鈍色の空と四十肩

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54 ー2人で誕生日ー

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 譲治は久しぶりの出張で一週間、ハンガリー国内と周辺国をレンタカーで周っていた。
 会社から指示されている、新しい物品の発掘と、手配である。
 一年近く、出張もなく在宅ワーク続きだったので、いい気晴らしになった。
 
 運転は好きなので、景色を見ながらの長距離ドライブを出張としてできるのはありがたい。
 だが。
 依子に会えないのは、正直言って身を引き裂かれるような苦痛だった。
 毎日、お互いのその日の出来事、撮った写真などをLINEで報告はしていた。
 しかし、会いたいという気持ちが募るばかりで。

 依子と深い関係になってから、あまりにも離れがたく、ほぼ最初から考えていたことがある。
 やっぱり、一緒に住んだほうが、お互いの精神衛生上いいのじゃないか?  
 依子の家で、基本的な生活を営んで、自分のアパートには仕事をするために出勤する、という形。
 でもこれだと依子に甘えすぎか。

 それか、お互い独立して仕事できるよう、部屋数の多いアパートを借り直して、共同で住むか。
 それが一番いいが、依子が納得するか。
 実を言えば、給料が人並みに上がってきたので、今の倍の家賃くらいのアパートでもそんなに負担になるわけではない。
 うーん。そうするか。依子さんは遠慮するだろうが、説得しよう。

 さて、帰るか。
 予定されていた全ての行程を終えて帰路につく。

 そう言えば、依子さんから、帰る日に時間あれば斉藤さんとこに寄って、とLINEが来てたな。
 ちょうどお昼くらいには着けるから、寄ってからレンタカー返しに行くか。

ーーー

 いつもの隅の席で、『さくら』のランチを頬張る譲治に斉藤が言う。ちなみに今日選んだのは角煮定食だ。
「あのさあ、ちょっとはっきり言い難いんだけどね。」
 珍しく斉藤が言い淀む。
「依子さんがさあ、最近すごく艶っぽくて、常連さんがざわついちゃってるのよ。」
「依子さんはいつもきれいですよ。問題でも?」
 譲治がどういうことか、と聞く。

「つまりね、この前コルムのとこでも、控えなさいよ、って言ったでしょ。
 君と付き合うようになってから、どんどん体つきが色っぽくなっちゃって、肌艶とかもさあ。最近痩せてきてますますキレイだから、男どもがやたらナンパするのよ。」
「は?! 斉藤さん、それは監督してもらわないと。」
 譲治が声を荒げる。
「店の中は監視できるけどさあ、それにしても、もっとわかりやすく君のもんだってタグつけてもわんと。
 この前言ってたじゃん、指輪でも贈るか、って。あれ早急に対処してよ。」
 斉藤も渋い顔で言う。
「わかりました。この後早急に対処します。」
 譲治は毅然と食事を終えて、風のように出て行った。

 譲治はその足で、近所のアクセサリーショップに出向き、依子につけさせる指輪を買った。
 指輪にサイズがあるとは知らなかったが、いつも見て触って馴染んでいる依子の手を想像して、みつくろった。
 違ってたら直してもらえばいい。
 目立つように、少し幅の太い存在感のある、シルバーのリング。
 内側に彼女への気持ちを表した言葉を英語で入れてもらった。
「永遠にあなたを愛しています」
 誕生日プレゼントとして受け取ってもらおう。
 アパートの件もあるし。

 レンタカーを返したら、時間もちょうど夕方だし、彼女のところへ行って。
 そしたら、明日は約束の日。
 譲治への誕生日プレゼントとして、一日中依子と過ごせる。
 天気が良ければいいがな。また散歩とか。
 でもベッドから出られるかな。

 そんなことを考えながら、譲治は帰路についたのだった。

ーーー

 コンコンコン 

 いつものように依子の部屋のドアがノックされる。
 外を確認して開け、そこにいた恋しい人を中に入れる。

「おかえりなさい。出張お疲れ様でした。」
 依子は輝くような笑みで譲治を迎えた。
「ただいまです。」

 譲治は、おかえり、ただいま、と挨拶を交わし会えるのが、こんなにうれしいことだと思わなかった。
 玄関のドアを閉じると、その場でぎゅっと依子を抱きしめる。
 依子を腕の中にすっぽり収めると、いつもちょっと意外に思う。
 依子の存在が自分の中であまりに大きいので、こんなに小柄な人だったっけ、とより愛おしく思うのだ。

