ムーンショットを止めろ!

白い月

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生放送を止めろ

なんで危険なとこで生放送パリピをわたしが尻ぬぐいしなきゃなんないの

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「RTA(リアルタイムアタック)? 魔導PCでやるゲームじゃなくって?」
 とミハエルが呆れの感情を抑えずに言う。
「そうなんだ。僕の部下が遺跡探索に募集かけたら、そういう連中が集まったっぽくてね」
 とアリウスが申し訳なさそうにいう。
「部下がやったとはいえ、アリウス君らしからぬミス」
「で、わたしに何をしろと。ていうか落とせよそんな奴ら。
 そのリアルをゲームのRTAと同じに捉えてる頭チーバーンを全部殺して欲しいの?」
「あはは。そうじゃなくって。そーじゃないのをもいるけど。彼らも一応国民なわけだからこう、保護をね」
「保護者できる暇な連中を手配よろしくか」
「友達のよしみ金額はこのくらいでいいよアリウス君」
「いや、このくらいははらうよ」


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


「と、いうわけで君に白羽の矢が立ちました」
「…………他の人にしてよ。なんで危険なとこをパーティー会場みたいに認識してる生放送パリピをわたしが尻ぬぐいしなきゃなんないの」
 めんどくさそうな顔で水鏡冬華がそう答える。ミハエルは苦笑いしながら
「サリサも行くからそこまでしんどくはないでしょ」
「サリサもね……」
「あ、それとグリンくんも加わる」
「え、あの子……大丈夫なの?」
「わたし剣の腕とか見てきたけど君たちもいるなら大丈夫でしょ、斥候としても使えそうだよ」
「へえ……そうは見えなかったけど」
「スティィイイィタスの印象が強すぎるだけっしょ」
「まぁ、それはあるけど……」
「場所は?」
「君がグリンくんと斬り合いになりかけたすぐ近く」
「現地集合?」
「そだね。それでお願い」
「ふう……。わかったわ……報酬も悪くないし」


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


「水鏡さん」
 そう言って手を振るのはグリン。気のせいか隣の恋人は明るい感じになってるかも? と冬華は思った。
「巫女装束じゃないんですね」
「呪禁主体の時は巫女装束の方が気が引き締まっていいんだけどね。
 セーラー服の方が動きやすいのよ」
 冬華はセーラー服でパンスト姿に刀できめてきた。巫女装束だとどうしても足の動きが遅くなる。
「…………巫女装束の方が安全だと思いますけど」
グリンは、力に飲まれていて色々気が大きくなっていたとはいえ、一度その美貌に心奪われてプロポーズした身としては、正直ドキドキだった。
 パンストのシームなんて当たり前に見えている。膝上30cmてこんなきわどいのって思う位でチョコレート色にくるまれた太ももがまぶしい。
(そりゃあミニセーラー服なら足は動きやすいだろうけど。
 でも、その、パンスト越しにパンツ見えるから男としてはヒラリフワリにときめいてしまう。ドキドキする)
 と、同じニュアンスの言葉を本人――には言いづらかったので、よく水鏡さんをからかって遊んでいる十二単の桜雪さゆに打ちあけたことがある。すると、
「それねー、わたしも似たような質問本人にしたことあるよー」
 という言葉が返ってきた。
「パンストだから見られても恥ずかしくないんだってさ。スカートの中見えてもパンスト越しだから、生で見えるより視覚的ショック少ないでしょ色的に。生パンだったら慌てて隠すけど、肌の色に白は刺激強いわよ、だってさ。
 だから半竜巫女装束の時の方がパンツ見えた時大騒ぎするよ」
「女の人ってそう考えるんですね~」
「いやあ」
 とそこで、さゆは言葉を切り、考えるように首をかしげて、
「半竜独自の考えだと思うよ。わたしもセーラー半竜と同じくらい短いプリーツスカートで踊ってみたことあるけど恥ずかしいのなんのって! 意識がスカートに集中しちゃう。
 半竜は自己催眠でもかけてるんじゃないの? パンストならどんな動きして見えても恥ずかしくない! って。なんか地球でもそういう変なおまじない流行ったらしいじゃない
『パンツじゃないから恥ずかしくないもん』
 とかなんとか。それと似たようなものってわたしは見てるけどね~。
 でも君にとってはそのおまじない解けない方がお得でしょう? パンストにくるまれた半竜のパンツ見放題なんだから。
 刺激的でしょ? でも恋人がイライラするか。じゃあ恋人にもパンスト履いてもらえばいいじゃん」
 と、さゆのウインクを思い出す。
「やっぱり女でも特殊なんだろうな……」
 と、水鏡冬華の惜しげもなく見せつけているパンストにくるまれたおみ足を見た後隣にいる恋人を見る。彼女は、プイッとそっぽを向いた。この星に来てから感情豊かになった気がする。この星に来てよかったと思った。


「これ、生放送の奴ら罠に引っかかったっぽいですね~」
 とグリン。
 視線は、パンストミニスカ、大きな胸、顔。
(15歳だっけグリンくん)
 そのティーンエイジャーの男性のドキドキ視線を受けながら、
 水鏡冬華が呆れたようにぼやく。第2次成長期の男の子の自分でドキドキした視線に気づきながら。
「天丼天丼~とか騒ぐ声聞こえてたからね~。命かけてる奴には思えないわ」
「まったくです」
「斥候、頼むわね。それとも、わたしの体が罠だらけって言うのかしら?」
「と、当然です!」
(……それ、わたしの体が男に対する罠まみれですって意味にも取れるけど……)
ジト目で水鏡はグリンをみやる。
「罠はこれ以上ありません。このままいくならいっても大丈夫ってくらいにないです」
「わかった。信じるわ」
「は、はい……」
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