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第一章
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私に手を払われた白の女王陛下は呆然と手のひらを見つめていたが、その顔はみるみる赤く染まりこちらを鋭く睨みつけた。その目には屈辱からか涙が浮かんでいる。
「フェリクス! この無礼者を今すぐ処刑しろ!」
その台詞に、嫌気がさすような目眩がするが、慌てて膝をついた。
そうしなければ、上から見下ろしてしまうからだ。
白の女王は他の四ヵ国とは違い世襲制を取っている。先代が早くに身罷られ、カミール様が王位を継いだ。
当代白の女王陛下は御年十歳になられる少年だ。その性格は無邪気で残酷な小さな暴君。そしてフェリクス同様、二週目以降にルートが解放される、最後の攻略キャラだ。
フェリクスも困ったことになったという内心は隠さず、しかし狼狽えたように主の足元に膝をついた。
「陛下……その者はスペードの国の位を持つ者でございますゆえ……処刑、というのは……」
「余の手を叩いたのだぞ!!」
自分の意見が通らないことが納得いかないらしい。
「白の女王陛下。大変御無礼を致しました」
とにかく謝罪しなければ。
内心の焦りを隠し、胸に手を添えて頭を下げる。
白の女王陛下の顔は見えないが、きっと怒りは収まっていない。
激しくなる動悸とは対照的に指の先がひどく冷えた。それは、処刑が恐ろしいからではない。
この後はどうすればいいの?
あのエンディングは攻略に失敗したことで起きるものだからか、誰もララを助けはしなかった。なのに、私はララを助けてしまった。
この先の展開が、私には分からない。
それがこんなにも恐ろしいことだとは。
私の行動如何で、ララの未来が決まってしまう。
この『処刑しろ』という台詞は、白の女王陛下の物騒すぎる口癖だ。
フェリクスも慣れたもので、陛下の不興を買い、この『処刑しろ!』を賜った者には暇を出してしまう。そうして決して陛下の視界に入らないようにしてから『処刑いたしました』と頭を下げるのだ。
しかしこれを私がされてしまうと、もうスペードの10ではいられなくなる。ただのモブ兵士に戻るのは悪くないが、それだと恐らくララも助からない。
「女王陛下。この者が無礼を致しました。体調が優れぬ様で、足下がふらついたので御座います。すぐに御前を下がらせますので、平にご容赦賜りたく存じます」
隣に同じく膝をついた人は緑の頭を下げ、いい諭す様に穏やかに言葉を発した。
私が言葉に苦慮するのを見かねたのかもしれない。しかしこの助け舟で、オーウェンにまで矛先が向くかもしれないと思うと肝が冷えた。
「この者が申すとおり、我が国の者が大変失礼を致しました、女王陛下。しかしながら申し上げますが、男子たるものが手が触れ合ったなどということで、そのように声を荒げるものではありませんね」
続けて聞こえたのは、謝罪の言葉に、決して対したことではないのだと含ませるためか笑いが混ぜられたルーファスの声だ。
申し訳なく思ってさりげなく仰ぎ見ると、白の女王陛下へと向けられた、年長者が未熟な者を見るような目は笑っていなかった。
「スペードのキングの仰る通り、見たところお怪我もなさってはおられないようですし、私もここは体調の優れぬ相手を労わることが為政者としての度量であると心得ますよ」
白く小さな手を取り優しく諭したのはハートのキング、アレクシス様だ。赤い目から私へと視線を移し、優雅に微笑んだ。
この状況を見守っていたらしいご令嬢方が熱に浮かされたようにふらつき倒れる音が、そこかしこから聞こえた。
「そうねえ。手が当たってしまっただけのことでございましょう? 綺麗なお姉さんと触れ合って動揺なされたのでしょうけれど、女性には優しくなさいませんとねえ」
