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第二章
37 *流血描写があります。ご注意下さい
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打ちつけた額から血を流すザックの目に、涙が溜まって、溢れた。
「……コニー、は……ソフィア様が好きで、一緒に見回りに行けるって喜んでいたのに……どうして殺したりなんかしたんだよ……!?」
「ただのモブに好かれても、どうでもいいんだけど」
ソフィアが再び剣を振り上げる。逃がす余裕も、逃げろと口にするのも、もう間に合わない。
「わたしのことが好きだったんなら、わたしの役に立てて、今頃喜んでるんじゃない?」
その、あまりにも身勝手な言葉に、感じていた恐怖は煮えたぎる怒りへと変わり、ザックの肩越しに、下ろされた剣身を右手のひらで受け止めていた。
「あなた、本当に……いい加減にしなさいよ……!」
剣を取り戻そうとソフィアが剣を引く。絶対に離してやるものかと、強く掴んだ。手のひらがどんどんと熱くなって。それよりも激しい怒りでソフィアを睨みつけた。
「人を殺して、私をこんなところに閉じ込めて……自分勝手なことばかり、言うんじゃない!!」
焦りからか強く剣が引かれ、また手に痛みが走る。悲鳴が出ないよう歯を食いしばった。
執拗に剣を向けるソフィアを、強い風で押し返す。尻餅をつき、壁に叩きつけられたソフィアが、癇癪を起こしたように叫び声をあげた。
「ああもう! お前、ほんっとに鬱陶しい!! 覚えてろよ!! 絶対殺してやるから!!」
踵を返して走り去る姿に、安堵する暇もない。裂けた手のひらからドクドクと血が流れ、視界の端から暗くなっていく。
「どうして、あんな女に……コニー……っ」
「ザック、いいから早く手当てして! 急いで!」
頭を抱えて蹲ってしまったザックは役に立ちそうにない。
地下牢には怪我をした囚人を手当てするための、治療道具が備えられているはずだ。とにかく血を止めないとまずい。
「……グレン!」
グレンも放心状態ならまずいと思ったが、幸い、この子は強かった。
青ざめた顔ながらも、すでに治療道具を手に、こちらに駆けつけてくれていた。
「いい子ね、グレン。あとで頭を撫でてあげるわ」
「……言ってる場合かよ!?」
冗談を言えば、まともなツッコミが返ってくる。やっと、息をつけた。
怪我をしたのは……右手か。
右手は剣の手だ。この手だけは、怪我しないよう気を付けていたのに。
また剣を握れるようになるだろうか。
静かにしていると、頭の中で渦が巻くような感覚が襲ってくる。ひどい耳鳴りもして、気分が悪くなった。
二日もろくに食事していない状態でのこの出血は、やはり堪える。
せめて水でも飲もうと左手を上げようとして──グレンが、いまだ蹲ったままのザックを殴りつけた。
「ザック。水、持ってきてくれって、言ってるだろ。……何度も言わせるな」
殴られたザックが我に返ったように、慌ててテーブルへと駆け出して行った。
何度も? グレンの声は、私にも聞こえていなかった。おまけに、持ち上げたはずの左手が全く上がっていない。
ちらりとこちらを見たグレンの目には気遣うような色があって、もしかしたら私は意識が飛びかけていたのかもしれない。驚きすぎて耳鳴りも治まっていた。
「……あんな女の部下にしておくのは、惜しいわね」
「冗談言ってないで、飯、食えよ。体が保たないぞ」
あいにくとこれは、冗談じゃない。
今回の件が解決したら、スペードは正式にダイヤに賠償を求めるだろう。その中の一項が決まった。
解決……するわよね。あのバカ女はルーファス達はすでに私のものだとかなんとか言っていたけど、嘘に決まってる。そうじゃなきゃ、こんな強硬手段に出るわけがない。
そう、わかりきっているのに。どうしても。オーウェンに嘘を付かれたという事実が、頭の中を占めた。
どうして嘘を付いたの? 決まってる。私が不安がっていたからだ。でも……本当にそれだけ? もしかして。あの時すでに、ルーファス達はあの女に取り込まれていたのだとしたら? ……まさか。あり得ない。
あり得ないあり得ないと、頭の中で反芻して。目の奥が、じわりと熱くなった。唇を噛んで堪える。
どうして……会いに来てくれないの。来てくれたら、嘘を付いたことを思いっきり責めてやるのに。嘘を付いたお詫びとして、解放されたらデートして、たくさんプレゼントを買ってもらって、荷物持ちをさせてやるわ。
