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優斗とは放課後に『げーむ?』をやる約束をした。もちろん、永井や朝霧さん、佐藤さんも一緒にだ。
そしておれ達は学校の近くにある素朴な公園で、朝霧さんと佐藤さんを待っていた。
運が悪いことに彼女たちは掃除当番だったのだ。だが今日は金曜日だし、明日が休みなのでいつもよりもやる気が出てくるだろう。
各々がスマホをいじり、待っているとテンポの速い足音が近づいてくるのがわかった。
「ごめんごめん! 掃除が長引いちゃってさ!」
やはりと言うべきか来たのは朝霧さんと佐藤さんだった。隣にいる佐藤さんが荒く息をしているのを見る限り走ったのだろう。
「全然気にしてないって! 暗くなる前に『げーむ?』しよう」
十七歳にもなって公園でゲームというのもどうかと思ったが、そんなに長くないゲームらしいのでおれ達は公園でささっとやろうという話をしていた。
「ちょっと待ってね今から『げーむ?』をインストールするから」
「早くしろよ朝霧」
永井の言葉を無視した朝霧は黙々とアプリをインストールしていた。
おれは黙って『げーむ?』を開こうとしたが、そこでまさかの人物から声がかかった。
「あの……猫屋敷くん」
「ん? ああ、なんだ佐藤さんか、どうした?」
どうやら佐藤さんは噂通り超がつくほどの人見知りらしい。右手で左腕を掴み、下を向いていることからもその噂を思い出すのに時間はかからなかった。
「あの……その……よろしくお願いします」
「あ、ああ、よろしく」
まさかそんな事を言うためだけにおれに話しかけたのだろうか。なんだか申し訳ない気持ちがででくる。
にしても佐藤さんはいつ見ても高校生とは思えない。別に悪い意味で言っているのではなくて、単純にスタイルがいいのだ。
どことはいわないが、高校生には似合わない二つの大きな膨らみが制服を内側から押し上げ、肉付きの良い太腿がスカートと合わさって扇情的だ。さらに佐藤さん本人の気弱な性格や整った顔から庇護欲を掻き立てられてしまう。
「おーい! 零士! 『げーむ?』するぞ!」
「わかった! 今行く!」
いつの間にか遠くのベンチで三人は座っていた。その中でもダントツで気になったのが永井だ。
何故かは知らんがおれを睨んでるし、そのせいで佐藤さんが怖がってる。
「なに話してた?」
なにに怒っているかはわからないが、永井の声が一段と低くなっているのはわかった。
「なんでもいいだろ。……とっとと『げーむ?』するぞ」
感じが悪い。永井のせいで優斗は苦笑い状態だし、朝霧さんは不機嫌そうだし、佐藤さんはおれの背中に隠れてるし。
早くこの空気を変えたい。
「てかこのゲーム面白いのか?」
「んー、どうだろうね? そういえば面白いとかは聞いた事ないけど」
「あたしも聞いたことないけど、まあ大事なのは願いが叶うかどうかだしなんでもいいんじゃない?」
それもそうかと納得できた。どうやらこんな会話をしているうちに『げーむ?』のほうが準備できたらしい。
アプリを起動してもスマホの画面には赤い文字で〈鬼ごっこ〉という文字があるだけで、特に変わったところはなかった。
「どういうこと? これまったく動かないんだけど?」
「わ、わたしの画面もまったく動きません」
「おれの画面も全然動かないんだけど」
おれの画面も優斗たちと同様にまったく動かない。画面を押してみても、振ってみても、なぞってみても、変化はまるでない。
そんな事をしている時だった。
《参加者の数を確認しました》
何にも変化がなかった、スマホの画面にいきなり文字が現れたのだ。もちろんそれはおれだけではない。
「な、なんだこれ?」
「わ、わからないわ」
「結局クソゲーだったってことだろ?」
各々が勝手にどうこう言っているが、結局『げーむ?』は遊べないのだろうか。
だとしたら早く帰りたいのだが。
「なにもできないし帰るか?」
「零士の言う通りだな、やることないし帰ろう」
「えー! せっかく集まったのにもう帰っちゃうの!」
朝霧の顔から不満がっていることはわかった。しかし、やることがないのは事実なので大人しく帰るしかないだろう。