続けて聞こえた声はアルトではなくテノールだ。
花飾りのついた扇で口元を隠したその人は、均整の取れた逞しい体を女性的なデザインのスーツで包んでいる。
その顔には派手に化粧が施されているが、決して似合わないわけではない。
むしろ大変に似合っている。
私を見る長い睫毛に囲われた目は、言葉にするなら『何してんのよ! あんたって子はほんとにもうっ!』とはっきりと語っている。
ダイヤのキング、アーノルドは、アリーという女性名を名乗る大変に美人なオネエさんで、私の姉を自称している。
ゲームの無印では登場しないアリーだが、私の醜態を見かねたのかもしれない。目線で謝罪しておいた。
残された最後の国、クローバーの国の方達は静観するようだった。スペードとは折り合いが悪いから仕方ない。クローバーのキングの無表情の奥に嘲るような、しかし怒りとも取れる感情を見て取って、視線を外した。
私はあの人にひどく嫌われているのだ。
他国の王達に囲まれて、さすがの幼い暴君も言葉を詰まらせたようだった。
どうやら私の処刑云々は有耶無耶になりそうだ。しかし助け船を出してくれた四人には悪いが、ここで私が引き下がるわけにはいかなかった。
「女王陛下。ララは元の世界に帰ることを望んでおります。どうか、その願いを聞き届け、女王陛下の魔法で道を開いてはいただけないでしょうか」
ひたりと視線を合わせ、訴える。ララの件がまだ解決していない。
眉尻を下げて困り果てる従者に、すがるように目を向けていた白の女王陛下は私の言葉を聞いて激しく戸惑い、声を荒げた。
「何を言い出すのだ、ダメに決まっている! なんのためにララをこちらに呼び寄せたと思っておるのだ、お前は!」
ああ、やっぱり。
思わず吐いた息は苦い。
女王陛下が語ったことこそが、このゲームの真実だ。
ララが白ウサギの落とし物を見つけるよりも前に、魔法を使ってララの世界に遊びに行った女王陛下は偶然知り合ったララに一目ぼれし、白ウサギに命じたのだ。ララをこちらの世界に連れてまいれ、と。
しれっと初対面の挨拶を交わし、その上口説きまでしていた白ウサギは、ただの誘拐犯なのだ。小憎たらしい。
本来であればすぐに白のジャックであるフェリクスがララを確保する予定だったが、思いのほか動き回ったララはあっという間にスペードの国、もしくはハートの国との国境まで来てしまう。そうしてストーリーが始まるのだ。
「……陛下が呼び寄せられたにせよ、本人は帰りたいと申しております。その心を無視して閉じ込めてしまわれるおつもりですか。下々の者の気持ちに耳を閉ざすなど、大国の王のなさることとは思えません。どうか、帰してあげてくださいませ」
「嫌だ! なんなのだ、さっきから! お前には関係のないことであろう!」
「関係ならございます」
思わず語調が荒くなる。関係がないだなんてこと、ない。
「ララは、私の友人です。その大切な友が不当に囚われるなど身過ごせるわけがございません」
初めはゲームの通りのおっとりとした穏やかな性格だと思っていたが、実のところ、今のララはゲームのヒロインとは少し性格が違っているように思える。
ルーファスに遠慮なく文句を言う姿はお互いになんだか楽しそうで微笑ましいし、ゼンに対して私との距離が近くてずるいと頬を膨らませている姿は可愛らしい。ノエルが女の子をからかうところなんて初めて見たし、逆にオーウェンはララにとことんからかわれて、苦々しい顔をしていた。
ずっと昔からそうだったように、ララは私達の間に溶け込んでいた。
私はそんな彼女が大好きになったのだ。
「友人……だと……?」
友人という言葉を噛み締めるように呟くと、女王陛下はひどく顔を歪ませる。私は説得の失敗を悟った。
「ララの友人は余がおればそれで良い! お前など要らぬわ! ……もう我慢ならんっお前に決闘を申し込む! 予が勝てば、お前は今ここで処刑してやる!」
「……………………け、決闘……?」