きっと、こんなところに自分から入ったあんたが悪いって怒られるだろうけど──オーウェンは断らない。私が言う以上にプレゼントを買ってくれるだろうし、荷物も、言う前から持ってくれるに決まってる。
あの日の初デートから、仕事で出かけることはあっても二人で休みを合わせてはなかった。
店の陰でこっそりと交わしたキスや、約束のネックレスをくれたときのことを思い出す。あの日のオーウェンはいつも以上に優しくて、悪戯に成功した子供みたいな笑顔を浮かべて、それがとても可愛くて。
「……っ」
「あっ、ご、ごめん! 痛かったよな……?」
止血した傷口に包帯がきつく巻かれて、走った痛みに声を漏らしてしまった。
不安そうにしているグレンに、大丈夫だと笑顔を向ける。より表情が暗くなったから、ちゃんと笑顔になっていなかったかもしれない。
オーウェンならこんな時、抱き寄せて優しく髪を撫でてくれる。オーウェンなら、冗談でも言って笑わせてくれるだろう。
オーウェンなら。きっと。
……近くにいるのに。来てくれたら、会えるのに。
会いに来て。ルーファス達は大丈夫なのか。聞きたい。あの女に奪われていたら。そう、考え始めたら、不安ばかりが募って。
怖い。
オーウェンに、会いたい……。
「………………俺、誰か、人を呼んでくるよ」
「グレン?」
急にグレンが立ち上がり、険しい顔をして階段へと向かっていく。
「人をって……待ちなさい! ソフィアと鉢合わせしたらどうするの! 私の目の届くところにいてちょうだい!」
もう、コニーさんのように、みすみす殺させたくない。
「グレン! 戻りなさい!!」
なのに、どれだけ声をかけても、グレンは振り返らず、走り去って行った。
ひどい焦燥に襲われる。
ザックに追いかけさせる? ダメだ。ソフィアがザックと会ったら、次こそ殺してしまう。自らの凶行を知るザックを生かしておくわけがない。この子は、絶対に目の届くところから離すわけにはいかない。
追いかけるべきか悩んだ様子で腰を浮かせたザックの腕を、無事な左手で強く掴んだ。
「あなたはここにいなさい。いいわね」
青ざめた顔が、上下に振られる。
この子は、とりあえずこれでいい。
ソフィアはグレンがここにいたとは知らない。外で会っても、うまく交わせればグレンの身は安全なはず。あの子は賢い。きっと大丈夫だ。
「……コニー、は……ソフィア様が好きで、一緒に見回りに行けるって喜んでいたのに……どうして殺したりなんかしたんだよ……!?」
「ただのモブに好かれても、どうでもいいんだけど」
ソフィアが再び剣を振り上げる。逃がす余裕も、逃げろと口にするのも、もう間に合わない。
「わたしのことが好きだったんなら、わたしの役に立てて、今頃喜んでるんじゃない?」
その、あまりにも身勝手な言葉に、感じていた恐怖は煮えたぎる怒りへと変わり、ザックの肩越しに、下ろされた剣身を右手のひらで受け止めていた。
「あなた、本当に……いい加減にしなさいよ……!」
剣を取り戻そうとソフィアが剣を引く。絶対に離してやるものかと、強く掴んだ。手のひらがどんどんと熱くなって。それよりも激しい怒りでソフィアを睨みつけた。
「人を殺して、私をこんなところに閉じ込めて……自分勝手なことばかり、言うんじゃない!!」
焦りからか強く剣が引かれ、また手に痛みが走る。悲鳴が出ないよう歯を食いしばった。
執拗に剣を向けるソフィアを、強い風で押し返す。尻餅をつき、壁に叩きつけられたソフィアが、癇癪を起こしたように叫び声をあげた。
「ああもう! お前、ほんっとに鬱陶しい!! 覚えてろよ!! 絶対殺してやるから!!」
踵を返して走り去る姿に、安堵する暇もない。裂けた手のひらからドクドクと血が流れ、視界の端から暗くなっていく。
「どうして、あんな女に……コニー……っ」
「ザック、いいから早く手当てして! 急いで!」
頭を抱えて蹲ってしまったザックは役に立ちそうにない。
地下牢には怪我をした囚人を手当てするための、治療道具が備えられているはずだ。とにかく血を止めないとまずい。
「……グレン!」
グレンも放心状態ならまずいと思ったが、幸い、この子は強かった。
青ざめた顔ながらも、すでに治療道具を手に、こちらに駆けつけてくれていた。
「いい子ね、グレン。あとで頭を撫でてあげるわ」
「……言ってる場合かよ!?」
冗談を言えば、まともなツッコミが返ってくる。やっと、息をつけた。
怪我をしたのは……右手か。
