あったんです……?」
先輩が忌々しげに吐き捨てた言葉を聞いて、青ざめるザックの手を引いて廊下を走った。
一刻の猶予もなかった。
あの女は、ソフィアは。
ザック殺害の邪魔をした、スペードの10を。
闘技場へと放り込んだ。
罪人闘士と間違われた事故を装い、殺すつもりだ。
急いでスペードの方々に、このことを知らせなければ。
しかし、聞けばすでにスペードの方々は朝食を済ませ、あろうことか闘技場へ赴いているという。
「あの人が死ぬところを見学に行ったわけじゃ……ない、よな?」
ザックが震える声で言う。
正直俺も、少し疑っている。
しかし、あの人は言っていた。
キングやクイーンは、ソフィアに惚れたフリをしているだけだ、と。
「今はスペードの10を信じるしかないよ」
自国のキングのことは俺達よりもよくわかっているはずだ。なにより一番信用できる、あの人の恋人の姿もどこにもないのだから、スペードのキングに伝えるしか俺達にできることはない。
「闘技場へ行こう」
もしもスペードのキングやクイーンがソフィアに寝返っているとしたら、俺達もスペードの10も終わる。これは賭けだ。勝算なんてあるのか分からない。
頷きを返すザックと共に、闘技場へ続く廊下を駆け抜けた。
もう少しで闘技場へと入る辺りで、見知った顔がいくつもあった。
声をかけられるかもしれない。速度を緩め、息を整えた。
何事かと聞かれたら、まずい連中だ。
「よう。ザック。それに、グレンもか」
「……お疲れ様です」
やはり声をかけられた。しかし連中の、いつにもない不気味なほど静かな目は一点にザックへと向けられている。
「こっからは闘技場だぜ。何しに行くんだ? 今日お前は非番じゃあないだろ」
「……サボり、です。すみません。ちょっと……金がなくって」
お前。と言われて答えたのはザックだけだ。
闘技場では常時賭け事が行われていて、兵士達の小遣い稼ぎにも使われている。……溶かすやつが大半だが。
息を整える時間が足りなかったか。どんどんと息は荒くなり、心臓が痛い。
どうしてこいつらは、俺に目を向けない?
どうして……ザックだけを見ているのだろうか。
嫌な予感に、歯を食いしばる。そうしないと歯の根が合わないほど恐ろしい想像が頭に浮かんで、消えてくれない。
「サボりは良くねぇなぁ。来い、ザック。ちと……話がある」
一人がザックの肩に手を回し、付いてくるよう促す。そこにいた連中は全部で五人。それが全て、腰を浮かせた。
ザックと目が合った。
その目に。ザックも、きっと俺と同じことを考えているのだろうと思った。
この連中は、ソフィアの信奉者達だ。
それが、ザックだけに話がある、と言う。
ザックの腕を引き、へらへら笑って言った。
「今日だけは見逃してくださいよ! どうしても見たい試合があるんです」
本当に笑えているのか不安になる。唇が震えて仕方ない。
「駄目だ。っつか、お前も今日は当番だろ。とっとと持ち場に戻りな」
「勝ったら飯奢りますから! お願いしますって」
いつもならこのくらい言えば見逃してくれるものを、どうして見逃さない?
