竜攘虎搏 Side Tiger

怜悧(サトシ)

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ずるっとペニスを引き抜くと、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして、かはっかはっと士龍は嗚咽を繰り返す。
「ほら、にいちゃん、泣いてねえでしっかりしろよ?指で淫乱なメス穴、おっ拡げてやらしくおねだりしてよ」
頭を撫でながら涙に唇をあてると、精液まみれの唇を開いて、しゃくりあげながらオレを見上げる視線が、ひどく心許なくていつもの余裕がまったくないのに気がつく。
「た、たけお……ッ……たけお、ごめん、おこって、る?」
さすがに、ヤリすぎたかな。
あまりに責めすぎてプレイだと思ってねえのかも。
「…………おこってねーよ、プレイだプレイ。お仕置きなんだぞ。そんなふうに…………泣くなよ」
ずっと士龍を泣かせてやりてえとは思ってたけど。
そんなふうに悲しい顔をさせたいわけじゃない。
そうか、と呟いて気持ちを切り替えたのか、士龍はオレの体の下から少し這い上がり、視線を絡ませる。
「ウソばっかついたの、ごめん。俺…………にいちゃんでも、たけおのちんこほしい」
自分の指で穴を開き、情欲で濡れた目を向けられると、オレはたまらず、士龍のアナルから指を引き抜かせて自分の指も引き抜く。
「オレも、士龍の中に入りたい」
焦がれ死にそうなほど求めた相手の身体に、堅く猛った欲をズルズルと押し込んでいく。
柔らかく包み込むような蕩けた肉に溺れそうになる。
「ッぁ、あ…………ッく、あ、あ、あ、きもち…………ッいいッ…………ああ、ッたけお……たけお……ッ」
「ウソはもうつくなよ…………もう離さないからな」
足を肩に担ぎあげてぐぐっと奥まで貫くと、背を反らして士龍はギュウギュウと中を締め付けて身体を絡ませる。
全身を痙攣させて肉を必死に呑み込む様子は壮絶なくらい、官能的でたまらない。
「二度と離さねえよ。たとえ、アンタが終わりといっても、別れるとか、許さない」
ゆるゆると背中を撫でると、銃弾が当たった箇所が痛むのか、軽く眉を寄せて全身を硬直させる。
「ん、ッぁああ、…………ッひ、あああ、もッ…………わ、かれ、ない、から」
腰に腕を回して身体を固定させると、ぐっちぐっちと音をたてて中を抉って追い詰める。
感じ過ぎているのか悲鳴のような声をあげ始めるのにオレは興奮して、何度も首筋に噛みつき、どくどくとその胎内へと欲望を注ぎこんだ。
「全部、オレのだ。士龍…………」
「…………ッく、きゅうきゅう締め付けて、そんなに欲しかったのかよ、弟のちんぽはそんなにうまいか?」
ぐぽっぐぽっとわざとらしく抜き挿しを繰り返して兄弟を強調するが、先ほどとは違って優しく囁き、首筋を甘噛みする。
「アッ、あああ、なかああ…………っひ、いい、おと…………との、ちんぽ…………きもひ…………いい」
 弟に犯されてても気持ちがいいのだと言わせて、オレはなんだか満足する。兄弟とか、そういうのはもう関係のない話で、オレが好きで抱かれているのだと、その言葉が欲しくて仕方がなかった。
絡みついた脚に腰を押し付けられ、開発されきった士龍のいい場所を亀頭でゆるゆると擦ってやると、足の指先まで痙攣しているのが分かる。
「ッあ、ひ、ひッ…………おか、おかひくな…………っ、あたま…………とけ……ひゃ、ッくうう…………」
シリコンのペニスリングを外すと、びゅくっびゅくっと溜まった熱が溢れて腹へと飛び出す。
多分射精の快感は体の奥を貫いていることで、まったく感じてはいないだろう。
「ッーーう、うううう……あっ、あああ、ああ…………っで、で…………ちゃ…………イッ、ああ、いぐう、ああッ、いっちゃああ」。
 悲鳴じみた声をあげる士龍に絶頂に達したことが分かり、ぎゅうっと狭まる内部を、オレの張り詰めた肉茎で押し分け引き裂くように奥まで打ち込む。
「もっと出せよ、ぐちゃぐちゃになっちまえ」
 腹の上で跳ねている肉竿の先から溢れているのは、精子なのか尿なのか分からない液体で、目を見開いた士龍の緑の目はぐるっと上を向いてしまっている。
「……やあ、ああ、こ、あ、れりゅ、っへん、なるぅ、ひ、いい……ッ…………ッうう、あ、あ、あひぃ、ひ、は、あへえ、うう」
 甘ったるい声をあげて、すけべなあへ顔を晒して達しているのも構わずにオレは奥を突き回して、既に意識のない士龍の腹の奥へと思いのたけを注ぎ込んだ。

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