説得の失敗どころではなかったらしい。より悪いほうに、話は転がり始めてしまったようだった。
「フェリクス! この無礼者を今すぐ処刑しろ!」
その台詞に、嫌気がさすような目眩がするが、慌てて膝をついた。
そうしなければ、上から見下ろしてしまうからだ。
白の女王は他の四ヵ国とは違い世襲制を取っている。先代が早くに身罷られ、カミール様が王位を継いだ。
当代白の女王陛下は御年十歳になられる少年だ。その性格は無邪気で残酷な小さな暴君。そしてフェリクス同様、二週目以降にルートが解放される、最後の攻略キャラだ。
フェリクスも困ったことになったという内心は隠さず、しかし狼狽えたように主の足元に膝をついた。
「陛下……その者はスペードの国の位を持つ者でございますゆえ……処刑、というのは……」
「余の手を叩いたのだぞ!!」
自分の意見が通らないことが納得いかないらしい。
「白の女王陛下。大変御無礼を致しました」
とにかく謝罪しなければ。
内心の焦りを隠し、胸に手を添えて頭を下げる。
白の女王陛下の顔は見えないが、きっと怒りは収まっていない。
激しくなる動悸とは対照的に指の先がひどく冷えた。それは、処刑が恐ろしいからではない。
この後はどうすればいいの?
あのエンディングは攻略に失敗したことで起きるものだからか、誰もララを助けはしなかった。なのに、私はララを助けてしまった。
この先の展開が、私には分からない。
それがこんなにも恐ろしいことだとは。
私の行動如何で、ララの未来が決まってしまう。
この『処刑しろ』という台詞は、白の女王陛下の物騒すぎる口癖だ。
フェリクスも慣れたもので、陛下の不興を買い、この『処刑しろ!』を賜った者には暇を出してしまう。そうして決して陛下の視界に入らないようにしてから『処刑いたしました』と頭を下げるのだ。
しかしこれを私がされてしまうと、もうスペードの10ではいられなくなる。ただのモブ兵士に戻るのは悪くないが、それだと恐らくララも助からない。
「女王陛下。この者が無礼を致しました。体調が優れぬ様で、足下がふらついたので御座います。すぐに御前を下がらせますので、平にご容赦賜りたく存じます」
隣に同じく膝をついた人は緑の頭を下げ、いい諭す様に穏やかに言葉を発した。
私が言葉に苦慮するのを見かねたのかもしれない。しかしこの助け舟で、オーウェンにまで矛先が向くかもしれないと思うと肝が冷えた。
「この者が申すとおり、我が国の者が大変失礼を致しました、女王陛下。しかしながら申し上げますが、男子たるものが手が触れ合ったなどということで、そのように声を荒げるものではありませんね」
続けて聞こえたのは、謝罪の言葉に、決して対したことではないのだと含ませるためか笑いが混ぜられたルーファスの声だ。
申し訳なく思ってさりげなく仰ぎ見ると、白の女王陛下へと向けられた、年長者が未熟な者を見るような目は笑っていなかった。
「スペードのキングの仰る通り、見たところお怪我もなさってはおられないようですし、私もここは体調の優れぬ相手を労わることが為政者としての度量であると心得ますよ」
白く小さな手を取り優しく諭したのはハートのキング、アレクシス様だ。赤い目から私へと視線を移し、優雅に微笑んだ。
この状況を見守っていたらしいご令嬢方が熱に浮かされたようにふらつき倒れる音が、そこかしこから聞こえた。
「そうねえ。手が当たってしまっただけのことでございましょう? 綺麗なお姉さんと触れ合って動揺なされたのでしょうけれど、女性には優しくなさいませんとねえ」
続けて聞こえた声はアルトではなくテノールだ。
花飾りのついた扇で口元を隠したその人は、均整の取れた逞しい体を女性的なデザインのスーツで包んでいる。
その顔には派手に化粧が施されているが、決して似合わないわけではない。
むしろ大変に似合っている。
