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カイアス王国からヴァーレンスへ帰りまーす
フロートアイスだっけ
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「フロートアイスだっけ。あんたらの依頼人てさあー」
サリサが口を挟む。
「フロートアイスてアイスじゃないってば、わたしら。フローター・クレーヴ!」
「まあ、それはどうでもいいんだけど」
「いや、あんまよくないし」
リディアの抗議の声は無視してサリサが続ける。
「いいんだけど、リディア=ド=フレージュ? アンタに依頼した人わたしこの前始末したっぽいんだけど。
始末って言うか逃げたけどあいつが違法に他人から強奪した金銭全部わたしが持ってるからアイツ生きてるけど支払い能力ゼロよ」
「…………は?」
「だから、あいつが依頼主なら、あんたら勝敗以前にタダ働きの骨折り損よ」
「まったまたー。そういう脅しの手よくあるのよね~」
手をひらひらさせて、そんなことあるわけないでしょーな態度を見せるリディア。そんな彼女にサリサはバッグを中身の金見えるように見せて、
「ほら、このバッグあいつのアジトで見覚えない?」
「……………………」
リディアが白目むいてプルプルし始めた。
「当たりっぽいね」
と言いつつサリサはカネがいっぱい入ったバッグを後ろに下げる。
「じゃあね」
サリサはそれだけって去ろうとする。
「待……待って! お願い! わたしたち本当に食べる物もなくて困ってるの!」
「…………だから?」
「だから、その、護衛とかどう? 街から街まで盗賊が最近出るのよね」
「さっきのあんたらも盗賊だったわよ」
「う……」
めげずにリディアは口を開きつつける。
「だ、だから、盗賊団が出たらわたしたちフローター・クレーヴが追い払ってあげるから何か食べ物部下に頂戴~わたしは最後で、いやなしでもいいからぁぁぁぁぁ!
お願い、依頼が来なくて飢え死にしそうなのよ~……」
「わたしたち護衛いらんし」
「そんなつれないこと言わないで!」
「でも……」
リディアは必死に食い下がろうとする。
「あ、あ、ああぁの、ミハエル卿?」
両腕で抱くようにミハエルの足をリディアが抱きしめるようにする。
「ちょっと! いきなり足に縋りつかないで! 歩いてる時にそれやられたら最悪顔蹴っちゃう!」
「わたしがその、あ、ああぁあ、あ、あなたをその、き、気持ち良くさせてあげるから、あの、その、部下に食べ物を…………お願いします……お願いします」
荒野で土下座までするリディア。
部下。ミハエルは部下とやらを見渡した。
(自分の身を捧げてでも自分の大事な者を守ろうとする……こんな人が苦しむような流れは立たないといけない)
土下座するリディアの後頭部を見つめながらそう思ったミハエル。
全員女の子である。正直、ダークな便利屋というよりは孤児院を何とか運営していく……みたいなイメージがぴったりの少女だと思った。
「ん~、ん-。このカイアスっていう市民がどれだけ苦しもうが知らんぷりで徴兵はする、って荒れた国家の市民の現状特に君たちみたいな立場に置いやられている人。当然、君たち自身の情報でも構わない、その情報を1週間分の食事提供で交換。どう?」
「え?――え? ええ? そ、そんなのでいいの……?」
頭を上げて、そう呟くリディアの瞳には涙が浮かんでいた。
「まあ、あそこの君の部下? 君入れて5人かな? 食事は心配いらないでしょ」
「良かったじゃない。泣きついたところにミハエルいてさ。この人情け深いから助けの船出すんだよね」
と、サリサ。ニヤニヤしながらリディアにそういって、肘でリディアをつつく。
「ほら、部下とやらも呼んだら?」
「え、ええ……いらっしゃい皆! 作戦変更よ! 我らフローター・クレーヴはミハエル卿を守る任に移る!」
「え……最初、その貴族の人捕まえるって話だったよね?」
「依頼主がいなくなったから、それやってもお腹膨らまなくなったのよ!」
「ほえ~」
「それで今度は、このわたしの交渉力によってまずは1週間の食事を出してくれるようわたしが交渉したわけ! ふっふっふー! わたしにかかればお茶の子さいさいよー」
「ほんとに! 1週間は道端の草とかで飢えしのがなくてもいいんだ!」
わーいと騒ぐ部下。部下は全員女、女の子といった方が似合うかもしれない。部下の合計は4人ほどくらいしかいない。
(武力はあるみたいだな。魔力は感じる。魔法使いか。歩き方も隙がなさげ。ないのは生活力か……旦那さん苦労しそうだ)
とミハエルは人ごとのように胸の奥で言い捨てた。
サリサが口を挟む。
「フロートアイスてアイスじゃないってば、わたしら。フローター・クレーヴ!」
「まあ、それはどうでもいいんだけど」
「いや、あんまよくないし」
リディアの抗議の声は無視してサリサが続ける。
「いいんだけど、リディア=ド=フレージュ? アンタに依頼した人わたしこの前始末したっぽいんだけど。
始末って言うか逃げたけどあいつが違法に他人から強奪した金銭全部わたしが持ってるからアイツ生きてるけど支払い能力ゼロよ」
「…………は?」
「だから、あいつが依頼主なら、あんたら勝敗以前にタダ働きの骨折り損よ」
「まったまたー。そういう脅しの手よくあるのよね~」
手をひらひらさせて、そんなことあるわけないでしょーな態度を見せるリディア。そんな彼女にサリサはバッグを中身の金見えるように見せて、
「ほら、このバッグあいつのアジトで見覚えない?」
「……………………」
リディアが白目むいてプルプルし始めた。
「当たりっぽいね」
と言いつつサリサはカネがいっぱい入ったバッグを後ろに下げる。
「じゃあね」
サリサはそれだけって去ろうとする。
「待……待って! お願い! わたしたち本当に食べる物もなくて困ってるの!」
「…………だから?」
「だから、その、護衛とかどう? 街から街まで盗賊が最近出るのよね」
「さっきのあんたらも盗賊だったわよ」
「う……」
めげずにリディアは口を開きつつける。
「だ、だから、盗賊団が出たらわたしたちフローター・クレーヴが追い払ってあげるから何か食べ物部下に頂戴~わたしは最後で、いやなしでもいいからぁぁぁぁぁ!
お願い、依頼が来なくて飢え死にしそうなのよ~……」
「わたしたち護衛いらんし」
「そんなつれないこと言わないで!」
「でも……」
リディアは必死に食い下がろうとする。
「あ、あ、ああぁの、ミハエル卿?」
両腕で抱くようにミハエルの足をリディアが抱きしめるようにする。
「ちょっと! いきなり足に縋りつかないで! 歩いてる時にそれやられたら最悪顔蹴っちゃう!」
「わたしがその、あ、ああぁあ、あ、あなたをその、き、気持ち良くさせてあげるから、あの、その、部下に食べ物を…………お願いします……お願いします」
荒野で土下座までするリディア。
部下。ミハエルは部下とやらを見渡した。
(自分の身を捧げてでも自分の大事な者を守ろうとする……こんな人が苦しむような流れは立たないといけない)
土下座するリディアの後頭部を見つめながらそう思ったミハエル。
全員女の子である。正直、ダークな便利屋というよりは孤児院を何とか運営していく……みたいなイメージがぴったりの少女だと思った。
「ん~、ん-。このカイアスっていう市民がどれだけ苦しもうが知らんぷりで徴兵はする、って荒れた国家の市民の現状特に君たちみたいな立場に置いやられている人。当然、君たち自身の情報でも構わない、その情報を1週間分の食事提供で交換。どう?」
「え?――え? ええ? そ、そんなのでいいの……?」
頭を上げて、そう呟くリディアの瞳には涙が浮かんでいた。
「まあ、あそこの君の部下? 君入れて5人かな? 食事は心配いらないでしょ」
「良かったじゃない。泣きついたところにミハエルいてさ。この人情け深いから助けの船出すんだよね」
と、サリサ。ニヤニヤしながらリディアにそういって、肘でリディアをつつく。
「ほら、部下とやらも呼んだら?」
「え、ええ……いらっしゃい皆! 作戦変更よ! 我らフローター・クレーヴはミハエル卿を守る任に移る!」
「え……最初、その貴族の人捕まえるって話だったよね?」
「依頼主がいなくなったから、それやってもお腹膨らまなくなったのよ!」
「ほえ~」
「それで今度は、このわたしの交渉力によってまずは1週間の食事を出してくれるようわたしが交渉したわけ! ふっふっふー! わたしにかかればお茶の子さいさいよー」
「ほんとに! 1週間は道端の草とかで飢えしのがなくてもいいんだ!」
わーいと騒ぐ部下。部下は全員女、女の子といった方が似合うかもしれない。部下の合計は4人ほどくらいしかいない。
(武力はあるみたいだな。魔力は感じる。魔法使いか。歩き方も隙がなさげ。ないのは生活力か……旦那さん苦労しそうだ)
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