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第一章
第一章 あとがき
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ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。深川ねずと申します。
皆様のおかげで、なんとか第一章書き上げることができました。本当にありがとうございました。
第一章完結に関しては近況ボードに投稿いたしましたので、そちらも併せて見ていただければ嬉しいです。
ありがたいことに登場人物の詳細を知りたいとのお声をいただきましたので、ここではそれについて書いていきたいと思います。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
【スペードの国】
主人公:エルザ(二十四歳)スペードの10
本作主人公。剣が使えて魔法も操る万能人間。
美人だが気安い性格で友達も多く、料理が上手いまでセットといつのまにか驚きのハイスペックぶりとなりました。
さすがにあまりにも完璧人間では面白くないかと思い、勉強ができない、仕事はサボるなどの欠点がありましたが、あまり生かしきれませんでした。残念です。
前世の記憶があり、乙女ゲームの感覚が抜けきれていません。それゆえに攻略対象からの恋情はありえないものとして処理している節があります。
それに加えて同じアカデミーだったスペードの9以下の『ルーファスに黙らされた会』会員達のことは、幼い頃を知っているからと恋愛の対象としては見られず、結果的にこの年まで恋愛をしてこないまま、オーウェンと出逢いました。オーウェンの最大の幸運は、スペードの国に生まれなかったことです。制服姿がどうこう言っていましたが、同じアカデミーなら相手にされていない可能性がありました。
恋愛面ではなんだか残念な人となりました。
オーウェン(二十四歳)スペードの5
初めはエルザに憧れているだけの当て馬さんでした。それがどうしてこうなった? ストーリーを整えている間に勝手に動いて頑張った人です。エルザへの愛は相当なものです。
ハイスペックキャラでなんでも出来る人として設定しましたが、剣も魔法も国トップクラスの実力があるものの、いかんせん上には上がいるのであまり自信がありません。
この話を書くにあたって、オーウェンにはいくつもの障害がありました。
一つはエルザとルーファス、ゼン、ノエルの四人の関係。ルーファス達との関係を容認し、更に恋人として隣に立てるだけの自信をつけさせてあげる必要がありました。ただルーファス達に認めてもらっただけで堂々と横に置くのは、なんだか軽いように思えて苦労しました。
もう一つはララの恋愛感情です。
表題にしたものを軽々と終わらせるわけにもいかず、ララの恋心は丁寧に終わらせる必要があり、それをオーウェンとの恋愛にどう絡めるか、そしてオーウェンとエルザの恋が成就した後のララとの関係をどうするかがとても難しかったです。
最初からエルザの一番の理解者であることを意識して書いています。しかしながらエルザを従順に慕う大型犬にもかかわらず、恋人となってからは少々下克上気味。注意しておきます。
また、彼だけがエルザを可愛いと表現します。他の人は美人、綺麗と表します。ここはちょっとだけこだわったポイントです。なぜ彼だけが可愛い、なのか。それは番外編9の逆襲で書いた通りです。
ルーファス(二十四歳)スペードのキング 攻略対象キャラ
幼馴染大好き、弟大好き。女嫌い。ですが最近気になる人が……?
ルーファスに関して書くのは、かなり長くなる気がします。
この人が、この話の中で一番性格やキャラクターを悩んだ人だからです。
何から書こうか悩みますが、彼の視点である『歪んだキングの独白』には入れられなかった彼の深層心理について書かせていただこうと思います。
なにせ深層心理ですから、一人称では書くことが出来ずに困りました。こんなところで書くのはなんとも実力不足を痛感します。
さて、『歪んだキングの独白』について、いくつか放置した彼のセリフがあります。
その一つ目は一番最後。エルザの反応について、笑いを止めることは難しいという発言です。これには、彼の恋愛に対して懐疑的な部分が強く影響しています。恋愛=嫉妬心、と彼の心に深く刻まれたトラウマにより、ルーファスは自分がエルザを好きになってしまったら、ゼンとエルザの関係に嫉妬して三人の関係が壊れるだろうと。また、ゼンとエルザが恋人になってしまったとして、ゼンからの嫉妬でエルザを取り上げられるのではないかという恐怖心がありました。
だから、ゼンがいなければエルザを男として好きになっていただろうという冒頭のセリフにつながり、そして最後のシーンの自分の行動に、女性としてまったく反応しないエルザにたいして安堵しています。
次に、エルザが離れることによる激しい喪失感です。彼に初めての彼女が出来た際、エルザは彼から離れました。これについてエルザは男女のことだから仕方ないと割り切ったのですが、まだ十代にもならないルーファスに納得しろと言っても無理からぬ話です。猛抗議の甲斐あって、エルザは彼の手元に戻りましたが、ルーファスやゼンがどうしてエルザが離れることにひどく恐怖を覚えるようになったか、の言及ができませんでした。ルーファスにもわからないからです。
それはエルザの精神年齢がすでに大人であり、またアカデミーに入学したての頃というのは母親から初めて長時間離れることになった時期ということとなり、母親と離れたことによる不安感を、精神年齢が母親と近いエルザといることで解消していたんです。
それによりエルザに対する執着は母へのそれと同じとなり、子供にとって母親が絶対に自分を裏切らない存在であると同じように、エルザが離れることを決して許せなくなりました。
さすがに大人になった今は、立場が逆転し、そこまでの依存性はなくなりましたが、この辺りをしっかり書けなかったことがどうしても残念でなりません。
ゼン(二十四歳)スペードのクイーン 攻略対象キャラ
ゼンはルーファスとは違って、早々にエルザ依存から抜け出しました。それは彼が母親気質だったからです。世話をする側に回ったことで、エルザへの依存が薄れました。娘のような存在へと変化しました。なので、彼もエルザに対して恋情が生まれませんでした。しかし娘なので、恋人選びは慎重です。実はオーウェンを相手にとこっそり推していた……という設定があります。が、彼の視点の話は入れる隙間がありませんでした。番外編水の魔女を書くことにしたために、秘密のお仕事について書けたので、恐らく今後書く予定はない……と思います。誘拐されかけてエルザに助けられ、魔法を操るエルザに憧れて魔法を極めた、という話もゼンの視点に入れる予定でしたが、最後に入れられてよかったです。
また、彼には女性的な美人(♂)という設定がありましたが、初登場で入れ忘れていたために最後になってから慌てて入れたという経緯があります。
ノエル(二十歳)スペードのジャック 攻略対象キャラ
ノエルの腹黒設定は最初からありました。一人称ですから、エルザの視点では天使のノエルとなるよう気をつけましたが、このままだと出せるところがなくなるな……と思い、最後に本性を現します。
彼の感情はまた兄とは少し違っていて、ノエルにとって実の兄であるルーファスに、その友人であるゼンとエルザは、本当の兄姉のような存在です。
だから、エルザの相手は実の兄であるルーファス、次点でゼンが彼の理想でした。本当のお姉ちゃんになってくれるからです。彼自身が相手になるということは一切考えていません。なぜならエルザはノエルにとって、お姉ちゃんだからです。ここは兄と同じように、姉に性的欲求を感じないのと同じ感情をエルザに持っています。
兄達以外のエルザに対する恋愛感情は全力で妨害します。が、オーウェンに対しては後手にまわりました。レグサス達同様、決して手は出せない男だと高を括っていたのです。彼がエルザ達のことを知ったのは、なんとエルザ達が結ばれた後。焦りで兄に詰め寄りますが、打開案出されてしまう……という番外編を予定していました。書けませんでした……っ!
