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15 ー『さくら』にてー
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身なりにこだわらない譲治は基本的に昼も夜もTシャツ短パン裸足である。
全て黒やネイビーなのでいつも同じに見えるが、朝晩ちゃんと着替えはしていて衛生にはむしろ気をつけている方だ。
欧米はセントラルヒーティングが普通なので、冬でも短パン。
バンクーバーにいる頃は、年中常春なので出かけるのもそのままだったが、ハンガリーでそんなことをしていたら凍死してしまうので、ちゃんと着替えた。
一応、ビジネスの話をするかもしれないので、ベストとジャケットも着る。
携帯と財布、タブレットを持って外に出た。
ーーー
街を歩いて見れば、すっかり春が来ていて驚いた。
いつまでも冬かと思ったら世間はちゃんと時が進んでいる。
ぱっと見まだ気づきにくいが、ケヤキの大木や、川縁の柳からは薄い黄緑の新緑がエネルギッシュに出ているし、街路樹の足元にもたんぽぽやらスミレやらが花を咲かせている。
水仙やチューリップは既に満開だ。
北国の春は一瞬で来て一瞬で盛りになるのでまるでカーニバルのような、空気がお祭り騒ぎのように感じられる。
トラムと地下鉄を乗り継いで、ブダペスト中心部の『さくら』に着いた。
今日は水曜日、時間は2時半。
オーナーと話ができれば、したい、という下心があったので、店が混まなそうな、昼の部の中途半端な時間帯を狙った。
カランカラン
店の扉を開ける。
「いらっしゃいませ~。」
元気な女性シェフの声が出迎えてくれた。
良かった。お客さん他にいない。
前回と同じく、隅っこの席に座る。
「本日のランチです。」
今日は男性シェフがメニューとお冷を持ってきてくれた。
本日のメニューは、餃子定食、山菜そば、カレーライス。
今日も白飯、と思っていたが、カレーの文字を見て、めちゃくちゃ悩んでしまった。
結局、なんとなればカレーライスは自分でも作れるが、餃子はめんどくさいからやらんな、と思って餃子定食にする。
顔を上げると、カウンター横でこちらを見ていた男性と目があう。
にっこりして男性シェフが来てくれた。
「お決まりですか?」
「餃子定食をお願いします。」
「ありがとうございます。」
愛ちゃん!餃子! とシェフはそのままの位置で、顔だけ厨房に向けてオーダーを出した。
「あの、失礼ですけれど、田中さんじゃないですか? ウチの依子さんから聞いてます。」
一瞬、ほとんど知らない人から名前を呼ばれてびびったが、依子さん、と聞いて安心した。
「彼女、ウチに置いていたDM見て、個展に来てくれた、ってめちゃくちゃ喜んでましたよ。僕からもお礼申し上げます。
あ、申し遅れましたが、僕はここのオーナーシェフの斉藤です。
あと、あっちの厨房にいる威勢のいいのは副シェフの中村です。今後ともどうぞご贔屓にしてくださいね。」
「あ、こちらこそ。」
譲治も頭を下げる。
頭のいい感じの洒脱な人で、スラスラと話すと、厨房へ引っ込んでいった。
ーーー
間もなく熱々の餃子定食を運んできてくれたのは、女性シェフの中村の方だった。
ごゆっくりどうぞ~と明るく言ってサッとはけていく。
向こうがこちらのことを知っているのは、打ち解けるまでの手間が省ける。
しかも印象は悪くないようだ。
小石川さんに感謝だな。と思いながら、ハフハフしながら餃子を平らげた。
お会計する際に、がんばって話を切り出してみよう。そう気合いを入れて譲治は席を立つ。
「ごちそうさまでした。」
「ありがとうございます。」
そう言って斉藤が出てくる。
お会計を済ませて譲治は切り出した。
「あのですね、アポイントも取らずこんなお話をして大変失礼かとは思うんですが、ちょっとご相談がありまして。」
「はい、なんでしょう?」
斉藤は聞く。
「実は私こういうものでして。」
そう言って譲治が会社の名刺を渡す。
「小さな貿易会社の駐在員なんですが、今度、ハンガリーのヘレンドという食器を扱うか、という話になったんです。
なんですが、ヘレンドは日本における輸入代理店は決まってまして、新作は扱えないんですね。
それで古物、アンティークの調査、買付をしなければならないんです。
1ヶ月後にそれを希望されているバイヤーさんをアテンドするんですが、恥ずかしなが、私まったく疎いんです。
それで、ヘレンドが好きで、なんとか基本的なことだけでもご教授いただける人がいないかと思いまして。」
舌足らずながらも誠実な口ぶりでゆっくり話す、無表情な譲治を観察しながら、斉藤は真面目な男なんだろうな、と思っていた。
「私、まだハンガリー歴4ヶ月で知人友人ツテというモノが全くなく困り果てていたんですが、食器と言えば、と『さくら』さんを思い出したんです。
お客さんの方もディープなマニアというわけではなく、初心者なので、ごく入り口を教えていただけたりしないでしょうか?