私を見る長い睫毛に囲われた目は、言葉にするなら『何してんのよ! あんたって子はほんとにもうっ!』とはっきりと語っている。
ダイヤのキング、アーノルドは、アリーという女性名を名乗る大変に美人なオネエさんで、私の姉を自称している。
ゲームの無印では登場しないアリーだが、私の醜態を見かねたのかもしれない。目線で謝罪しておいた。
残された最後の国、クローバーの国の方達は静観するようだった。スペードとは折り合いが悪いから仕方ない。クローバーのキングの無表情の奥に嘲るような、しかし怒りとも取れる感情を見て取って、視線を外した。
私はあの人にひどく嫌われているのだ。
他国の王達に囲まれて、さすがの幼い暴君も言葉を詰まらせたようだった。
どうやら私の処刑云々は有耶無耶になりそうだ。しかし助け船を出してくれた四人には悪いが、ここで私が引き下がるわけにはいかなかった。
「女王陛下。ララは元の世界に帰ることを望んでおります。どうか、その願いを聞き届け、女王陛下の魔法で道を開いてはいただけないでしょうか」
ひたりと視線を合わせ、訴える。ララの件がまだ解決していない。
眉尻を下げて困り果てる従者に、すがるように目を向けていた白の女王陛下は私の言葉を聞いて激しく戸惑い、声を荒げた。
「何を言い出すのだ、ダメに決まっている! なんのためにララをこちらに呼び寄せたと思っておるのだ、お前は!」
ああ、やっぱり。
思わず吐いた息は苦い。
女王陛下が語ったことこそが、このゲームの真実だ。
ララが白ウサギの落とし物を見つけるよりも前に、魔法を使ってララの世界に遊びに行った女王陛下は偶然知り合ったララに一目ぼれし、白ウサギに命じたのだ。ララをこちらの世界に連れてまいれ、と。
しれっと初対面の挨拶を交わし、その上口説きまでしていた白ウサギは、ただの誘拐犯なのだ。小憎たらしい。
本来であればすぐに白のジャックであるフェリクスがララを確保する予定だったが、思いのほか動き回ったララはあっという間にスペードの国、もしくはハートの国との国境まで来てしまう。そうしてストーリーが始まるのだ。
「……陛下が呼び寄せられたにせよ、本人は帰りたいと申しております。その心を無視して閉じ込めてしまわれるおつもりですか。下々の者の気持ちに耳を閉ざすなど、大国の王のなさることとは思えません。どうか、帰してあげてくださいませ」
「嫌だ! なんなのだ、さっきから! お前には関係のないことであろう!」
「関係ならございます」
思わず語調が荒くなる。関係がないだなんてこと、ない。
「ララは、私の友人です。その大切な友が不当に囚われるなど身過ごせるわけがございません」
初めはゲームの通りのおっとりとした穏やかな性格だと思っていたが、実のところ、今のララはゲームのヒロインとは少し性格が違っているように思える。
ルーファスに遠慮なく文句を言う姿はお互いになんだか楽しそうで微笑ましいし、ゼンに対して私との距離が近くてずるいと頬を膨らませている姿は可愛らしい。ノエルが女の子をからかうところなんて初めて見たし、逆にオーウェンはララにとことんからかわれて、苦々しい顔をしていた。
ずっと昔からそうだったように、ララは私達の間に溶け込んでいた。
私はそんな彼女が大好きになったのだ。
「友人……だと……?」
友人という言葉を噛み締めるように呟くと、女王陛下はひどく顔を歪ませる。私は説得の失敗を悟った。
「ララの友人は余がおればそれで良い! お前など要らぬわ! ……もう我慢ならんっお前に決闘を申し込む! 予が勝てば、お前は今ここで処刑してやる!」
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説得の失敗どころではなかったらしい。より悪いほうに、話は転がり始めてしまったようだった。
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