決まってる。こいつらの、神様から命令でもあったからだ。
「グレン。聞き分けろよ。そいつをこっちに寄越しな」
不気味に淀んだ目が細められ、悟った。
ザックを掴む腕に力が篭る。
連れて行かせたら、ザックが殺される。
「グレン。俺、行って、くるよ。大丈夫だからさ……」
震える手に、掴む腕を外された。
恐怖に歪んでいるのに、ザックの目は伝えて来た。
『俺のことはいいから、早くスペードのキングの元に行け』と。
この連中は、俺のことはどうでもいいらしい。
だから、俺だけでも走ればスペードのキングにことの次第を伝えるのは可能だろう。
急げば、ザックを助けられるか? 猶予はどのくらいある。
そもそも、スペードのキングは10を助けた上で、ザックを助けてくれるのか。そんな保証は、ない。
それでも、俺だけでも走れば、スペードの10は確実に助けられる。
あの人を助けるなら──。
「……お前を見殺しにして助けたとしたら、あの人に絶対怒られるよ」
スペードの10は俺に言った。
「命令があっただろ。もしもの時は、ザックを守れって」
「っ駄目だって! グレン!」
連中の一人が、何の話だと問いかけてくる。
ザックを背中に隠して、睨みつけた。
「俺達の上官だよ。スペードの10からの命令だ。俺は、あんたらにザックを渡さない!」
剣を抜く。
「兵士として生きるなら戦えってのも教えられただろ、ザック」
あのたった数分の教えは、心に深く刻まれている。
「五人もいるんだぞ!! お前、バカだろ!」
そうだ。俺達よりも年長の兵士達が五人もいる。勝てるわけがない。……きっと、俺達はスペードの10を助けられない。
「そうか。お前もあの女に絆されやがったか、グレン」
「それはあんたらだろ。ソフィアはコニーだけじゃなくザックも殺そうとしたんだ」
これを言えば、もしかしたら目を覚ませるかもしれないと思ったのに、五人ともが顔色を変えなかった。
その様子に、感じていた恐怖はもう、なくなった。
ただ、スペードの10を助けられなかったことだけが悔やまれる。
どうか、恋人が迎えに行ってあげてほしい。
あの人はとても、会いたがっていたから。
そのまま朝を迎え、みんなで朝食を取る。その後、仕事は放り出して、スペードのキングに目通りを願おうと思っていたが、昨日見張り当番だった先輩が同僚に「今日から見張りは不要になった」と伝えに来た。
「不要……?」
「ああ、不要だ。伝えたからな」
些か不穏な言葉の響きに、ザックと目を見合わせる。先輩は俺達から逃げるように目を逸らして去って行ってしまった。
その背中を追いかけて、人影のない隅に引っ張り込んだ。
「不要ってどういうことですか? まさか釈放されたんですか?」
不自然にならないように、問いかける。胸が激しく騒いだ。
「ああ……お前らはコニーと仲良かったもんな。喜ぶことかもしれないな……」
「……なにを言ってるのか、よく分からないのですが」
要領を得ない先輩の答えに、わずかに苛立つ。
だが、苛立っていたのは先輩も同じだった。
「俺はもうソフィア様のことが分からない……あの人は、おかしい……っ」
先輩は眉を不快そうに歪め、吐き捨てた。
「あのようなこと……他国の位持ちになされば国家間でどれほど重大な問題となるか、一般兵ですら分かるというのに。もう俺は付いて行けない」
この先輩は部隊内でも温厚で優しく、同僚達も普段から頼りにしている人だ。その人がこれほど憤るほどのことが、スペードの10に起きたという事実に、一瞬息が出来なくなった。
「な、にが……あったんです……?」
先輩が忌々しげに吐き捨てた言葉を聞いて、青ざめるザックの手を引いて廊下を走った。
一刻の猶予もなかった。
あの女は、ソフィアは。
ザック殺害の邪魔をした、スペードの10を。
闘技場へと放り込んだ。
罪人闘士と間違われた事故を装い、殺すつもりだ。
急いでスペードの方々に、このことを知らせなければ。
しかし、聞けばすでにスペードの方々は朝食を済ませ、あろうことか闘技場へ赴いているという。
「あの人が死ぬところを見学に行ったわけじゃ……ない、よな?」
ザックが震える声で言う。
正直俺も、少し疑っている。
しかし、あの人は言っていた。
キングやクイーンは、ソフィアに惚れたフリをしているだけだ、と。
「今はスペードの10を信じるしかないよ」
自国のキングのことは俺達よりもよくわかっているはずだ。なにより一番信用できる、あの人の恋人の姿もどこにもないのだから、スペードのキングに伝えるしか俺達にできることはない。
「闘技場へ行こう」
もしもスペードのキングやクイーンがソフィアに寝返っているとしたら、俺達もスペードの10も終わる。これは賭けだ。勝算なんてあるのか分からない。
頷きを返すザックと共に、闘技場へ続く廊下を駆け抜けた。
もう少しで闘技場へと入る辺りで、見知った顔がいくつもあった。
声をかけられるかもしれない。速度を緩め、息を整えた。
何事かと聞かれたら、まずい連中だ。
「よう。ザック。それに、グレンもか」
「……お疲れ様です」
やはり声をかけられた。しかし連中の、いつにもない不気味なほど静かな目は一点にザックへと向けられている。
「こっからは闘技場だぜ。何しに行くんだ? 今日お前は非番じゃあないだろ」
「……サボり、です。すみません。ちょっと……金がなくって」
お前。と言われて答えたのはザックだけだ。
闘技場では常時賭け事が行われていて、兵士達の小遣い稼ぎにも使われている。……溶かすやつが大半だが。
息を整える時間が足りなかったか。どんどんと息は荒くなり、心臓が痛い。
どうしてこいつらは、俺に目を向けない?