レグサス スペードの9 番外編の主人公
レグサスのレグはregretのレグです。それならリグサスでは?という話ですが、リグよりもレグかなと思い、レグサスとなりました。過去の発言を後悔しながらも離れることが出来ずに燻り続けた人です。エルザの変化に一番に気付いた人。
オーウェンとの掛け合いは書いててとても楽しかったです。また出せたらいいなぁ。
ネビル スペードの8 エルザの推薦 真面目メガネ
スペード唯一の貴族であるベルの恋人です。ベルの家に使える従僕を両親にもち、幼い頃からベルと共に育ちました。幼い頃にベルと結婚の約束をし、ベルの両親である旦那様や奥様には許されましたが、ネビルの両親は許しませんでした。身分違いというやつです。
その時に父に言われた「お嬢様と結婚したければ、キングから位を与えられるような人間になれ」と言われて頑張ります。その結果がこれです。努力の人です。
ウィル スペードの7 ゼンの推薦 委員長
アカデミーでは学級委員長をずっと務めてきた正義の人。天然なところが可愛い大男です。背の高さは細かく決めていませんが、背が高いはずのレグサスよりも頭ひとつ大きい、という設定です。
魔法を操るエルザの美しさに惚れ、ルーファスに何度も挑みますが、ついぞ勝てぬままです。オーウェンとエルザのことはまだ知りません。
クライブ スペードの6 ゼンの推薦 副委員長
ウィルの幼なじみで、暴走しがちな大男のフォロー担当。クールなイケメン設定ですが、本編には委員長同様登場しませんでした。
ルーファスに勝てないウィルのかわりにルーファスに挑みますが負けてしまい、その過程で本人もエルザを好きになってしまいます。ミイラ取りです。
ナット スペードの4 ノエルの推薦で悪友
糸目でニヤついた不気味な人、のはずだった人。
ララを脅かしたせいでひどい目に会いました。
彼に関しては特殊な設定を持たせましたが……番外編あの男と……や、『歪んだ正規ルート』ではその設定を隠し要素として出してみました。気付いていただけましたでしょうか?
パンジー スペードの3 エルザの推薦
ぽっちゃり女子。エルザとはアカデミーからずっと仲良しです。というのも、エルザは女子から些か嫌われています。男とばかり遊ぶから、ですね。そういう女子が嫌われるのは、この世界でもワンダーランドでも同じことです。
なのでエルザの女友達は貴重。ベル同様大切なキャラクターです。
ベル スペードの2 押しかけ女房 唯一の貴族
ネビルの恋人で、本名がとても長いという設定があります。本人は貴族が通う学校出身ですが、学生の頃、幼馴染のネビルが休みにも屋敷に戻らず、心配してアカデミーに乗り込みます。
そこでネビルとエルザが親しくしているところを目撃してしまい、会わずに逃げ帰ってしまいます。そのまま大人になりましたが、ネビルは屋敷に帰ってきませんでした。スペードの城の位持ちになっていたからですね。エルザと一緒にいたかったからかと勘違いして、ルーファスの元に乗り込み、自分に位を与えなさいと詰め寄ります。そんな経緯で別の学校出身ながら、位を与えられるに至りました。結果的にネビルが位持ちとなった理由はというと……上記の通りです。位持ちは貴族に婿入りすることが多い、という設定を生かしてみました。この二人について、中編程度の番外編を予定していましたが、書く時間がありませんでした。残念です。
ヴァン スペードのエース ノエルの推薦 ヤンチャ系男子
ノエル、ナットとアカデミー時代からの悪友です。良い子ちゃんなノエルに絡み、コテンパンにのされたという過去があります。その後、ノエルが大切にしているエルザとルーファスに二人で挑み……あとはお察しください。ルーファスのことは兄ちゃんと呼ぶことを要求されていますが、断り続けています。『歪んだ正規ルート』にて裏設定に関する大切なセリフを放った張本人です。
【ハートの国】
アレクシス ハートのキング 攻略対象キャラ
眉目秀麗、たおやかな色気の美丈夫。
ルーファスが大好きな人。もっと出してあげたかったですが、次に期待です。
レスター ハートのクイーン 攻略対象キャラ
派手な見た目に対し、ヘタれたところが可愛いエルザの一番の話し相手です。
彼の、エルザに対する感情はまぎれもなく友愛です。同志、心の友ともいいます。ノエルが大好きですが、ノエルに対しての感情も恋愛ではありません。ショーンの気持ちを知っていて後押しするも、残念ながら成就しませんでした。レスター視点も書きたいところではありましたが、ストーリーを進めることを優先しました。ちまちまとでも書いていけたらなぁと思っています。