右手は剣の手だ。この手だけは、怪我しないよう気を付けていたのに。
また剣を握れるようになるだろうか。
静かにしていると、頭の中で渦が巻くような感覚が襲ってくる。ひどい耳鳴りもして、気分が悪くなった。
二日もろくに食事していない状態でのこの出血は、やはり堪える。
せめて水でも飲もうと左手を上げようとして──グレンが、いまだ蹲ったままのザックを殴りつけた。
「ザック。水、持ってきてくれって、言ってるだろ。……何度も言わせるな」
殴られたザックが我に返ったように、慌ててテーブルへと駆け出して行った。
何度も? グレンの声は、私にも聞こえていなかった。おまけに、持ち上げたはずの左手が全く上がっていない。
ちらりとこちらを見たグレンの目には気遣うような色があって、もしかしたら私は意識が飛びかけていたのかもしれない。驚きすぎて耳鳴りも治まっていた。
「……あんな女の部下にしておくのは、惜しいわね」
「冗談言ってないで、飯、食えよ。体が保たないぞ」
あいにくとこれは、冗談じゃない。
今回の件が解決したら、スペードは正式にダイヤに賠償を求めるだろう。その中の一項が決まった。
解決……するわよね。あのバカ女はルーファス達はすでに私のものだとかなんとか言っていたけど、嘘に決まってる。そうじゃなきゃ、こんな強硬手段に出るわけがない。
そう、わかりきっているのに。どうしても。オーウェンに嘘を付かれたという事実が、頭の中を占めた。
どうして嘘を付いたの? 決まってる。私が不安がっていたからだ。でも……本当にそれだけ? もしかして。あの時すでに、ルーファス達はあの女に取り込まれていたのだとしたら? ……まさか。あり得ない。
あり得ないあり得ないと、頭の中で反芻して。目の奥が、じわりと熱くなった。唇を噛んで堪える。
どうして……会いに来てくれないの。来てくれたら、嘘を付いたことを思いっきり責めてやるのに。嘘を付いたお詫びとして、解放されたらデートして、たくさんプレゼントを買ってもらって、荷物持ちをさせてやるわ。
きっと、こんなところに自分から入ったあんたが悪いって怒られるだろうけど──オーウェンは断らない。私が言う以上にプレゼントを買ってくれるだろうし、荷物も、言う前から持ってくれるに決まってる。
あの日の初デートから、仕事で出かけることはあっても二人で休みを合わせてはなかった。
店の陰でこっそりと交わしたキスや、約束のネックレスをくれたときのことを思い出す。あの日のオーウェンはいつも以上に優しくて、悪戯に成功した子供みたいな笑顔を浮かべて、それがとても可愛くて。
「……っ」
「あっ、ご、ごめん! 痛かったよな……?」
止血した傷口に包帯がきつく巻かれて、走った痛みに声を漏らしてしまった。
不安そうにしているグレンに、大丈夫だと笑顔を向ける。より表情が暗くなったから、ちゃんと笑顔になっていなかったかもしれない。
オーウェンならこんな時、抱き寄せて優しく髪を撫でてくれる。オーウェンなら、冗談でも言って笑わせてくれるだろう。
オーウェンなら。きっと。
……近くにいるのに。来てくれたら、会えるのに。
会いに来て。ルーファス達は大丈夫なのか。聞きたい。あの女に奪われていたら。そう、考え始めたら、不安ばかりが募って。
怖い。
オーウェンに、会いたい……。
「………………俺、誰か、人を呼んでくるよ」
「グレン?」
急にグレンが立ち上がり、険しい顔をして階段へと向かっていく。
「人をって……待ちなさい! ソフィアと鉢合わせしたらどうするの! 私の目の届くところにいてちょうだい!」
もう、コニーさんのように、みすみす殺させたくない。
「グレン! 戻りなさい!!」
なのに、どれだけ声をかけても、グレンは振り返らず、走り去って行った。
ひどい焦燥に襲われる。
ザックに追いかけさせる? ダメだ。ソフィアがザックと会ったら、次こそ殺してしまう。自らの凶行を知るザックを生かしておくわけがない。この子は、絶対に目の届くところから離すわけにはいかない。
追いかけるべきか悩んだ様子で腰を浮かせたザックの腕を、無事な左手で強く掴んだ。
「あなたはここにいなさい。いいわね」
青ざめた顔が、上下に振られる。
この子は、とりあえずこれでいい。
ソフィアはグレンがここにいたとは知らない。外で会っても、うまく交わせればグレンの身は安全なはず。あの子は賢い。きっと大丈夫だ。
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