もちろんアドバイザー料はお支払いいたします。」
譲治は頭を下げる。
「なるほどなるほど。面白い話しですね。そういうことでしたらご協力したいですね。でも、僕もそんなに知らないんだよなあ。
磁器より陶器が好きだから、店で使ってるのも専ら作家モノの陶器だし。」
斉藤は顎に手を当てて考えている。
(磁器と陶器って違うのか?わからね~、あなたでいいから教えてくれ~。)
譲治は無表情のまま心で叫んでいた。
すると厨房から様子をうかがっていた中村が呑気な声を出した。
「依子さんヘレンド好きですよ。前にけっこう熱く語ってました。食器類全般のマイルドファンですよね。」
えっ、そうなの?と斉藤が振り返る。
「ですって。
依子さんに聞いてみたらどうですか。彼女アーティストだから見どころについてはしっかり教えてくれるんじゃないかな。 連絡先知ってます?」
そう言いながら、斉藤はレジ横のメモを漁り始める。
「あ、大丈夫です。一応うかがってます。」
それじゃ聞いてみます、と言って譲治は立ち去る。
「ありがとうございました。」と譲治は言って扉の前でまた会釈をして出て行った。
ーーー
「すげえ、真面目そうな人ですね。無表情だけど。」
愛が厨房から身を乗り出して言った。
「良さそうな人じゃない。おじさんは安心しました。」
斉藤はにっこりしながら厨房に戻っていった。
全て黒やネイビーなのでいつも同じに見えるが、朝晩ちゃんと着替えはしていて衛生にはむしろ気をつけている方だ。
欧米はセントラルヒーティングが普通なので、冬でも短パン。
バンクーバーにいる頃は、年中常春なので出かけるのもそのままだったが、ハンガリーでそんなことをしていたら凍死してしまうので、ちゃんと着替えた。
一応、ビジネスの話をするかもしれないので、ベストとジャケットも着る。
携帯と財布、タブレットを持って外に出た。
ーーー
街を歩いて見れば、すっかり春が来ていて驚いた。
いつまでも冬かと思ったら世間はちゃんと時が進んでいる。
ぱっと見まだ気づきにくいが、ケヤキの大木や、川縁の柳からは薄い黄緑の新緑がエネルギッシュに出ているし、街路樹の足元にもたんぽぽやらスミレやらが花を咲かせている。
水仙やチューリップは既に満開だ。
北国の春は一瞬で来て一瞬で盛りになるのでまるでカーニバルのような、空気がお祭り騒ぎのように感じられる。
トラムと地下鉄を乗り継いで、ブダペスト中心部の『さくら』に着いた。
今日は水曜日、時間は2時半。
オーナーと話ができれば、したい、という下心があったので、店が混まなそうな、昼の部の中途半端な時間帯を狙った。
カランカラン
店の扉を開ける。
「いらっしゃいませ~。」
元気な女性シェフの声が出迎えてくれた。
良かった。お客さん他にいない。
前回と同じく、隅っこの席に座る。
「本日のランチです。」
今日は男性シェフがメニューとお冷を持ってきてくれた。
本日のメニューは、餃子定食、山菜そば、カレーライス。
今日も白飯、と思っていたが、カレーの文字を見て、めちゃくちゃ悩んでしまった。
結局、なんとなればカレーライスは自分でも作れるが、餃子はめんどくさいからやらんな、と思って餃子定食にする。
顔を上げると、カウンター横でこちらを見ていた男性と目があう。
にっこりして男性シェフが来てくれた。
「お決まりですか?」
「餃子定食をお願いします。」
「ありがとうございます。」
愛ちゃん!餃子! とシェフはそのままの位置で、顔だけ厨房に向けてオーダーを出した。
「あの、失礼ですけれど、田中さんじゃないですか? ウチの依子さんから聞いてます。」
一瞬、ほとんど知らない人から名前を呼ばれてびびったが、依子さん、と聞いて安心した。