ショーン ハートのジャック 攻略対象キャラ
常に眠そうな黒色の半眼に黒髪、とエルザが一番落ち着く色合いの人。そしてエルザの一番の推しキャラです。私の推しでもあります。
彼はエルザのことが苦手ではありましたが、接するうちに惹かれてしまいます。しかしエルザが攻略対象は自分を好きになるわけがないと思い込んでいるせいで見事に玉砕してしまいました。その際にオーウェンに言った言葉が引き金となり、エルザとオーウェンの関係に亀裂が入ります。しかし彼の言葉がなければ恐らく二人の関係は進むことはなかっただろうなと思っています。エルザはオーウェンが補佐として近くにいてくれることに安心しきっており、オーウェンもキングやクイーンのものであるエルザに手を出せなくなっていました。影の功労者です。
【白の国】
白の女王陛下 十歳 隠し攻略対象キャラ
イベント通りに差し出されたお店のクッキーでララを気に入ってしまう、この物語のラスボスです。幼い頃に母親を亡くしたために、ララに依存します。ララが来てから三ヶ月、早くお茶会の日にならないかなとわくわくして待っていた可愛い子です。
白の国の所属となったララに、ある贈り物をしています。それが二章ではララの助けとなります。
実は、彼のバッドエンドに入るためのフラグを、ララは回収していません。ならばなぜ、バッドエンドに入ってしまったのか。それはあれがバッドエンドではなかったからです。
あれは紛れもなくエルザのルートでした。エルザのララに対する友愛の好感度が一定以上となったために発生した、エルザのグッドエンドです。女の子とのお友達エンドがある乙女ゲームがありますが、そのようなものだと思っていただければと思います。
ララ 乙女ゲームヒロイン
乙女ゲームのヒロインに転生し、ひどい目にあった人。
プロローグからなんだかおかしいこの世界に残る勇気が持てず、帰ることを選びました。が、エルザの様子に疑問を持ち、このまま帰っては後悔すると残ることを決意。結果的にエルザと良い友人になれてよかったです。
彼女の視点は、少々不気味に見えるように書きましたが、しかしただの恋する女の子にも見えるよう、気を付けて書きました。
彼女は初めから前世の記憶を持っている設定を守りました。帰らないのも、決めていました。乙女ゲームのヒロインといえば、転移先から帰らないのはお約束だからです。二章を書くのも決めていたので、返すわけにはいかないのです。
フェリクス 白のジャック 隠し攻略対象キャラ
不気味な見た目とは真逆な優しい苦労人。白の国には位がクイーンとジャックしかなく、白の女王陛下を一人でお守りしています。
エルザが好きで好きで猛アタックしていましたが、あいにくノエルの妨害にあった犠牲者です。
白ウサギ 白の国の宰相
中型犬サイズのウサギです。大きいですよね。ウサギといえば発情期、ということで、奥さんがたくさんいるにもかかわらず、ララを口説きます。半分は本気ですが、もう半分は白の女王陛下に会わせてあげるためでした。これでも白の女王陛下への忠誠心はなかなかのものですが、悲しいかな登場した白の女王陛下に蹴り飛ばされます。
ロイド・ハッター 帽子屋 攻略対象キャラ
大人な帽子屋さんです。再登場叶わず。
トゥイードル・ディーとダム(十五歳)双子 攻略対象キャラ
狂気のバッドエンドが存在する双子です。エルザが大好きですが、急に避けられるようになって追いかけ回す少年たちです。彼らのバッドエンドは番外編として書こうと思っていましたが、ストーリーを進めていくうちに入れられなくなりました。残念です。
剣の稽古はオーウェンとエルザに見てもらいました。
ハンプティ・ダンプティ エッグタルト屋さん 攻略対象キャラ
エルザにさすがと言わしめる癒し系小太りの攻略対象です。混乱したエルザの避難所になりました。
ハンプティ視点を書くのは楽しかったです。
……書き忘れている人はいませんか。大丈夫ですか。思い入れの深い話なので、書き始めれば止まりませんね。
しかしお伝えしたかったことが書けて楽しかったです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回からは第二章を、これからはのんびり更新していこうと思っています。まだ二万字ほどしか書けていないということもありますが、他にも色々と書いてみたい話が出てきまして、現在近況ボードにも書きましたが『婚約破棄』物の執筆をしています。やはりネット小説サイトに投稿したからには「転生」と「婚約破棄」はお約束でしょう! といったところです。