「はあ。依子さんだ。会いたくて死にそうでした。長い一週間だった。」
 譲治は依子の首に顔を埋めながら言う。
「私もよ。」
 依子は譲治の背中に回した手で優しく撫でさする。
「さあさあ、ゆっくりして。夕飯食べるでしょ?」
 そう言って依子は抱擁を解いて譲治をいつものテーブルに促したのだった。

ーーー

「ルーマニアにも入ったの?いいなあ!私前から行きたかったのよね。」
「それにしてもやっぱり田舎に行くほど英語もけっこう通じなくて難儀しましたね。まだ2月だから冬の気候で足元も悪いし。」

 譲治は出張先の景色や、途中遭遇したプチトラブルなどを聞かせる。
「今度は一緒に行きましょう。
 依子さんと同じ景色を見て、一緒に歩いて、同じ時間を共有したいな。」
 譲治が依子を見る目はとても優しかった。
「ありがとう。2人で珍道中したいわね。」
 依子もうれしそうだ。

 譲治があくびをした。
「疲れたでしょ? ちゃんと寝てたって言っても、慣れない枕で1週間も泊まり歩いてたらね。
 お風呂行ってゆっくりあったまってきたら?」
「すみません。不甲斐ない。依子さんに会ってホッとしたのかも。」
 出張中はアルコールを摂取していなかったので、さっき2人で飲んだワインが効いたらしい。
 依子にせき立てられて、お風呂を借りに行った。

 そうして、お風呂であったまってさらに眠気が限界まで押し寄せていた譲治は、朦朧とした頭で依子のベッドに倒れ込み、寝かしつけられたのだった。
 依子が布団を譲治の肩まで掛けて、ゆっくり寝てね、と優しく囁いた。
 依子の温かい手が譲治の髪を撫で、ふわりと唇が頬に触れたのを、意識の遠くで感じて、眠りの深い淵に落ちて行った。

ーーー

 はっ。

 突然譲治は覚醒した。
 目を開けると、依子の部屋。
 すっかり明るくなっていて、カーテンの隙間から漏れる光で、しっかり朝になっているのがわかった。
 あ~、ぐっすり寝てしまった。
 寝過ぎて腰がバキバキする。

 くそ。
 昨晩は不覚にも依子さんを前にしておきながら完全に寝込んでしまった。
 よほど疲労困憊だったのか。
 情けない。隣で寝ていたであろう依子は、もうキッチンで朝ごはんを作っている気配。
 譲治はベッドを降りて、寝室から出る。

「おはよう。よく寝られた? もっと寝てていいのよ。」
 依子はにこにこしてキッチンから声をかけてくれる。
 今日はハイネックのセーターにロングスカートだ。
 きれいで、温かさが溢れてくるようだ、と譲治は思った。
「おはようございます。すみません。
 昨日、何にもしないで夕飯いただくだけいただいて寝落ちしてしまいました。」
「いいのよ、全然。
 譲治くんが私のうちでリラックスしてくれているのは、とってもうれしいんだから。必要ならお風呂遠慮なく使って。」
 依子はそう言いながら寝室に消え、カーテンを開けたり、ベッドを整えたりするのだった。
「すみません。じゃ遠慮なく。」
 そう言って譲治はしゃっきりするためにもシャワーを借りに洗面所へ行った。
 お風呂場はまだ熱気が少し残っていて、依子がついさっき使ったことがわかる。
 依子のボディソープの香りが、いつぞやの夜のように、譲治を刺激するのだった。

「依子さんはちゃんと寝られました?僕が邪魔してませんでした?」
「大丈夫よ~。
 譲治くんがぐっすり寝てるのをじっくり観察できて役得でした。」
 依子は相変わらずニコニコしている。

 2人はトーストとベーコンエッグ、フルーツなどの朝ごはんをゆっくり食べ終わった。
「譲治くん、お誕生日おめでとう。」
 依子はそう言って、小さな包みを出す。
「え、ありがとうございます。プレゼント?開けていいですか?」
 譲治がその包みを開けると、以前、蚤の市で気に入って手に取った青緑色のマグカップだった。

「わあ。。うれしいです。わざわざ買いに行ってくれたんですか?」
「うん。ミニマリストのあなただから、何がいいかすごく悩んだんだけど。
 そのカップを気に入ったらしかった、ていうのだけ覚えていたから。」
「うれしいです。ほんとに。誰かにプレゼントもらうなんて、いつぶりだろう。覚えてないです。」
「あんまり高価なものでなくてごめんね。
 今日は、譲治くんのために一日ずっとなんでもするから。遠慮なく甘えて。」
「高価どころか。僕にはもったいないくらいです。」
 譲治はマグカップを大事に箱にしまって、割らないようにそっとカウンターの奥に置かせてもらった。
「僕からはこれ。依子さん、お誕生日おめでとうございます。」
 譲治は昨日買ったばかりの銀のリングの箱を依子に渡した。

 早速開けて依子は感激している。
「うれしい。。私アクセサリープレゼントされるなんて初めてかも。」
 依子はちょうどぴったりに嵌る指を探しながら、裏面の言葉を読んで、指でなぞった。
「ありがと、譲治くん。
 私こそ、譲治くんは私にとっては出来すぎた彼氏よ。申し訳ないくらい。」
 左手の中指にピッタリだったようだ。嵌めて言う。
「これでいつも譲治くんと一緒ね。」
 そしてリングを嵌めた指を頬に当てた。
 譲治はその依子の手を取ってリングに誓うようにキスを落としたのだった。

ーーー

 家事しちゃうね、と言って依子は洗面所の乾燥機のところで洗濯物を畳んでいる。
「譲治くんも洗濯物あったら使っていいのよ。洗ってあげようか?」
 洗面所を覗いた譲治は、じゃ、のちほど、そう言って後ろから依子を抱きしめる。

 抱きしめながら、服の上から依子の身体中をまさぐる。
「譲治くん...めちゃくちゃ朝だよ?」
「ええ、昨晩はいつも以上にぐっすり寝られて、依子さんのおいしい朝ごはんもしっかりいただいて、素敵なプレゼントももらって、僕は今絶好調に活力がみなぎってます。
 これなら一日中あなたを悦ばすことができる。」

 そう言って、依子の胸をさわさわと揉みながら、もう片方の手を依子の下腹部に当ててゆっくり撫でる。
「あなたのここに、入りたい。ここの、一番奥まで。
 思い出して。この前僕が入ったところを。
 むちゃくちゃに掻き回して、懇願させたい。」
 依子はそれを聞いて、カッと、下半身から身体中へ炎が走ったように感じた。
 切なそうに依子が譲治の名前を呼ぶ。
 それを聞いて、洗濯物は中途の状態のまま、譲治は依子を抱き上げて寝室へ急いだのだった。

「ねえ、明るすぎて恥ずかしい。」
 譲治の下になっている依子が言う。
「なぜ? あなたはきれいだ。僕は明るいところで、じっくりあなたを見たい。 
 いつも焦ってあなたに夢中で時間が過ぎていったから。
 今日は目に焼き付けたい。」
 譲治は熱心に説得しながら依子の服を脱がす。
「私なんか、また一つ歳とってしまったし、ほんとにおばさんだし。
 恥ずかしいことしかないわ。」
 依子は悲しそうだ。
「そんなことない。
 あなたがどんなに美しくて、艶めかしくて、僕が夢中になっているか、教えてあげます。」

 譲治はまず自分の服を脱いで下着姿になる。
 依子の体全体を、服の上から両手を大きく広げて上から下へ撫で下ろした。  
 朝見た時から捲り上げたいと思っていたロングスカートを手にかけてたくし上げる。
 膝上までの長いソックスを下ろしながら、依子の内股に唇をつけて下りていく。それから、スカートのホックを外して脱がせた。
 体の線がぴったり出やすいハイネックのニットを、ちょっともったいないと思いつつ、キャミソールと一緒に頭から脱がせる。
 依子の乳房はブラのカップから溢れんばかりだ。

 譲治は、はみ出ている依子の上乳房を揉みしだきながら、口付ける。
 手を滑らせて肋骨からお腹の肉をつかみ、腰周りの豊かさを手で楽しみながら下腹部の肉を甘噛みする。
 斎藤さんが言ってたみたいに、依子さん、胸が大きくなったか?反対にウエストが締まってくびれて、さらに色っぽい。
 譲治は依子の上半身を撫でまわしながらその眺めを堪能する。

「ねえ、そんなにお腹の肉つかまれたら恥ずかしい。
 ぶよぶよしてて情けないのに。ス○ーウォーズのジャバ○ハットみたいじゃない?」
 ぶふっ、と譲治は吹き出した。
「そんなことないですよ。最初に会った時から依子さんは素敵でした。
 今はもっと色っぽくなってて、他の男が寄りつかないようにできるだけダサいカッコしてください。」
「ええー、ただでさえダサいんだから、服装くらい普通にしないと。。」
 依子がぼやく。
「それにジャバ好きですよ。
 あなたがどんなに膨らんでも垂れてきてもあなたを好きなことは変わりません。」

 譲治はそう言いながら、依子のホックを外してブラを取り去る。
 手で改めて依子の上半身を撫でさすり言った。
「ほら、こんなにあなたはきれいだ。
 人目に触れないよう閉じ込めておきたいのを必死でこらえているんですよ。」
 譲治はその言葉を証明するように、依子の乳房を咥え、喘がせにかかった。

「あ、あん...んんっ...」
 乳房を揉みしだかれ、執拗に蕾を吸い上げられている依子が悶え始める。
 依子の手は、譲治の髪の毛をすいたり頭皮を揉んだりする。
 喘ぎながら依子が言う。
「んん...私だっていつも不安よ。
 あなたは男盛りで、こんなに渋くて素敵で、実はマッチョで。」
 顔を上げて譲治が依子の目を覗きこむ。
「依子さんはよく知ってるでしょ。僕は実際のところ会ったらとっつきにくいし、無表情だし、歳の割に老けてるし。」
「譲治くんはかっこいいわよ。自分で思ってるより。私はあなたが意外とゆかいなおとぼけ君で、本当はとても優しくて、それからすごくしっかりしてて、いろんな面があるのが、好きだけどね。」

「そんなふうに言ってくれるの依子さんだけです。」
 そう言って譲治は依子に深くキスをした。
 腕を回してぴったり抱きしめ合う。裸の胸に感じるお互いの肉体の熱さに蕩然とする。

 依子は足を譲治の腰に絡めて引き寄せ、もっともっと隙間なくくっついて、溶け合いたいというように、口付けを深くする。
 股の間に感じる、硬く熱い譲治自身をもっと感じたくて、腰を密着させた。
 譲治は自分自身に擦り付けられている依子の熱い襞の感触に、もう我慢ができなかった。
 下着越しなのに、その熱く濡れた箇所が譲治を早く早くとせき立てているようだった。

 一度体を離して、依子のショーツを脱がせ、自分も脱ぐ。
 何も纏わずにもう一度抱きしめ合う。
 譲治の昂りに、依子の襞が擦り付けられる。
 そこは既に熱く潤ってまとわりついてきた。お互いにゆるゆると腰をゆらして擦り付け合う。
 唇も再び合わさって、舌はお互いに絡み合っている。
 上も下も濡れて甘いぬるぬるとした感触が、不思議で、いやらしくて、どんどん潤みは溢れてくるのだった。

 お互いに息が上がり始める。唇を離して譲治が絞り出すように言う。
「依子さん...もう挿れたい...お願いだ」
 うん...とかすかに依子が言うのを聞いて、譲治は体を起こし、じれったいほどにゆっくり挿入した。

 譲治はずっと依子を見つめている。
 自分自身をゆっくり差し込んでいく間の、切な気に眉を寄せる表情、深くなるほどに身を捩る姿、波打つ下腹部、気持ちよすぎて快感を逃がそうとシーツを握りしめる手、そこにはさっき送った指輪が光っている。
 その手に、自分の手を重ねながら反対の足を持って、じっくり突き込む。
 朝日が明るく差し込む部屋で、顕に見える依子の体。

 ああ、きれいだ、そう譲治は思った。
 僕が、今この人を身悶えさせている。僕がこの人を乱れさせている。
 そう思うと堪らない気分だった。
 こんな感情を持つようになるなんて。
 自分の背徳的な独占欲が意外だった。

 もっと、もっと、もっと。
 乱れさせたい、そう思って愛撫のペースを早め始めた。
 突き込みを強くしながら、依子の既にぐしょぐしょの花芽を探して優しく弄る。依子さんは、中を突かれながらここを弄られると呆気ないくらいすぐにいってしまう。ほら。

「ああっ..あっ..あっ...」
 辛そうな依子が譲治の手に自分の手を重ねて止めようとする。
「譲治くん...私、すぐ...気持ちよくなっちゃうから...だめえ...」
 譲治は努力して己を抜き、代わりに2本の指を差し込む。
 傷つけないよう爪を立てずに優しく、でもぐりぐりと内壁を捏ね回す。
 同時に花芽への振動を強くする。
「死ぬほどいかせてあげる」
 そう言って、譲治は依子を快楽の沼に突き落としていくのだった。

「あああっ!」
 依子は、自分の内部を苛む譲治の手を握りしめて達する。
 譲治は、手をどかしてよしよし、と依子の太ももに手を当てて撫で下ろし、下腹部にキスをする。
 数分依子を落ち着かせ、震えが治ると、自分の体を脇にどかして、依子の揃えた足を撫でさすりながら、再び依子の襞を開いて花芽に吸い付く。
 今度は舌で細かな振動を加えて、舐め摩る。
 依子の喘ぎが激しくなり、下半身がうねり始める。

 譲治は空いている手を依子の胸に添えて、蕾を軽く捻ったり弾いたりする。
「譲治くん、、私また...ああっ、ああ....」
 依子がまた達した。
 びくん、びくん、と依子の跳ねる体が落ち着くと、また譲治は愛撫を再開する。
 今度は乳房を大きく咥えて、下で蕾を苛む。
 また、指を2本依子の中へ潜り込ませる。
 少し折り曲げて、内壁をぐりぐりと擦る。
 水音が響くほど出し入れする。

「ねえっ...ああっ、あん、あああっ...また...ねえっ...おかしくなっちゃう...」
 依子はもう泣きそうなほど喘いでいる。
「死ぬほどいかせるって言ったでしょ」
 譲治の妙に冷静な声音に、依子はぞくっとしてさらに興奮してしまい、また達してしまう。
 それを見て、また譲治は体制を変える。

 依子の両足を開いて、熱く真っ赤に熟れてもう全体が水浸しの襞に吸い付く。
 舌を入れ舐めまわし、花芽を吸う。
 また指を入れて、既にぐちゃぐちゃな内部を掻き回す。
 依子の中はザラザラとして蠕動し、激しくうねっている。
 それが収縮し始め、また限界が近いのがわかる。

「ねえ、ねえっ...譲治くん..もういや...私またダメになっちゃう...ねえおねがい..いじわるしないで...」
 依子が泣きそうな声で言う。
「依子さんのそういう弱いところが好きです。
じゃあ、言って。どうしてほしいか。」
「...おねがい、ください..譲治くんに私の中に来て欲しい...おねがい...ぜんぶ...」

 それを聞いた譲治は満足気に口の周りを手で拭きながら起き上がる。
 譲治の昂りも先走りが漏れ過ぎてダラダラと濡れている。
 それを依子の中へと、突き刺した。

「はっ..あ...」
 2人ともため息のような快感の声を漏らす。
 譲治は激しく動き始めた。
 いつもは暗がりでぼんやり浮かびあがる依子の白い肢体は、今朝は明るく内側から輝くようで、にじんだ汗もキラと光り、美しかった。

 依子が悶える様子をさらに楽しみたくて体勢を変える。
 依子をひっくり返して四つん這いにした。
 派手な音と共に強く打ち込む。
 ピクピクと動く背中の筋肉と、譲治によって淫らに歪む依子のお尻が、見ているだけで堪らない光景だ。譲治は後ろから見るこの光景に弱かった。
 急に限界が近づく。

 最後は依子の一番奥で達したかった。依子の体をぺたりと寝かせてお尻だけ少し浮かせる。譲治も上から重なって、ぎゅううと依子のお尻に下半身の体重をかける。
 この体勢が一番、依子の最奥へ到達できるようだった。
 
 依子のうなじを甘噛みしながら、自身の昂りの位置を感じる。
 体重をかけながらぎゅるぎゅると進めて突き当たったそこには、依子の子宮口の感触。
 そこを集中して攻撃する。何度も強く突き、突きながら捩じ込む動きをする。

 依子はもう涙を流して悲鳴を上げている。
 ああ、もう、だめだ...譲治は身を起こして依子の肩を持ち、そこを支店に自らの腰をあらん限りの力で突き込んだ。
「ああああっっっっ!!」
 依子が叫ぶと同時に、譲治も最後の突きを最奥に当てて、達した。
 依子の子宮に自らの白濁が注ぎ込まれるのをイメージしながら。
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