炎上ラプソディ 

怜悧(サトシ)

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「すっかり楽しんでしまったが、そろそろ帰らないと会合の時間でね」
衣服を整えて、遠野は帰り支度を始める。
すっかり出し切った彼は満足したような表情を浮かべて、ぐったりとシーツの波に埋まった統久の様子を見下ろす。
開いたままの脚の隙間から、電動の張形の背面が覗いている。
「君はもう少し楽しんでいくといい、結構出したから弾切れかもしれないけど、ベータがオメガを抱けるなんて機会あまりないだろうしね」
くすりとシェンに向かって笑いかけると、軽く手を振る。
スーツの上着を着ると、彼によろしくねと手を振り忙しそうに出ていく。
統久は精液まみれの顔を歪めたまま、ヒクヒクと弱々しく身を震わせている。
「大丈夫かよ、抜いてやろうか」
蠢くシリコンのグロテスクな張形を引き抜こうと引っ張ると、ぐぽりと白い液体が溢れ出てくる。
「ーーん、ふ、ぃああ、っ、や、ぬ、ちゃ、やだ」
首を振って嫌がるように身を震わせるのも構わずに、ずるりと引き抜くと、縁がヒクヒクと開閉して首を左右に振る。
「まだ、たりねえのかよ」
呆れたようにシェンは見下ろしながら、タオルで軽く拭う。
「ッンンッーーッふ、う、ほ、しい、なかッ.....っああ」
「わりぃけど、もう勃たねえよ」
腰を揺らしてねだる統久に手を振ると、ぐいっと力任せに押し倒されて、萎えた肉を口に含まれる。
「ーーっ、ちょ、無理矢理、かよ」
おもちゃを手にとってシェンの顔の前に跨がると、それをゆっくりぐちぐちと抜き差しする。
「ぐーーっ、ふ、う、ーーンンん、ふああ」
柔らかいままの肉を頬張りながら、ちゅうちゅうと吸い上げる動きに、シェンは眉を寄せる。
軽く玩具をくわえこんでいる穴をマジマジと見ると、割れ目は女性器よりも拡がっているようだ。
真っ赤に充血した肌はたまらないように何度も波打つ。
「ーーッくそ、勝手されるのは、腹立つな」
イラつきながらもすっかり昂った肉を吐き出され、騎乗位になってずるっとくわえこまれ、シェンは息を荒くさせる。
「そんなに.....ほしいのかよ」
「ーーッあ、ふう、うう、ンぁああ、おひん、ひん、ひもち、い、ほひい、あああ、ふかいっ」
ベッドのスプリングを利用して、手を伸ばして乳首を抓りあげながら、奥を突き上げる。

「こんだけ出したからな、そうやすやす達してやらねえからな」
覚悟しろと囁くと荒々しく何度も奥を揺さぶり子宮口を掻き乱した。



「気がついたか」
頭の中がぼんやりすると思いながら、統久は覗き込むシェンに焦点を合わせて頷く。
アルファに抱かれた後は、妙に身体の調子が良くなる。普段から抑制剤を飲んでいないので、意志のちからでフェロモンを抑制していることもあり、それがアルファに抱かれた後は勝手に抑えられる。
「あ、ああ.......」
声はガラガラで目の前の部下には醜態を晒したなと思いながら、額を掌で覆う。
「遠野、は」
「会合の時間とやらで帰ったぜ。部屋くらい片付けろっての」
不機嫌に眉を寄せているシェンの様子に嫌悪感がないのを確認すると、付き合わせて悪かったと告げた。
「アンタが帰れと言ったのを、帰らなかったのはオレだけど」
何謝ってんだと不思議がる様子に、重たい身体をベッドに沈めたまま、そうだったなと漏らした。
「いけ好かない奴だったな」
「遠野か?」
「別にアンタがしてることに口を出すつもりはないけど、人をモノのように扱って腹立つな」
シェンはトランクの中身を確認して、思い返すかのように苛立ちを口にした。
「アイツだけじゃないさ。大抵のアルファはオメガをモノとしか思ってはいないよ。別に慣れているし、奴とは長い付き合いだ」
「子供を産む道具とか」
「いや、オメガは稀少だからね。手に入れることがステータスなんだ。美しい綺麗な男性型も多いしね。人身売買が絶えないのもそのせいだ」
綺麗で美しく、ともすれば女性型よりも力がないオメガは攫いやすく御しやすい。
攫って調教してアルファへ多額の金で売りつけるのは、良い商売である。
「アンタはその心配はなさそうだけどね」
「世の中には変わり者も多いからな、余計に珍しがられることもあるぞ。実際売られたこともあるしな」
普通に憎まれ口を叩くシェンに、統久は安堵したのか疲労を滲ませた表情を浮かべた。
「まあ、他のしらねえけど。アンタは相当やらしかったな」
「褒め言葉として、受け取っておくよ」
「じゃあ、今回の潜入の成功報酬にオレにも遠野と同じものが欲しいな、と言ったら?」
トランクの中にあったデータの中身を確認しながら、事も無げに伝えるシェンに、統久は驚いたように顔をあげる。
「.....冗談」
「いいだろ、命懸けの仕事をするんだ。それくらいの役得があっても、さ」
敵の本拠地への潜入である。
かなりの大勝負になる。

「まあ、こんな体でいいならくれてやるよ」

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