どうして……ザックだけを見ているのだろうか。
嫌な予感に、歯を食いしばる。そうしないと歯の根が合わないほど恐ろしい想像が頭に浮かんで、消えてくれない。
「サボりは良くねぇなぁ。来い、ザック。ちと……話がある」
一人がザックの肩に手を回し、付いてくるよう促す。そこにいた連中は全部で五人。それが全て、腰を浮かせた。
ザックと目が合った。
その目に。ザックも、きっと俺と同じことを考えているのだろうと思った。
この連中は、ソフィアの信奉者達だ。
それが、ザックだけに話がある、と言う。
ザックの腕を引き、へらへら笑って言った。
「今日だけは見逃してくださいよ! どうしても見たい試合があるんです」
本当に笑えているのか不安になる。唇が震えて仕方ない。
「駄目だ。っつか、お前も今日は当番だろ。とっとと持ち場に戻りな」
「勝ったら飯奢りますから! お願いしますって」
いつもならこのくらい言えば見逃してくれるものを、どうして見逃さない?
決まってる。こいつらの、神様から命令でもあったからだ。
「グレン。聞き分けろよ。そいつをこっちに寄越しな」
不気味に淀んだ目が細められ、悟った。
ザックを掴む腕に力が篭る。
連れて行かせたら、ザックが殺される。
「グレン。俺、行って、くるよ。大丈夫だからさ……」
震える手に、掴む腕を外された。
恐怖に歪んでいるのに、ザックの目は伝えて来た。
『俺のことはいいから、早くスペードのキングの元に行け』と。
この連中は、俺のことはどうでもいいらしい。
だから、俺だけでも走ればスペードのキングにことの次第を伝えるのは可能だろう。
急げば、ザックを助けられるか? 猶予はどのくらいある。
そもそも、スペードのキングは10を助けた上で、ザックを助けてくれるのか。そんな保証は、ない。
それでも、俺だけでも走れば、スペードの10は確実に助けられる。
あの人を助けるなら──。
「……お前を見殺しにして助けたとしたら、あの人に絶対怒られるよ」
スペードの10は俺に言った。
「命令があっただろ。もしもの時は、ザックを守れって」
「っ駄目だって! グレン!」
連中の一人が、何の話だと問いかけてくる。
ザックを背中に隠して、睨みつけた。
「俺達の上官だよ。スペードの10からの命令だ。俺は、あんたらにザックを渡さない!」
剣を抜く。
「兵士として生きるなら戦えってのも教えられただろ、ザック」
あのたった数分の教えは、心に深く刻まれている。
「五人もいるんだぞ!! お前、バカだろ!」
そうだ。俺達よりも年長の兵士達が五人もいる。勝てるわけがない。……きっと、俺達はスペードの10を助けられない。
「そうか。お前もあの女に絆されやがったか、グレン」
「それはあんたらだろ。ソフィアはコニーだけじゃなくザックも殺そうとしたんだ」
これを言えば、もしかしたら目を覚ませるかもしれないと思ったのに、五人ともが顔色を変えなかった。
その様子に、感じていた恐怖はもう、なくなった。
ただ、スペードの10を助けられなかったことだけが悔やまれる。
どうか、恋人が迎えに行ってあげてほしい。
あの人はとても、会いたがっていたから。
0
お気に入りに追加
1,161
あなたにおすすめの小説

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。

婚約破棄をいたしましょう。
見丘ユタ
恋愛
悪役令嬢である侯爵令嬢、コーデリアに転生したと気づいた主人公は、卒業パーティーの婚約破棄を回避するために奔走する。
しかし無慈悲にも卒業パーティーの最中、婚約者の王太子、テリーに呼び出されてしまうのだった。

好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。

ご安心を、2度とその手を求める事はありません
ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・
それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる