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6 ー「さくら」でランチー
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(ヨーロッパってのはイメージと違って意外と天気悪いんだな。)
田中譲治は今日も鈍色のブダペストの空を眺めながらため息をついた。
日本人がぼんやりと抱く、透けるような青空におとぎばなしのような風景のヨーロッパは、大抵イタリアや南フランスあたりのもので、ヨーロッパの大半は北海道より北に位置しているわけで、すごく寒いししょっちゅう曇天である、というのに気づくのに、そう時間はかからなかった。
今日も今日とて、在宅ワークである。
カナダから引越し当初の10日ほどは、それでも細々とした手続きや生活を整えるのに気忙しかった。
だが、アパートが順調に決まってみれば、後は以前と同じく、自宅でパソコンを通じて、取引先や本社とやりとりし、事務的な作業を行うだけである。
日本からの顧客をアテンドするのも仕事の一つだが、まだブダペスト支店設立から2ヶ月弱なので、それもなかった。
他人と喋るのが億劫なたちの譲治にはそれがありがたかった。
田中譲治の勤めるのは、小さな貿易会社で、扱っているのは、海外の細々した雑貨や菓子類などである。
元はカナダの物品を、日本の販売店に卸す仲卸のような商社で、スタッフ数も全部で10名程度。
大きく商っているわけではないが、買付品のセンスや小回りのきく事務処理を気に入って、ご贔屓にしていくれている昔からの顧客がそこそこいる。
販売店の方のバイヤーさんなどを、現地でアテンドするのも仕事で、宿泊地の手配から運転まで、軽い観光業者のようなこともする。
社長が元々カナダに縁があるのでカナダ専門にしていたのだが、たまたま懇意にしていたお得意さんが、今度は東欧のマイナーな物品に食指を動かしたとかで、新規開拓のために、譲治が抜擢されたのだ。
まあ、抜擢というか、譲治しかいなかったとも言える。社長も含め他の社員はカナダに家を買ったり、腰を落ち着けてしまっているため、動けなかったのだ。
(昼ごはんどうするかな。マック、、、でもないしな。)
首都と言っても、カナダの都市部の便利さとは比較にならない。
選択肢があまりなく、マクドナルドのためにわざわざ街中に出る気になれないな、と思ったところで、ふと偶然に2回も出会った小柄な女性のことを思い出した。
スーパーで分けてもらったいちごはその後美味しく完食した。
その時もらった勤め先だというレストランのショップカードは、キッチンカウンターの隅に放り出したまま、忘れていた。
もらった時期はバタバタしていたのと、出費が多くて外食は当分封印しようとしていたからだ。
ちょうどクサクサしていたところだし、幸い慌ただしさも落ち着いた。
スーパーをのぞきがてら、明日はちょっと寄ってみるか。
譲治はそう決めて、今週の最後の勤務時間をこなすためにパソコンの前に戻った。
ーーー
カランカランカラン
土曜日11:00。
どこか懐かしいようなドアベルをならして、レストラン『さくら』の扉を開けた譲治は、一目でこの店の雰囲気が気に入った。
こじんまりしてはいるが、おひとり様でもひっそりできるような、家具でさりげなく仕切られたテーブル席がいくつか。
軽く呑むのに良さそうなカウンターも。
暖かな照明と、スロージャズ。
そして厨房から漂う懐かしい日本食の香り。
ランチには時間が少し早いのか、他に客はいなかった。
「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ。」
厨房から、シェフと思しき渋めの男性が優しげな表情で声をかけてくれる。
譲治はかすかに会釈をして、隅っこのクッションが柔らかそうなテーブル席についた。
早速奥から女性店員さんが来る。
制服を着ているので、厨房のシェフの1人だろう。
「いらっしゃいませ。本日のランチメニューです。お決まりになったら、そちらのベルでお知らせくださいね。」
メニュー表と、お冷を置いていかれた。この辺りも日本式で好ましい。
今日のランチは、しょうが焼き定食、天ぷらうどん、ちらし寿司御前。
どれも1500円程度。外国で食べると3倍はする日本食が、日本の価格帯とほとんど同じでびっくりした。
かなり迷いつつ、白飯が食べたくてしょうが焼き定食にした。
(そう言えば、あの女性は今日は入っていないのかな。)
メニューを選ぶのに夢中で今更ながら思い至った。
半ば当然のように会うだろう、と思い込んで、若干気構えていたのが肩透かしを喰らった。
まあ、いいか。
また来れば会うこともあるかもしれない。
いちごのお礼を言わないと。
そんなふうに考えながら、店内のインテリアなどをキョロキョロしているうちに、間も無く食事が届いた。
久しぶりの日本食は、外国だからと言ってクオリティが落ちるわけでもなく、普通に素晴らしい味で、大いに堪能して大満足だった。
テーブルに立ててあった小さなメニュースタンドを見れば、日本式のカフェメニューもあるらしい。
甘いものが好きな譲治にとってはそれも、ぜひとも再訪しよう、という理由になった。
まもなく来た食事は日本のように、メインディッシュの皿の他に、小鉢がいくつかと、白米、味噌汁がついた立派な定食だった。
十分に堪能して、しっかり満たされた気分で、レジに向かう。
ふと見ると、額に入れられた何かのイベントハガキが目に入った。
華やかな柄の絵らしきものがデザインされている。
“Japanese textile exhibition by Kotonoha”
「“言の葉”がお送りする友禅画の世界」
「もしよろしかったら、お持ちくださいね。」
いつのまにかレジに来ていた男性シェフが勧めてくれた。
「今日はまだ来ていないんですけど、うちのスタッフさんの本業がアーティストなんですよ。市内で初めて個展をやるというので、そのご案内です。」
(すると、あの女性のことかな。自営業と言ってなかったか。アーティストかあ。へえ。)
そう言えば、スーパーのイチゴの山を、あんまりきれいで、と見惚れていた横顔をぼんやり思い出した。
美味しそう、ではなく、きれいで、と言ったのが印象に残っていたのだ。
興味をひかれて、ありがたくDMを頂戴して、店を出た。
近辺をぶらぶらと散策して、スーパーで買い物、地下鉄に乗ってアパートに帰った。
昼ごはんをがっつり食べたので、夕飯は軽めでいい。
スーパーで買っておいたできあいのグリーンサラダを突きながら、昼間に店でもらったDMを見返した。
(“言の葉”さんねえ。)
インスタのアカウントが載っていたので、検索して見てみる。譲治自身はインスタはしていないが、たまに興味がある人のものは検索して見てみたりはする。
「わあ。すごいな。」思わず声に出した。
インスタのポストは、たくさんの華やかな作品が並んでいた。
どうやら、日本の伝統的染色技法を使った、絵画よりのアーティストらしかった。
幼少の頃から芸術的センスの皆無な譲治にとっては、こういったものが1人の人の手から生み出されている、ということに驚いたのである。
いくつか気に入った作品のポストを詳しく読んでみたが、作品の説明だけで、本人の個人的情報や状態は意識的に書かないようにしているようだった。
隠されていると知りたくなるのが人情というものである。
会期はまだ1ヶ月後だ。
行ってみるか、と心に留めてパソコンを切り、シャワーへと立った。
田中譲治は今日も鈍色のブダペストの空を眺めながらため息をついた。
日本人がぼんやりと抱く、透けるような青空におとぎばなしのような風景のヨーロッパは、大抵イタリアや南フランスあたりのもので、ヨーロッパの大半は北海道より北に位置しているわけで、すごく寒いししょっちゅう曇天である、というのに気づくのに、そう時間はかからなかった。
今日も今日とて、在宅ワークである。
カナダから引越し当初の10日ほどは、それでも細々とした手続きや生活を整えるのに気忙しかった。
だが、アパートが順調に決まってみれば、後は以前と同じく、自宅でパソコンを通じて、取引先や本社とやりとりし、事務的な作業を行うだけである。
日本からの顧客をアテンドするのも仕事の一つだが、まだブダペスト支店設立から2ヶ月弱なので、それもなかった。
他人と喋るのが億劫なたちの譲治にはそれがありがたかった。
田中譲治の勤めるのは、小さな貿易会社で、扱っているのは、海外の細々した雑貨や菓子類などである。
元はカナダの物品を、日本の販売店に卸す仲卸のような商社で、スタッフ数も全部で10名程度。
大きく商っているわけではないが、買付品のセンスや小回りのきく事務処理を気に入って、ご贔屓にしていくれている昔からの顧客がそこそこいる。
販売店の方のバイヤーさんなどを、現地でアテンドするのも仕事で、宿泊地の手配から運転まで、軽い観光業者のようなこともする。
社長が元々カナダに縁があるのでカナダ専門にしていたのだが、たまたま懇意にしていたお得意さんが、今度は東欧のマイナーな物品に食指を動かしたとかで、新規開拓のために、譲治が抜擢されたのだ。
まあ、抜擢というか、譲治しかいなかったとも言える。社長も含め他の社員はカナダに家を買ったり、腰を落ち着けてしまっているため、動けなかったのだ。
(昼ごはんどうするかな。マック、、、でもないしな。)
首都と言っても、カナダの都市部の便利さとは比較にならない。
選択肢があまりなく、マクドナルドのためにわざわざ街中に出る気になれないな、と思ったところで、ふと偶然に2回も出会った小柄な女性のことを思い出した。
スーパーで分けてもらったいちごはその後美味しく完食した。
その時もらった勤め先だというレストランのショップカードは、キッチンカウンターの隅に放り出したまま、忘れていた。
もらった時期はバタバタしていたのと、出費が多くて外食は当分封印しようとしていたからだ。
ちょうどクサクサしていたところだし、幸い慌ただしさも落ち着いた。
スーパーをのぞきがてら、明日はちょっと寄ってみるか。
譲治はそう決めて、今週の最後の勤務時間をこなすためにパソコンの前に戻った。
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カランカランカラン
土曜日11:00。
どこか懐かしいようなドアベルをならして、レストラン『さくら』の扉を開けた譲治は、一目でこの店の雰囲気が気に入った。
こじんまりしてはいるが、おひとり様でもひっそりできるような、家具でさりげなく仕切られたテーブル席がいくつか。
軽く呑むのに良さそうなカウンターも。
暖かな照明と、スロージャズ。
そして厨房から漂う懐かしい日本食の香り。
ランチには時間が少し早いのか、他に客はいなかった。
「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ。」
厨房から、シェフと思しき渋めの男性が優しげな表情で声をかけてくれる。
譲治はかすかに会釈をして、隅っこのクッションが柔らかそうなテーブル席についた。
早速奥から女性店員さんが来る。
制服を着ているので、厨房のシェフの1人だろう。
「いらっしゃいませ。本日のランチメニューです。お決まりになったら、そちらのベルでお知らせくださいね。」
メニュー表と、お冷を置いていかれた。この辺りも日本式で好ましい。
今日のランチは、しょうが焼き定食、天ぷらうどん、ちらし寿司御前。
どれも1500円程度。外国で食べると3倍はする日本食が、日本の価格帯とほとんど同じでびっくりした。
かなり迷いつつ、白飯が食べたくてしょうが焼き定食にした。
(そう言えば、あの女性は今日は入っていないのかな。)
メニューを選ぶのに夢中で今更ながら思い至った。
半ば当然のように会うだろう、と思い込んで、若干気構えていたのが肩透かしを喰らった。
まあ、いいか。
また来れば会うこともあるかもしれない。
いちごのお礼を言わないと。
そんなふうに考えながら、店内のインテリアなどをキョロキョロしているうちに、間も無く食事が届いた。
久しぶりの日本食は、外国だからと言ってクオリティが落ちるわけでもなく、普通に素晴らしい味で、大いに堪能して大満足だった。
テーブルに立ててあった小さなメニュースタンドを見れば、日本式のカフェメニューもあるらしい。
甘いものが好きな譲治にとってはそれも、ぜひとも再訪しよう、という理由になった。
まもなく来た食事は日本のように、メインディッシュの皿の他に、小鉢がいくつかと、白米、味噌汁がついた立派な定食だった。
十分に堪能して、しっかり満たされた気分で、レジに向かう。
ふと見ると、額に入れられた何かのイベントハガキが目に入った。
華やかな柄の絵らしきものがデザインされている。
“Japanese textile exhibition by Kotonoha”
「“言の葉”がお送りする友禅画の世界」
「もしよろしかったら、お持ちくださいね。」
いつのまにかレジに来ていた男性シェフが勧めてくれた。
「今日はまだ来ていないんですけど、うちのスタッフさんの本業がアーティストなんですよ。市内で初めて個展をやるというので、そのご案内です。」
(すると、あの女性のことかな。自営業と言ってなかったか。アーティストかあ。へえ。)
そう言えば、スーパーのイチゴの山を、あんまりきれいで、と見惚れていた横顔をぼんやり思い出した。
美味しそう、ではなく、きれいで、と言ったのが印象に残っていたのだ。
興味をひかれて、ありがたくDMを頂戴して、店を出た。
近辺をぶらぶらと散策して、スーパーで買い物、地下鉄に乗ってアパートに帰った。
昼ごはんをがっつり食べたので、夕飯は軽めでいい。
スーパーで買っておいたできあいのグリーンサラダを突きながら、昼間に店でもらったDMを見返した。
(“言の葉”さんねえ。)
インスタのアカウントが載っていたので、検索して見てみる。譲治自身はインスタはしていないが、たまに興味がある人のものは検索して見てみたりはする。
「わあ。すごいな。」思わず声に出した。
インスタのポストは、たくさんの華やかな作品が並んでいた。
どうやら、日本の伝統的染色技法を使った、絵画よりのアーティストらしかった。
幼少の頃から芸術的センスの皆無な譲治にとっては、こういったものが1人の人の手から生み出されている、ということに驚いたのである。
いくつか気に入った作品のポストを詳しく読んでみたが、作品の説明だけで、本人の個人的情報や状態は意識的に書かないようにしているようだった。
隠されていると知りたくなるのが人情というものである。
会期はまだ1ヶ月後だ。
行ってみるか、と心に留めてパソコンを切り、シャワーへと立った。
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