結局そのあとは少し話した後に解散した。あのゲームは一体なんだったのだろうか。
そしておれ達は学校の近くにある素朴な公園で、朝霧さんと佐藤さんを待っていた。
運が悪いことに彼女たちは掃除当番だったのだ。だが今日は金曜日だし、明日が休みなのでいつもよりもやる気が出てくるだろう。
各々がスマホをいじり、待っているとテンポの速い足音が近づいてくるのがわかった。
「ごめんごめん! 掃除が長引いちゃってさ!」
やはりと言うべきか来たのは朝霧さんと佐藤さんだった。隣にいる佐藤さんが荒く息をしているのを見る限り走ったのだろう。
「全然気にしてないって! 暗くなる前に『げーむ?』しよう」
十七歳にもなって公園でゲームというのもどうかと思ったが、そんなに長くないゲームらしいのでおれ達は公園でささっとやろうという話をしていた。
「ちょっと待ってね今から『げーむ?』をインストールするから」
「早くしろよ朝霧」
永井の言葉を無視した朝霧は黙々とアプリをインストールしていた。
おれは黙って『げーむ?』を開こうとしたが、そこでまさかの人物から声がかかった。
「あの……猫屋敷くん」
「ん? ああ、なんだ佐藤さんか、どうした?」
どうやら佐藤さんは噂通り超がつくほどの人見知りらしい。右手で左腕を掴み、下を向いていることからもその噂を思い出すのに時間はかからなかった。
「あの……その……よろしくお願いします」
「あ、ああ、よろしく」
まさかそんな事を言うためだけにおれに話しかけたのだろうか。なんだか申し訳ない気持ちがででくる。
にしても佐藤さんはいつ見ても高校生とは思えない。別に悪い意味で言っているのではなくて、単純にスタイルがいいのだ。
どことはいわないが、高校生には似合わない二つの大きな膨らみが制服を内側から押し上げ、肉付きの良い太腿がスカートと合わさって扇情的だ。さらに佐藤さん本人の気弱な性格や整った顔から庇護欲を掻き立てられてしまう。
「おーい! 零士! 『げーむ?』するぞ!」
「わかった! 今行く!」
いつの間にか遠くのベンチで三人は座っていた。その中でもダントツで気になったのが永井だ。
何故かは知らんがおれを睨んでるし、そのせいで佐藤さんが怖がってる。
「なに話してた?」
なにに怒っているかはわからないが、永井の声が一段と低くなっているのはわかった。
「なんでもいいだろ。……とっとと『げーむ?』するぞ」
感じが悪い。永井のせいで優斗は苦笑い状態だし、朝霧さんは不機嫌そうだし、佐藤さんはおれの背中に隠れてるし。
早くこの空気を変えたい。
「てかこのゲーム面白いのか?」
「んー、どうだろうね? そういえば面白いとかは聞いた事ないけど」
「あたしも聞いたことないけど、まあ大事なのは願いが叶うかどうかだしなんでもいいんじゃない?」
それもそうかと納得できた。どうやらこんな会話をしているうちに『げーむ?』のほうが準備できたらしい。
アプリを起動してもスマホの画面には赤い文字で〈鬼ごっこ〉という文字があるだけで、特に変わったところはなかった。
「どういうこと? これまったく動かないんだけど?」
「わ、わたしの画面もまったく動きません」
「おれの画面も全然動かないんだけど」
おれの画面も優斗たちと同様にまったく動かない。画面を押してみても、振ってみても、なぞってみても、変化はまるでない。
そんな事をしている時だった。
《参加者の数を確認しました》
何にも変化がなかった、スマホの画面にいきなり文字が現れたのだ。もちろんそれはおれだけではない。
「な、なんだこれ?」
「わ、わからないわ」
「結局クソゲーだったってことだろ?」
各々が勝手にどうこう言っているが、結局『げーむ?』は遊べないのだろうか。
だとしたら早く帰りたいのだが。
「なにもできないし帰るか?」
「零士の言う通りだな、やることないし帰ろう」
「えー! せっかく集まったのにもう帰っちゃうの!」
朝霧の顔から不満がっていることはわかった。しかし、やることがないのは事実なので大人しく帰るしかないだろう。
結局そのあとは少し話した後に解散した。あのゲームは一体なんだったのだろうか。
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