「彼女、ウチに置いていたDM見て、個展に来てくれた、ってめちゃくちゃ喜んでましたよ。僕からもお礼申し上げます。
あ、申し遅れましたが、僕はここのオーナーシェフの斉藤です。
あと、あっちの厨房にいる威勢のいいのは副シェフの中村です。今後ともどうぞご贔屓にしてくださいね。」
「あ、こちらこそ。」
譲治も頭を下げる。
頭のいい感じの洒脱な人で、スラスラと話すと、厨房へ引っ込んでいった。
ーーー
間もなく熱々の餃子定食を運んできてくれたのは、女性シェフの中村の方だった。
ごゆっくりどうぞ~と明るく言ってサッとはけていく。
向こうがこちらのことを知っているのは、打ち解けるまでの手間が省ける。
しかも印象は悪くないようだ。
小石川さんに感謝だな。と思いながら、ハフハフしながら餃子を平らげた。
お会計する際に、がんばって話を切り出してみよう。そう気合いを入れて譲治は席を立つ。
「ごちそうさまでした。」
「ありがとうございます。」
そう言って斉藤が出てくる。
お会計を済ませて譲治は切り出した。
「あのですね、アポイントも取らずこんなお話をして大変失礼かとは思うんですが、ちょっとご相談がありまして。」
「はい、なんでしょう?」
斉藤は聞く。
「実は私こういうものでして。」
そう言って譲治が会社の名刺を渡す。
「小さな貿易会社の駐在員なんですが、今度、ハンガリーのヘレンドという食器を扱うか、という話になったんです。
なんですが、ヘレンドは日本における輸入代理店は決まってまして、新作は扱えないんですね。
それで古物、アンティークの調査、買付をしなければならないんです。
1ヶ月後にそれを希望されているバイヤーさんをアテンドするんですが、恥ずかしなが、私まったく疎いんです。
それで、ヘレンドが好きで、なんとか基本的なことだけでもご教授いただける人がいないかと思いまして。」
舌足らずながらも誠実な口ぶりでゆっくり話す、無表情な譲治を観察しながら、斉藤は真面目な男なんだろうな、と思っていた。
「私、まだハンガリー歴4ヶ月で知人友人ツテというモノが全くなく困り果てていたんですが、食器と言えば、と『さくら』さんを思い出したんです。
お客さんの方もディープなマニアというわけではなく、初心者なので、ごく入り口を教えていただけたりしないでしょうか?
もちろんアドバイザー料はお支払いいたします。」
譲治は頭を下げる。
「なるほどなるほど。面白い話しですね。そういうことでしたらご協力したいですね。でも、僕もそんなに知らないんだよなあ。
磁器より陶器が好きだから、店で使ってるのも専ら作家モノの陶器だし。」
斉藤は顎に手を当てて考えている。
(磁器と陶器って違うのか?わからね~、あなたでいいから教えてくれ~。)
譲治は無表情のまま心で叫んでいた。
すると厨房から様子をうかがっていた中村が呑気な声を出した。
「依子さんヘレンド好きですよ。前にけっこう熱く語ってました。食器類全般のマイルドファンですよね。」
えっ、そうなの?と斉藤が振り返る。
「ですって。
依子さんに聞いてみたらどうですか。彼女アーティストだから見どころについてはしっかり教えてくれるんじゃないかな。 連絡先知ってます?」
そう言いながら、斉藤はレジ横のメモを漁り始める。
「あ、大丈夫です。一応うかがってます。」
それじゃ聞いてみます、と言って譲治は立ち去る。
「ありがとうございました。」と譲治は言って扉の前でまた会釈をして出て行った。
ーーー
「すげえ、真面目そうな人ですね。無表情だけど。」
愛が厨房から身を乗り出して言った。
「良さそうな人じゃない。おじさんは安心しました。」
斉藤はにっこりしながら厨房に戻っていった。
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