こちらは三万字程度の短編を予定していますので、良ければそちらも併せて楽しんでいだけたら嬉しいです。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
引き続き、エルザ達を可愛がっていただければ幸いです。
深川ねず
皆様のおかげで、なんとか第一章書き上げることができました。本当にありがとうございました。
第一章完結に関しては近況ボードに投稿いたしましたので、そちらも併せて見ていただければ嬉しいです。
ありがたいことに登場人物の詳細を知りたいとのお声をいただきましたので、ここではそれについて書いていきたいと思います。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
【スペードの国】
主人公:エルザ(二十四歳)スペードの10
本作主人公。剣が使えて魔法も操る万能人間。
美人だが気安い性格で友達も多く、料理が上手いまでセットといつのまにか驚きのハイスペックぶりとなりました。
さすがにあまりにも完璧人間では面白くないかと思い、勉強ができない、仕事はサボるなどの欠点がありましたが、あまり生かしきれませんでした。残念です。
前世の記憶があり、乙女ゲームの感覚が抜けきれていません。それゆえに攻略対象からの恋情はありえないものとして処理している節があります。
それに加えて同じアカデミーだったスペードの9以下の『ルーファスに黙らされた会』会員達のことは、幼い頃を知っているからと恋愛の対象としては見られず、結果的にこの年まで恋愛をしてこないまま、オーウェンと出逢いました。オーウェンの最大の幸運は、スペードの国に生まれなかったことです。制服姿がどうこう言っていましたが、同じアカデミーなら相手にされていない可能性がありました。
恋愛面ではなんだか残念な人となりました。
オーウェン(二十四歳)スペードの5
初めはエルザに憧れているだけの当て馬さんでした。それがどうしてこうなった? ストーリーを整えている間に勝手に動いて頑張った人です。エルザへの愛は相当なものです。
ハイスペックキャラでなんでも出来る人として設定しましたが、剣も魔法も国トップクラスの実力があるものの、いかんせん上には上がいるのであまり自信がありません。
この話を書くにあたって、オーウェンにはいくつもの障害がありました。
一つはエルザとルーファス、ゼン、ノエルの四人の関係。ルーファス達との関係を容認し、更に恋人として隣に立てるだけの自信をつけさせてあげる必要がありました。ただルーファス達に認めてもらっただけで堂々と横に置くのは、なんだか軽いように思えて苦労しました。
もう一つはララの恋愛感情です。
表題にしたものを軽々と終わらせるわけにもいかず、ララの恋心は丁寧に終わらせる必要があり、それをオーウェンとの恋愛にどう絡めるか、そしてオーウェンとエルザの恋が成就した後のララとの関係をどうするかがとても難しかったです。
最初からエルザの一番の理解者であることを意識して書いています。しかしながらエルザを従順に慕う大型犬にもかかわらず、恋人となってからは少々下克上気味。注意しておきます。
また、彼だけがエルザを可愛いと表現します。他の人は美人、綺麗と表します。ここはちょっとだけこだわったポイントです。なぜ彼だけが可愛い、なのか。それは番外編9の逆襲で書いた通りです。
ルーファス(二十四歳)スペードのキング 攻略対象キャラ
幼馴染大好き、弟大好き。女嫌い。ですが最近気になる人が……?
ルーファスに関して書くのは、かなり長くなる気がします。
この人が、この話の中で一番性格やキャラクターを悩んだ人だからです。
何から書こうか悩みますが、彼の視点である『歪んだキングの独白』には入れられなかった彼の深層心理について書かせていただこうと思います。
なにせ深層心理ですから、一人称では書くことが出来ずに困りました。こんなところで書くのはなんとも実力不足を痛感します。
さて、『歪んだキングの独白』について、いくつか放置した彼のセリフがあります。
その一つ目は一番最後。エルザの反応について、笑いを止めることは難しいという発言です。これには、彼の恋愛に対して懐疑的な部分が強く影響しています。恋愛=嫉妬心、と彼の心に深く刻まれたトラウマにより、ルーファスは自分がエルザを好きになってしまったら、ゼンとエルザの関係に嫉妬して三人の関係が壊れるだろうと。また、ゼンとエルザが恋人になってしまったとして、ゼンからの嫉妬でエルザを取り上げられるのではないかという恐怖心がありました。
だから、ゼンがいなければエルザを男として好きになっていただろうという冒頭のセリフにつながり、そして最後のシーンの自分の行動に、女性としてまったく反応しないエルザにたいして安堵しています。
次に、エルザが離れることによる激しい喪失感です。彼に初めての彼女が出来た際、エルザは彼から離れました。これについてエルザは男女のことだから仕方ないと割り切ったのですが、まだ十代にもならないルーファスに納得しろと言っても無理からぬ話です。猛抗議の甲斐あって、エルザは彼の手元に戻りましたが、ルーファスやゼンがどうしてエルザが離れることにひどく恐怖を覚えるようになったか、の言及ができませんでした。ルーファスにもわからないからです。
それはエルザの精神年齢がすでに大人であり、またアカデミーに入学したての頃というのは母親から初めて長時間離れることになった時期ということとなり、母親と離れたことによる不安感を、精神年齢が母親と近いエルザといることで解消していたんです。
それによりエルザに対する執着は母へのそれと同じとなり、子供にとって母親が絶対に自分を裏切らない存在であると同じように、エルザが離れることを決して許せなくなりました。
さすがに大人になった今は、立場が逆転し、そこまでの依存性はなくなりましたが、この辺りをしっかり書けなかったことがどうしても残念でなりません。
ゼン(二十四歳)スペードのクイーン 攻略対象キャラ
ゼンはルーファスとは違って、早々にエルザ依存から抜け出しました。それは彼が母親気質だったからです。世話をする側に回ったことで、エルザへの依存が薄れました。娘のような存在へと変化しました。なので、彼もエルザに対して恋情が生まれませんでした。しかし娘なので、恋人選びは慎重です。実はオーウェンを相手にとこっそり推していた……という設定があります。が、彼の視点の話は入れる隙間がありませんでした。番外編水の魔女を書くことにしたために、秘密のお仕事について書けたので、恐らく今後書く予定はない……と思います。誘拐されかけてエルザに助けられ、魔法を操るエルザに憧れて魔法を極めた、という話もゼンの視点に入れる予定でしたが、最後に入れられてよかったです。
また、彼には女性的な美人(♂)という設定がありましたが、初登場で入れ忘れていたために最後になってから慌てて入れたという経緯があります。
ノエル(二十歳)スペードのジャック 攻略対象キャラ
ノエルの腹黒設定は最初からありました。一人称ですから、エルザの視点では天使のノエルとなるよう気をつけましたが、このままだと出せるところがなくなるな……と思い、最後に本性を現します。
彼の感情はまた兄とは少し違っていて、ノエルにとって実の兄であるルーファスに、その友人であるゼンとエルザは、本当の兄姉のような存在です。
だから、エルザの相手は実の兄であるルーファス、次点でゼンが彼の理想でした。本当のお姉ちゃんになってくれるからです。彼自身が相手になるということは一切考えていません。なぜならエルザはノエルにとって、お姉ちゃんだからです。ここは兄と同じように、姉に性的欲求を感じないのと同じ感情をエルザに持っています。
兄達以外のエルザに対する恋愛感情は全力で妨害します。が、オーウェンに対しては後手にまわりました。レグサス達同様、決して手は出せない男だと高を括っていたのです。彼がエルザ達のことを知ったのは、なんとエルザ達が結ばれた後。焦りで兄に詰め寄りますが、打開案出されてしまう……という番外編を予定していました。書けませんでした……っ!
レグサス スペードの9 番外編の主人公
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オーウェンとの掛け合いは書いててとても楽しかったです。また出せたらいいなぁ。
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魔法を操るエルザの美しさに惚れ、ルーファスに何度も挑みますが、ついぞ勝てぬままです。オーウェンとエルザのことはまだ知りません。
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ララを脅かしたせいでひどい目に会いました。
彼に関しては特殊な設定を持たせましたが……番外編あの男と……や、『歪んだ正規ルート』ではその設定を隠し要素として出してみました。気付いていただけましたでしょうか?
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ぽっちゃり女子。エルザとはアカデミーからずっと仲良しです。というのも、エルザは女子から些か嫌われています。男とばかり遊ぶから、ですね。そういう女子が嫌われるのは、この世界でもワンダーランドでも同じことです。
なのでエルザの女友達は貴重。ベル同様大切なキャラクターです。
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そこでネビルとエルザが親しくしているところを目撃してしまい、会わずに逃げ帰ってしまいます。そのまま大人になりましたが、ネビルは屋敷に帰ってきませんでした。スペードの城の位持ちになっていたからですね。エルザと一緒にいたかったからかと勘違いして、ルーファスの元に乗り込み、自分に位を与えなさいと詰め寄ります。そんな経緯で別の学校出身ながら、位を与えられるに至りました。結果的にネビルが位持ちとなった理由はというと……上記の通りです。位持ちは貴族に婿入りすることが多い、という設定を生かしてみました。この二人について、中編程度の番外編を予定していましたが、書く時間がありませんでした。残念です。
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ノエル、ナットとアカデミー時代からの悪友です。良い子ちゃんなノエルに絡み、コテンパンにのされたという過去があります。その後、ノエルが大切にしているエルザとルーファスに二人で挑み……あとはお察しください。ルーファスのことは兄ちゃんと呼ぶことを要求されていますが、断り続けています。『歪んだ正規ルート』にて裏設定に関する大切なセリフを放った張本人です。
【ハートの国】
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眉目秀麗、たおやかな色気の美丈夫。
ルーファスが大好きな人。もっと出してあげたかったですが、次に期待です。
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派手な見た目に対し、ヘタれたところが可愛いエルザの一番の話し相手です。
彼の、エルザに対する感情はまぎれもなく友愛です。同志、心の友ともいいます。ノエルが大好きですが、ノエルに対しての感情も恋愛ではありません。ショーンの気持ちを知っていて後押しするも、残念ながら成就しませんでした。レスター視点も書きたいところではありましたが、ストーリーを進めることを優先しました。ちまちまとでも書いていけたらなぁと思っています。
ショーン ハートのジャック 攻略対象キャラ
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彼はエルザのことが苦手ではありましたが、接するうちに惹かれてしまいます。しかしエルザが攻略対象は自分を好きになるわけがないと思い込んでいるせいで見事に玉砕してしまいました。その際にオーウェンに言った言葉が引き金となり、エルザとオーウェンの関係に亀裂が入ります。しかし彼の言葉がなければ恐らく二人の関係は進むことはなかっただろうなと思っています。エルザはオーウェンが補佐として近くにいてくれることに安心しきっており、オーウェンもキングやクイーンのものであるエルザに手を出せなくなっていました。影の功労者です。
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白の国の所属となったララに、ある贈り物をしています。それが二章ではララの助けとなります。
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あれは紛れもなくエルザのルートでした。エルザのララに対する友愛の好感度が一定以上となったために発生した、エルザのグッドエンドです。女の子とのお友達エンドがある乙女ゲームがありますが、そのようなものだと思っていただければと思います。
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プロローグからなんだかおかしいこの世界に残る勇気が持てず、帰ることを選びました。が、エルザの様子に疑問を持ち、このまま帰っては後悔すると残ることを決意。結果的にエルザと良い友人になれてよかったです。
彼女の視点は、少々不気味に見えるように書きましたが、しかしただの恋する女の子にも見えるよう、気を付けて書きました。
彼女は初めから前世の記憶を持っている設定を守りました。帰らないのも、決めていました。乙女ゲームのヒロインといえば、転移先から帰らないのはお約束だからです。二章を書くのも決めていたので、返すわけにはいかないのです。
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エルザが好きで好きで猛アタックしていましたが、あいにくノエルの妨害にあった犠牲者です。
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剣の稽古はオーウェンとエルザに見てもらいました。
ハンプティ・ダンプティ エッグタルト屋さん 攻略対象キャラ
エルザにさすがと言わしめる癒し系小太りの攻略対象です。混乱したエルザの避難所になりました。
ハンプティ視点を書くのは楽しかったです。
……書き忘れている人はいませんか。大丈夫ですか。思い入れの深い話なので、書き始めれば止まりませんね。
しかしお伝えしたかったことが書けて楽しかったです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回からは第二章を、これからはのんびり更新していこうと思っています。まだ二万字ほどしか書けていないということもありますが、他にも色々と書いてみたい話が出てきまして、現在近況ボードにも書きましたが『婚約破棄』物の執筆をしています。やはりネット小説サイトに投稿したからには「転生」と「婚約破棄」はお約束でしょう! といったところです。
こちらは三万字程度の短編を予定していますので、良ければそちらも併せて楽しんでいだけたら嬉しいです。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
引き続き、エルザ達を可愛がっていただければ幸いです。
深川ねず
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そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

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